ドゥークーのソーラーセイラー

ページ名:ドゥークーのソーラーセイラー

登録日:2021/01/13 Wed 22:00:00
更新日:2024/05/24 Fri 13:26:23NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



タグ一覧
スター・ウォーズ star_wars 分離主義勢力 独立星系連合 ドゥークー伯爵 隠密 潜入 宇宙船 帆船 骨董品 美麗 優雅 ジオノーシス ドゥークー専用リムジン セレノー ソーラーセイラー ソーラーセイル プンウォーカ116級恒星間スループ セイル=帆 撃墜されてもなぜか戻ってくる ステレス グリー帝国 ドゥークーのソーラーセイラー




「腕を上げたのう、かつてのパダワンよ」
「まだまだ小手調べ・・・・・・!」




ドゥークーのソーラーセイラー(Solar Sailer)とは、スターウォーズ・シリーズの登場機体。
ドゥークー伯爵の所有した小型宇宙船である。
分離主義勢力/独立星系連合所属。


正式名称は「プンウォーカ116級恒星間スループ」(Punworcca 116-class interstellar sloop)。けどほとんどの人はこの名前じゃわかんない


太陽を利用した宇宙ヨットの機能があり、シリーズでの数ある宇宙船の中でも特に優美な外観を持つ。




【性能諸元】

製造 ヒュープラ・パーサ・ティスク・シップライト・コレクティブ社(ジオノーシス企業)
全長 15.2 m(帆展開時:105.16メートル)
全幅 4.6 m
全高 4.8 m
最大加速度 1,000 G(帆使用時)
最高速度(大気中) 1,600 km/h
ハイパードライブ能率 クラス1.5
動力機関 ソーラーセイル
     (ドゥークー機:グリー製)
     (一般機:ジオノーシス製)
乗員 一名(推奨)




【機体概要】

◇外観

全体の外観は、さながらアーモンドナッツ
それを上下に割り、挟み込むようにして操縦席・キャビンが組み込まれている。
全長約15mとシリーズの宇宙船としても小型で、かつ細長いデザインをしているため、内部容量・積載量は少ない。
実質は一人用といっていいぐらいの船である。
(参考までに、ミレニアムファルコンが全長(直径)35m、ゴーストが全長45m。しかも、横幅の広いゴースト、円盤状のファルコンに対して、このソーラーセイラーは細長く、横幅が5mもなく、内装はもっと狭い)


なお、操縦席は前方にあるが、乗降口は船尾にある。



◇ソーラーセイル

この船の最大の特徴は、セイル=帆。帆船なのだ。
船体の上下を構成するアーモンド状の外郭を左右に開くと、仕込まれていた「ソーラーセイル」が飛びだし、前方に広がりマスト状(正面から見ると大きな楕円状)に広がる。
このマストは黄金に輝き、水面のように波打つ、非常に優美なデザインをしており、また船体も展開ギミックを開くことでメカニカルな意匠に早変わりするため、展開前のやや地味にも見えるデザインから一変、SW世界でもさらに未来的な機体となって、見る者を魅了する。


もちろん伊達や見栄えでこんな姿にしているのではない。
ソーラーセイルは星間エネルギーを効率的に吸収し、ワイヤーを通してエンジン部に送っている。
さらにエンジン部ではそのエネルギーをうまく増幅・運用し、ハイパードライブの運用も可能とした。
なお「ソーラー」という名前こそついているが、吸収しているのは太陽光よりも、タキオン粒子と紫外線レーザーがメインとのこと。
宇宙では星間エネルギーは無尽蔵にあるため、燃料などを気にすることなく長期間航行ができる


もちろん、このソーラーセイルは難点も多い。普及していないのはそのためだ。
第一に、ソーラーセイルはそれ自体は柔らかいため、方向を変える際に慎重にしないと、星の重力に引かれて帆が傾いだり、痛んだりする。
第二に、ソーラーセイルで充電できるようにするにはやはり帆を大きくしなければならず、サイズがかさむ。
第三は、宇宙には細かいゴミや隕石もあるが、ソーラーセイルは脆いために穴が開いてしまう。


しかし反面で、ソーラーセイルは燃料を使わずにハイパージャンプまで可能とするため、燃料を使用する際の廃棄物や熱量が少なく、航路を探知されにくいことが利点であった。
また、エネルギーを宇宙から充填するため、ハイパードライブやエンジン、エネルギータンクなどを小さくできる(その分セイル収納スペースが要るのでどっこいどっこいだが)。



特に、このドゥークー機に施されたソーラーセイルは、銀河共和国が産まれる二万五〇〇〇年前よりもさらに古代にまでさかのぼるという超古代文明、グリー帝国の遺産を彼自らが発掘したものであるとされ、テクノロジーが進歩したSW世界でも他に類を見ないほどのオーパーツであったとされる。
そのため、エネルギー吸収能力は他のソーラーセイルとはケタ違いのものがあった模様。その能力は「神秘的」とまで謳われた。




なお、船体そのものはジオノーシスのテクノロジーによって作られている。そのため、ジオノーシアン専用スターファイター(正式名称:ナンテックス級領域防衛スターファイター)とは外観に共通項がみられる。特にソーラーセイル収納時はそっくり。
また、ドゥークー機は特注のセイルとなったが、一般販売されるプンウォーカ116にはジオノーシス製のセイルが搭載されるとか。


セイル収納時の運動性能もかなり高く(ジオノーシアン専用スターファイターの設計を応用しているためか)、超一流ジェダイが駆る宇宙戦闘機に襲撃されてもドッグファイトができるほど。


また、ドゥークー機の製造は特にポグル・ザ・レッサーが主導していたが、初対面からすぐに取り掛かり、完成するや代金なしで贈与したため、
ドゥークーはその出来栄えも含めて大いに喜び、以後彼とは特に親しくなったという。
この「ポグルとは仲がいい」という設定は、何気に「ドゥークーは内心でエイリアン種を軽蔑している」設定があったころから存在していたとか。




◇セキュリティシステム

そのほかの設備としては、徹底的に強化されたセキュリティシステム・ステレスシステムが目立つ。
その隠密性は極めて高く、ドゥークーの愛機として周知されていながら、警戒網をすり抜けて敵対中の組織の本部*1にまで悠々と忍び込めるほどのものがあった。


通信設備にも同様にセキュリティシステムが徹底されており、わけても客室に設置されたホログラム通信設備はダース・シディアスからの直接通信を行うためのものであったため、盗聴防止機能が非常に強かった。
というか、ドゥークーを弟子としてからのシディアスは、表の立場が「共和国の最高議長」という、コルサントから離れにくく衆目を浴びる地位であったため、この通信装置を通してドゥークーにシスの修行をつけざるを得なかった。
(後は、ドゥークー自身がこの機体でコルサントに侵入し、廃工業地帯「ザ・ワークス」の秘密基地で直接面会し修行した)
そのため、嫌でもシスの機密を通信で送信しなければならなかったのだが、十三年にわたって一度も漏れることは無かったという驚異の実績がある。


さすがに、このセキュリティシステム(特に通信関連)についてはドゥークー機のみの特別装備と思われるが、
一般販売機も、小柄なことやソーラーセイルの都合から、発見されにくい機体ではあろう。



◇居住性

長期間航行を前提としているだけあって、居住性はかなりのもの。
小型船ながらもソーラーセイルのおかげでエンジン関係を小さくできたため、見た目よりも内部は快適。
特に船内にある書斎には、銀河系の星間地図、あらゆる本を内蔵した電子書籍、ホログラム通信装置などが用意されていた。
見た目に似合わず広いスペースもあり、ドゥークーがシスの修行を積むことも出来るほどだった。


ただ、それだけ設備を詰め込んだためか、コックピットはやや狭そうな印象があり、背の高いドゥークーが立ち上がると、風防に頭が迫っていた。
そのためかドゥークー機の運転は長期間座っても問題ないドロイドが勤めている。



◇その他の設備

戦闘艦でないためか武装は施されていない様子。装備できないとも語られていないが。
ただしシールド発生装置は積まれており(というかそうでないと大気圏突入時に燃え尽きる)、小柄な見かけよりも頑丈
セイルを痛める隕石やデブリなどの対策として、リパルサー(反重力)系トラクタービームも多数搭載しているため、回避能力もそれなりにある。
さらにリパルサー装置を応用して、追ってくる敵に対して隕石やデブリをぶつける、という芸当もできるとか。




◇総評

宇宙船としては小型ながら居住性に優れ、ソーラーセイルのおかげで長期間の航行や隠密航行が可能なことから、少人数が用いるなら取り回しに優れた船だった。
さらに、ソーラーセイルの優美さ、セイル展開時の未来的なデザインはいずれも美しいため、ドゥークーも愛用した。
その愛好っぷりは、一度撃墜されたのにわざわざ回収したほど。


また、彼はこの船を複数保有していたようで、アサージ・ヴェントレスサヴァージ・オプレスなどに貸し与えたことがある。しかも、いくつかは奪われてしまったものもあった。
これら弟子たちに貸し出した船はソーラーセイルを展開する描写がなかったが、ドゥークー機のグリー帝国製ソーラーセイルがこれらにまで使われていたのかは不明。
一般販売されるジオノーシス製のソーラーセイル搭載機だったのかもしれない。




【劇中の活躍】

映画本編ではEP2のラストのみに登場。


ドゥークー伯爵がオビ=ワン・ケノービアナキン・スカイウォーカーに追いつかれた場面で、パイロットドロイドが駆け込むシーンで船尾が初登場。
その後、ドゥークーがジェダイ師弟に続いてヨーダと切り結ぶさなか、不意に戦いを放棄したあと、船に飛び込んだ。
直後にソーラーセイラーは出港。パドメ・アミダラとクローントルーパーが砲撃を加えるが個人携行の火器では通用せず、悠々と大気圏外まで脱出。
宇宙に出るや、仕込んでいたソーラーセイルを展開し、銀河の彼方へと飛び立ってしまった。


このソーラーセイルを展開するシーンは、デザインの美しさに加えて宇宙空間ゆえの展開ギミックの霊妙さ、背景でコアシップと合体・復活するルクレハルク級母船の球体デザインの見栄え、そして煌めくようなBGMまでが加わって、たいへん美しい仕上がりとなっている。



その後、この船はもはや敵地であるはずのコルサントに堂々と侵入。
廃工場施設「ザ・ワークス」の尖塔に我が庭のように悠然と侵入し、シス卿師弟の密会現場まで案内した。




映画本編ではこれだけだが、クローン大戦の時期を描くスピンオフではドゥークーの足としてしばしば登場。到着や脱出で必ずといっていいほど出てくる。
一方、ソーラーセイルを展開する場面はほとんどない。描くのが難しかったのだろうか。もったいない。
その隠密性を活かして、敵地への侵入までできる。


ゲームジャンゴ・フェット」では冒頭のワンシーンながら船内の様子も描かれ、意外と広い客室を持つことが判明している。


「クローン・ウォーズ」ではホンドー・オナカー初登場のエピソードで一度アナキンたちに撃墜されたことがあり、パイロットドロイドも明白に破壊されていた。
しかしその後も何事もなかったかのように登場。
また、アサージやサヴァージに貸し与えられたこともあるが、これはドゥークー機ではないらしい。
特にサヴァージに至ってはこれを借りパクしてしまった。
また、先述した通り破壊されたはずのパイロットドロイドも何食わぬ顔で戻っている。



ただ、さすがに戦闘指揮までこなす機能は無く、艦隊指揮の必要がある場合はドゥークーもプロヴィデンス級戦艦に座乗している。



EP3には登場せず、どうなったのか微妙に不明だが、一般にはEP3でグリーヴァス将軍の旗艦「インヴィジブルハンド」に合流する際ドゥークーが足として使用し、
その後インヴィジブルハンド撃沈(コルサント墜落)時に喪失した、というのが定説の模様。



【余談】

デザインの大本は、EP1ナブー女王専用ロイヤル・スターシップの没デザインの一つ。
浮世離れするほどの優美なデザインなのも、ヌービアン系列の船と考えると納得がいく。
さらに、ジオノーシスの設定を重ねていくうちに

  • ナブー系ののようなデザインを削除
  • ジオノーシアンの昆虫的要素を導入
  • ドゥークーのエレガント気質を考慮

などと設定を加えていき、あの通り優美な船になったとか。
セイルについてはのイメージも加わっているらしい。


また、当初ドゥークーの船はリムジンのイメージがあり、操縦席と客室は繋がっていないデザインを想定したそうな。
しかし、撮影過程で「パイロットドロイドの横に座るドゥークー」の絵が必要になったため、操縦席が前方に突き出るデザインに変わったらしい。




ソーラーセイル式の宇宙船は珍しいという設定だが、まったくないわけでもない。
その内の一機は、カートゥーン版「クローン大戦」でアサージ・ヴェントレスが驚異的な運動性を披露した「ジニベックス級スターファイター」である。
球体状のコックピットに、扇状に開く赤いソーラーセイル、小型なデザインが印象的。




空想科学読本」の柳田理科雄氏は、このドゥークーのソーラーセイラーについて「SWで一番好きな船」に挙げている。
もっとも「太陽光という非力なエネルギーを使っては、とてもじゃないがスピードは出ないのでは」と計算されてしまったが。
まあそうだよな・・・・・・





追記・修正はリムジンに乗った経験のある人にお願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600)

[#include(name=テンプレ3)]


  • SWの船でも飛び切り好きな船です。以後はルクレハルク、プロヴィデンス、ドロイドファイターの予定。 -- 作成者 (2021-01-13 22:04:29)
  • ナブーっぽい...言われてみれば確かにEP1に出てきそうだ。 -- 名無しさん (2021-01-13 22:27:01)
  • なんじゃこりゃと思って調べてみたけどかなり優雅なポッドレーサー -- 名無しさん (2021-01-13 22:40:14)
  • ↑続きみたいだな。いいデザインだ。 -- 名無しさん (2021-01-13 22:40:53)
  • 空想科学読本では動力の強さについてだけじゃなくて「敵から逃げるのにヨット使うってなんだか悠長だな」っていうごもっともな突っ込みはいれてたけど、そこら辺は頑張って設定補強してある感じなのね -- 名無しさん (2021-01-14 10:42:51)
  • ルクレハルク級が戦艦でプロヴィデンス級が空母だぞ -- 名無しさん (2021-01-15 15:29:02)
  • プロヴィデンスは空母 戦艦 駆逐艦を兼ねてて(作中描写では専ら戦艦)ルクレハルクは戦艦(実質空母)だからこれであってるぞ SWの表記は現実のそれと違う -- 名無しさん (2022-05-05 15:51:26)
  • 『ビークル・クロスセッション』という資料集にあったソーラーセーラの設定画見てこれはお貴族様の乗り物ですわと感嘆した。内装含めて上品すぎる -- 名無しさん (2023-05-15 12:36:07)
  • そういう番組かと思った -- 名無しさん (2023-05-15 13:10:38)

#comment(striction)

*1 銀河共和国の首都コルサント、麻薬密売組織パイクシンジケートの母星オバ・ダイア、モール率いるシャドウコレクティヴの拠点オード・マンテルなど。いずれも厳戒態勢の敵陣本拠。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧