オーブ連合首長国

ページ名:オーブ連合首長国

オーブ連合首長国(オーブれんごうしゅちょうこく、Orb) は、アニメ機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の国家。

注意:以降の記述で物語に関する核心部分が明かされています。

目次

概要[]

南太平洋ソロモン諸島に存在し、大小さまざまな島(火山列島)から構成される島嶼国である。C.E.70年2月8日にウズミ・ナラ・アスハ代表首長が行った中立宣言により、中立国家となった。一般に「オーブ」と呼称されている。

過去、多数の日本人移民者の入植があり、地球上で数少ないコーディネイターを受け入れている国家である。公用語は日本語が使われ、公文書等も日本語の漢字仮名交じり文で筆記される。

イージス艦や大型空母、戦闘ヘリコプターなどを多数配備し、高い防衛力を誇っている。

「オーブ (Orb) 」は、光り輝く「球体」、「天体」の意。

オーブ群島[]

オーブ本島[]

正式名称はヤラファス島であり、オーブの首都オロファトが所在する。行政府が置かれ、様々な政策が決定されるオーブ連合首長国の政治拠点となっている。

オノゴロ島[]

軍事の中心地であり、国防本部(軍司令部)と軍事産業の中枢であるモルゲンレーテ社の本社及び工廠が存在している。厳重な警戒態勢が常時敷かれ、人工衛星からの監視も不可能な高いセキュリティを誇る。

このため、敵対する勢力によるオーブ侵攻の際は最大の標的となり、C.E.71年6月15日に発動した地球連合軍による「オーブ解放作戦」及びC.E.73年のザフト軍による「オーブ侵攻戦」において主戦場となった。

また、見事な紅葉が楽しめるキャンプ場があり、オノゴロ島に住んでいたシン・アスカ一家は、家族で所有するキャンピングカーを使い訪れていた。その際、オーブ解放作戦の戦火に巻き込まれている。

名前の由来は日本神話に登場する、イザナギ、イザナミによって作られた最初の島である「オノゴロ島」からである。

アカツキ島[]

主にマルキオ導師の伝道所・孤児院や、アークエンジェルが格納されていた地下海底ドック、MSアカツキが置かれていた地下施設がある。

カグヤ島[]

マスドライバー施設を有する宇宙との玄関口となる島で、イズモ級戦艦の艦橋ブロックの格納庫や、簡易ドックなど宇宙との連絡に必要とする設備を備えている。また、ヘリオポリスとの定期運行船の発着口として運営されていた。

C.E.71年の「オーブ解放作戦」において、全てのマスドライバー施設をザフト軍に奪取もしくは破壊されていた地球連合軍は、カグヤのマスドライバーを奪取し、宇宙侵攻の足がかりにする事を目的としていたが、ウズミ・ナラ・アスハによりマスドライバーは自爆し、その機能は喪失した。

その後、C.E.73年のザフトによる「オーブ侵攻戦」の時点でマスドライバーは修復されており、「メサイア攻防戦」に向けて出撃するアークエンジェルが使用し、宇宙へ向かっている。

宇宙関連施設[]

ヘリオポリス[]

L3宙域に存在するオーブの資源衛星コロニー。キラ・ヤマト達が通う工業カレッジ「カトーゼミ」が存在している。

地球連合軍の新造戦艦アークエンジェルG兵器が開発されていたが、ザフト軍に発見され、襲撃を受けた際に崩壊した。

『SEED ASTRAY』では、G兵器の開発データと盗用した大西洋連邦の技術からアストレイが極秘裏に開発されていた。ケナフ・ルキーニの情報でG兵器の存在を知ったザフト軍は地球連合軍と交戦になり、ヘリオポリスは崩壊した。ゴールドフレームはコロニー崩壊前にロンド・ギナ・サハクによって回収されている。また、ケナフ・ルキーニの情報でザフトの攻撃を知ったオーブは、サーペントテールにアストレイの完全消去を依頼する。エリカ・シモンズの情報でやって来たジャンク屋組合はレッドフレームとブルーフレームを発見し、サーペントテールと戦闘になる。しかし、依頼者の裏切りに遭い、サーペントテールは任務を放棄した。その結果、ジャンク屋組合のロウ・ギュールはレッドフレームを、サーペントテールの叢雲劾はブルーフレームを手に入れている。

「ヘリオポリス」は元来ギリシャ語に由来し、「太陽の都」の意。

アメノミハシラ[]

オーブが所有する宇宙ステーションであり、兵器生産を行う軍事用宇宙ステーションとして機能している。C.E.58年にウズミ・ナラ・アスハが代表首長に就任し、オーブの宇宙開発への更なる発展を目指す国家的事業として建設が開始された。

本来、アメノミハシラとは、地球上から宇宙へ物資を送る軌道エレベーターの事を指しており、最頂部である大規模ファクトリーを内蔵した宇宙ステーションが完成したC.E.70年に、地球連合軍ザフト軍の戦争が開始され、これ以降、軌道エレベーターとしての建造計画はストップを余儀なくされる。

オーブは中立国家としての立場を貫くため、軍備の増強は必要不可欠な事項となり、それ以降アメノミハシラは軍事用宇宙ステーションとして使用される事になった。

MS製造には、アメノミハシラの様に無重力空間に存在する特殊ファクトリーでなければ製造不可能な素材も数多く、必然的に兵器生産にアメノミハシラは重要なウェイトを占めていった。それに伴い、オーブ五大氏族の中でも軍事を司るサハク家の管轄に置かれる事になった。

その後、連合・プラント間の抗争はオーブを否応無く巻き込み、やがて地上から宇宙へその舞台を移すと予測したサハク首長家の後継者ロンド・ミナ・サハクによって直接管理運営が開始する。

戦線の宇宙移行に伴うオーブ本国での戦闘により、住む場所を失ったオーブ国民の多くが、サハク首長家を頼りアメノミハシラに移住し、その中に含まれていた技術者達の手でアメノミハシラのファクトリーはより優れた生産能力を有するに至る。その間、長期に渡る戦争で疲弊した地球連合・ザフト両軍は自軍の戦力回復のため、軍需工廠としてのアメノミハシラの生産能力を欲するようになり、幾度も攻撃部隊を派遣するが、その防衛戦力の前に敗退した。中でもユーラシア連邦は一挙に三十機に及ぶストライクダガーを投入し、四方から同時に攻め込ませる事でアメノミハシラの占領を試みたが、ロンド・ミナ・サハク直属の戦闘用コーディネイター「ソキウス」達の搭乗する少数のM1Aアストレイの前に大敗を喫してしまう。以後、地球連合軍はアメノミハシラへの戦闘行為を断念している。

「アメノミハシラ」は、古事記や日本書紀に登場するイザナギ・イザナミが立てた「天の御柱」に由来する。

経済[]

火山列島の特性を活かした地熱発電を行っており、近代国家のアキレス腱であるエネルギーの自給自足が相当程度に可能となっている。これはオーブの経済発展に大きく寄与し、現在のオーブ繁栄の原動力となった。

また、オーブの宇宙空間の領土であるヘリオポリスは、宇宙産業技術を大きく支えている。

政治体制[]

代表首長は原則としてオーブ五大氏族の首長、すなわちセイラン家、トキノ家、マシマ家、キオウ家、アスハ家の各首長家の当主から選ばれる。血縁よりも能力を重視しているため、ロンド・ギナ・サハクやカガリ・ユラ・アスハのように血のつながりのない養子も、首長になることが出来る。

また、サハク家、グロード家など、五大氏族以外にも「下級氏族」と呼ばれるいくつかの首長家があり、場合によってはこれらも五大氏族に準ずる扱いを受け、代表首長となる事がある。

五大氏族の中でも最大勢力であったアスハ首長家が大きな力を持っており、上院下院の議会は存在するものの力は弱く形骸化している。永い時を掛けて五大氏族の中でそれぞれの役割が決まっている。

『SEED C.E.73 ⊿ ASTRAY』では、オーブ国民は、カガリ達首長家に頼り切っていると、マーシャンからは見られている。

オーブ軍[]

正式名称は「オーブ国防軍」であり、陸海空三軍を有する。オーブ国防総省の実力集団とする部局で、オーブの国家・建国の理念の元、武装中立政策を取っている。

第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後、制服のデザイン、カラーが新調されている。

国防戦力[]

劇中の動向[]

機動戦士ガンダムSEED[]

地球連合軍GATシリーズ5機を製造したオーブの国営企業モルゲンレーテ社があり、大西洋連邦と共同開発したGATシリーズのノウハウを生かした初の国産MS「M1アストレイ」を開発し、自国防衛のための戦力として配備した。

ザフト軍にマスドライバーを奪取・破壊された地球連合軍から、オーブのカグヤ島のマスドライバー施設やモルゲンレーテ社の技術を接収するために、強制に近い協力要請を受けるが、前代表首長ながら事実上の指導者であるウズミ・ナラ・アスハ代表首長は中立を貫く立場からこれを拒否し、結果、これが地球連合軍の侵攻を招く。

これに対しオーブは、M1アストレイを主力とするオーブ軍に加え、身を寄せていたアークエンジェルフリーダムストライク等の助力に加え、さらにはバスタージャスティスの援護を得て防戦する。

しかし、地球連合軍は3機の後期GAT-Xシリーズであるカラミティフォビドゥンレイダーストライクダガーの攻勢を凌ぎきれず、ウズミは、民間人のオノゴロ島外避難と残存戦力の宇宙への脱出の完了後、当地にあるモルゲンレーテ社本社社屋、同社工場施設、マスドライバー施設、そして他の主だった首長、閣僚らもろとも自爆する。

その後、オーブは地球連合の監視の元、大西洋連邦の保護下に置かれる事になった。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY[]

戦後、オーブの主権はユニウス条約により回復し、カガリ・ユラ・アスハが代表首長に就任している。

地球連合プラント軍の開戦後、オーブは大西洋連邦との間に「世界安全保障条約」を締結し、それとほぼ時を同じくしてカガリ・ユラ・アスハとユウナ・ロマ・セイランの婚約・結婚を発表する。しかし、挙式当日、キラ・ヤマトアークエンジェルのクルーによるカガリの拉致によって式は白紙となる。

その後、セイラン首長家によりオーブ軍の地中海派遣が決定するなど、地球連合軍へ協力する形になるが、ザフト軍による「オーブ侵攻戦」により政権は事実上崩壊し、軍部などの支持により復帰したカガリ・ユラ・アスハを代表首長とする臨時政府が成立された。

ギルバート・デュランダルのデスティニー・プラン宣言時には、その導入実行に対し、オーブは臨時閣議を開きカガリ代表のもと、断固拒否の姿勢を表明する。またそれと同時にオーブは防衛体制を敷いた。

月面アルザッヘル基地をレクイエムで壊滅させたザフト軍に対して、アークエンジェル並びにクライン派を正式にオーブ軍第2宇宙艦隊に編入すると共に、同艦隊を直ちに派兵、さらに大西洋連邦軍を初めとした地球連合宇宙艦隊と合流し、「メサイア攻防戦」に参戦した。この戦闘によりメサイアは陥落し、ギルバート・デュランダルは倒れ、勝利を収める。

戦後、ラクス・クラインの仲介によりC.E.74年、オーブは停戦合意をプラントから得ることに成功し、終戦協議に入っている。

機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ⊿ ASTRAY[]

マーシャン達がオーブに寄航をした際にカガリ・ユラ・アスハ代表首長と会談をしている。また、カガリの拉致された後、ロンド・ミナ・サハクがマルキオ導師と会談をしている。

余談[]

  • モデルとなった日本の日章旗を暗示していると思われる。また、首長国の「首長」とはイスラム世界(アラブ諸国)の君主を意味する「アミール」の訳語でもあるため、劇中大西洋連邦(旧アメリカ合衆国)へのカウンターパワーとしての位置づけが含意されているといえる。
  • 中立国家というイメージが定着しているが、それはC.E.70.2月8日にウズミ・ナラ・アスハ代表首長がおこなった中立宣言(『アスハ代表の中立宣言』)以降のことなので注意が必要である。また、この「中立」とはオーブが自ら標榜しているだけのもので他国が承認しているとは限らないと思われる。劇中でも中立の破棄を要求される。(参考:永世中立国)。
  • 多数の日本人移民を受け入れてきたことなどの背景は、機動戦士ガンダムSEED DESTINY公式サイトのD-I.Q.のPHASE_14とPHASE_28などを参照。
  • かつて日本の植民地(正確には委任統治)であったという設定が『SEED ASTRAY』にある。
  • 『ガイドブック等』ではモデルは現代の日本であるという説明がなされている。カガリからキラに宛てた手紙も日本語で書かれており、戦没者を弔う記念碑にも日本語で弔文が書かれていた。
  • 日本もオーブとは別に存在し、設定では本州が東アジア共和国に属し、北海道はユーラシア連邦領となっている。ただし、この日本については、フジヤマ社なる軍需企業が一部のモビルスーツやモビルアーマーなどの出自設定に関与するのみで、本編において国内の具体的な様子が描かれた事はこれまでのところ無い。現実の日本と下手にリンクさせると様々な誤解がおきる場合があるので敢えて触れずにいる、という主旨の見解が公式ホームページ上で示されている。とはいえ、『DESTINY』本編では日本の東京ドーム周辺を思わせる情景にユニウスセブンの破片が落下する情景が一瞬描かれている。
  • オーブ連合首長国は大小さまざまな島(火山列島)から構成される島嶼国で、作中においてもいくつかの代表的な島が登場している。島国でありながら作中においては自動車によって移動する姿が多く見受けられ、近接した主要な島の間は橋梁によって移動が可能であると考えられるが、明確に示されてはいない。
  • オーブはモデルとなった日本と同様、国土の少ない島国であり、また天然資源にも乏しく、その国力を加工輸出に頼らざるを得ない。
  • 劇中には日本の国会議事堂に姿が酷似した「オーブ内閣府」や「オーブ内閣府官邸」といった建物が登場し、「朝から閣議で忙しくて」というカガリのセリフもあるため、オーブの政治形態の実相は今ひとつ判然としない。特定家系の指導者階級が統治集団を形成し、元首(代表首長)が不可侵性を持たない(辞職可能)点では貴族政といえるが、実質アスハ家が代表職を独占している点では(立憲)君主政とも解釈できる。
  • 制服組の階級制度は日本国の自衛隊に準じているが、将官のみ名称が異なり、事実上の将官3階級制を採っている自衛隊に対して、国防軍は完全な2階級制を採用している。
自衛隊と国防軍の将官階級
地球連合軍(参考)オーブ国防軍日本国自衛隊
大将将軍将(幕僚長たる将)
中将(該当する階級なし)
少将(該当する階級なし)将補
准将准将*(該当する階級なし)

*2008年度中に「准将」を設置予定。

  • ヤキン戦争終結後に組織再編が行われたらしく、制服のデザイン、カラーが変わった(主権喪失時に地球連合の指令により一度軍が解体された可能性もある)。海軍艦艇乗員の服装が青系統のツナギで、被っているヘルメットもいわゆる『テッパチ』であり、 また、艦隊指揮官が艦隊全艦に戦闘を下令する時「合戦ようーい(用意)!」 (クレタ沖海鮮でユウナが使用)という言葉を使うのも、海自及び大日本帝国海軍と同じである。 さらに付け加えるなら、巨大なアンテナ塔を有するオーブ国防総省の施設も新宿区市ヶ谷にある防衛省に似た外観であった。
  • 「他国を侵略せず・他国(から)の侵略を許さず・他国(同士)の争いに介入しない」との武装中立政策をオーブの国家・建国の理念は、資料により、建国の理念であるとするものと、ウズミ政権で提唱された理念であるとするものがある。として標榜している。より法律条項的に言い換えるならば、「侵略戦争の放棄」「国家主権の堅持」「集団的自衛権の不保持」となる。戦後の日本の防衛政策をモデルにしていると言える。この集団的自衛権に関して日本の場合、「持ってはいるが行使できない」という法解釈がなされている。一方オーブは明確に「持っていない」にも関わらず、しばしば現場指揮官が独断で行使している場面がみられた。
  • 歴史の示すとおり、完全な「中立」とはなかなかあり得ないものである。オーブとて例外ではなく、オーブ陸軍の主力戦車リニアガン・タンクや、オーブ海軍がイージス艦に積んでいるイージスシステム、ヘリオポリスに配備されていたメビウス大西洋連邦製などのように、兵器の輸入ないしライセンス生産は行なわれていたようである。また、オーブ領ヘリオポリスの学生フレイ・アルスターの父親ジョージ・アルスターは、オーブ政府ではなく大西洋連邦の事務次官であった。また、マガジンZに連載されたコミック版の中に「オーブは地球寄りとはいえ中立」という台詞もある。また、そのコミック版ではヘリオポリスからの避難民がコーディネイターに対し(自分たちの住居を失った事もあるとはいえ)「あいつらがいるから戦争になるんだ。」と批判する台詞もある。
  • 地球上で数少ないコーディネイターを受け入れている国家である、と言う設定もある。ただし、DESTINYにおいてジブリールの逃亡を手助けしたオーブ軍兵士が存在していたことを考えると、ブルーコスモスの信奉者も他の地球連合構成国に比べれば少数派であるものの存在する模様。
  • ウズミ・ナラ・アスハトダカ一佐など自身を犠牲にしても理念を守り切る気骨のある人物が多い。
  • 地球連合軍のオーブ攻撃時は首長を退いたはずの、ウズミ・ナラ・アスハが実権を握っており、時の政権によっては首長が飾りにすぎない場合もある関連書籍などによるとオーブ攻撃時には、ウズミ・ナラ・アスハが代表首長として復帰をしていたので一概にはいえない。
  • この「五大氏族」というタームと「かつて日本の植民地だった」という設定は、石原完爾の提唱した「五族共和の王道楽土」満州国を想起させるものとなっている。
  • 中立を貫くウズミの方針がかえって連合軍の侵攻を招き、国家を戦災に晒してしまう結果に至る経緯は、幕末の越後長岡藩とその指導者河井継之助が辿った運命に酷似している。
  • 戦後、オーブの主権はユニウス条約により回復し、カガリ・ユラ・アスハを代表首長に頂いている。しかし実権は大西洋連邦寄りの宰相ウナト・エマ・セイランが握っており、地球連合との間に同盟条約を結ばんとする姿勢に変化している。これは、日本が戦後にアメリカ合衆国との同盟関係(日米同盟)を結んだ経過に似ている。
  • カガリ代表首長は、アークエンジェルのクルーらを国営企業モルゲンレーテ社に偽名で再就職させたり、また、第二次ヤキンドゥーエ攻防戦で大破したそのアークエンジェルとフリーダムを、アカツキ島の地下施設に隠匿して修理させたりと、奮闘していたようである。これは万一露見した場合外交問題となりかねない、いわゆる「政治的根回し」を必要とする類いのものであった。フリーダムとアークエンジェルはアスハ首長家の資財(税収)とモルゲンレーテ社(国営)の設備などを用いて修理されており、その後の整備、維持、運用、そして新艦載機であるアンドリュー・バルトフェルド専用ムラサメの調達も同様であった。さらにまた、それを運用する乗員も皆オーブ国防軍正規の制服を着用していた。従って、フリーダムはオーブ軍の戦力と見なさざるを得ず、搭載されているNジャマーキャンセラー及び核エンジンもユニウス条約違反と言わざるを得ないのである。いずれにせよこの件は、当時まだ直情的で稚拙な行動ばかりが多かった彼女が、権力者として具体的できわどい政治力を、詳細を説明した上でのカガリの懇望により実務は他の首長家が行った可能性もある(カガリの性格はあるにせよ、軽率に話すとも思えないキラとの関係についてユウナが知っていた。ただしキラが最高のコーディネイターである事までユウナが承知していたかは不明)にせよ、比較的発揮している数少ないケースである。
  • 挙式当日、キラ・ヤマトら「アークエンジェル」のクルーによるカガリの拉致(連れ去り)によって式は白紙となる(小説版では一部の軍人たちは、アークエンジェルが現れた理由などを理解をして連れ去りについては黙認をした)。
  • その後セイラン首長家によりオーブ軍の地中海派遣が決定など様々な紆余曲折があったが、ザフトによるオーブ侵攻『オペレーション・フューリー』最中にセイラン寄りの政権は事実上崩壊をし、軍部などの支持により復帰したカガリ・ユラ・アスハを代表首長とする臨時政府が成立することになった。内閣の組閣人事については、閣議はあったようだが詳細不明。

関連項目[]


 表・話・編・歴 
機動戦士ガンダムSEED
メディア展開原作 - 小説 - 漫画 - ムック - ドラマCD
登場人物アークエンジェルクルーキラ・ヤマト - ナタル・バジルール - フレイ・アルスター - マリュー・ラミアス - ミリアリア・ハウ - ムウ・ラ・フラガ - アーノルド・ノイマン - カズイ・バスカーク
地球連合軍ムルタ・アズラエル - オルガ・サブナック - クロト・ブエル - シャニ・アンドラス
ザフト軍アスラン・ザラ - アンドリュー・バルトフェルド - イザーク・ジュール - ディアッカ・エルスマン - ニコル・アマルフィ - ミゲル・アイマン - ラウ・ル・クルーゼ - ラクス・クライン
オーブ連合首長国カガリ・ユラ・アスハ
勢力国家オーブ連合首長国 - 大西洋連邦 - プラント - ユーラシア連邦
軍事地球連合 - ザフト - FAITH - 三隻同盟
企業
民間ブルーコスモス
兵器グングニール - サイクロプス - ジェネシス - 対MS用ホバークラフト - ミーティア - アサルトシュラウド - オールレンジ攻撃
機動兵器モビルアーマーミストラル - メビウス・ゼロ
モビルスーツ地球連合デュエル - バスター - ストライク - ブリッツ - イージス - カラミティ - フォビドゥン - レイダー - ストライクダガー -
ザフトジャスティス - フリーダム - プロヴィデンス - ジン - シグー - ゲイツ - バクゥ - ザウート - グーン - ディン
オーブM1アストレイ
航空機・戦闘機・ヘリスピアヘッド - スカイグラスパー - アジャイル - インフェトゥス - エターナル - グゥル
艦船アガメムノン - アークエンジェル - スペングラー - ダニロフ (機動戦士ガンダムSEED)? -ドレイク - ネルソン - ナスカ - ピートリー - ボズゴロフ - レセップス - ローラシア - イージス - イズモ - クラオミカミ - 輸送艦
車両全般ブルドック - リニアガン・タンク - リニア自走榴弾砲 - 六輪連結装甲車 (機動戦士ガンダムSEED) - 指揮車 (機動戦士ガンダムSEED) - 電源車 (機動戦士ガンダムSEED) - 弾薬運搬トレーラー (機動戦士ガンダムSEED) - 戦闘用エレカ - 自走砲 (自走ガトリング砲) - ミサイル搭載ハーフトラック
都市・地域・施設コペルニクス - メンデル - 軍事施設 -
技術ミラージュコロイド - フェイズシフト装甲 - ラミネート装甲 - 強化人間
歴史SEED - コズミック・イラの成立 - ヤキン・ドゥーエ戦役 - コーディネイターとナチュラル
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