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エイミン・マリッツァ()
エイミン・マリッツァ(Aamin Marritza)は、カーデシア人の記録保管係であり、かつてベイジョー星にあったガリテップ強制収容所において、ガル・ダーヒールに仕えていた人物の一人だった。2357年にガリテップ収容所がシャカール・レジスタンスに解放されるまでそこで勤務していた。
マリッツァは記録係としてカーデシア軍に雇われ、ガリテップで業務をこなし、収容所の長官だったダーヒールは、マリッツァの記録係としての正確さを褒め、何度か表彰したほどであった。しかし、マリッツァ自身はその仕事を誇りに思えなかった。彼は、強制収容所の中で、泣き叫び、助けを求めるベイジョー人たちの声を毎日のように聞かされ続け、ダーヒールやカーデシア兵による虐殺を止めさせることができない無力感に打ちのめされたためだった。
そして、ガリテップにおいて鉱山事故が発生した時にカラ・ノーラ症候群となった。
その後、2364年までにコラ2号星へと移住し、カーデシア士官学校で文書記録の教官を務めた。だが、コラ2号星に到着直後、彼はある計画を立案し、自分の顔をダーヒールに似せて整形した。
それから5年後の2369年、彼はコラ2号星での教官職を辞め、ベイジョーが管理しているディープ・スペース・9を経由するコビリアンの輸送船に乗った。
ディープ・スペース・9到着直後、ガリテップ強制収容所にいた者しか発症しないカラ・ノーラ症候群を患っていることが原因でキラ・ネリス少佐の命令で拘留された。すぐに彼の身元調査が行なわれ、2357年頃のガリテップでの画像が発見されるものの、当時のマリッツァの画像が現在とは全く異なるどころか、ステーションにやってきた人物はダーヒールそっくりだということが判明した。
キラ少佐は、ダーヒールがマリッツァを殺して彼に成りすましているのではないかと疑惑を持った。それは、自らの病気をカラ・ノーラ症候群ではなく、常用する薬が同じであるポトリック症候群であると偽ったことから端を発した。続けて、マリッツァは「私こそがガル・ダーヒールだ」と自ら名乗り出し、占領時代のベイジョーに起きた虐殺を、まるで「ダーヒールが誇らしげに語る素振り」を演じてみせることで、キラ少佐に彼が戦犯であるダーヒールであるという確信を抱かせるように誘導した。
しかし、ステーションの保安主任であるオドーが調査を行ったところ、数ヶ月前にコラ2号星からキラ少佐の記録にアクセスした記録が発見された。また、ガル・デュカットから入手したダーヒールの記録では、カラ・ノーラ症候群の原因となった鉱山事故の際にダーヒールはカーデシア・プライムへと出張しており、そもそもカラ・ノーラに感染すらしていないことが判明した。更に、ダーヒールは2363年に死亡していることまで判明した。ドクター・ベシアによるマリッツァの医療記録の調査結果から、マリッツァがコラ2号星へ赴任した直後に大量の皮膚刺激薬を服用した記録が見つかり、マリッツァが美容整形を行った疑いが強まった。
これらの調査結果を元に、ダーヒールを名乗るマリッツァに対して尋問した結果、彼は自らをダーヒールであると身分を詐称したことを認めた。
マリッツァは、ベイジョーに捕まれば間違いなく処刑されるであろう人物であるダーヒールを演じ、そして、処刑されることで、カーデシアがベイジョーに対して行なった虐殺行為をカーデシアに広く周知させ、償わせるつもりであった。ベイジョー占領下での記憶が彼に大きな影響を与えており、虐殺を止めさせることが出来なかった自分を許せなかったのである。だが、キラ少佐はマリッツァは虐殺行為に加担していないため戦犯ではないと判断し、彼の釈放を決めた。
マリッツァは釈放されコラ2号星に戻ろうとした矢先、ベイジョー人のケイノンという男に背中から刺されて命を落とした。彼は大量虐殺の戦犯という理由ではなく、カーデシア人だからというだけで殺されたのであった。(DS9: 謎のカーデシア星人)
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