危険な過去への旅(エピソード)

ページ名:危険な過去への旅(エピソード)
現実世界
(制作視点での記事)

危険な過去への旅
"The City on the Edge of Forever"

TOS シーズン 1
制作順No.6149-28
本国初放映1967年4月6日、第28話
Guardian of Forever, 2267.jpg
脚本ハーラン・エリソン
監督ジョセフ・ペブニー
西暦2267年、1930年

 誤って過剰量のコルドラジンを自分に注射したドクター・マッコイは過去へ溯り、歴史を変えてしまう。

目次

エピソード概要[]

エディス・キーラーとジム・カーク

プロローグ[]

 エンタープライズは不思議な惑星の周囲を取り巻いた時間の歪みによって引き起こされた激しい嵐を通っていた。衝撃波でブリッジの操舵コンソールから火花が噴き出し、スールー大尉は怪我した。応急処置にドクター・マッコイはブリッジへ呼びかけられた。マッコイがコルドラジンのハイポスプレーを用意しながら、カークはあの薬が危険だと忠告した。

 スールーが意識を回復するとすぐにエンタープライズはもう一つの衝撃波に揺られた。その瞬間にマッコイはまだハイポスプレーを手に持ちながらつまずき、自分に過剰量のコルドラジンを注射してしまい、苦痛で悲鳴をあげた。薬はマッコイの精神状態に弊害を生んだ。「人殺し!」と何回も喚き散らしていたマッコイはパラノイアの徴候を示していた。スポックの手を振り解き、ブリッジから逃げた。カークは警備班にマッコイを探すのを命じた。

第一幕[]

艦長日誌、補足。コルドラジンは 2、3滴なら人命を救うが、それ以上は危険だ。だがドクター・マッコイの身体に100倍に上るコルドラジンが偶然に注入されてしまった。その結果現れた狂気の症状は、一時的なものか永続的なものなのか、今後どのような変化が現れるのか、何一つわからない。』

 マッコイは警備班をかわし、転送室でカイル大尉を殴って意識を失わせ、惑星の表面へ自分を転送した。

 カーク、スポック、ウフーラスコット、ギャロウェイともう一人の警備士官からなる上陸班もマッコイを見つけるように転送した。その捜索中に、スポックとカークは時間の歪みを引き起こしていた物体を発見した。それは門のように見える荒削りの石の輪である。スポックとカークが話し合うと、その門は永遠の管理者として自己紹介をし、自分が同類はなくて知覚のあるものだと説明した。輪の穴から地球の歴史を描写するモンタージュを映し始めた。映像の周りには霧が幕のように下りていた。

 マッコイが見つかり、ヴァルカン首つかみで鎮められた。取っ組み合いの後、カークとスポックは再び門に注意を向けた。スポックがトリコーダーで門の穴に映っていた映像を録画していた間、マッコイは意識を取り戻した。観察から永遠の管理者を通して逃げられると気づいたマッコイはカークとスポックを含めて上陸班が知らないうちに門へ向かって走った。穴の中に飛び込み、地球の過去へさかのぼってしまった。その後、ウフーラはエンタープライズとの連絡が突然に失ったと報告した。永遠の管理者はマッコイが歴史を変えたことでエンタープライズがもう存在しないと説明する。

第二幕[]

『"艦長日誌、宇宙暦なし。我々にとって、もはや時間は存在しない。ドクターが過去へ戻り、時間の流れを変えてしまったのだ。今や地球もエンタープライズも、何もない。望みはただ一つ。私とスポックも過去に戻り、ドクターに歴史を変えるようなことをさせないことだ。』

カークとスポックはマッコイを追い、歴史を元に戻そうとするほかはない。出発前、カークは失敗したら生きていく為に上陸班も門に入って過去へ戻るのをスコットに命令した。トリコーダーの録画でスポックは飛び込むタイミングを予測した。

 飛び込んだら、カークとスポックの二人は1930年代のアメリカに到着した。二人が着ている宇宙艦隊制服とスポックのとがった耳から、彼らは場違いに見えるのは明らかである。変装の為にカークは非常階段に干してある服を盗んだが、現行犯で警官に捕まった。カークが盗みとスポックの耳を下手に弁解しようとした後、スポックはヴァルカン首つかみで警官に意識を失わせた。他の警官に追いかけられた彼らは21番街の伝道会館と呼ばれる無料食堂の中に隠れた。そこで彼らはホームレスの為に食堂と会館を営業するエディス・キーラーという名の女性と出会った。

彼らはお金を持っていないと説明すると、キーラーは一日に十時間伝道会館で掃除することと交換に15セントの時給を提示していた。スポックとカークは直ちにその条件を受け入れた。昼食後、キーラーはカークとスポックの掃除が徹底的だと言って誉めたら、寝場所があるかどうかとも聞いた。彼女の住んでいる所が家賃週$2の空室があることを告げた。

マッコイの到着日付や歴史を変える理由を確かめようにもトリコーダーの再生スピードが速すぎてわからない。カークとスポックはトリコーダーの改造に必要な部品に二人の収入の全てを使い込んだ。三日目の仕事後、カークはラジオ真空管や針金等を抱え、スポックと同居している部屋に帰る。スポックは1930年代の技術不足でイライラしているようである。勤務の他にスポックは回路基板を作るのに何時間も費やしていた。最終的には、何回も挫折した後、スポックはようやくトリコーダーの情報を一部ながら引き出せた。スポックはエディス・キーラーの差し迫った死亡記事を見ていた。それからキーラーが六年後にフランクリン・ルーズベルト大統領と協議をしたことについての新聞記事をカークに見せた。その可能な二つの未来の中では一つしかあり得ない。キーラーの生死によって歴史が変わる。この点ではマッコイが介入し、結果を変えてしまうに違いない。しかし、カークとスポックはマッコイが彼女を救うか、それとも彼女を殺してしまうか。どちらの結果が正しい歴史に繋がるのか、どのように歴史が変わるかがわからない。

「エディス・キーラーが死ななければならないと出たら、船長はどうします?」スポックは不安そうなカークに聞いた。

第三幕[]

 カークとスポックがついた一週間後、マッコイも到着した。コルドラジンの効果で青い斑点がマッコイの顔に出ていた。またパラノイアに未だ陥った状態で「人殺し!」と喚き散らしていた。会館でよく過ごすホームレスの男性と出会い、現在地や日付、惑星、星座等について質問していた。薬の副作用と不慣れな環境に対するショックでマッコイは倒れ、気を失ってしまった。ホームレスの男性は貴重品を盗むようにマッコイのポケットを探り、フェイザーを見つけた。そのものの価値を評価しようとしている間、男性は偶然に電源をつけ、自分と武器自体も蒸発させてしまった。

 意識を取り戻した後、マッコイがコルドラジンの効果が少し無くなり、会館へ向かった。カークとスポックがマッコイを見かけないうちにキーラーはマッコイを寝場所へ連れて行った。
 追加の改造で、スポックはマッコイがキーラーを救うことで歴史が変わるのを確かめた。命が救われた後、キーラーは第二次世界大戦におけるアメリカの介入を遅延させる平和運動を創立する。その結果、ナチス・ドイツは重水とロケットの研究を完成させ、原子爆弾や原爆を打ち上げられるロケットによってナチスは世界を征服してしまう。

カークはキーラーに恋してしまったとスポックに認めた。しかし、スポックはエディス・キーラーが「死ななくてはなりません」と返事した。

第四幕[]

薬の副作用が段々消え、マッコイは恩返しとして会館での援助をキーラーに申し出ていた。会話中に、キーラーは「お友達とクラーク・ゲーブルの映画を見に行きます」と言及し、マッコイがクラーク・ゲーブルが誰か分からないことに驚いた。

その夕方、カークとキーラーはデートのため一緒に散歩していた。通りを渡っていた間、キーラーはクラーク・ゲーブルの映画に間に合うように急いだほうがいいと進めていた。カークは「誰?」と聞いた。キーラーはドクター・マッコイが同じことを聞いたと驚きで言った。マッコイが既に到着し、キーラーと出会ったことを遂に気づいたカークはキーラーにそこを動かないで、と命じ、スポックを呼び掛けながら、会館へ向かって走っていた。カークが向こうの歩道に近寄ったら、マッコイは途端に正面入口から出ていた。あまりの喜びと安堵感で、カークとマッコイは抱き合っていた。

その騒ぎで惑ったキーラーはカークが先に言った命令をうっかり逆らい、道路を横断し始めた。キーラーが知らず、大型トラックは彼女の方向に向かっている。カーク、スポックとマッコイが差し迫った事故の光景を眺めていた。マッコイは道路に飛びかけていたが、カークはマッコイの腕を攫んだことでキーラーの命を救わせないようにした。

怒ったマッコイは「自分のしたことがわかってるのか?」とカークに詰問した。しかし、カークはその問いに答えられず、マッコイを押しのけ、キーラーの死を悲しんでした。「誰よりもわかってます。船長には」スポックはカークの代わりに答えた。

歴史を修正した三人は門の穴から自らの時代に戻ってきた。スコットは上陸班にとって三人が一瞬前出発したと述べた。永遠の管理者は他の過去への旅を提供していたが、カークは断り、上陸班に「早く地獄を出よう。」と言っていた。

上陸班と悲しみに満ちたカークはエンタープライズへ戻った。歴史は救われたのに、大変な犠牲を強いた。上陸班を転送した後、吹きすさぶ風の音だけ聞こえていた。永遠の管理者は他の旅人に質問をされる時までまた待ち続けていた。

記憶に残る言葉[]

"君!ここはどこの惑星だ?"

- 20世紀に生きていたホームレスの男性に尋問していたマッコイ


"人殺し!"

- コルドラジンの偶発的な注射後のマッコイ


"諸君の太陽が燃え人類が生まれる以前から、私は質問を待ち続けていた。"

- 永遠の管理者、カークに


"機械かそれとも生物か?"
"どちらでもないと言っておこう。私は私だ、ほかに同類はいない。"

- カークと永遠の管理者


"諸君の船も記録も、あったものは全て消えてしまった。"

- 永遠の管理者、マッコイが過去を変えてしまった後


"この男は、ご覧のように変わってまして。。。耳に気がついたでしょう。これには簡単なわけがありましてねえ。"

- 警官にスポックの容姿を説明しようとしていたカーク


"もっと上手な嘘をおつきになったら?"

- カークとスポックと初めて出会ったキーラー


"記憶回線を作ろうと、全力を傾倒してるところなんですがね。しかも、石の斧とクマの毛皮を使ってね?"

- トリコーダーを修理していたスポック、キーラーに


"力になる。私の予測では今から百年ほど後にある有名な作家がそのセリフを使って素晴らしい作品を書きますよ。『愛してる』という言葉より流行らせるんです。"

- カーク、キーラーに


"君はわざと、私を止めたな?。。。助けられたのに。自分のしたことがわかってるのか。"
"誰よりもわかってます。船長には。"

- マッコイ(カークに)とスポック、キーラーの死を巡り


"早く地獄を出よう。"

- エンタープライズへ転送する前のカーク

背景[]

連続性[]


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シーズン 1
次エピソード
制作順: TOS: クリンゴン帝国の侵略
日本放映順: TOS: ゴトス星の怪人
本国放映順: TOS: 二つの宇宙
制作順: TOS: デネバ星の怪奇生物
日本放映順: TOS: ベータ・スリーの独裁者
本国放映順: TOS: デネバ星の怪奇生物
TOS: 魔の宇宙病スタートレック:宇宙大作戦
(デジタル・リマスター版)
TOS: 不思議の宇宙のアリス


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