開発日誌“新しいクラスを作る:ワーデン”

ページ名:開発日誌“新しいクラスを作る:ワーデン”

はじめに[]

中つ国のすべての文明の前哨地は、荒野の略奪行為から家と故郷を守る仕事を自らの義務とする人々を有しています。彼ら「ワーデン」は、文明の土地の国境(くにざかい)を巡回し、この混迷の世に邪悪な生き物が侵略してこないよう防衛の任に就いています。

開発過程[]

LOTROの新しいクラスの一つについて、デザインの統括を指示された際、私は2つの主要な指示を与えられました。ひとつめは、新クラスがグループ中にメインタンクの機能を果たすこと。二つ目は、他のどのクラスとも明確に異なるビジュアルにならねばならないことです。それらの目標は、クラスの名前とともにワーデンの基礎を形作りました。

ビジュアルスタイル[]

新しいクラスを作るPIC

クラスの役割に先んじて、まず最初にビジュアルスタイルが決まりました。槍はLOTROで最も独特な武器の一つですが、これは多くのプレイヤーにあまり重宝されてきませんでした。このクラスが槍に特化することは、明確に他の近接クラスから際立ちます。

期待されるタンクの仕事に必要な盾とともに、基本的な見た目と感覚の核となる要素がありました。中装鎧という選択はこのクラスを特に際立たせ、何回も「トロイ」とか「300」を見まくった私の共同デザイナーを喜ばせました。

デザインを進める過程において、最初の想定ではワーデンは他のタンククラスと同様に、弓を遠隔攻撃で使っていました。しかし「槍に特化したクラス」は、弓の代わりに「投げ槍」を導き出しました。この選択はワーデンを、ハンターや他の遠隔攻撃部隊からより鮮明に区別することができます。

これによって最終的なワーデンの見た目が決まりました。すべての戦闘の役割の中で視覚的に際立ち、戦場において容易にそれと見分けられるクラスとなったのです。

ゲームメカニズム[]

新クラスのデザインの難しい部分は次の通りです。すなわち「ワーデンは実際に何をするのか?」と。

最初のステップはワーデンならではの独自のゲームプレイ要素を作ることでした。大部分のLOTROのクラスは他のクラスと区別のつく特徴的な仕組みを持っています。チャンピオンとハンターは熱狂値と焦射値。ガーディアンは反応連鎖スキル。ミンストレルは譚歌のステップ、などなど。

ワーデンのデザインにおいて、コンボの仕組みは非常に早い段階で持ち上がっていました。私のビジョンは「ワーデンは特定の手順で起動することで、さらに強力なスキルを使えるようになる、シンプルなスキルのセットを持っている」というものでした。我々はそれを「布石」と呼ぶことにします。

次の問題は、どうやって中装鎧を着たクラスが、効果的にタンクとして機能できるかということです。

受けるダメージに対抗する手段は限られています。ダメージを減らす、回避する、大きな士気で受け止める、何らかの回復手段を持つ……などなど。

ダメージの減少という手段は、中装鎧とは相容れません。回避という手段は可能ではありますが、でもすべてのクラスが普通にブロック/受け流し/回避を使っています……何か別のものが必要です。


とてつもない士気の山を積むことも可能ですが、この道には好ましくないバランスの問題が潜んでいます。こうして他の道は閉ざされ、ダメージを癒すなんらかの方法を持たせる必要が生じました。この治癒の能力は、ミンストレルやキャプテンといった他のクラスの価値を減らしてはならず、しかし効果的で使いやすい必要がありました。

このようにデザインを進めていき、私はクラスのロアを掘り下げ、基本的なゲームの仕組みを導き出していきました。

ワーデンは力なき者たちを保護するためにその身をささげるのです。これは敗北を拒絶する単純にして強力な動機を彼らに与えます。既存の士気システムの意味と組み合わせることで、ワーデンの「勝利への決意」は、士気の継続的な回復へと容易に置き換えられました。

これはまた当然の仕組みを示唆しました。ワーデンの士気は敵の軍への優越を与え、それはワーデンの敵に、このような勇敢な敵の前に立つことは士気を継続的に失うのだと気づかせます。

これらすべての考慮と、その他が組み合わさって、我々はワーデンの「布石」の能力を作りました。

布石システム[]

ワーデンは新しい「布石盤」と呼ばれるUI要素に、布石アイコンの手筋を順序よく並べることで布石を実行します。ワーデンは盤にそれぞれの布石アイコンを追加する3つの基本スキルを持っています。

布石はそれぞれ、3つの布石アイコンに対応した3つの大まかなカテゴリーにまとめられています。

それぞれの布石を起動する手筋の最初のアイコンは、布石のカテゴリーを示します。最初は布石盤には二つの枠しかありませんが、ワーデンのレベルに応じて、三つ目、四つ目、五つ目の枠が追加されます。この流れはプレイヤーが、上記のスキルに習熟し、成長するに従って、より複雑で強力な布石を実行できるようにしてくれます。

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槍の布石は赤い槍アイコンを手筋の最初に持ちます。これらの布石はすべて物理攻撃を、他の近接クラスの攻撃スキルと同様の形で与えます。

盾の布石は緑の盾アイコンを手筋の最初に持ちます。この布石は短時間の防御バフと継続的な治癒をワーデンに与えます。

拳の布石は黄色の拳アイコンから始まります。この布石は継続的なダメージを与えている間、追加の脅威をもたらします。

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投げ槍 (Javelins)[]

私がワーデンに求めたもう一つの特質は、有意義ですが過度に強力ではない遠隔ダメージ能力です。ワーデンはハンターの遠隔ダメージには及びませんが、ガーディアンとチャンピオンよりは遠隔戦闘に向いています。

遠隔戦闘がクラスの主要な役割ではない一方、【伏兵】というワーデンの代表的なスキルの一つ、遠隔の投げ槍の能力があります。これは素晴らしいダメージと、(より重要なことですが)短いノックダウンを対象に与える、非戦闘中の遠隔スキルです。

これは対象がノックダウンか放心している時のみ使えるスキル【決め手】を開放します。【伏兵】と【決め手】の両方は、著しいクリティカル率とダメージ倍率を持ちます。

便利スキル[]

ワーデンの有用なスキル群には、様々な便利スキル(多くは移動に関するものです)も含まれています。大部分のワーデンのスキルと同様に、それらの能力はワーデンに対してしか使えませんが、これによって彼らは(大きな気力消費と引き換えに)防御者を必要とするさまざまな野営地へ、即時の旅と同じくらい速く移動することができます。ワーデンはまた、特定の状況下で【伏兵】を実行しやすくする、短時間の隠形スキルも持っています。

装備[]

ワーデンは片手武器ならどの種類でも扱えますが、槍を使っている間は著しいボーナスを得ます。剣と棍棒にもボーナスを持ちますが、槍のボーナスには及びません。

投げ槍はワーデンのための唯一の遠隔武器です。また前述の通り、このクラスは中装鎧しか着用することができません。盾は使えます――ワーデン専用の、追加の防御要素を持つ新しい盾もあります――が、重装盾は使うことができません。

さいごに[]

「ロード・オブ・ザ・リングス オンラインモリアの坑道」リリースが近づくにつれて、さらにワーデン(ともう一つの新クラス、ルーンキーパー)についてお伝えできるでしょう。この開発日誌を通じて、ワーデンや他の新クラスのすべてのアイディアを作るデザインの過程を少しでも洞察していただければと思います。

これまでのところ、それは本当にプレイするのが面白いクラスです。あなたのワーデンについての感想を聞くのが待ちきれません!



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