ケイロン(ギリシャ神話)

ページ名:ケイロン_ギリシャ神話_

登録日:2018/08/07 Tue 22:06:54
更新日:2024/03/21 Thu 13:21:28NEW!
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ケイロン*1とは、ギリシャ神話に登場する人物である。
半人半馬のケンタウロス族のひとりであったが、野蛮とされる彼ら一族のなかでも
例外的に高い知性と高潔な人格を兼ね備えていた。
さらにありとあらゆる知識・技術に精通しており、数多くの英雄たちの師父となって教え導いた。
神々含めたギリシャ神話世界すべての人物のなかでも最も高名かつ有徳な人物のひとり。



【概要】

ケイロンはケンタウロス族の賢者と称えられている。
クロノスを父に持ち、アポロンアルテミス兄妹に養育され、神の血と技を引き継いだ。
成人してからは自分がされたように数多くの親の無い子を引き取り、その技術を惜しみなく与えて育てた。
そしてその子らの多くが長じて英雄となり、ケイロンの名声をいやがおうにも高めたのである。


○出自・血縁について

ケイロンは他多くのケンタウロス族と出自を異にしている。
彼は神々の王ゼウスの父である大神クロノスの直接の息子なのだ。
母親は妖精ニンフであるピリュラで、ドロプスという兄弟がいたともされる。


彼は成人してから妖精ニンフカリクロを妻とし、彼女との間にメラニッペ・オーキュロエ・エンデイスの三人の娘、
そして息子のカリュストスをもうけた。


○知識・技術について

ケイロンという名は「腕」を意味する。
それも「腕前」などといった「技術をともなう『腕』」という意味合いの言葉である。
彼はその名の通り、その腕に数々の技術を宿していた。
アポロンからは予言・医術・音楽を、アルテミスからは弓術・槍術含めた狩猟の技術を。
ほかにも占星術や、競技や格闘などの体術を伝授されていたという。
また武術や馬術などにも明るく、当然のように詩や学問についても深い造詣を持ち、
そしてそれらを他者へわかりやすく身につくように教え諭すすぐれた教育の手法の持ち主でもあった。



○身体・性格について

彼の体についてだが一般的なケンタウロスと違い、下半身の前足が人間のものであったとされる。
つまりは人間の体の腰の部分から馬の下半身が生えているような形態である。
これは一般的なケンタウロスよりもより人間に近いことを示しているとされる。
また必ず衣類を身につけているともされ、これもまた人間寄りの存在である象徴だという。
(ただ後年では普通のケンタウロスのような外見とされることが多くなった)


あと彼は父である大神クロノスから不死の力も受け継いでいた。
なので本来であればどれだけの傷を負っても蘇生し、年も取らないはずであった。
しかし皮肉なことに彼はこの力により悲劇的な最期を迎えることになってしまうのである。


またその性格については、だれひとり異論を挟まないであろう人格者である。
彼はその棲み処のまわりで薬草を育て、周辺の人々に医療をほどこしていた。
また縁もゆかりもない子供を引き取り育て、己が持てる知識や技術を使って人を助け、それらを乞われるままに教えてもいった。
彼のもっともすぐれていた点は技術でも知識でもなくこの精神性にあると言っても過言ではないだろう。


ただケンタウロス族全般に見られる保守的な面は彼にもあったようで、体面を非常に重んじていた部分があった(後述)



【神話について】

ケイロンは他多くのケンタウロスとは違い、大神クロノスの実の息子という高貴な血筋を持つ人物である。
しかし幼少期に親と別れることになり、アポロンとアルテミスに養育された。
そして数々の技術と知識を得た彼は、数多くの英雄を育て上げた。
しかしその生涯は、彼の体に流れる神の血と心に秘められた高潔な人格ゆえに
悲劇的な結末を迎えることになってしまうのである。


○誕生・幼少期

はるか昔まだゼウスが幼かったころ、ゼウスの父大神クロノスはで美しい妖精ニンフピリュラ*2を目に留めた。
クロノスは彼女の警戒を解くため、また妻レアの目をあざむくため、の姿となってピリュラに近づきそして交わった。
しかしクロノスはレアに見つかり、馬の姿のままその場を駆け去ってしまう。
その身にクロノスとの子を宿したピリュラも住んでいた土地を追われ*3放浪の末たどりついた土地でわが子を産み落とした。*4
しかし馬となったクロノスによって授かり産まれた子は半人半馬の獣人であった。
ピリュラは腹を痛めて産み落としたわが子の姿を見て悲嘆にくれ、その悲しみのあまり菩提樹へと変わってしまった。


こうしてケイロンは産まれてすぐ両親を失ってしまう。
しかし彼の年若い甥と姪にあたるアポロンアルテミスに引き取られ、そのもとで成長した。
幼いケイロンは文化の父母とも言える兄妹から、さまざまな技術と知識を学んでいった。
しかしそれよりも何よりも彼がふたりから授けられた最も価値あるものは、
親からうとまれたわが身に向けられた慈愛の心であったかもしれない。
成人したケイロンはかつて自分がアポロンとアルテミスにそうされたように、
親無き子を引き取りわが子のように育て、自分の知識と技術を惜しみなく与えていったのである。


○賢人としての活躍

クロノスの子として産まれアポロンとアルテミスに育てられたケイロンは、成人するころにはもう名士としての評判をほしいままにしていたようである。
彼はテッサリアのペリオン山の洞窟に住み、そのまわりで薬草を栽培して周囲の人々に日々すぐれた医術をほどこしていた。
ケイロンは乞われるがままにその知識と技術を人々へ授けることで多くの英雄たちの師父となり、また悩み苦しむものへは自ら進んで手を差し伸べてもいたのである。


●ケイロンに育てられた、教えを受けた者たち

  • ペレウス
    トロイア戦争の勇士アキレウスの父。
    あるときペレウスは罠にはめられペリオン山中に丸腰で置き去りにされてしまう。
    危うくケンタウロスに襲われそうなところを救ってくれたのがその山の主ケイロンだった。
    その後ペレウスは美しい海の女神テティスに心惹かれ、彼女を捕らえようとする。
    しかし鳥に獣に大木にと目まぐるしく姿を変えて逃げまわるテティスをどうしても捕まえることができない。
    悩む彼の前にふたたびケイロンが現れ助言する。



    「一度捕らえたら、何が何でも手を放さぬことだ。 彼女がどんな姿になろうともな」



    ペレウスはこの助言に従い、洞窟で身を休めていたテティスを捕まえ組み伏せる。
    水に炎に獅子に蛇にと変化するテティスを、それでもペレウスはしっかり捕らえ放さない。
    テティスもついに根負けしペレウスを受け入れた。

    夫婦となったふたりはケイロンの住むペリオン山で結婚式を行い、多くの神々を招待した。
    招かれた神々がふたりに祝いの品を贈るなか、ケイロンは一振りのトネリコの槍を手渡した。
    この槍はヘパイストスが鍛えアテナが研いだ刃先を持ち、のちにアキレウスの手で振るわれることになるのである。

  • アキレウス
    叙事詩「イリアス」の主人公、トロイア戦争で一騎当千の活躍をした大英雄。
    母テティスは赤子の彼を冥府の河ステュクスにひたして不死の肉体を与え、さらに人間の部分を捨て去り神とひとしい存在にするため火にくべようとした。
    しかしそれを見つけたペレウスがとっさにテティスを払いのけアキレウスを抱きとる。
    不死であったアキレウスの体は火でも傷ついていなかったが、冥府の河ステュクスの流れにひたされたときテティスがしっかと握っていたかかとだけは無残に焼け落ちてしまっていた。
    ペレウスはケイロンのもとに駆けこみアキレウスを救ってほしいと願う。ケイロンは俊足の巨人ダミュソスの死骸から足首を取り外してアキレウスに移植した。
    子を奪われたテティスは失望し父子のもとを離れ海へと帰ってしまう。母なきあとのアキレウスは、そのままケイロンの手で養育された。
    ケイロンから巨人の剛脚、そして神の技と武器を与えられたアキレウスは、トロイア戦争に参戦し無双の戦いぶりを見せつけることになる。

  • アスクレピオス
    死者をも甦らせ死後には神の座まで登りつめた名医。
    アポロンの罰を受けて死んだ母コロニスの胎内からヘルメスによって助け出され、ケイロンに育てられた。
    幼いころから医術の才能を見せ、ついには師ケイロンやアポロンをも超える腕前となり、
    アテナにメデューサの血を授けられてからは死者を蘇生させるまでになってしまった。
    そして数々の死者を冥府から連れ戻したため冥王ハデスの逆鱗に触れ、ゼウスの雷霆で撃ち殺されてしまったのである。

  • アリスタイオス
    アポロンの息子で、人々に養蜂やオリーブの栽培法を伝えたとされる神。
    母はラピタイ族の王女であり狩猟を好んだ女傑キュレネ。
    ある日キュレネが山中で獅子を格闘で仕留めたのを見たアポロンは、その猛々しい美しさに心を奪われてしまった。
    アポロンが思い悩んだ末ケイロンに相談すると、彼はこう予言した。


    「ぜひ彼女をお迎えなさいませ。 産まれてくる子は不滅の神となることでしょう」


    産まれてきた子はケイロンに育てられ詩神ムーサたちから教えを受け、成長してからは人々に文化を授け尊敬を集め、
    ついにはケイロンの予言通り栄光ある神々として天に昇っていったのである。

    あと彼の息子アクタイオンがアルテミスの怒りを受けて鹿の姿にされたあげく飼い犬たちに噛み殺されてしまった時、
    その死を悼んだケイロンは飼い主を失って悲しみにくれる犬たちをなぐさめるためアクタイオンの像を作ったと言われる。

  • その他
    上記の他にも彼に師事した・治療を受けた・援助されたとされる英雄は数多い。
    アルゴ船に乗りこみ数々の冒険を繰り広げたイアソンや彼が率いたアルゴ船乗組員アルゴノーツであるカストル、テラモン、カイネウス、オイレウス
    アキレウスとともにトロイア戦争を戦い抜いたパトロクロス、大アイアス、ポイニクス
    あとはかのヘラクレス・ペルセウス・テセウスら大英雄たちも、ケイロンから教えを受けたことがある様子。

○その最期と死後

ケイロンは神の血を引く不死の肉体と、苦しむ人々にその手を差し出さずにはおれぬ慈悲深き心の持ち主だった。
しかし彼はその心と体を持つがゆえに苦境へと追いこまれ、苦しみに満ちた最期を迎えることとなってしまったのである。


テッサリアで巻き起こったラピタイ人とケンタウロス族の戦い、ケンタウロマキア
この戦いでケンタウロス族は敗北し、テッサリアの地から追い払われていった。
それは賢者ケイロンも例外ではなく、彼もまたペリオン山を追われペロポネソス半島のマレア岬へと落ちのびていった。


その後、アルカディアのポロエ山へと逃れていたケンタウロス族がヘラクレスと衝突。
しかし彼の剛力とヒュドラの毒矢の前にまるで太刀打ちできず壊滅させられる。
生き残った者たちはさらに追撃してきたヘラクレスから逃れるため、マレア岬のケイロンのもとを目指す。
命からがら逃れてきた彼らをケイロンは迎え入れ、追いついてきたヘラクレスと対峙する。
ヘラクレスは武術の師であるケイロンを前にしてもその手を緩めず、容赦なく毒矢をケンタウロスらにはなつ。
その矢はケンタウロス族エラトスの腕に命中し、さらにそれを貫いて後ろにいたケイロンの膝に突き刺さった。


この事態にヘラクレスは戦意を喪失、ケイロンを助け起こす。
ケイロンはすぐさま傷の治療を行うが、どんな薬草や彼の腕をもってしてもヒュドラの毒は癒えることが無かった。
その毒は不死であるケイロンにさえ死を与え、しかもそのたびに不死の肉体は即座に蘇り再び毒と死の苦しみを味わうことになってしまう。


この業苦の前にケイロンは、自分を死なせてくれるようにとゼウスに願った。
ゼウスはこの願いを聞きとどけ、ケイロンから不死の力を奪い安らかな死を与えた。*5
ゼウスは彼の死を惜しみ、その功績と人格を顕すため、彼の姿を天に掲げ射手座としたのだという。*6


○娘たちの物語

英雄たちの師父としての神話を多く残すケイロンであるが、彼の家族についてもいくつかの伝承が残っている。
それらからは賢者としての彼とはまた違う、私人としてのケイロン像が見えてくるようで興味深い。*7

  • メラニッペ
    ケイロンとカリクロの娘。テッサリア王アイオロスにかどわかされて襲われ、彼の子を身ごもってしまう。
    父のいるペリオン山まで逃れたメラニッペであったが、厳格な父ケイロンは自分のことも子供のことも許しはしないだろうと恐れをなす。
    そのためメラニッペはアルテミスに祈り、自分と子供を馬の姿に変えてもらった。*8
    そしてその後天に上り、こうま座になったのだと言われる。

  • オーキュロエ
    ケイロンとカリクロの娘。利発な女性で、父から多くの技術を受け継ぎ、特に予言の術に優れていた。
    しかしアポロンから父に託された赤子のアスクレピオスを目にしたとき、彼女は憑かれたように彼の未来を口にする。


    「幼な子よ、あなたは全世界を救う者になるのです!」

    「死者をも甦らせたあなたは、自身もまた神の怒りを受けたのち神として蘇るでしょう!」

    「そして・・・ ああ、お父様、あなたもその不死の力で蘇ることになるのです」

    「塗炭の苦しみにさいなまれながら、何度も、何度も・・・」



    予言の力を抑えきれずに父の最期までもを口走ってしまうオーキュロエは、ついに自分の運命までもを語り出す。


    「そして、そしてわたしも・・・ 神の怒りを受けて、ああ・・・」

    「未来のことなど、知らないほうがよかった・・・ああ、わたしは、人でなくなっていく」

    「草をほおばりたい、野原を駆けまわりたい・・・ ああああ、わたしは、お父さまのように ― 」



    言葉を言い終わらないうちにオーキュロエの姿はゼウスの怒りを受け馬そのものとなってしまった
    ケイロンは哀しんでアポロンを頼るが、ゼウスの下した罰はさすがにアポロンであってもいかんともしがたかった。
    馬となった彼女はヒッペと名を変えられ、言葉と知恵を失ったまま生きることになったのだという。


【神話の後のケイロン】

獣人でありながら賢者そして人格者として名をはせたケイロンは、その悲劇的な最期もあいまって
後の文化でも多くの人々から敬慕を受けて、さまざまな作品で取り上げられてきた。
アキレウスをはじめとした少年時代の英雄たちにかいがいしく弓や楽器の扱いを教える姿が、多くの絵画など芸術のモチーフとなって残されている。
またダンテの神曲においても一族ごと地獄の住人となったケンタウロス族の長として登場しており、
ネッソスに指示を出して主人公らを案内させるなどした。


現代においてもケンタウロス族の中で・・・
というより人間神々すべて含めたギリシャ神話全体のなかでも数少ない人格者として、
これらを主題とした作品では貴重な存在となっている。
それを抜きにしても獣の姿をした異形の賢者という特異なキャラクター性は多くの創作者たちの想像力を刺激し、
ファンタジー作品を中心にいまも大きな存在感を示している。


【主な登場作品】

ここでは神話のケイロンもしくはそれをモデルとしたキャラクター、
そして射手座をモチーフとしている、ケイロンをイメージできるキャラクターを取り上げる。
(なので天体としてのサジタリウスから命名されているものや弓矢などの武器は除外)
その他のケンタウロスについてはこちらで取り上げる。


  • ケイローン(Fateシリーズ)アーチャーとして召喚された大賢者。当該項目参照。
  • 射手座の黄金聖闘士(聖闘士星矢):十二宮を守る黄金聖衣に選ばれた聖闘士。人格者がそろっており、聖闘士らのリーダー的存在であることも多い。
    • アイオロス:本編における射手座の聖闘士で、獅子座の黄金聖闘士アイオリアの実兄。
      赤子であったアテナの化身城戸沙織を守るため命を落とすが、その精神は聖衣に宿り星矢たちを励まし続けた。
    • ゲシュタルト: NEXT DIMENSIONにおける射手座の黄金聖闘士。神話のケンタウロスそのままの人馬一体の肉体を持つ。
    • シジフォスTHE LOST CANVASでの射手座の聖闘士。個別項目を参照。
    • 星矢それまでも一時的に射手座の聖衣をまとったことがあったが、Ωにおいて正式な射手座の聖闘士となった。
  • 聖騎士ケイロン(シャイニングシリーズ):シャイニング・ティアーズ」から登場したケンタウロス族の騎士。ルーンベール聖騎士団団長で、世界を救った四勇者のひとり。
  • 賢者ケイローン:遊戯王オフィシャルカードゲームに登場するモンスターの1体。アニメ由来であり、魔法・罠カードを除去できる。

  • ケイロン:星野之宣の短編「射手座のケンタウロス」に不死身の生物「ケイロン」が登場する。


追記・修正は親無き子に手を差し伸べてからお願いします。



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  • ケイローンは弟子に馬術も教えたらしいが、最初はとりあえず自分の背中に乗せたんだろうか…。「いいですか、馬の気持ちを知るのです…。どうしてそこでやめるのですか!ムチです、ムチを振るって私を激しく叩くのです!さあ!」 -- 名無しさん (2018-08-08 03:54:20)
  • ↑やっぱりギリシャ神話には変態しかいないのか(呆れ) -- 名無しさん (2018-08-08 05:45:15)
  • 賢者ケイローンっていたなあ。昔は結構強かった。今はリンクスかね -- 名無しさん (2018-08-08 09:32:54)
  • ↑2 アキレウスとケイローンを描いた絵画はどれもこれもちょっとアレな雰囲気が・・・ -- ページ作成者 (2018-08-08 14:37:09)
  • 永劫終わらぬ多頭竜ヒュドラの毒が、不死身を捨てろと囁くものの、取るに足りぬわ。片腹痛し。 -- 名無しさん (2021-04-08 22:44:03)
  • 数多くの英雄たちのししであり、ただ一人ケンタウロス族のなかで穏やかな性格をしている。最期だけ本当にかわいそう。 -- 名無しさん (2022-03-02 22:53:51)
  • ↑師匠ですね。まちがえました。 -- 名無しさん (2022-03-02 22:54:32)

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*1 ケイロン:Cheirōn(kheiron)ケイローン 古代ギリシャ語 Χείρων ラテン語・英語 Chiron キロン
*2 ピリュラ:名の意味は「菩提樹」。オケアノスとテテュスの娘オケアニデスのひとり
*3 ピリュラの住み処:トラキアであるとも黒海沿岸の島であるとも、後にケイロンが居を構えるペリオン山とも言われる。なおペリオン山でケイロンが住んでいた洞窟は「ピリュラの洞窟」とも呼ばれる。
*4 ケイロン生誕の地:トラキアともペリオン山とも、ペラスゴスの山中ともされる。
*5 不死の力:このときケイロンから失われた不死の力がプロメテウスに与えられたという伝承もある。
*6 射手座:大元のデザインはメソポタミア神話のパビルサグであるという説が有力。またギリシャ神話においても、射手座として天に掲げられたのは弓の発明者であるクロトスであるという伝承もある。
*7 下記の娘らについては同一人物との説もあるが、ここでは別人として扱う。
*8 アイオロスの願いを聞きとどけたポセイドンによって馬に変えられたという伝承もある。

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