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2ちゃんねる用語(にちゃんねるようご)とは巨大掲示板群である2ちゃんねる内で発祥し、掲示板内において頻繁に使用されるに至ったインターネットの一群である。略して2ちゃん語と呼ばれることもある。
2ちゃんねる外のインターネットでは通用するもののネット外の日常生活ではほとんど使用されず、もっぱら2ちゃんねらー同士の“業界用語”的な隠語として使用されていた。しかし次第に若者語に取り入れられていき2004年頃から複数のギャル雑誌などで紹介されるようになり若い世代の特に女性を中心として2ちゃんねる外(特にブログサイト)・日常生活での使用が拡大している。
2ちゃんねる用語は2ちゃんねる内において一般の流行語よりも遙かに偶発的な発生の仕方をしている事が多く、すぐに死語と化している言葉も多い。これらの中で、共通理解語としての認定を多くの2ちゃんねらーからなされ、2ちゃんねる内で広く流布するに至った用語が、たまたま2ちゃんねる用語として確立されるとされるが、実際には世間や他所のウェブサイトで流行している用語をそのまま借用する事例も少なくない。代表的な2ちゃんねる用語は、2ちゃんねる内でも2ちゃんねらー自身によって2典として日々編纂されつつあるが、死語になって使われなくなった言葉もそのまま掲載されているので利用する際は注意が必要である。
あくまでも隠語であるため2ちゃんねる外の一般の掲示板やメールでこの用語を使用することは2ちゃんねるを利用しないインターネットユーザ、また2ちゃんねる利用者からも不快に感じられることがあるので注意すべきである。
もっとも、これらの用語は掲示板参加者たちの意識下や無意識下での願望、即ち殺伐とした掲示板の中でいわゆる「マジ」な状態を互いに回避してリラックスした雰囲気を保持したいという気持ちの顕れでもある。そして、それはある程度の成功をおさめているといえる。また、これはこの掲示板を利用する者たちのペルソナとしても役立っている。つまり、「2ちゃんねる用語」というツールがあることで、スムーズに日常と非日常を行き来しそれらの境目をはっきりと認識できるのである。たとえば、日常で言えない、または本来の自分が言うべきでないと自認する意見であっても、このペルソナがあれば大多数の中の一部の意見として自己の中で改ざんできるのである。この点が、用語の2ちゃんねる外での無頓着な利用が2ちゃんねる利用者からさえも歓迎されない原因でもある。
2ちゃんねるでは相手を罵倒することは日常的によく行われる。そのため相手をけなすような下品な言葉のボキャブラリーも豊富であるといえる。しかし、使用する側もそれほどの悪意を持って使っているとは限らず、むしろ軽く投げかけるような形で使われている場合がほとんどである。また、板によってかなり差はあるが基本的に敬語は存在しない。文末表現は「です・ます」調ではなくかなりくだけた「だ・である」調が用いられる場合が多い。
この掲示板を頻繁に利用するユーザーには同一のセンスが垣間見える。それがこの用語の特異性に貢献し、外部でのミスマッチを引き起こしてもいる。
2ちゃんねる用語では主に以下の特徴が存在する。
文字の不足または過多によってタイプミスの変換などの誤植によって投稿されたもの、あるいは敢えて積極的に誤変換した文字を見て、他の2ちゃんねらーが面白がって使用し、広く使われるようになった言葉もある。
読み間違いや、または正しく表記せずに書かれた言葉を他の2ちゃんねらーが面白がって使用し、2ちゃんねる内で常用となることがある。
時事報道によって広まったもの「~しる」(本来は「~しろ」)韓国の金泳鎭元農林部長官が、「ろ」と「る」を間違えて「日本は反省しる!」と記載したプラカードを持って衆議院議員会館前でハンガーストライキを行ったことを由来とし、命令形用言として現在では2ちゃんねる以外でも幅広く使用されるほど普及している。「~汁」と変換されることもある。経緯詳細は金泳鎭議員の記事を参照。ぎなた読みによる文節の誤読アフガン航空相撲アフガニスタンのアブドゥール・ラフマン航空観光相が暴動で撲殺された際、ニュース報道の『アフガン航空相撲殺される』という見出しが、多くの人に「アフガンの航空相撲(というスポーツの選手)が殺される」と誤読された。これがきっかけで「アフガン航空相撲」という単語が壮大な架空スポーツネタへと発展した。この先生きのこる『この先、生きのこる』とするところを「この先生きのこる」と読点を付けずに表記された事から、「この先生、きのこる」と誤読されたことが由来。更に「きのこる」という単語がネタとなった。あびる優れたタレントあびる優がテレビ出演時に集団窃盗を告白し話題となった際、「今注目をあびる優れた○○」(「今注目を浴びる、優れた○○」の意)というスレッドタイトルが流行した。暴力二男ある時暴力沙汰の事件のニュースのスレッドが立ち、その事件の被疑者が家族構成において次男に当たる人物であったが、スレッドタイトルが本来ならば「次男」となるべきところが「二男」と書かれてしまい、「暴力・次男」が「暴・カニ男」と誤読された事が由来。音読みと訓読みの混同ぐんくつ(軍靴・正しくは「ぐんか」)、すくつ(巣窟・正しくは「そうくつ」)など。ガイシュツ(既出・正しくは「きしゅつ」)や、きじゃくせい(脆弱性・正しくは「ぜいじゃくせい」)は読み間違いである。音位転倒を起こしているものふいんき(雰囲気・正しくは「ふんいき」)、ふれひす(平伏す・正しくは「ひれふす」)、さやわか(爽やか・正しくは「さわやか」)など。発音の性質上、誤用そのものは2ちゃんねる以外でもよく見られる。2ちゃんねる内でネタとして使われる場合は、「ふいんき(←なぜか変換できない)」と付けるのが一般的である。また、これに乗じ、「空気←なぜか読めない」といったネタも存在する。単語の文字の一部を形が似ている字や同音異字に置き換えたもので、しR(JR)や束(東)、西瓜(Suica)、酉(西)、日本航空のロゴマークのJAノL、などがその例である。JR九州に関してはjrq、しR吸収などと書く。
一般的な用語の省略形であり、串(プロクシの略に当て字)などが代表的である。句読点の省略などと同様に、かつてのパソコン通信時代に通信容量を可能な限り節約するために生まれた慣習だが、現在ではそういう意識で使っている人はほとんどいない。
上記の酉や束など、漢字一文字に略される例が多く、対象もコンピュータ用語や企業名から個人名(時には誹謗中傷目的で)まで多岐にわたる。意外に使用例は古くからあり、ニフティサーブのフォーラム等でもPCの型番を漢字一文字に当て字で略した例などがみられた(PC-486NAV=鍋 PC-486NAU=鮎など)。
なお、この現象は最もポピュラーなもので2ちゃんねるに限らずオンラインゲームでの「こんにちは」→「こん」「よろしく」→「よろ」「おつかれ」→「おつ」ないし「乙」などのあいさつでも見られる。この場合は、入力する手間を減らす目的や、手早く入力しなければならない時に用いられる事が多い。
似たような意味の短い言葉を代用[]項目名である「2ちゃんねる用語」という括りから少し外れるが、2ちゃんねる用語を生み出す土壌として「仮定・予測・推測・希望に過ぎないことを、あたかも確定した既成事実であるかのような表現に強引に変えて他人のレスを煽る」傾向が非常に強く、これが多くの独自の2ちゃんねる用語を生み出す土壌になっている。
これらはほんの一例であり、特定の板でのみ通用する用語も無数に存在する。
通常は半角で使用しないような表現を、半角カタカナで表現する。感嘆詞や文末の体言止表現などに多く見られる。
1946年告示の現代かなづかいないし1986年改訂の新かな遣いが公布されるまで使用されてきた歴史的かな遣いに似たものをあえて用いる。ただし、「ゐ・ゑ・ヰ・ヱ」は「を・ヲ」程あまり使われてはいない。
ラテン文字・ギリシャ文字・キリル文字などの外国語文字や日本語の仮名、各種の記号などを駆使して、数文字で顔文字や絵文字を形成し視覚的に使用することが好まれ、その例は枚挙にいとまがない。また、本来は仮名そのものとして読むことの出来る1~2文字をそのまま視覚表現に使用する変わった例では、自分の一行レスポンスを掲示する手を表現した「つ」、人差し指を突きつける手を表現した「m9」、左腕を挙げ振って自分の存在表現のために挙手するさま、あるいは別れの挨拶をするさまを表現した「ノシ」などがある。
漫画・アニメ・コンピュータゲームにおいて使われたセリフを部分的に改変して使われた時、それが面白い場合、2ちゃんねる内で流行して常用となることがある。漫画・アニメ・ゲーム自体がマイナーなものであっても、2ちゃんねる内でセリフが使われることによって、後々において漫画等が認知されることもある。大抵の場合、アスキーアートとともにセリフを用いる。
単語から特徴を抜き出し、表現したもの。この種の2ちゃんねる用語は一般に用いられる語に、社会情勢や行動などを考慮した独自の意味を追加したものも多く、一種の風刺(皮肉)とも捉えられる。プロ野球に関係する語句が多く見られる(投票ちゃんねる絡みが殆ど)。
例主に2ちゃんねるのスレで作られた単語がそのまま使われるようになったもの。例として特定アジア・アサヒる・朝鮮玉入れ等がある。独自語として使われる単語は主に、ある種の物事に関して、典型的な例として考えられたものを、多くの閲覧者が同じような考えをした事がある、もしくはあったために共感を呼び、そのまま使用されてインターネットとして定着する物が多い。その為、単語自体には大した意味を持たず言葉の羅列に過ぎないものもある。
通常の言葉を独自の文法規則に則り変化させ、2ちゃんねる用語的に変化させることがある。これは、漫画的な言い回しによって、やわらかく砕けた雰囲気を出すためにするようである。また、同じ言葉を使う仲間内という連帯感を持つ作用もある。
例として
促音を省略し、舌足らず感を演出する他、(主に携帯電話での)書き込みの際に「っ」及び「ッ」の入力の煩わしさを解消する目的もある。
例:「だったよ」→「だたよ」・「おわった」→「オワタ」
4音節の単語に於いて2文字目が促音であった場合にこれを抜き取り、代わりに3文字目に長音を挿し入れる。
例:「まったり」→「またーり」「おっさん」→「おさーん」
例外:「逮捕」→「タイーホ」
形容詞を作る接辞「~っぽい」の終止形の省略「ぽ」が多用され、やがて推定を表す終助詞として使われるようになった。後に推定ではなく婉曲を表す用法も生まれた。
例:「むり」→「むりぽ」
由来は2001年にWinMXの利用者が検挙された際、実際に家宅捜索を受けている様子を掲示板上で実況していた人物が、最後に残した書き込み「もうだめぽ」。何をタイプミスしたのか不明なため様々な憶測を呼んでいるが、2典では「もうだめっぽい」の意味と解釈している。「もうだめポリスが来る」とも。
単語の一文字目が母音/o/で始まるとき、/m/を追加して/mo/に変換する。これによってやや間が抜けた響きになるので、衝突を好まない方針の板・スレッドでよく使われる。「俺も俺も(oremooremo)」のタイプミス「俺漏れも(oremoremo)」が由来とも言われる。
例「おまえら(omaera)」→「もまえら(momaera)」
「落ち着け(otituke)」→「餅つけ(motituke)」
特に発生するための決まった条件はないが、母音/e/が/i/に、/o/が/u/に変わる場合がある。
例:「おまえら」→「おまいら」、「しろ」→「しる」
これも間が抜けた響きによって場を和ませる意図で使われる。また、これらの音韻規則は沖縄方言にも見られる。
「さ」と「た」が同じ段であることに由来。また、「たま」からさらに変形し「ちゃま」と表すこともあり。
例: おれさま(俺様)→もれたま(漏れ多摩) 、こうもんさま(黄門様)→こうもんちゃま(黄門ちゃま)
例:「ありがとう」→「thanks(サンクス)」→「thx」
他に「ありがとう」→「ありがトン」→「トン、㌧」+「サンクス」→「トンクス、㌧クス」などがある。
単語をローマ字表記し、更に母音を外して子音のみで表記する。一種の純粋なアブジャド的書法である。特にVIP語で顕著。
例:
この変換をする前の単語が幾通りも想像できるため非常に解りにくく、多く使用されているスレッドではその意味を聞いている場面が見られることも少なくない。解りにくいことは使用者も承知なのか、この語に限っては無知を罵倒せず素直に意味を教える場合がほとんどである。なお、同様に母音を省略する表記はアラビア文字系統を使用する言語やヘブライ語などにも見られる。
丁寧のコピュラ「です」「ます」の /s/ を /ts/ に置き換え「でつ」「まつ」としたもの。「でつが」「まつよ」のように接続も可能。/s/ と /ts/ が似た音のためと考えられる。
例:「良いです」→「良いでつ」、「行きます」→「行きまつ」
ちなみに「でつ」がスヌーピーに見える、というネタは、2ちゃんねるに限らずネット上ではよく知られている。
英単語等を日本語IMEで入力して表示される文字列が定着する例も見られる。
例:「up」→「うp」、「ok」→「おk」、「test」→「てst」
ただ、「うp」はアップロードという意味で、頭文字をそのまま入力したもの。
日本語を数字に語呂合わせして表記するものであり、たとえば「お疲れ」の略語「おつ」を数字表記に変換すると「02」になり、「よろしく」の略語「よろ」を数字表記に変換すると「46」となる。「ヤクザ」は「893」、殺し屋は「5648」(ヤクザと殺し屋を電話番号風に合体して893-5648と表す場合も)となる。
使用範囲は2ちゃんねるに限らず、オンラインゲームのチャットなどでも使用される(対戦系ゲームでの「55
だが、現在は死語になりつつある(但しスレッドのタイトルパートに用いられている例もある)。
「よ」から/y/が抜けた終助詞「お」
例:「そうだよ」→「そうだお」「お」の前に( ^ω^)が付く場合がある。
驚いている時や混乱している時に使われる時に「くぁwせdrftgyふじこlp」という語が用いられる時がある。これは、キーボード上の「Q」「A」「W」「S」…とアルファベットの上段と中段を順番に入力するとなる。
w記号の異常な多用(内藤語と呼ばれる。元々は、いくつかのオンラインゲームで多用されていたもの。(笑)も参照のこと。通常の(笑)よりも嘲笑の意味を持つ場合がある)
半角で表記され「ス」で終わる数多の形容詞群、同じく半角で表記され主にSI接頭辞を転用した数多の副詞群など。
これらは当て字や誤変換を発端に、多くの利用者に気に入られたものだけが定着したと考えられる。そのため変化後に語感が悪くなることはまず無い。利用者は意識せず体で覚え、自由自在に活用している。主体性を欠いた行動様式である点は、従来の流行語・若者言葉の類と同質である。
様々な事件・様々なムーブメントによって今や一般層にまでその名が知れ渡る事になった2ちゃんねるだが、その内部でのみ成立する言語形態を外部のブログ・他の掲示板や一般社会上で平気で使ってしまうマナーの問題が発生している。特に2ちゃんねる外の掲示板やブログ等のコメント欄に、悪意のあるなしにかかわらず「2ちゃんねるのノリ」で書き込み、不快感を与えてしまうマナーに欠けた者が後をたたない。これはネット環境が整う時期の低年齢化や2ちゃんねるのメジャー化による弊害と言われている。
この現象は西鉄バスジャック事件で2ちゃんねるが有名になった2000年頃から憂慮されている。当時から2ちゃんねる外部での2ちゃんねる用語の使用を恥ずべき行為とする風潮は存在するが、荒らしなどによって2ちゃんねる用語が使われてしまうことは多々ある。このため、2ちゃんねる用語の使用自体を荒らし行為扱いして禁止する掲示板も散見される。
Smallwikipedialogo.png | このページの内容は、ウィキペディアから取られています。オリジナルの記事は、2ちゃんねる用語にあります。この記事の著作権者のリストは、ページの履歴を御覧ください。Monapediaと同じく、ウィキペディアのテキストは、GNU Free Documentation Licenseで提供されています。 |
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