伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠

ページ名:伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠

登録日:2019/01/31 Wed 00:00:28
更新日:2024/03/28 Thu 13:39:35NEW!
所要時間:約 5 分で読めます



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… …。
テンゴク カラ ミテイテネ、
ワタシガ、カナラズ
カナラズ… …。


オトウサン… …。





伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠とは、ハッピーミール制作のADV。
Nintendo switchにて発売。
価格は1000円


  • 「偽りの黒真珠」テーマソング

「儚い珠のように・・・」
歌:星守 紗凪 作詞/作曲:森 彰子


  • 「ミステリー案内」テーマソング

「運命のヒロイン」
歌:岩岡 玲湖 作詞/作曲:森 彰子





■概要

ハッピーミール開発、フライハイワークス販売で発売されたサスペンスADV。
東京の上野で起きた浮浪者の死亡事件の謎を、被害者が持っていた黒い真珠を手掛かりに二人の刑事が伊勢志摩へと向かうというストーリー。
キャッチコピーは「伊勢志摩を舞台に繰り広げられるファミコン式コマンド風アドベンチャーゲーム」



今作最大の特徴は、あえて今の時代に「ファミコンスペックでの再現」にこだわり抜いたゲームデザインであり
8bit風のグラフィック&BGMに、コマンド選択型ADVシステムと、徹底的にファミコン時代のADVの再現に力を注いでいる。


その再現っぷりはかなり徹底しており、ぱっと見いつの時代に出たのかわからないレベルでの見た目になっている。
かのファミコン時代の名作「ファミコン探偵倶楽部」や「ポートピア連続殺人事件」「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」などと並べても
ほぼ全く違和感がなく、まさに驚異の再現度。
電子説明書も付いているが、こちらもわざわざ当時のカセットについてきたものを電子説明書に落とし込んだ風の再現がされており
紙の折り目やカセットの取り扱い説明、手書きのメモ欄など、明らかに不要なものまで作り込んである。


さらにキャラクターデザインは「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」の荒井清和氏であり、まさかの当時の絵師本人を起用している
作中のドット絵も、荒井清和氏本人が担当。
そのためまさにあの頃のADVの新作とも呼べる出来となっており、やればファミコンをやっていた時代にタイムスリップできるかのような作品となっている。


ちなみに当然昔のテンポも再現しているので、今のADVと比べるとテンポが遅いと感じてしまうこともあるが、
ここら辺はスタッフの間でも、早くしたいと思う反面、あの辛いのを再現したい、とかなり葛藤があったらしい。
しかしこの作品に期待されているのはレトロ感だと思い、そっち方面に振り切ったとのこと。



ストーリーは伊勢志摩を舞台に、東京で上がった死体の事件の謎に迫っていく流れとなっている。
タイトルにミステリー案内とあるように、どことなく観光案内のように各地の特産品や名所の案内が入るのも特徴。
しかし中心は死体が持っていた謎の黒真珠から発する、真珠を巡る職人たちや企業の裏側、
そしてそれらを取り巻く人々の愛憎劇であり、雰囲気は船越英一郎や沢口靖子出てくるようなサスペンスドラマに近い。
そのためプレイした人間からは、「テレビの2時間ドラマSP見ていたような感じになれる」ともっぱらの評判。


PVでは岩崎宏美風のテーマソングと共に実写での伊勢志摩の景色が流れており、より一層火サス木ミスの雰囲気を醸し出している。
ちなみにボーカル付きのテーマソングは作中は流れないが、公式サイトや説明書を開くと聞くことができる。



なお、今作は公式からゲーム実況等の動画配信についてはお願いが出されており、
「当面の間、『2日目の前半程度』まで」との案内がされている。





■ストーリー

東京は上野の公園にて、変死体が発見される。


被害者は、その公園を徘徊していた浮浪者。
主人公であるプレイヤー(刑事)とその後輩、開明寺ケンは、
捜査を進めるうちに浜〇真珠(〇はかすれてて読めない)と
書かれた巾着袋を発見する。


それが伊勢地方で作られたものだと判明し、
スマートフォンで検索すると
3つの”浜〇真珠”が該当。


主人公たちは、さっそく伊勢志摩へと向かうのだった……。


(公式サイトより)




東京上野の公園で発見された名もなき変死体。


事件と事故の両面から捜査が進む中、
刑事であるアナタと後輩のケンはたった一つの遺留品から、
黒真珠「蒼月」の疑惑へと辿り着く。


だがそれは、伊勢志摩を舞台にした悲しい連続殺人事件の幕開けに過ぎなかった……。


(取扱説明書より)




■システム

  • ファミコン風コマンド選択

主人公の行動は全てコマンド選択式であり、これらを使って後輩のケンに指示し
事件の真相を探っていく。
コマンドは「ばしょいどう」「きけ」「しらべろ」「みせろ」「よべ」「スマホつかえ」「もちものみろ」の7つ。
また場面によってはコマンドが変わることもある。


  • スマホ

コマンドで「スマホつかえ」を選ぶと、さらに別のコマンドが選択できる。
コマンドは「れんらく」「カメラ」「けんさく」「ゲーム」「そうさメモ」の5つ。
なお「そうさメモ」を選択すると、ゲームの進行をセーブできる。


  • 表示

画面表示を当時の風合いを表現したドットバイドット表示と、拡大表示の切り替えができる。
ファミコンの雰囲気を味わうなら当然ドットバイドット一択だが、文字が見づらい場合は拡大にすると見やすくなる。





■舞台

  • 伊勢志摩

言わずと知れた、お伊勢参りや真珠の養殖で有名な観光地。
被害者がここの真珠会社と思われる名前が書かれた巾着袋を持っていたことから、手掛かりを求めて主人公とケンは向かうこととなる。


現在伊勢志摩の真珠産業は、「レ・ビジュー」という会社が開発した黒真珠・蒼月が注目を集めており
海外からの取引も大きくなる一方で、悪徳業者の粗悪品が出回るなどの問題も起きている。
また浜西・浜宮・浜月という三つの真珠業者があり、養殖・加工業を行っている。





■登場人物

  • 主人公

警視庁捜査一課の刑事。
名前や名前入力はなく、「センパイ」や「けいじさん」と呼ばれる。
後輩のケンが死体を発見したことがきっかけで今回の捜査に加わり、伊勢志摩まで足を延ばすこととなる。


基本的にコマンドでケンに指示して調査を進めていくため、固有のセリフなどは無し。
また情報機器に疎いのか興味がないのか、スマホを持っていない。
そのためケンからは早くスマホを持つようにせっつかれている。



  • ケン

主人公の後輩刑事で今作の相棒。
フルネームは「かいめいじ ケン」
浮浪者の死体を偶然発見したことから、捜査を担当する。
まだまだ半人前だが、気持ちは誰にも負けない熱血刑事。


ちなみに主人公のビジュアルはないため、イメージイラストやアイコンの絵でセンターに描かれているのは彼。
ゲーム中でも主人公の指示を受けて捜査するため、行動するのももっぱら彼である。
また、食レポスキルが妙に高い。



  • 浮浪者

東京の上野公園不知火の池で、水死体となって発見された謎の人物。
事件か事故かは不明。
50代の男性で、右目に大きな傷があるのが特徴。


身元不明でその確認のために捜査をしていたところ、
生前使っていたロッカーが発見され、そこに謎の黒真珠が入った巾着袋が見つかったことから
舞台は東京から伊勢志摩に移ることとなる。




  • 珠海

主人公とケンが伊勢市駅で知り合った美大生。
東京の美術大学に通っている21歳。
ジュエリーデザイナーを目指して勉強している。


志摩出身であり、ひょんなことから知り合った主人公たちにお伊勢参りの案内を申し出る。



  • カナ

写真の専門学校に通っている専門学校生。
フォトグラファーを目指しており、雑誌編集のアルバイトで伊勢に訪れている。
こちらもひょんなことから主人公たちと知り合うことに。


中学生までは伊勢志摩に住んでおり、それなりに土地勘がある。



  • 咲子

伊勢志摩で真珠工房・浜月真珠を経営している女社長。


父親が先代の社長であり、現在会社は苦しい経営状態が続いているが
女手一つでなんとか切り盛りしている。



  • 西沢

主人公たちの前にたびたび現れる謎のルポライター。
自称「正義のルポライター」で、とある事件を追っている。


飄々とした態度をとっており非常に胡散臭い。
が、彼が持ってくる地元の情報はとても貴重。



  • 黒岩

鳥羽に本社を置く真珠会社・レビジューの社長。
深い色合いを持つ黒真珠・蒼月を開発したことで世界的に注目され
一代で会社を大きく成長させた凄腕。


一方で、急成長の裏には他社から職人の強引な引き抜きや吸収合併があったとされ、黒い噂が絶えない



  • 田村

レビジュー幹部の中年男性。
レビジューの真珠職人で温和な性格をしている。





■余談

  • どうしてこんな作品が出来たのかというと、ハッピーミール代表の関純治氏がファミコンソフトにとても愛着を持っている人であることが原因。
    というかこの関氏、かなり重度のファミコンファンであり、これまでも自社のアプリゲームを個人的にファミコンカセットで製作したり、
    中古ファミコンソフトで名前が入ったカセットの持ち主を探すWEBサイトなどを立ち上げている本物である。
    ちなみに今作も個人的にファミコン版のカセットを作る予定らしい。

  • そもそもの企画はAndroid用アプリ『チョイスゴコンピュータ Touch』に収録された「肥後連環殺人 迷宮のブロードウェイ」が原型となっており、
    こちらは体験版も配信されていたが、事実上の開発中止になっていた。
    それを数年後にシナリオを刷新して開発を再開。
    発表当初は3DSでの配信を予定しておりTGS2017にも出展されていたが、その後プラットフォームをNintendo switchに変更し、2019年に発売される流れとなった。

  • 作中プレイできるスマホのゲームは、ハッピーミールが10年ほど前に携帯アプリとして発表した「忍者カイ」というゲーム。
    ちなみに、こちらも非売品のファミコンソフトとして実際にカートリッジ化している。

  • 続編も無事リリースされている。
    20年12月の『秋田・男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花』は値段(2,000円)以上にボリュームが増してやりすぎだと言われるレベル。
    22年7月の『大分・別府ミステリー案内 歪んだ竹灯篭』では主人公に命名可能になった他、テキストだけをドットから普通のフォントに変更可能になっている。
    また多少あった突っ込みどころも、そこを逆手に取って巧く収めるなど造り方が円熟してきている。


追記・修正は、真珠を探しながらお伊勢参りして伊勢うどん・手ごねずしを食べてみたいと思った方がお願いします。



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  • 当時のファミコンアドベンチャーが好きだった人にはたまらないと好評の様子。ただ派手な演出はないんで、そっちを期待するなとのこと。 -- 名無しさん (2019-01-31 00:09:26)
  • テーマソングがマジで木ミスのEDっぽくて吹くんだよなぁ。説明書開いたとき盛大に笑ってしまった -- 名無しさん (2019-01-31 07:21:43)
  • 当初の予定通り3DSでもリリースして欲しかったなあ・・・。楽しみに待ってたのに。 -- 名無しさん (2019-01-31 09:29:33)
  • 新作、秋田・男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花が決定した模様。面白かったからシリーズ化嬉しいわ -- 名無しさん (2019-12-08 19:03:35)

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