大阪市高速電気軌道谷町線

ページ名:大阪市高速電気軌道谷町線

登録日:2018/08/02 Thu 05:36:22
更新日:2024/03/21 Thu 13:12:12NEW!
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大阪市高速電気軌道谷町線とは、大阪市交通局→大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)が運営する、大日駅と八尾南駅との間を結ぶ地下鉄路線。
ラインカラーは高僧の袈裟の色に由来するロイヤルパープルで、路線記号はTTanimachi)。


概要

1967年の東梅田~谷町4丁目間開業を皮切りに徐々に延伸を続け、1983年の大日~守口間開業で全線開通した。
大正の関一市長期に都市計画が立てられた際の谷町線は「2号線」という名称で松屋町筋の地下を通す予定だったが、戦後計画変更で谷町筋の地下を通すことになった。
現在でも谷町線用車両は形式の先頭から2桁目に2が付番され2号線の名を残すが、実際には3号線(四つ橋線)、4号線(中央線)のほうが先に開通している。


大阪市の官庁街にして大阪都心の重要道路の一つ・谷町筋の地下を経由して郊外の住宅地を結ぶ。
梅田と天王寺、郊外住宅街と大阪中心部を結ぶだけでなく、天満橋・大手前の官庁街や天王寺・阿倍野の文教地区を通ることから、Osaka Metroの中でも御堂筋線に次いで二番目に利用客数の多い路線である。
建設の際に自治体同士で揉めたことや、駅の位置が大字の境界線に立地する例が多いため、地名を合体させた駅名が非常に多い。


日中はおおむね7分30秒に1本間隔、朝夕は2分30秒~6分40秒間隔。
かつては御堂筋線と同様、全線通し運転と都島~文の里の区間運転が交互に来ていた(それぞれ毎時6本10分間隔)が、現在は平日ダイヤ日中と土休日ダイヤ終日はほぼ全線通しのみにに統一され、区間運転は平日の朝と夕方以降、土休日は1本のみになっている。


北は守口市から南は八尾市まで路線があるため、Osaka Metro各線の中でも最長の運転距離を誇る。
また、地上区間が八尾南駅付近しかないことからトンネルも長く、開業時は日本国内の地下鉄のなかでトンネル長1位、現在でも4位につけている。
なお、阿倍野~喜連瓜破間は阪神高速14号松原線と同時並行で建設され、地上に出ると松原線の高架下である。
特に南海平野線の線路跡に建設された阿倍野~平野間は、Osaka Metroでは珍しい幹線道路などが並行しない区間になっている。
なお、守口~天満橋間は京阪本線と、天王寺~駒川中野間は近鉄南大阪線と競合関係にある。
後者に関しては谷町線の方が市内へのアクセスが有利なため大差を付けているが、前者に関しては京阪本線の優等列車が速いため目的地によっては谷町線の方が所要時間面で不利な状況となっている。


使用車両

同じ6両固定編成の中央線とは頻繁にトレードが実施されているのが特徴。


  • 30000系

2009年から導入。
第三軌条路線では久しぶりの新型車両で、2011年からは御堂筋線、2022年からは中央線にも導入されているが、後者は将来当線への転属*1が予定されている。
御堂筋線所属編成との区別のため、32系と呼ばれることもある。


  • 22系

VVVFインバータ制御を取り入れた第三軌条各線の主力車両・新20系シリーズの谷町線版。
こちらはステンレス車体。
新造車と中央線およびOTS*2線から転属した50番台が配置されており、元OTS車は内装の一部が異なる。
中央線への400系・30000A系導入に伴う24系更新車の転属に伴い、2023年から未更新編成の廃車が始まっており、新20系で新20系を置き換えるという事態となっている。
また、平成期に新造された車両が廃車されるのも関西では非常に珍しい。京阪や近鉄が見たら何ていうか


  • 20系

路面電車以外で日本初となるVVVFインバータ制御の鉄道車両。
見た目は10系に似たアルミ車体だが、前面がブラックフェイスとなっているのが特徴。
1989年からは30番台が同線に配置されていた。
けいはんな線開業に合わせ、22系とトレードする形で全車中央線に転出。


  • 30系

新20系登場前までは第三軌条各線に配備されていた主力車両で、アルミ車体とステンレス車体の2種類が存在した。
同線に配備されていた車両は冷房や内装の更新工事を実施しており、最後まで現役で運用されていた。




駅一覧

駅番号駅名備考
T11大日大阪モノレール
T12守口京阪本線(守口市駅)
T13太子橋今市今里筋線
T14千林大宮
T15関目高殿京阪本線(関目駅)、今里筋線(関目成育駅)
T16野江内代JRおおさか東線(JR野江駅)
T17都島
T18天神橋筋六丁目堺筋線・阪急千里線
T19中崎町
T20東梅田御堂筋線(梅田駅)、四つ橋線(西梅田駅)
JR京都線JR神戸線大阪環状線・おおさか東線(大阪駅)、JR東西線(北新地駅)
阪急宝塚線・神戸線・京都線(大阪梅田駅)
阪神本線(大阪梅田駅)
T21南森町堺筋線
JR東西線(大阪天満宮駅)
T22天満橋京阪本線・中之島線
T23谷町四丁目中央線
T24谷町六丁目長堀鶴見緑地線
T25谷町九丁目千日前線
近鉄難波線・奈良線近鉄大阪線(大阪上本町駅)
T26四天王寺前夕陽ヶ丘
T27天王寺御堂筋線、JR大阪環状線・大和路線阪和線
近鉄南大阪線(大阪阿部野橋駅)
阪堺上町線(天王寺駅前停留場)
T28阿倍野阪堺上町線(阿倍野停留場)
T29文の里
T30田辺
T31駒川中野近鉄南大阪線(今川駅、針中野駅)
T32平野
T33喜連瓜破
T34出戸
T35長原
T36八尾南

T11 大日
大阪モノレール線乗り換え。
駅近くの検車場の引き込み線を改良して作られた駅である。
中央環状線と国道1号との交差点にある駅。このため駅は地下道と一体化している。
駅前には三洋電機の工場があったが、のちに閉鎖されイオンになった。


T12 守口
京阪守口市駅と区別し「地下鉄守口」と呼ばれることも多い。
大日駅に以上のような事情があることから、キロポストは当駅で打ち直されている。
守口市駅とは300mほど離れているが、乗り換える人も多い。


T13 太子橋今市
今里筋線乗り換え。
大阪市と守口市の境界にあるが、施設のほとんどが守口市内にある。


T14 千林大宮
大宮・千林それぞれの町の名前を合わせた駅。ただし、住所的には森小路。
ダイエー創業の地でもある「千林商店街」の西端にある。
旭区役所の最寄りである他、京阪本線千林駅も商店街を抜けて徒歩圏内にある。


T15 関目高殿
当初は「関目」として開業するも、後に四天王寺ともども改称して現在の駅名に。
京阪関目駅、今里筋線関目成育駅も徒歩圏内だが、少し離れているためか乗り換え案内はしていない。


T16 野江内代
おおさか東線(JR野江駅)乗り換え。
読み方は「のえうちんだい」で、難読駅としても挙げられる。


T17 都島
都島区の中心駅。バスも数多く発着する交通の結節点。
近年は周辺にあった工場や車両基地跡の再開発で高層マンションが立ち並んでいる。
開業時は終着駅で、かつては終日折り返す電車があったが、現在は朝夕のみ運行されている。


T18 天神橋筋六丁目
堺筋線、阪急千里線乗り換え。
通称天六。日本最長の商店街・「天神橋筋商店街」の北端近くにある。
駅北には千里線が新京阪だった時代のターミナルビルが残っていたが2010年に取り壊され、高層マンションになった。
なお、駅建設中の1970年に都市ガス管を掘り当ててしまい爆発事故が発生、79人の死者を出している。このため東梅田から北への延伸は大きく遅れた。


T19 中崎町
梅田からも徒歩圏内のエリア。
昭和時代のレトロな建物が比較的多く残るため、それを活かしたお店が多い。


T20 東梅田
御堂筋線(梅田駅)、四つ橋線(西梅田駅)、大阪環状線JR京都線JR神戸線・おおさか東線(大阪駅)、JR東西線(北新地駅)、阪神電車、阪急電鉄(大阪梅田駅)乗り換え。
大阪メトロの駅3つは同一駅扱いであり、30分以内に乗り換えると割引となる…が西梅田との間は少し距離があるので難しいかもしれない。
駅名が複数に分かれている上、駅が西の不思議のダンジョン・うめちかの中にあるため初見だとまず迷う。とらのあなに最も近い場所とでも覚えておこう。


駅周辺は大阪キタの繁華街。
駅はとらのあなの他、百貨店の正面や駅前のビル街に近い。


なお、御堂筋線梅田駅のなかもず行きのホームは戦前に建設されていた「松屋町線」のホームに改造工事を施し転用したもの。
これは当初の谷町線は御堂筋線・四つ橋線大国町駅と同様の対面乗り換え構造にする予定だったものの、ホームトンネルまでを繋ぐトンネルの工事が難航、
結局東梅田駅の新設という形で対面乗り換え計画とホームは放棄されたものの、御堂筋線の乗客増加によりホームの新設が必要になったためである。


T21 南森町
堺筋線、JR東西線(大阪天満宮駅)乗り換え。
駅舎や駅名標には南森町と大阪天満宮の両方が併記されている。いやどっちか統一しろと
ホームが対面式でない単式ホーム2つになっているが、御堂筋線の難波駅と同様島式だったが客が多すぎて対応できないため増設されたタイプである。
東西線の駅の名が示す通り、大阪天満宮の最寄り駅。7月には日本三大祭りの一つである天神祭が開かれ周囲は賑わいをみせる。
「天神橋筋商店街」の南端でもあり、路線図の通り天六までは梅田を経由して迂回するルートである。


T22 天満橋
京阪本線・中之島線乗り換え。周囲は大手前の官庁街。
地上は京阪電車の本拠地となっている。
ここを境に道路名が天満橋筋・谷町筋と変わる。


T23 谷町四丁目
中央線乗り換え。
駅から少し歩くと大阪城公園があるほか、公園の西側には大阪府庁・大阪府警本部などの官公庁が立ち並んでいる。
また、天満橋同様駅周辺にはオフィスも多い。


T24 谷町六丁目
長堀鶴見緑地線乗り換え。
谷九同様、地上の交差点にはアンダーパスが整備されている。


T25 谷町九丁目
千日前線、近鉄線(大阪上本町駅)乗り換え。
ただし地上の大阪線ホームからは少し遠め。
地下鉄建設と同時に道路はアンダーパスが整備されたりもしている。
周辺は谷九と呼ばれ、上本町駅前の「上六」と連続する繁華街。また、学校や塾の多い文教地区となっている。
また、少し歩くと生国魂神社などの寺社街も広がっているが、その横にはラブホ街も。


T26 四天王寺前夕陽ヶ丘
名の通り四天王寺の最寄り駅。1997年までは四天王寺前だったが、地元からの陳情もあり駅名が変更された。
谷九周辺から続く寺町の中にあり、このほか閑静な環境から学校も多い。


T27 天王寺
地下鉄御堂筋線、JR大阪環状線・大和路線阪和線近鉄南大阪線(大阪阿倍野橋駅)、阪堺電車(天王寺駅前電停)乗り換え。
御堂筋線が動物園前近くで方向転換し東西方向に入ってくるのに対し、谷町筋の直下を通る谷町線は南北方向に入ってくる。
駅周辺はあべのハルカスなどが建つ大阪の南の玄関口にして中心街。


T28 阿倍野
阪堺上町線乗り換え。
この駅から高速松原線の地下に建設された区間がスタート。この辺りのみシールド工法で開削されたため、ホームの壁は丸みがある。
駅はかつてアニメイトが分散して入っていたあべのベルタという商業施設と一体化した高層マンションに直結している。
しかし駅前にキューズモールができたこともあり、現在地下部は関西スーパーがある以外かなり過疎ってしまっている。
ベルタとキューズモールは道一本隔ててるだけなのだが、地下街を繋げるには耐震工事もあって20億ほどもかかってしまうらしいため発展も絶望的である…。


T29 文の里
駅周辺には阿倍野区役所など公共施設が集中。御堂筋線昭和町駅とも近く、文の里商店街で繋がっている。
また周囲は住宅のほか学校も多い文教地区でもある。
八尾南側に引込線があり以前は終日大日方面への折り返し運転が行われヘイトを集めていたが、現在ラッシュ時は喜連瓜破での折り返しが中心で更に前述のように通し運転が中心になっているためあまり使われなくなった。


T30 田辺
旧南海平野線田辺停留場の代わりとして作られた駅。
谷町線の中では最も利用者が少ない駅でもある…。


T31 駒川中野
近鉄南大阪線針中野駅・今川駅とは徒歩圏内で、先述の千林商店街や天神橋筋商店街と並び大阪を代表する商店街である「駒川商店街」の北端より少し先にある駅。
商店街の南端側にある針中野へは少し回り道をして商店街を通るなどする必要があるため、今川の方が多少近い。
ホームが比較的浅めの位置にあるため改札は地上に設置されており、改札外売店としてローソンがある。
かつて売店にはファミリーマートが入っていたのだが、商店街北端にもある上にその向かいは現在ファミマ化されているサンクスがあった。
このため危うく商店街までの短い道中でトリプルファミマするところだったが、サンクスのファミマ化前に市営地下鉄が構内売店を全てローソン化したため難を逃れた。
周囲は区役所なども建っている、東住吉区の中心街。


T32 平野
大和路線平野駅は杭全、こちらは平野本町に所在。大きく離れており、こちらは平野区役所などに近い。
平野線廃線跡区間はここまで。
平野線の旧平野駅は少し離れており、駅跡には記念碑などが建つ公園がある。


T33 喜連瓜破
仮称は喜連だったが瓜破側の要望により合成駅名かつ難読駅名が誕生。喜連が旧摂津国で瓜破が旧河内国という旧国境の駅である。
駅前にはイオンモールの前身であるダイヤモンドシティ1号店があったが、建替えで普通のイオンに。
だが、そのおかげで平野区一の繁華街となり、近年平日ラッシュ時に喜連瓜破折返し系統が増えた。
付近に身障者施設があるため、日本の地下鉄初の一般用エレベーター設置駅でもある。


T34 出戸
読み方は「でと」。
駅南にはイオン、駅北にはバスターミナルがあり、それぞれ直結する出入口が設けられている。
なお、駅前には空き地を乗り越える陸橋があるが、これは廃線になった阪和貨物線の名残。
この廃線跡を南下していくと市内最大の墓地・瓜破霊園があり、駅前からはバスも出とる。
だが車で行くには半端な位置にある上に喜連瓜破止めの煽りも受けたため、イオンは閉店した。バスターミナルが吹き抜けなのにとてもつらい。


T35 長原
当駅までが大阪市で、八尾車庫から出庫を兼ねた始発列車が数本ある。
中央環状線・近畿自動車道の地下にある駅。周囲には団地が建つ。
建設中に近くで長吉古墳群の遺構が発掘されたため、駅施設や線路は遺構を避けながら建設されている。
車通りが多いことから、駅前に新たにイオンを建てるとのこと。隣駅からはひでえとの声が挙がっている


T36 八尾南
終点。この区間付近だけ地上を走り駅舎も橋上駅舎である。
駅開設当初は駅北側に八尾空港のエプロンがあったが、のちに移転して現在は一部が駐輪場として使われているほかは広大な空き地。
そのさらに北には自衛隊の駐屯地がある。



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*1 30000A系の車両番号は2桁目が谷町線を識別する「2」となっている。
*2 中央線の大阪港~コスモスクエア(とニュートラム・コスモスクエア~中ふ頭)を保有する三セク企業。2005年までは自社で路線も運営する第一種鉄道事業者だったが、利用の低迷から線路以外の施設を大阪市交通局に譲渡した。

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