愛玩人間について

【愛玩人間の外見について】

基本的には毛色(髪の色)、瞳の色は元の動物に近くなる。

アルビノ、メラビノ、ハーフサイダーは違法な流通の場では高値ではあるものの、オッドアイやベースの動物と乖離した目の色、毛色の者より人気がない傾向がある。

基本的には耳と尻尾が外見に出る者が多いが、鳥がベースの場合尾羽もしくは羽があるタイプの者もいる。

鳥類ベースの者は毛色の鮮やかさなどで高値がつけられる者が多い。

また、元になった動物によって

• 犬や猫などの場合耳と尾
• 魚類の場合尾と稀に背鰭
• 鳥類の場合羽根と尾羽
• 山羊や羊、鹿などの場合耳と尾と角
• 爬虫類の場合尾や鱗、舌

などの特徴が表れる。

また、更に希少な例の場合鳥類ベースの愛玩人間で髪の毛に羽が混ざっている者、ベースの動物に寄った瞳孔を持つ者などが居る。

 

【愛玩人間の染髪について】

養育され、人間と同じように生活している愛玩人間も多くいるため専用の美容室がある。

毛髪は人間の為市販の染髪剤を利用できなくもないが、動物の耳に人間用の薬剤がついたらどうなるかは想像に難くない。

そのため専門の資格を持った人間でないと染髪は推奨されていない。

 

【愛玩人間の耳について】

基本的には所謂4つ耳、人間と動物の耳が両方ついているタイプの者が多い。

4つ耳の場合基本的には両方とも耳が機能しているが脳が情報の取捨選択をしているため動物の耳を優先して使っているようだ。

動物の耳については感情や音に反応して動く。

個体差はあるものの動物の耳を観察するだけで何を考えているかわかる者もいる。

稀に生まれた時から人間の耳が生えていない者もいる。

 

【愛玩人間の動物耳切除について】

自力で劣悪な環境から逃れた愛玩人間が普通の人間に混じるため、動物の耳を切除する場合がある。

また、ストレスなどで自分の耳や仲間の耳を噛み千切る、掻き毟ってしまいぼろぼろにしてしまう事例などがある。

保護された愛玩人間の中にもやはり、切除を希望する者がいる場合があるため、そういった手術を専門に扱う医者もいる。

ただし、自力で逃げ出した愛玩人間に対して秘密裏に手術を行う医者は、場合によっては裏ビデオ業者と繋がっていたり、麻酔等なしに手術をするもの、切り取った耳をコレクションにするものなどもいる。

 

【愛玩人間のお風呂について】

新陳代謝の周期は人間と同じなので入浴等は人間と同様である。

だが動物の耳に水が入るのを不快がる愛玩人間が多いため頭の上に耳がついているタイプの愛玩人間は養育者が補助した方が風呂嫌いになりづらい。

劣悪な環境で販売されていた愛玩人間だとお風呂を怖がる傾向があるため慌てず慣らしていく必要がある場合もある。

 

【愛玩人間の誘拐防止策】

誘拐され身代金の請求をされたりオークションにかけられたりすることが起こりうる可能性もある。

それを防止するため、愛玩人間了承の元、通知機能付きの首輪の着用も可能になっている。

首輪に関しては養育者の静脈パターンを登録し静脈認証にて開錠される継ぎ目のないタイプのものが一般的。切断防止のため特殊な繊維を縫い込んである。

外す際は錠前に登録した指を押し付け認証させる。

養育者の端末で住居および行動許可エリアを指定すると、留守番をさせている間に許可エリアを離れた場合養育者の端末へ現在位置の通知が飛ぶ。

帰宅時間等の設定も可能。その場合も帰宅時間を過ぎると通知が飛ぶようになっている。

また、連れだって外出した場合、養育者の端末と首輪の距離が一定距離以上離れた場合にも通知される。

それ以外にもある一定以上の力を首輪に掛ける、愛玩人間自身が錠前につけられたスイッチを一定時間以上押した場合にも通知を飛ばすことが可能になる。

好奇心の強い愛玩人間の場合錠前のスイッチを弄り回してしまう可能性があるため、状況を見て錠前を首の後ろに回す必要がある。

養育者側の端末からであれば通知関係なく任意で現在地の確認が可能である。

その場合は現在地確認アラームが鳴る為愛玩人間自身の携帯端末などから拒否も可能。

 

【病院について】

基本的にはかかる病気のほとんどが人間の病気である。

そのため通常の病院に連れて行けば大概の症状については対処可能。

ただしワクチン等に関しては愛玩人間専門の医者の管轄であるため年に一度程度は最低でもそちらの病院へ受診する必要がある。

近年では愛玩人間用の病棟も備えた総合病院もあるためそちらで済ませてしまう飼い主も多いようだ。

余談だが、総合病院の待合には耳も尻尾も垂れた愛玩人間と予防注射に怯える子供とよぼよぼのお年寄りが全員そろっている光景がよく見られる。

 

【パートナー登録された愛玩人間の給与について】

職員として登録されるためこなす職務によって給与は変わってくる。

ただしパートナーとして職員登録できるのは一人の調査員につき一人の愛玩人間のみである。

部署により給与はまちまちであるが基本的に通常職員と同等の給与が支給される。

 

【ハーフについて】

現在もハーフは生まれている。

人間と愛玩人間の恋愛の末、性的虐待の結果、そのどちらの場合でも。

外見に動物的特徴がないハーフの子供でも、ベースの動物の本能の部分を引き継いでいる可能性がある。

また、愛玩人間側からは動物的特徴が外見に表れないハーフでもベースの動物の匂いを感じ避けられる場合や威嚇される場合もある。