登録日:2022/07/06 Wed 20:55:10
更新日:2024/06/20 Thu 11:05:06NEW!
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志村けん 変なおじさん 田代まさし コント フジテレビ 腹筋崩壊 優香 柄本明 デシ男 イザワオフィス 松本典子 いしのようこ いいよなおじさん ウンジャラゲ じいさんばあさん ベテラン芸者
だいじょうぶだぁ~
『志村けんのだいじょうぶだぁ』とは、1987年から2020年までフジテレビで放送されていたコントバラエティ番組である。制作はイザワオフィス。
本項ではレギュラー放送分を中心に述べる。
【概要】
志村けんの冠番組で、コントとクイズコーナー(末期はトークコーナー)の2部で構成されていた。
全編コントにしなかったのは視聴者に飽きが来てしまうことを考慮したもの。
コントにはかつて志村も出演していた「8時だョ!全員集合」同様に俳優や歌手がゲスト出演し、後半には歌のコーナーも設けられていた。
レギュラーメンバーも志村以外は音楽グループ『ラッツ&スター』出身の田代まさし・桑野信義、アイドルの石野陽子(現:いしのようこ)・松本典子に元「おニャン子クラブ」の渡辺美奈代と非お笑い系で固められていた。
タイトルの「だいじょうぶだぁ」は、当時志村が出演していた「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」の1コーナー「だいじょうぶだぁ教」に由来する。このコーナーは本番組開始後に消滅している。
放送時間は月曜20:00で、後続の月9ドラマとともに当時のフジテレビを支えた人気番組の一つである。
後半は現在も続く「世界まる見え!テレビ特捜部」(日本テレビ)との視聴率争いが続いた。
1991年からは「だいじょうぶだぁファミリー」と称する舞台版を上演。
この舞台は後にバカ殿をメインとした「志村魂」と名前を変えて復活し、志村が亡くなる前の2019年まで上演が続いた。
1992年に石野・松本といったレギュラーが卒業し、翌1993年9月にレギュラー放送を終了。
その後は『志村けんはいかがでしょう』→『志村けんのオレがナニしたのよ!?』→『けんちゃんのオーマイゴッド!』を経て、単発スペシャルが「バカ殿様」と交代で志村が亡くなるまで制作されていた。
また、本作以降もフジテレビでは長らく志村けんレーベルのレギュラー番組が深夜で制作されており、2005年から2008年にはスピンオフともいえる「志村けんのだいじょうぶだぁII」を放送。こちらは過去作が再放送されることもあった。
その一方、田代まさしの不祥事の影響もあってか、完全な形での再放送は現在地上波・衛星問わず絶望的となっている*1。志村の追悼番組等で映像が使われる際にも、田代の出演部分が放送されることはない。
2020年4月からの1年間は志村の追悼および日本赤十字社への寄贈を目的とし、(田代出演シーンを含めて)番組本編がYoutubeで公開された。
2009年にはDVDも発売されている。
【主なコント】
- ご存知!じいさんばあさん
ばあさんや!じいさんや!
番組を代表するコントその1で、毎回のオープニングコントとして製作されていた。
ばあさん(志村)、じいさん(田代)、孫(松本典子→渡辺美奈代)がこたつの上で会話を繰り返すもの。
会話の中には1960~70年代の歌謡曲をネタにしたギャグが多数登場し、最後はかつてNHKで放送されていた「お笑い三人組」のパロディで締めていた*2。
コントの中では途中から唯一公開収録を実施しており、(募集していないにもかかわらず)視聴者投稿のネタが採用されることもあった。
派生作品として「婆様と爺様のセレナーデ」なる楽曲も発売された。作詞作曲は番組にゲスト出演の多かった吉幾三が担当。後に『金曜オンステージ』「ふたりのビックショー」での沢田研二とデュエットバージョンが沢田のNHK映像DVD集に収録されている。
- 変なおじさん
そうです、私が変なおじさんです。
番組の代表的コントその2。
詳細は当該項目参照。
- いいよなおじさん
○○はいいよなぁ~
志村扮する「いいよなおじさん」が、女性に「○○はいいよなぁ~」と言いながら、勝手に人のものを食べたり、映画のネタバレをしたりするなどして気持ち悪がられるというもの。
登場する際は殆どの場合ぬ~っという効果音が流れる。
- ウンジャラゲ
元々は「ハナ肇とクレージーキャッツ」の楽曲で、それに独自の振り付けを付けたもの。
踊りは原曲時のパフォーマンス(TBS『植木等ショー』より)を元にしたサラリーマン姿の他、バカ殿や警官、幼児や原始人など様々なバージョンで収録しておりそれをつなぎ合わせて放送していた。
途中からは視聴者からのダンスを募集しており、後半コーナーで紹介されることもあった。
この曲で「FNS歌謡祭」にゲスト出演した際は、クレージーキャッツのメンバーで元祖でもある植木等と共演を果たしている。
- パイのパイのパイ体操
パイのパイのパイ♪
チンチロリン♪
ウンジャラゲの後継企画で、志村と石野の前にレギュラー陣が集まり体操を行うもの。
体操は女性側が相手の股間、男性側が相手の胸をつかむようなポーズを行うというゴールデンでよくできたレベル。
当初は子供番組風の衣装だったが、原始人やヤクザに扮したバージョンも登場するようになった。集合時に悪ガキ役に扮した田代を志村がガチで殴るシーンも見どころ
- 夫婦の会話
ご、ご、五時~!?
志村と石野扮する夫婦が就寝前の会話を行うもの。
当初は会話芸だったが、回を追う毎に連れて歌やダンスなど華麗な連係プレーが見られるようになった。
毎回のオチは会話の結果、朝の5時まで眠れなかったというものだった。
- まさしと典子
田代と交際している典子が、田代の行動をエッチな方向に勘違いしてしまうコント。
志村がほとんど登場しなかった珍しいコントでもある。
- デシ男
志村扮する新人(主にビアガーデンのウェイターなど)が、上司の指示の下でいろいろと挑むが要領が悪くてやる事すべてが失敗、最後はクビになる。
- 好きになった人
様々な状況でいきなり都はるみの「好きになった人」がかかり、その場で出演者全員がフォークダンスを踊るコント。
- ひとみ婆さん
ひとみと申します~ひーちゃんって呼んでください~ フンフンフンフン...
番組の代表的キャラクターその3。
詳細は当該項目参照。
- 赤ちょうちん
70年代の男女の恋愛を描いたコントで、かぐや姫の「赤ちょうちん」をバックに歌詞と同じ行動を取るが、
途中で「雨がつづくと仕事もせずに キャベツばかりをかじってた」の無限ループが開始され、キャベツをひたすら齧るだけの地獄に突入する。
このコントは同じ志村の冠番組「天才!志村どうぶつ園」(日本テレビ)でチンパンジーのパン君と一緒に行ったことがある。
- おハナ坊
おハナ坊~♪おハナ坊~♪
志村扮する父親と石野扮する娘・おハナによるコントで、ボケの石野に志村が振り回される珍しい形態のコント。
「ドリフ大爆笑」のばか兄弟に近いキャラクターで、その筋から苦情が来て中止になったと言われている(のちにスペシャルで復活済み)。
- ヤクルトマン
毎回ピンチに陥った松本の前に、ヤクルトスワローズの衣装を着た正義のヒーロー・ヤクルトマンが登場する。
当時松本と婚約→結婚したヤクルトスワローズの笘篠賢治選手がモデルで、志村のコントでは珍しい内輪ネタを題材としたもの。
なお、後にヤクルトが発表した同名のキャラクターとは無関係。
- ベテラン芸者
出た出た出た!けん奴姉さんのおとぼけ大作戦!
柄本明と志村扮するヒマな芸者のやり取りを描いたコント。
最初は若手芸者に対する愚痴から始まり、そのうち「銭湯で貸した10円を返せ」等のせこい金のやり取りにつながり、志村は放送時点での時事ネタでごまかし、お金の話題が出て再び銭湯の話に戻る→再び時事ネタでごまかす…というのが流れ。
出番が無いので女将さんから帰ってくれと言われるorトイレ掃除を言い渡されるのが毎回のオチ。
芸者ということで「バカ殿様」内でも頻繁に放送されており、通算90回近く制作された。
余談だが柄本は本作の常連ゲストの一人で、コントは志村さんとしかできないとインタビューでしばしば答えている。
- 志村社長とキャバ嬢優香
けんちゅわ~ん
場末のキャバクラ嬢に扮した優香が中小企業の社長に扮した志村に様々なおねだりをするが、
そのおねだりは志村の予想を超えるものが毎回のお約束。
元々は深夜番組の「志村魂」等で放送されていたものだが、好評につきスペシャル版に登場するようになった。
- 貧乏親子物語
スペシャル版で毎回登場するようになったコント。
詳細は当該項目参照。
- シリアス無言劇
レギュラー放送時代の後半に放送されていた、お笑い要素のないガチドラマ。
「コントの中に予告なく悲しいドラマを入れることで視聴者を驚かせたかった」という意向から制作された。
BGMはオカリナ奏者・宗次郎の「悲しみの果て」。
派生として、無言劇風に見せかけて変なおじさんが登場する、BGMコントで「悲しみの果て」を流すなどのセルフパロディも見られた。
【後半コーナー】
いずれも公開収録で実施された。
- クイズなんだろな
なんだろな!
\なんでもねえよ!/
番組後半のクイズコーナー。
志村・松本・田代が進行を担当*3し、レギュラーおよび歌のゲストが回答者になってクイズに挑戦するもの。
クイズの内容はリアクションや曲名・方言当てなどがあった。
- 人間ルーレット
人間!ルーレット!
観覧に来た視聴者がランダムで抽選され、豪華賞品を狙ってルーレットに挑むもの。
ルーレットは内側でルーレットマン、外側で賞品の書かれたリングが回転するような形になっており、ボタンを押して二段階で停止させる。
主な賞品はハワイ旅行や高級指輪、ビデオカメラなどがあったが、タワシやトイレットペーパーなどのハズレ景品もあった*4。
このコーナーには素人時代の優香一家が出演したことがあり、「だいじょうぶだぁII」で紹介されたことがある。
再放送などでは応募受付のテロップに加工処理がなされていた。
【余談】
- コントのBGMには同じフジテレビの「らんま1/2」のBGMが多用されていた。また東映特撮のBGMも多く、「超人機メタルダー」*5、「世界忍者戦ジライヤ」*6、「特救指令ソルブレイン」*7などの劇伴が使われた。
- 本作で共演していた志村と石野は週刊誌でも交際が噂されるようになり、志村はそれを逆手にとって石野と二人で交際宣言風のドッキリを行うというネタを後半コーナーで披露したことがある。
追記・修正、だいじょうぶだぁ?だいじょうぶだぁ!
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▷ コメント欄
- 「好きになった人」のあっさり具合は笑うしかない。文章で説明するとそうなっちゃうよね -- 名無しさん (2022-07-08 17:41:14)
- パイのパイのパイチンチロリンはこれ、よくゴールデンで放映できたなと感心する。 -- 名無しさん (2022-07-08 18:36:24)
- 放送末期、檀蜜やマツコ・デラックスがよく出演してくれていたのは、その人選センスに感心していた。今風の芸能人の中では、こういう世界観に溶け込める数少ない貴重な逸材だったよね。 -- 名無しさん (2022-07-09 20:39:03)
- いいよなおじさんは今でもトラウマ -- 名無しさん (2022-08-11 20:32:44)
- 無言劇は初見だとびっくりするよね。オチはどこで来るんだろうと思ってあれ?となる。そして分かる志村けんの演技力の高さ。 -- 名無しさん (2023-01-14 16:36:43)
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*2 当初は孫が「お小遣いをためて爺さん婆さんの墓を買う」等ブラックジョークオチで締める例が見られた。
*3 田代は回答者も兼任。
*4 この場合は志村の裁量でウォークマンなどがおまけで贈呈されることも。
*5 西部劇のロシアンルーレットのコント。
*6 時代劇コント。ドリフ大爆笑でも使用された。
*7 選挙演説コント。
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