旧大字小字(苫小牧市史 上巻 1975.3.31)
1942年若しくは1943年時点
小字名の前には字を冠する。
大字樽前村
原名「タオロマイ」、語源は「タオル・オマ・イ」で高岸・ある・もの。
別々
「ペッ・ペッ」で川・川。即ち「小川がごちゃごちゃと集まっている所」の意。
ポンタルマイ
「ポン・タオロマイ」で、子の・タロマイ川。樽前川の右岸支流で、樽前小学校の傍を流れる小川。
キラウシ
「キラウ・ウシ・イ」で鹿の角・いつも落ちている・処。樽前山の左岸。
大字覚生村
オボップ、語源不明。鎗を拾う所の義(松浦日誌)
覚生
同
大字錦多峰村
「ニシ・タップ」で雲の・大きな山、とみられるが確かではない。
昔、川上に森が有り、何時も雲があった為(松浦日誌)
雲を被りたる山(バチェラー)
「ニ・シタプ」で樹木が収縮する処。(永田地名解)
錦多峰
同
小糸魚川右岸
小糸魚と同、小糸魚川の右岸。
大字小糸魚村
原名「コイドイェ」、語源は「コイ・ドイェ・イ」で浪・くずす・処の意。海岸で土地が低く、時化の為に浸蝕され、土地が削られた事に由来している。小糸魚川の川口付近の地名。
小糸魚
同
ポンコイトイ
「ポン・コイドイェ」で、子の・コイトイ川。小糸魚川の右岸支流。
コイズミ
ウスノ沢
原名「マーパオマナイ」で語源は「マ・パ・オマ・ナイ」、潤の・上手に・入っている・川、と思われるが確かでない。別名「ウスの沢」と言うが由来は明らかではない。
大字植苗村
原名は「ウエン・ナイ」で、悪い・川。美々川左岸支流。
美々
語源については諸説有り。別々と同義で、川・川の訛り(永田地名解)
植苗原野
植苗の原野。
植苗
同
パンケナイ
語源は「パンケ・ナイ」で、下の・川。美々川右岸支流。タプコプと旧植苗小中学校との中間ほどにある。
トキサタップ・トキサタマップ
語源は「ト・キサル・オマ・プ」で、沼・耳・にある・者。「プ」は流れ込む川を指したもので、西方から流れて「トキサラ」に注ぐ川の名前。
トアサ
原名は「ト・アサム」で、沼・の奥。(山田秀三)
ペンケナイ
語源は「ペンケ・ナイ」で、上の・川。美々川右岸支流。
夕振・夕振沢
不明
チライウシュナイ
語源は「チライ・ウシ・ナイ」で、イトウ(魚)・群在する・川。白鳥湖から流れて美々川に注いでいる小川。
沼ノ端
ウトナイ湖の傍らにある為。
アツペナイ
語源は「アクペ・ナイ」で、罠(をかける)・沢。勇振川の左岸支流。
タップコップ
原名は「タプコプシ」と思われる。語源は「タプコプ・ウシ・イ」で、たんこぶ・ついている・所。たんこぶとは、尾根の先にたんこぶの様に高まっている所の意。美々川の右岸にあって、植苗橋のすぐ傍まで突出している。
ヲタルマップ
語源は「オタ・オル・オマ・プ」で、砂浜の・中に・入っている・者。ウトナイ観光ホテルの傍を流れる小川である。
大字勇払村
原名は「イプッ」若しくは「イプチ」。どちらも、それの・その口で、「イ」、「それ」とは石狩湿地帯のシコツ=支笏(現在の千歳)を指す。
川口東方
サタップ
佐多布とも表記されるが語源不明。
「サツタフ(小川)乾る義に取」(松浦日誌)
「サタプ(乾きたる処)」(永田地名解)
ウチナイ
アビラフト
語源は「アピラ・プト」でアビラ川の・川口。アピラの語源は「アル・ピラ・ペッ」で片・崖・川によるもの。アピラの原地は不明であるが、「アビラフト」は安平川の河口で勇払川との合流地点である。
リヲタトシカ
タナシリ
語源は「タナシ・シリ」で、高くなっている・その土地。位置は勇払市街地の旧恵比須神社のあった南側付近。
マコマイ
真小牧、原名は「マコマイ」若しくは「マコマナイ」、「マコマイ」の語源は「マク・オマ・イ」、山奥に・ずっと入っていく・もの、で「マコマナイ」ならば「マク・オマ・ナイ」、山奥にずっと入っていく・川、で同義。現在の苫小牧川を指した地名で、かつてその河口が苫小牧港のすぐ東にあって海に注いでいた。
前浜
浜の前。白老町にもよくある字名。
トユウブツ
「ト・イプッ」で沼のイプッ。すなわち沼のある勇払川という事である。国道235号線と日高線との中間に細長く横たわった沼があり、東端は浜弁天部落の付近にあり、西端は断絶しながらも勇払橋と弁天沼を結ぶ道路の傍にあって、沼の水は僅かに西方に流れて勇払川に注いでいるが、かつては大きな流れとなっていた事が地形からも想像される。かつては沼より流れた川が西流して勇払川へ注ぐ小川を「トユウフツ」と呼んでいたものと思われる。
勇払
同
トアサ
同
ニナルカ
語源は「ニナル・カ」で川沿いの台地・の上。安平川の左岸にある低い台地を指したもの。
弁天沼
原名は「ピシウントー」。語源は「ピシ・ウシ・トー」で、浜・にある沼。かつてはかなり大きな沼であった事が推測できる。
トアツマ
語源は「ト・アツマ」で沼のアツマ川。すなわち沼のついているアツマ川の意。厚真川の右岸支流。一帯が湿地で、かつて沼であり、ここから小流が流れて厚真川に合流していたものと推測できる。
勇払間・勇払川間
沼ノ端
同
大字苫小牧町
原名「トマコマイ」、語源は「ト・マコマイ」、沼のマコマイ川。沼のあるマコマイ川という意。
苫小牧川はアイヌ語で「マコマイ」と呼び、かつて樽前山神社の西側に帯状の沼があって、ここから細流が東流して、マコマイ(苫小牧川)に注いでいた。この支流を「トマコマイ」と称したのであって、苫小牧の原名となった。
ワッカナイ
「ワッカ・ナイ」で飲み水・川。苫小牧川上流の左岸支流。
ここは王子製紙工場の上水道の水源地があり、ダムのすぐ傍に湧水があり、これを「ワッカオイ」、飲み水・そこにある・ところ、と呼んでいる。ここから流れた川が「ワッカナイ」である。
オテーネ・下オテーネ・上オテーネ
原名「オテイネウシ」で語源は「オテイネ・ウシ・イ」。その川尻が・いつもじめじめ濡れ・続けている・もの。
苫小牧駅の北側に広がる湿地帯に注ぐ小川の名。川尻が常に湿地に注ぐことから。原名の下半が省略されて「オテイネ」→「オテーネ」となった。
坊主山麓・坊主山
沼ノ端
同
ポンアビラ
語源は「ポン・アル・ビラ」で小さい・片崖、樽前山神社の南側にあたり、沼に沿って北川にあたった道の片側が崖にようになっていたと言われている。
苫小牧川尻・ノリキノ沢・中野・沼ノ端市街予定地
苫小牧
同
夕振沢・夕振・マチネイウシ・マチネ・マチコイウシ
浜
そのまま。
小糸魚
同
苫小牧殖民区画地
そのまま。
ウスノ沢
同
一本松・浜町・旭町・勇払・マチネウシ
字名改正後の字名解
字樽前
旧大字より
字錦岡
大字錦多峰村より
字糸井
大字小糸魚村より
字高丘
樽前山の裾野で、高丘になっているため。
字植苗
大字植苗村より
字美沢
美々川の雅称として。
字丸山
樽前山の裾野にある327mの山から。
字明野
明治天皇が御巡幸されたため。
字中野
小字より。(大字苫小牧町字中野)
字勇払
大字勇払村より
字沼ノ端
ウトナイ湖の傍のため。
字柏原
柏の木が密生していた所を開墾したため。
字弁天
弁天沼から。
字静川
安平川の流れから。
山手町
本町より山手にある為。
木場町
王子製紙工場の原料の木材の集荷される場所から。
緑町
旧字から
西町
苫小牧町市街の西部地区から。
弥生町・元町・浜町・旭町・東町・幸町・本町・大町・錦町・栄町・表町・王子町
旧町名から。
苫小牧町字名改称図(苫小牧市史 資料編 第2巻 60,61頁)
苫小牧町町名地番改称図(昭和18年・苫小牧町) (苫小牧市史 資料編 第2巻 70,71頁)
大正七年の苫小牧市街地設定(苫小牧市史 上巻 1331頁)
昭和三年に設定された町名(苫小牧市史 上巻 1335頁)
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