室蘭市の地名解

ページ名:室蘭市の地名解

旧大字小字(新室蘭市史 第2巻 1983.3.30)

1922年時点

大字輪西村・元室蘭村・千舞鼈村は1929年時点。

小字名の前には字を冠する。

大字絵鞆村

原名は「エンルム」で、突き出ている・頭。

 エトモ

 同

 シクツシ・ポンシクツシ

 祝津。

 「シクドッ」。この語源は普通アイヌ・和人おしなべてエゾネギ(室蘭方言でアサズキ)の義。

 「シクドッ・ウシ・イ」、エゾネギ・群生する・所

 または、全く違うが「シ・クッ・ウシ・イ」で、全くの・岩崖・群在する・場所。

 オハシナイ・ポンオハシナイ

 小橋内。

 語源は次のような説がある。

 (1)「オ・ハシ・ウン・ナイ」で、沢口に・灌木・ある・沢。

 (2)「オ・ハシ・ナイ」で、、川尻の・灌木の・沢。「ハシ」は灌木の意味では無く、「ハシナウ」で、柴・幣の意味だったかもしれない。アイヌが海幸の神に捧げる柴幣の幣場が昔ここの岬の上にあったので、そう名付けられたか。それだと、「そこに・柴幣の幣場のあった沢」の意。

 ポンオハシナイは、小さいオハシナイ川。

 マシチセ

 増市。

 原名は「マスイチセ」或いは「マシュイチセ」。

 語源は「マス・チセ」で、海猫(の)・家。

 ここの岩穴に鴎や海猫の巣が多かったので名付けた。

 ハルカラモイ

 語源「ハル・カル・モイ」で、食料・獲る・入江。

 ポロシレツト

 語源「ポロ・シレド」で、親である・岬。あるいは、大きな・岬。

大字海岸町

 トツカリサワ

 トツカリモイ

 原名「トキカルモイ」。語源は「トキカル・モイ」で、チカ・入江。この入江にはチカが多く棲息していたのでこの名がついた。

 山ノ上

 ヲシクネ

大字札幌通

札幌に通づる道がある為。現在の旧国道36号。

 蛸沼・チヤツサキ

 ポコイ

 語源は「ポク・オ・イ」で、ホッキ貝・群棲する・所。

 チヤシ

 現:茶津町。チャシは砦。「ウェン・チャシ」と呼ばれていた。由来は、悪い(険阻な・不吉な)・砦。

 「チャシ・コッ」とも。砦・址。

 リロマモイ

 原名「リロモイ」で、語源は「リル・オマ・モイ」。波・群立つ・入江。波の荒い入江。

 ポトフリナイ

 原名「プト・フレ・ナイ」、その川口・赤い・谷川。

 チヤラツナイ

 茶良津内。

 原名は「チャラシナイ」で語源は「チャラルセ・ナイ」で、滝をなしてサラサラと流れ下る・小川。

 ポンツクイ

 トツカリシユ

 トッカリショ。

 原名は「ドカリショ」。語源は「ドカル・イショ」。アザラシ・岩。

 幌別方面のアイヌは「トッカラシ」と訛る。

 ポロツクイ

 エトツケレップ

 三橋

大字西小路町

大字沢町

大字幕西

原名「マクヌシ」。語源は「マクン・ニウシ」で、後方の・森林。「ニウシ」は、木・群生している・所。

大字常盤町

大字浜町

大字千歳町

大字本町

 オイナヲシ

 老名牛→追直。現在、漁港名にある。

 語源は「オ・イナウ・ウシ・イ」で、そこに・幣・群立する・所。

 古くここの岬の上に海神の幣場(ハシナウシ)があり、そこで祭が行われたらしい。

 モトマリ

 語源「モ・トマリ」で、静かな・入江。リロマモイと対になる。

 リロマモイ

 大字札幌通を参照。

 蛸沼

大字輪西村

原名「ワヌシ」。語源はよく分からない

(1)地形上から「ワ・ネ・ウシ」で、輪・になっている・所

(2)「マ・ネ・ウシ」で、潤・になっている・所

(3)「ハルウシ」で、食料・群在する・所

 瑞ノ江・霞台・大沢

 輪西地区の通称として今も残る。

 エトツケレップ

 岬突端が削ったような岩崖。今の御崎町。

 チリベツ

 原名「チルペッ」で、鳥・川。昔は数万の鴨がこの川に群集して、川がその為に真っ黒に見えるほどだった。

 札幌通

 大字札幌通に参照。

 ベシボッケ

 崖の下の所、と言う意味。広域地名になった。

 元町・三橋・柏木

 イタンキ

 「イタンキ」はお椀の意味。お椀の様な形の浜。

 アルトル

 原名「アルドル」で語源「アル・ウトル」、向うの斜面。鷲別岬の西側の斜面。

 ワシベツ・ワシベツハマ・ヲクワシベツ・奥ワシベツ

 原名「ワシペッ」。語源は「チウ・アシ・ペッ」で、波・立つ・川、の上略。

 ワニシ

 同

 ホロワニシ

 輪西川の親川。

 ホンワニシ・本ワニシ

 輪西川の子川。

 ヲクワニシ・オクワニシ・ワニシ奥・奥ワニシ・ワニシ沢・ワニシ沢奥

 輪西の奥の沢。

 峰通

 サツテキ・サツテキワシベツ

 サツテキは、夏に川が干上がるの意。

 熊谷・八丁平・天神山・牛太郎坂・麻園

 コイカクシ・コイカクシワニシ

 西を通っている輪西川。

 ヤマコシナイ・ヤムクシナイ

 原名「ヤム・エ・クシ・ナイ」で、栗の実・について(=をとりに)・通行する・沢

 または「ヤム・コ・クシ・ナイ」で、栗の実・のために(=をとりに)・通行する・沢

 石炭沢

 カミシロコタン

 大字元室蘭村字カミシロコタンの記事を参照。

 ホロナイ

 大川の意味だが、小さい沢の中で大きな沢なので、たいした大きくない。

 川添

 ホンナイ

 ベキリウタ・ベキリウタ奥・ポロベキリウタ・ポンベキリウタ・ペケレオタ

 大字元室蘭村の記事を参照。

 沢奥ホロモイ

大字元室蘭村

 モロラン

 原名は「モルラン」で語源は「モ・ルエラニ」。モは本来「子」、それから「小」の意。「ル・エ・ラン・イ」で「路・そこを・下る・所」。即ち「下り路」。モルランは「小さい下り路」の義。崎守町の仙海寺の前にある坂。

 トコタンバ

 モイ

 モイは「入江」。原名は「ウンマ・サプ・ポン・モイ」で「馬の・出てくる(群来)・小さい・入江」の義。昔、馬の群が山道を経てここに下ったものと思われる。

 キモンタイ

 喜門岱の原名。

 「キムン・ニタイ」で「山の方の・森林」

 ペケレオタ・ポンペケレオタ・ヘンベキリウタ・ベキリウタ

 原名「ポンペケロタ」で「子の・ペケロタ」即ち「ペケロタの子浜」。ポロペケロタ(ペケロタの親浜)に対する。

 「ペケロタ」は「ペケル・オタ」で。白い砂浜。「ベケレオタ」・「ベキリウダ」とも表記。

 東沢

 沢奥

 オホナイ

 「オホ・ナイポ」で「深い・小沢」

 ピンビオシコツ

 カミシロコタン

 カミシロは「髪白」で白馬を意味する和人方言だというが、或いは「カムイシロコタン」の訛りで、カムイシリは「神の山」「雲山」、オは「にある」、コタンはこの場合は「カムイコタン」の意で「祭場」。即ち「雲山にある祭場」の義。古くここにアイヌの祭神を祭る祭場があったのではなかろうか。チマイベツ川上流の地。

大字千舞鼈村

原名「チマイペッ」、語源は「チマイペ・オッ・イ」で、焼乾鮭・多くある・所。

「チマイペ」は「チ・マ・イペ」で、我ら・焼いた・魚、で「焼いて乾かした鮭」を指す。その昔、鮭の登る時期にチマイベツ川の岸に小屋掛けして盛んに焼乾鮭を作った時代があったのであろう。

 ベトトル・ポンベトトル・ポンヘトトル

 高き川の間。

 キモンタイ

 同

 奥千舞鼈

 同

 干潟泊

 コンプリカイ

 いつでも昆布を取る入江。

 幡守山

 ヒカタ

室蘭市アイヌ語地名(新室蘭市史 第1巻 200頁)

 

~町名改正由来~

絵鞆町・祝津町・小橋内町・海岸町

旧名による

築地町

埋立地から

入江町

入江を埋立したため

緑町

緑樹が多い所から

港町

港としての旧上陸地点から

泉町

湧水がある

大町

中央枢区のため

公園町

公園付近から

浜町・千歳町

旧名から

幸町・新富町

佳名を選んだ

茶津町

旧名より

母恋南町・母恋北町

旧名より、地域分割

御前水町

佳名を選んだ

御崎町

地形から

西小路町・沢町・幕西町・常盤町

旧名から

清水町

湧水がある

栄町

佳名を選んだ

舟見町

地形から

開運町

鉄道から

 

輪西町

旧名から

東町

市内最東部のため

仲町

輪西と本輪西の中間から

中島町

中島神社から。中島の名は、湿地帯だった中島周辺の中で、神社の高台が、島のように見えた為。

高砂町

佳名。原案は牧草畑が多いので、「原町」

知利別町

旧名より

高平町

高燥地のため

本輪西町

旧名から

幌萌町

旧名から

水元町

日鋼の水源地より

神代町

カミシロコタンから

陣屋町

南部陣屋跡から

崎守町

南部陣屋出張台場跡から。原案は「元室蘭町」

石川町

旧仙台藩石川家の開拓より

香川町

香川県人の移住者が多かった為

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