てすと2
ページ名:てすと2
《序章》
バレット山の山頂で私だけみんなに助けられて(置いて行かれて)から気が付くともう2年がたっていた
あの日、このよく似たこの世界に迷い込んですぐに戻ろうと思ったけど、自身が神聖魔法を使えなくなっていることにすぐ気が付いた。
原因になったのはきっと最後に見たあの光景と
「あぁ、やっぱり神様はどれだけ祈っても私の大事な人たちを助けてくれないんだ・・・」
というこの気持ちなのだろう。
頭では神様は力を貸してくれるだけで、私たちが代行者として人を助けるものだとわかっていても
心が世界を神様をそして何より自身の力のなさを呪わずにはいられなかった。
みんなに救われたこの命の使い方を考えた時、私にできることはやはりまた他のだれかを助ける事だけだった。
けれど信じる心を失って力の大半である神聖魔法は使えなくなっていた。
自身の指揮でみなを死なせたのはないかという恐怖心から指揮する声はもうでなくなっていた。
けれど人を助けるためには力が必要だった。
やさしさや理想を無くしてでも、何かを犠牲にしてでも行使できる力を探した。
この2年間、血も涙も穢れも呪いも何もかもを受け入れてようやくまた誰かを助ける力を少し取り戻した。
だからここから始めよう、みんなを失った私の「一人ぼっちの英雄譚の続きを」
《第一章》
気が付くと龍みたいな人と旅人風貌な人と知らない小川のそばで寝ていた。
聞くところによるといつの間にか荷物にあったこの石のせいらしい
危険な特性だなと思ったけど、持っていれば同じように巻き込まれた人を助けられそうだな・・・
どうやら巻き込まれた人たちは、長月さんとリンドブルムさんという人たちだった。
少し変わった人たちだけど悪い人たちではなさそうで良かった。
とりあえずPTを組んで森を散策していたけど、この人たちのやり取りを見ていると
なんだかすごく和ごむ、あまり他の人とPTを組んだことはないからかもしれないけど
私たちと雰囲気というかやり取りの具合がかけ離れていた(どっちが普通なんだろう・・・)
まだ馴染んでいない力が反発をおこして詠唱を失敗した、そのせいでリンドブルムさんが倒れてしまった。
幸い無事でよかったけど、最悪死んでいたかもしれなかった・・・二度とないようにしないと・・・。
森で出会ったトレントさんの話を頼りに不思議な湖にたどりついた。
水浴びをすれば力を授かるらしいけど、遠慮した。
(なぜか長月さんにふんわりと理由を見抜かれていたそんなにわかりやすかっただろうか・・・?)
体の傷もあったけど、何より穢れきった体と力を持った私がこの湖に入ることで
穢れに敏感な妖精たちがいやな思いをしそうでなんとなく入ることに抵抗を覚えてしまった。
色々と気遣ってくれた二人の提案を断ることに少し罪悪感を覚えたけど
そうやって気遣ってれた二人のやさしさが少しうれしかった。
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