小田急多摩線

ページ名:小田急多摩線

登録日:2010/05/14 Fri 05:01:01
更新日:2023/12/14 Thu 10:58:13NEW!
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小田急多摩線おだきゅうたませんとは、神奈川県川崎市麻生区の新百合ヶ丘駅と東京都多摩市の唐木田駅を結ぶ、小田急電鉄の路線である。
路線記号はOTOdakyu Tama)。


●目次


概要

小田急電鉄の中では最も新しい路線であり、全8駅・総距離10.6kmと最も短い路線でもある。


当初は小田原線の喜多見駅から分岐する予定だったが、新たに多摩川に橋を造らないといけない上に京王と同じルートになってしまうことから、百合ヶ丘駅付近から分岐することになった。
しかし、同駅付近にはS字カーブがあったことから、百合ヶ丘~柿生間に新百合ヶ丘駅を誕生させ、そこから分岐する方針に改められた。


1974年6月1日に新百合ヶ丘~小田急永山間が開業し、1975年4月23日に小田急永山~小田急多摩センター間が開業した。
当初はそこから橋本までの免許申請をしたが、同時に申請していた京王に免許が降りてしまい頓挫。その後、競合しない唐木田地区への延伸が進められ、1990年3月27日に小田急多摩センター~唐木田間が開業して全線開通となった。


全区間が複線・立体交差であり、踏切が一切ない。小田急永山~小田急多摩センター間を除き全て2.0km未満であり、黒川~はるひ野間に至っては0.8kmしか離れていない。


開業から約30年の間は小田原線の線路容量の関係で線内折り返し運転が精いっぱいで、早朝時間帯の各駅停車を除いて新百合ヶ丘駅で小田原線への乗り換えがほぼ必須だった。
一方同じく多摩ニュータウンと都心をつなぎ小田急と併走する京王相模原線は、開業当初から新宿都営新宿線方面への乗り入れを開始していたため、利用者数で圧倒的な差をつけられていた。
日中時間帯は地方のローカル線同然の閑散路線であり、1980年代までは18m級4両編成で十分という有様であった。


2000年代に入って小田原線が一部複々線化されて以降は線路容量も増えたため、新百合ヶ丘で乗り換えせずに小田原線に直通して新宿・東京メトロ千代田線方面へ行ける多摩急行や区間準急などが運行を開始し、さらに住宅整備などで沿線を開拓して年々利用客を増やしてきており、現在は京王の約6割程度(両永山・多摩センター駅比較)のシェアを獲得するまで迫ってきている。


2011年3月11日に発生した東日本大震災による計画停電では、多摩線は小田原線よりも利用者が少ないことなどから、初日の3月14日は終日、2日目の3月15日は11:30~22:30の時間帯に運休になった。
しかし、沿線に通勤通学している利用客を軽視したという批判が相次いだことから、3日目の3月16日からは終日運行になった。


2016年3月26日のダイヤ改正からは、新宿方面と直通していた特急ロマンスカーと区間準急が廃止されるとともに千代田線・常磐線直通の急行が日中時間帯の多摩急行を置き換える形で大増発された。


しかし、小田原線の複々線完成に伴う2018年3月17日のダイヤ改正より、多摩線の運行形態は一変する。
この改正では、平日朝上りに小田急多摩センター→新宿間を最短33分で結ぶ通勤急行が新設され、多摩線にも朝夜に快速急行が登場したほか、新百合ヶ丘では平日夜の快速急行藤沢行きと急行藤沢・大和行きが多摩線の3番ホームに発着して各駅停車唐木田行きとの対面接続をするようになるなど、利便性が一層強化されたが、代わりに千代田線・常磐線直通の急行と多摩急行は全て廃止になり、競合する京王に対抗すべく多摩線の優等列車は千代田線・常磐線直通から新宿直通に切り替わることになった。
なお、2020年3月14日のダイヤ改正では、北綾瀬発の各駅停車に代わって松戸発の急行が土休日に1本登場し、1年ぶりに常磐線と多摩線を結ぶ急行が復活したほか、2021年3月13日のダイヤ改正での我孫子への延長を経て、2022年3月12日のダイヤ改正で再度廃止になった。


建設の経緯もあってか周辺地域のほとんどが住宅街であり、娯楽施設が異様に少ない。
大型の娯楽施設に至っては、ほぼ多摩センター(というかサンリオピューロランド)一強である。



列車種別

日中時間帯の急行は新百合ヶ丘で各駅停車と種別変更を行う。下りは向ヶ丘遊園・上りは栗平を発車後に種別を変更し、新百合ヶ丘からは変更後の種別で案内する*1。行き先は変更されない。
2003年3月29日のダイヤ改正で栗平が急行停車駅に昇格した以外に、途中で停車駅が増減した種別はない。


線内に待避・折り返し設備がないため、新百合ヶ丘~唐木田間で必ず先着する。
小田原・片瀬江ノ島方面と唐木田方面の直通運転は配線上スイッチバックを行う必要があるため、定期列車では行われない。


平日7:30~9:30に新宿に到着する上り10両編成の通勤急行・急行の1号車は女性専用車両に設定される。実施区間は始発駅→新宿間。本来は快速急行も対象だが、多摩線においては設定以来平日上りの運用がない。
ちなみに、最後の通勤急行は設定当初8両編成だったため、2019年3月16日のダイヤ改正で10両編成化されるまでは唯一対象外だった。



現在の種別

  • 各駅停車

日中時間帯は毎時6往復が運行され、このうち半分は小田原線内急行として新宿発着、半分は新百合ヶ丘~唐木田間の線内折り返し運用で運転される。そのため、江ノ島線とは違って日中時間帯の多摩線は優等列車の設定がなく、全ての列車が各駅に停車する。
6両編成が大半を占めるが、一部は8・10両編成の列車も使用される。急行と種別変更する新宿発着列車は全て10両編成での運行。
江ノ島線と同じく、ダイヤ乱れ時は各駅停車のみの運行になることが多い。


ちなみに、新宿方面からの下りで新百合ヶ丘3番ホーム到着の列車は、小田原・片瀬江ノ島方面へは階段を使う必要がない百合ヶ丘駅で乗り換えるよう促すアナウンスが入る。これはかつて運行されていた区間準急や準急でも同様だった。



  • 急行

2000年12月2日のダイヤ改正から多摩線での定期運行が始まった。当初は栗平を通過していたが、2003年3月29日のダイヤ改正で停車するようになった。なお、多摩急行は当初より同駅に停車していたため、小田原線内では事実上下位互換だった当種別であるが、2003年3月28日までは多摩線内に限り多摩急行よりも停車駅が少なかった。
運行開始時は少数派だったが、後に千代田線・常磐線直通列車が多摩線発着の主体になったことで順次増発されていった。
2016年3月26日のダイヤ改正からは日中の多摩急行を置き換える形で大増発され、小田原線を経由して千代田線および常磐緩行線発着で運転していたが、2018年3月17日のダイヤ改正で全て新宿発着に変更された。


日中時間帯は新宿~唐木田間で毎時3往復が運行されるが、前述している通り多摩線内は各駅停車として運転されるため、全区間急行で運転される列車は朝と夕方以降に限られる。
平日朝上りに1本設定されている線内運転列車(6両編成)以外は全て10両編成で運行される。



  • 通勤急行

2018年3月17日のダイヤ改正で設定された種別。
小田急多摩センター始発の列車もあり、唐木田延伸後は初となる途中駅始発の列車でもある。
平日朝上りのみの運転で、唐木田発が3本・小田急多摩センター発が6本設定されている。最後の1本のみ8両編成だったが、2019年3月16日のダイヤ改正から全列車が10両編成になった。



  • 快速急行

元々は新宿~小田原・藤沢間で競合する湘南新宿ライン対策として設定された種別だが、2018年3月17日のダイヤ改正からは多摩線での運転も行われるようになった。
全列車が10両編成で運行。2022年3月12日のダイヤ改正からは平日下り4本と土休日朝上り2本のみ設定されている。



過去の主な種別

  • [[特急ロマンスカー>小田急ロマンスカー]]

2000年12月2日のダイヤ改正より登場。
1日1本、新宿駅からの「ホームウェイ」が多摩線に乗り入れており、2002年3月23日のダイヤ改正で1日2本、2003年3月29日のダイヤ改正からは平日は3本に増発された。
2008年3月15日のダイヤ改正からは、平日のみ千代田線の北千住駅を発車する「メトロホームウェイ」が1本運転され、新宿発を3本から2本へ置き換えた。
しかし、需要の少なさか、はたまたダイヤの都合か、2012年3月17日のダイヤ改正からは平日のみの運行になり、2016年3月26日のダイヤ改正をもって、多摩線内のロマンスカー運行は終了した。
現在は新百合ヶ丘に停車する平日の「(メトロ)ホームウェイ」は3番ホーム到着になっており、各駅停車唐木田行きと対面乗り換えができるよう配慮はされている。


多摩線内の途中停車駅は小田急永山と小田急多摩センター。登場時は急行と同じ停車駅だったが、あちらは2003年3月29日のダイヤ改正で栗平にも停車するようになったため、前述の通り現時点では同駅を通過した最後の種別でもある。
なお、「はこね」や「えのしま」といった線名に由来する列車は存在せず、現在の「モーニングウェイ」にあたる唐木田発の上り定期列車が運行されたこともなかった。



  • 多摩急行

2002年3月23日のダイヤ改正で登場。唐木田始発で小田原線を経由し、千代田線および常磐緩行線発着で運行されていた。


2016年3月26日のダイヤ改正までは同駅で新宿発着の区間準急と連絡しており、日中唯一の優等列車として平日朝上りを除く時間帯で運行され、平日は下り32本・上り26本、土休日は下り26本・上り24本が運転されていた。
そして、2018年3月17日のダイヤ改正では、前述の通り競合する京王に対抗すべく多摩線と新宿方面の輸送力を強化する運用になったため、多摩線に新設された快速急行と通勤急行に置き換えられる形で運行を終了した。


多摩線内の途中停車駅はやはり急行と同じ。小田原線内では経堂に終日停車するが向ヶ丘遊園は通過していたため、特に複々線・3線内では唯一通過する後者は湘南急行の廃止以降、日中時間帯は快速急行と合わせると20分以上も優等列車が来ない事態になっていた。
そのため、2016年3月26日のダイヤ改正からは運転系統はそのままに日中時間帯は急行に置き換えられたため、多摩急行は朝夜時間帯のみの運転になり、平日は下り17本・上り12本、土休日は下り12本・上り10本に削減された。
登場当初より栗平に停車しており、小田原線内では事実上急行の上位互換だったこの種別だが、2003年3月29日のダイヤ改正で同駅に急行が停車するようになるまでは、多摩線内ではあちらよりも停車駅が多かった。



  • 区間準急

2004年12月11日のダイヤ改正で登場。東北沢駅が地下化されたことで待避線がなくなり、各駅停車が後続の優等列車を待避できなくなったため、新宿から当時複々線の東端だった梅ヶ丘駅の一部の各駅停車を置き換える形で設定された。
そのため、通過運転を行うのは新宿~梅ヶ丘間のみで、通過駅は南新宿・参宮橋・代々木八幡・東北沢・世田谷代田の5駅のみだった。


小田原線よりも本数が多く設定されており、平日は下り13本・上り14本、土休日は下り18本・上り17本が運転された。
他社路線の同名の種別とは明確に設定目的が異なることから、基本的に8両編成で運行されるなど運用面では各駅停車と同じ扱いになっており、新宿駅では各駅停車が入線する地下ホームからの発着だった。なお、下り3本・上り1本のみ6両編成で運転されていた。
しかし、複々線完成を待つことなく2016年3月26日のダイヤ改正で廃止された。



  • 準急

2014年3月15日のダイヤ改正より登場。平日に新宿駅からの準急が運行されていたが、朝下りに1本だけという非常にレアな列車であり、同駅を発車する数少ない下り準急の1本でもあった。
唐木田からは折り返し千代田線直通列車になる都合上、4000形の固定運用だった。
2018年3月17日のダイヤ改正で廃止された。



停車駅一覧

凡例
●…停車
▲…平日上りのみ停車
|…通過
↑…平日上りのみ通過

駅番号駅名









接続路線
OH 23新百合ヶ丘小田原線(小田原・片瀬江ノ島方面)
OT 01五月台&bold(){&font(#ffffff){}} &bold(){&font(#ffffff){}}
OT 02栗平
OT 03黒川&bold(){&font(#ffffff){}} &bold(){&font(#ffffff){}}
OT 04はるひ野&bold(){&font(#ffffff){}} &bold(){&font(#ffffff){}}
OT 05小田急永山京王相模原線(京王永山駅)
OT 06小田急多摩センター京王相模原線(京王多摩センター駅)
多摩都市モノレール線(多摩センター駅)
OT 07唐木田


駅紹介

全駅が10両編成に対応し、新百合ヶ丘と唐木田以外は相対式ホーム2面2線である。
多くの駅には太陽光発電のパネルが設置されており、自動改札機などの電力を一部まかなっている。


  • OH 23 新百合ヶ丘しんゆりがおか

起点駅。小田原線との境界駅でもある。
北口には日本映画学校、南口には昭和音楽大学があるなど、芸術活動が盛んな町である。
イオンやイトーヨーカドーなどの家族向けのショッピングセンターはあるものの、北口にパチンコ店が1件あるのみで娯楽施設が全くない。


ホームは島式3面6線という広さで、起終点である新宿駅や小田原駅を除くと最も大きい。
基本的に多摩線は3・4番ホームからの発着で、新宿方面からの急行・各駅停車は3番ホーム到着である。ただし、快速急行の全列車と17時台以降の急行は、小田原・片瀬江ノ島方面の2番ホームからの発車になっており、同方面の列車と対面乗り換えが可能。
上りについても、1・6番ホームと多摩線が直接つながっていない関係で多摩線から新宿方面に直通する列車は全て5番ホームに到着しており、日中時間帯は快速急行と急行が緩急接続を行っている。


2018年3月17日のダイヤ改正からは、「(メトロ)ホームウェイ」に加えて平日夜下りの江ノ島線行き快速急行・急行が多摩線の3番ホームに停車し、各駅停車唐木田行きとの対面接続に配慮されるようになり、その後もダイヤ改正ごとに修正が行われつつも継続されたが、これらの3番ホーム停車は2022年3月12日のダイヤ改正で一般列車は全て廃止され、特急ロマンスカーも平日のみになった。
かつては時間帯に関わらず多摩急行・急行が2番ホーム、準急・区間準急・各駅停車は3・4番ホーム(新宿方面からの直通は3番ホーム)を使用しており、ホームや車内LCDにもその記載があった。
構内アナウンスは1~3番ホームを緒方氏・4~6番ホームを関根氏が担当している。


当駅は川崎市麻生区に所在するが、2030年度には現在あざみ野駅が終点である横浜市営地下鉄ブルーラインの延伸が予定されており、開業すれば町田駅からJR横浜線を経由せずに直接新横浜横浜方面へ向かうことが可能になり、新幹線や羽田空港へのアクセスが向上する見込みである。
これにより、小田急線を利用せずに湘南台間を行き来することも可能になる。当然ながら普通に行くより多くの時間がかかることは言うまでもない。



  • OT 01 五月台さつきだい

利用者数は全70駅中第61位だが、これでも多摩線内では第5位で、優等列車通過駅としては最も多い。
ホームの屋根には構内の電力に利用するための太陽光発電のパネルがあり、自動券売機などの電力に活かされている。
主に麻生総合高校の生徒が利用する。
駅名は当初、地名の「五力田駅」が有力候補だったが、語呂が悪いことと泥臭いことが敬遠され、「五」と小字だった「大台」の「台」を取り、明るい五月のようなイメージでの街づくりを願って現在の駅名になった。



  • OT 02 栗平くりひら

住宅地の中心にある駅。全70駅中第42位の利用者数だが、多摩線内では小田急多摩センター・小田急永山に次ぐNo.3で終点の唐木田よりも多く、線内の単独駅では最も多い。
現在こそ優等列車停車駅だが、開業当時は各駅停車のみの駅であり、2000年12月2日のダイヤ改正に多摩線内に急行が設定されてからも2003年3月29日のダイヤ改正までは停車していなかった。
しかし、次第に利用者数を伸ばしていき、今では快速急行も含めて全列車が停車する駅にまで発展した。


春にはウグイスの鳴き声を頻繁に聞けるなど、周囲には自然が多い。
甲子園や中村俊輔氏を輩出したことで有名な桐光学園があるほか、川崎フロンターレ麻生グラウンドの最寄り駅でもある。
当駅にもホームの屋根には太陽光発電のパネルが設置されている。当初は2面4線化への拡張を見込んだ用地だったが、エレベーターの設置や改札口の増設などで立ち消えになった。



  • OT 03 黒川くろかわ

利用者数は全70駅中第63位で、多摩線内では最も少ない。
京王相模原線の若葉台駅開業前はこの辺りの中心駅だったらしく、トンネル越しに同駅やはるひ野を見ることができる。
当駅にも、ホームの屋根には太陽光発電のパネルが設置されている。
2018年11月3日からは麻生区の「しんゆり・芸術のまち」の活動の一環として、当駅付近に練習場がある「読売日本交響楽団」の録音演奏が構内のBGMと接近メロディとして流れている。



  • OT 04 はるひ

2004年12月11日に開業した、小田急電鉄では最も新しい駅で、神奈川県内の小田急の駅としては最北端に位置する。
各駅停車のみが停車し、全70駅中第62位の利用者数で多摩線内では黒川に次ぐワースト2。
周辺は住宅街で何もないが、駅名があのキャラクターと同じというだけで縁もゆかりもない、謂われのない聖地にされてしまっている。
ちなみに、小田急では唯一ひらがなが入る駅でもある。


特筆すべき点として、風通しや採光に配慮したその構造や、日本で初めて風力・太陽光のハイブリッド発電システムを導入した自家発電が高く評価されており、2005年の鉄道建築協会賞に入選したほど。
当駅をはじめ多摩線の駅には太陽光発電のパネルを設置した駅が多く、環境にやさしい取り組みであると言えるだろう。



  • OT 05 小田急永山おだきゅうながやま

京王相模原線(京王永山駅)乗り換え。駅同士が隣接しており、乗り換えも容易。あちらの開業は1974年10月18日であるため、当駅の方が約4か月早く誕生している。
開業当時の終着駅で、暫定開業だったことから駅構内に仮設の渡り線を設置していた。多摩線内では数少ない高架駅。
当駅より東京都で、小田急電鉄最北端の駅でもある。
利用者数は全70駅中第36位で、多摩線内では小田急多摩センターに次ぐNo.2の利用者数を誇る。
多摩センター間は相模原線と併走しており、周辺の沿線ではたまにレースを見ることができる。
当初から10両編成分の有効長で設計されたものの、ホームの上屋も乗降階段のある中央部分に限られていたが、ニューアル工事を経て2006年1月31日より上屋も10両対応となり、同時にホームの屋根に太陽光発電のパネルも設置されている。
永山地区は諏訪エリアとともに多摩ニュータウンの最初の入居が行われた場所だが、当時はまだ鉄道駅は存在せず、約3.0km北にある京王線の聖蹟桜ヶ丘駅が最寄り駅だったことから、住民は3年間バスやタクシーの利用を余儀なくされたため、「陸の孤島」と揶揄されていたほどだった。


当駅および多摩センター駅はそれぞれ駅名に会社名を冠したものになっている。
これは、小田急と京王はいずれも新宿駅を起点とする上に当時はまだ自動改札機が普及していなかったことから、乗客の誤乗車と不正乗車を防ぐためにもあえて会社名を冠して明確に区別するためや、すでに国鉄にも宗谷本線に永山駅があったため、それとの区別も必要だったこともある。
これにより、当駅は小田急相模原に次ぐ「小田急」の名を冠する駅になった。


計画段階では、所在地の旧大字地名「乞田こった」か小字名「瓜生うりゅう」とする案があった。



  • OT 06 小田急多摩おだきゅうたまセンター

京王相模原線(京王多摩センター駅)・多摩都市モノレール線(多摩センター駅)乗り換え。
京王とは隣接しているが、モノレールは都道町田・日野線の上にあるので多少離れており、ペデストリアンデッキで接続されている。デッキ下のバスターミナルを経由すれば屋根のない部分の距離は少なくなるが、上下の移動を要する階段がある。


1990年3月27日の唐木田延伸前までの終着駅で、建設当初より高架の島式ホーム2面4線の構造で設計されたが、開業時は2・3番ホームを使用した相対式2面2線のみで、その後の1985年3月10日から副本線が設置されて晴れて2面4線になり、引き上げ線も整備されて回送列車の留置などに使われた。
その後、多摩線が唐木田まで延伸されると、当駅は終点でなくなったことや同駅に喜多見検車区唐木田出張所が設置された上、緩急接続や待避も存在しないことから副本線や引き上げ線の使用機会が大きく減ってしまい、2006年5月頃より使用中止。引き上げ線は撤去され、ホームも南林間駅と同じく再び旧2番ホームを新1番ホーム・旧3番ホームを新2番ホームとした2面2線に変更された。
副本線側にはいずれも柵が設置されており、線路は残っているが本線とはつながっていないため、単純な停留場になっている。ただし、南林間とは違って曲がりなりにも撤去されずに現存していることから、後述の延伸時には再び副本線と引き上げ線を整備する方針も示されている。
小田急永山と同じく高架駅で、同駅との距離は2.3kmと多摩線内では最も長く、唯一の2.0km超えである。


ちなみに、相模原線は京王よみうりランド~京王多摩センター間が一気に開業したため、永山駅の場合とは異なって多摩センター駅の開業は京王駅が最も早く、次いで約半年後の1975年4月23日に小田急駅が誕生し、モノレールの駅は約15年経った2000年1月10日と最も遅い。


全70駅中第25位の利用者数で、多摩線内では最も多い。
サンリオピューロランドの最寄り駅でもあるほか、多摩線沿線では珍しく娯楽施設が比較的充実しており、駅名の通り多摩線の中心駅であると言える。相模原線のおかげとか言うな。
2018年12月6日からは、京王駅に続いて駅構内のデザインがサンリオのキャラクターたちで描かれた装飾になっており、非常にファンシーなものになっている。京王と比べ、小田急電鉄のコーポレートカラーである青を基調としたデザインになっているのも特徴。


駅名の経緯は永山駅と同じ。多摩市当局によると、当駅は「小田急・京王の両者がそれぞれ別の駅を設置しているのではなく、『多摩センター駅』というひとつの駅に両路線が乗り入れている」という解釈になっている。
計画時の仮称は「多摩中央駅」であり、実際に開業前には車両の行先表示装置に「多摩中央」の表示を用意していたほか、「多摩中央駅」の名を含む施設もわずかながら存在する。
そのため、多摩センターとはあくまで「多摩市の中心」という意味であり、「多摩センター」なる施設の最寄り駅でも、ましてやそのような施設が存在するわけでもない



  • OT 07 唐木田からきだ

終点駅。利用者数は全70駅中第55位で、多摩線内では第4位と優等列車の停車駅では最も少ない。
多摩ニュータウンであることから駅周辺は住宅街がほとんどである。
駅の西側には車両基地(喜多見検車区唐木田出張所)も併設されており、上から眺める景色はなかなか壮観である。
下記のような延伸計画があるため、線路は町田市方面に向かって伸びており、基地内の配線も延長が可能な構造になっている。



車両基地

前述の通り、唐木田駅の西側に「喜多見検車区唐木田出張所」が設置されている。1990年3月27日の唐木田延伸とともに開設され、当初は「経堂検車区唐木田出張所」だったが、1994年3月27日以降は同区を引き継ぐ形で発足した喜多見検車区の所属である。
東端の2本は正確には本線の扱いになっているが、これは将来の多摩線延伸を考慮した措置であり、現時点では新型車両の試運転の折り返しなどに用いられている。



延伸計画

唐木田から横浜線の相模原駅まで、さらにその先、JR相模線の上溝駅まで延伸する計画がある。
2019年5月の会議にて、当初予定していた上溝までの一括開業から、先行して唐木田~相模原間を部分開業する方針に転換したことが決定した。2033年の開業を予定している(相模原~上溝間は未定)。
総距離は8.8kmで、町田市小山田地区に新駅を設置する構想もあるほか、前述の通り小田急多摩センターの待避線復活と引き上げ線の設置も想定されており、緩急接続ができるように改良工事が行われる見込み。
具体的なルートとしては、喜多見検車区唐木田出張所の東側2線を延伸し、町田市に入って中間駅や返還された米軍相模総合補給廠跡を縦断。相模原駅は地下に設けられる予定で、県道503号の下を通って上溝駅に到着する構想である。
開業後は小田急多摩センター~上溝間が約8分、新宿~相模原間が48分、新宿~上溝間が51分で結ばれる予定。上溝まで延伸した際の新ダイヤも想定されており、朝夜ラッシュ時の急行は唐木田と中間駅を通過する予定。日中時間帯は両駅にも停車し、小田急永山~上溝間は各駅停車になる。
また、上溝からさらに線路を伸ばし、愛川町・厚木市を経由して小田原線の本厚木駅まで延伸する要望も相模原市・厚木市・愛川町・清川村から出されているものの、費用や採算性などの観点から小田急側は難色を示している。


かつては川崎駅まで線路を伸ばし、多摩線と京急大師線を直通させる「川崎縦貫高速鉄道」なるプロジェクトも推進されていたが、これといった進展もないまま2018年3月に計画廃止となった。



ただの駅名には興味ありません。
この路線の中にあたしの名前の駅があったら追記・編集しなさい。以上。



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*1 車内LCDでは新百合ヶ丘到着まで前の種別として表示され、扉が開いた瞬間に次の種別に変更される。

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