千葉吉蔵

ちば きちぞう 千葉 吉蔵
生年月日	1874年
没年月日	不詳年
出生地	日本の旗 日本 東京府下谷町（現在の東京都台東区下谷）
職業	撮影技師、編集技師、現像技師
ジャンル	サイレント映画
活動期間	1903年 - 1914年
表・話・編・歴

千葉 吉蔵（ちば きちぞう、1874年[1] - 没年不明）は、日本の映画創成期の撮影技師、編集技師、現像技師である[1]。日本で初めて移動撮影、俯瞰撮影、劇映画のロケーション撮影を行った人物である[2]。

人物・来歴[]

1874年（明治7年）、東京府下谷町（のちの同府東京市下谷区、現在の東京都台東区下谷）に生まれる[1]。

吉沢商店幻燈部に所属して現像技師を務め、1903年（明治36年）から同社がニュース映画等の製作を開始するにあたり、撮影技師となる[1]。当時同社の撮影技師には村上満麿、小西亮らがいた[1]。1905年（明治38年）には、枝正義郎が入社、千葉に師事[1]、東郷平八郎の凱旋を撮影した『東郷大将活動写真』を千葉技師・枝正助手で行っている[1]。枝正によれば、同作において、フィックス撮影中心であった当時の日本で、初めて移動撮影、俯瞰撮影を行ったのが千葉である[1]。

1908年（明治41年）には同社が撮影所を建設・開所した。同年、中野信近を主演に撮影した菊池幽芳原作の『己が罪』の撮影において、神奈川県・江ノ島にロケーション撮影を行ったが、これが日本初の劇映画のロケーション撮影とされる[2]。当時は監督の役割を果たす職能が存在せず[2]、中野らの解釈による芝居を千葉らカメラマンは撮影し、映画を仕上げていた[2]。当時使用した機材はゴーモンのカメラで、200フィートでマガジンが1巻終了になり、芝居の途中に「待った」と撮影技師が叫び、動きを停止してフィルム交換を行っていたのは、千葉の時代の話である[2]。

1912年（明治45年）10月1日、同社が他の3社と合併して日本活動写真株式会社（日活）を形成した際にも引き続き日活に所属し、翌1913年（大正2年）10月には旧吉沢の撮影所が閉鎖され、村上・小西らとともに新設の日活向島撮影所に異動している[3]。しかし同時期に日活から独立した山川吉太郎が設立した東洋商会に小西とともに引き抜かれて移籍する[4]。

以降、千葉の消息は不明である。

おもなフィルモグラフィ[]

日本映画データベースに記載される本数は少ない[5]が、資料に残っているものが少ないためである。東洋商会での作品に関しては不明である。

1905年

• 『東郷大将活動写真』 : 出演、吉沢商店[1]

1908年

• 『己が罪』 : 主演中野信近、吉沢商店[5]
• 『己が罪 続編』 : 主演中野信近、吉沢商店[5]
• 『幽霊かがみ』 : 主演中野信近、吉沢商店[5]

1909年

• 『己が罪 続』 : 主演中野信近、吉沢商店[5]
• 『想夫憐』 : 主演中野信近、吉沢商店[5]
• 『乳姉妹』 : 主演中野信近、吉沢商店[5]
• 『血の涙』 : 主演中野信近、吉沢商店[5]

関連事項[]

• 移動撮影 （en:Tracking shot）
• 俯瞰撮影 （en:Bird's eye shot）

註[]

1. ↑ 1.01.11.21.31.41.51.61.71.8 『日本映画発達史 I 活動写真時代』 、田中純一郎、中公文庫、1975年12月10日 ISBN 4122002850, p.130-132.
2. ↑ 2.02.12.22.32.4 『日本映画発達史 I 活動写真時代』 、p.136-139.
3. ↑ 『日本映画発達史 I 活動写真時代』、p.201-204
4. ↑ 『日本映画発達史 I 活動写真時代』、p.207-208
5. ↑ 5.05.15.25.35.45.55.65.7 千葉吉蔵、日本映画データベース、2010年3月23日閲覧。

外部リンク[]

• 千葉吉蔵 at the Internet Movie Database （英語）
• 千葉吉蔵 - 日本映画データベース
• 千葉吉蔵 - allcinema ONLINE

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