開発日誌“クラスターの構造”

ページ名:開発日誌“クラスターの構造”
開発日誌“クラスターの構造PIC

やあ、おかえり!僕から話をするのは久しぶりだね。僕らはみんなによりたくさんのインスタンスと新コンテンツを提供しようとすごく忙しく働いてるよ。みんなきっと新しいワクワクするような体験を期待してるだろうし、僕らも早くご対面させてあげたいと心の底から思ってる!そこでモリアのインスタンスとレイドについて、僕らのアプローチをちょっと話させてほしいんだ。ロード・オブ・ザ・リングス オンラインアングマールの影での経験を踏まえて、さらに改良されたモリアの坑道のためのインスタンスシステムを用意しているんだよ。

モリアの坑道の計画に取り掛かったとき、このゲームはずいぶん遠くまで来たなあと実感したけど、まだちょっと改善すべき所が残ってた。フォーラムの投稿を読んだり、フィードバックを聞いたり、討論を見てみたりして、君たちの好みに合いそうだと思えるようなシステムを思いついたんだ。クリアに15時間かかる化け物インスタンスの時代は、LFFチャンネルでメンバー探しに苦労する人たちと共に去った。これからはたくさんの戦利品とたくさんの挑戦があり、堅実な展開の中でプレイヤーが学び、順応し、腕を磨くことができる、スピーディかつエキサイティングなインスタンスの時代だ。

僕らがこれまでインスタンスでやる機会がなかったものの一つに、「進歩したって実感を作り出す」っていうのがある。難しいインスタンスは作ったけど、そこにはプレイヤーがより良い方法を探し出そうとしたり、以前覚えたテクニックを次のボスを倒すのに使ってみようと思わせたりするような要素がなかった。カンストした人たちが楽しみを追い続けられるような、そういう要素がないことに、僕らも満足してはいなかったんだ。

「次にどんな手を打つか?」って感覚を作り出せるかどうか、インスタンスからインスタンスへとプレイヤーをうまく導いていけるかどうかってのは、とても重要なことだ。僕らはモリアで、これらを「進行」「クラスター」「ハードモード」を通じて実現させようとしている。ああ、もちろん戦利品もね。

進行の理論 (Theory of Progression)[]

進行 Pro・gres・sion -名詞

1:一連の流れを次々と進んでいくこと。 類:Succession, Sequence

これまでMMOゲームでは、インスタンスはゲートシステムによって用意され、二つの異なる手法で実行されてきた。直線と、非直線だ。

直線的なアプローチでは、それぞれのインスタンスの関門では、前のインスタンスで特定の必要条件を準備しないといけない。たとえば、ロックマン2のワイリーステージ4のボスこと「ブービーム」との戦闘だったら、プレイヤーは正しい数のクラッシュボムを持っておいて、正しい位置に使わないと、そこでおしまいだ。クラッシュボムが足りない場合の唯一の解決策は、前のエリアに死に戻ってボムのエネルギーを稼ぐこと。これは厳しいけど分かりやすいスタイルだ。

このアプローチはよく働いてくれる。でも MMOのデザインでは、これはプレイヤーに対して、インスタンスのための最高の装備に切り替えるよう仕向け、特定の装備、特定のレイドのための特定のセットを運びまわることを強制する。「対抗するための装備」という形式はインスタンスやレイドにとって有効なメカニズムだけど、僕らはそれが唯一の手段として利用されるべきじゃないと思ってるんだ。

非直線のアプローチも似たようなものだけど、もうちょっと柔軟だ。クラスターの中でインスタンスをいろいろ試す余裕があり(すぐに理解できると思う)、必要条件を強制するのを避けている。これの素晴らしい例は、アサシンクリードだろう。アサシンクリードはほんの少しの準備だけでそれぞれのボスに打ち勝てるようになっている。最低限必要なことを終えたら、プレイヤーはボスに対してより有利になれるようさらに準備をしてもいいし、すぐにボスと対峙してみてもいい。これは一見同じように見えるかもしれないけど、直線的なアプローチとは似て非なるものなんだ。非直線のアプローチはその段階を完了するために、そこでのすべての面をプレイする必要がない。これは微妙だけれども、重要な、相違点だ。

クラスターの構造 (Anatomy of a Cluster)[]

クラスターclus・ter -名詞

1:共に成長あるいは維持される、同じような種のたくさんのもの。類:Bunch用例:ブドウの一房(a cluster of grapes)

インスタンスのクラスターというのは、インスタンスの小さなグループで、新しい経験や戦利品を得るためにゲームの中でひとまとめにされた、論理的な進行経路を提供するものだ。クラスターは僕らデザイナーに、複数のインスタンスにわたって進行する物語や、まとまりのある戦利品を提供することを可能にし、緊密にからみあった再プレイする価値のあるコンテンツを作る能力を与えてくれる。

インスタンスのクラスターは物語の要素を共有し、それを用いてクラスター構造をより強固なものにしている。もしアングマールの影を作っていた頃に戻れるなら、僕らはバラド・グーララン、ウルガルス、カルン・ドゥーム、そして裂け目を使ってインスタンスのクラスターを作るだろう。それらは同じアングマールの物語を共有しているから、もしクラスター構造にしていたら、進行を通じて発展していく戦利品を作ることができただろうし、プレイヤーをインスタンスからインスタンスへ向かわせ、裂け目でフィナーレを迎えるような物語を展開できたかもしれない。

物語的な要素に加えて、クラスターは多くの場合、同種の構造や設計デザイン、そしてクエストの目的や連続クエストを共有する。クラスターはプレイヤーである君を駆り立て、いくつかの特定の目標を達成させると同時に、エンターテインメイントと成長を提供するためのものだ。当たり前のことだけど、この進行は戦利品の獲得を通じて制御される。と同時に君は、先に進むにつれて技術を学んでいき、ゲームメカニズムに対するより深い理解とともに次の遭遇へと立ち向かえるようにもなるだろう。

クラスターの構造PIC2

基本的な4インスタンスのクラスター

またこれも重要な点だが、「ロックされた」レイドA(上記の例のクラスターの最後……まじめな話、上はただの例で、実際のものは反映されていない)は、クラスターのデザイン上も、またプレイヤーの進行を維持する上でも必要不可欠なものだ。通常、レイドに躍り込むためには、プレイヤーはあらかじめいくつかの大きな成功を収める必要がある。これは単に通過を困難にする以外にも様々な方法で行うことが可能だ。鍵、ボスを殺すことで得られる特質、クエスト、各々のインスタンスからの装備さえ、レイドへの関門に使うことができる。

また、インスタンスは一つの特定のスペースにある必要はないし、むしろ一直線に隣接してしまってはいけない。これらのインスタンスは複数の地域、区画にまたがり、またほぼ間違いなくゲーム世界中に広げられるだろう。距離が進行中の物語に影響することはないけれど、ゲーム世界で示される距離は論理的に維持されないといけない。

挑戦 (Challenges)[]

モリアの坑道で、僕らはレイドの進行を盛り上げるためとても重要な原動力を用いている。すなわち「挑戦」という概念だ。「モリアの坑道」の導入時には(ほかのより小規模なインスタンス全てと、レベル60に至るまでのインスタンスに加えて)エンドゲームのアドベンチャーインスタンスが複数実装されるし、そのうちのひとつは12人レイドだ。これ自体が僕らにとってはすごく大きな業績だよ。アングマールの影は導入時に、たった2つ(ウルガルスとカルン・ドゥーム)のカンスト用インスタンスしかなかったんだからね。当社比200%増しさ!

でもそれがすべてじゃない。「挑戦」は6つのエンドゲームのインスタンスに導入された。それぞれのインスタンスはその内部にオプションの目標を持っていて、達成すると最初のステップのレイドセットの一部分を提供する。目標はそれぞれ異なっていて、それ自体が各インスタンスの「挑戦」の発見へと導くだろう……それと攻略法にもね。

もし6つ全ての「挑戦」の攻略に成功したら、君は60点の光輝を与えてくれるレイドセット装備を身につけているだろう。光輝ステータスは「モリアの坑道」で僕らが用意した最初のレイドの中で、暗闇を打ち倒すための助けとなるはずだ。これは希望/恐怖システムの拡張で、世界のどこにでも運んでいけるボーナスを与えてくれる。

僕らはこの先、より良い戦利品を獲得でき、もっと難しい挑戦を含む、新しい高レベルのインスタンスクラスターを導入していく。僕らの目標は少なくとももう一つの6人のボスがいる大規模レイド、それからいくつかのインスタンスを次の大規模アップデートに導入することさ。(変更、代替、追加、その他色々する場合が以下略)

おまけ:「カザド=ドゥムの鉱炉」最新情報![]

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みんなのために、エンドゲームインスタンスの一つ、「カザド=ドゥムの鉱炉」のスクリーンショットを貼っておくよ。楽しんでほしいな。モリアの坑道をみんながプレイしてくれる日が待ち遠しいよ!

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筆者について[]

Jared "Amlug" Hall-Dugas

ふむむ、僕について知りたいって?僕はロード・オブ・ザ・リングスオンラインのコンテンツデザイナーだ。このゲームのデザインを2005年の10月からやってる。僕はもちろん一生ゲーマーだし、熱狂的なファンタジー /SF読者だ。それが高じてゲームスクールのDigiPenに2年間通い、そしてこの仕事を手に入れたんだ。本当に「夢がかなった」って感じだよ!

僕の最初のコンピューターは古いRadio Shackのマシンで、キーボードとカセットプレイヤーがついてた。そこにFroggerとかAsteroidsとかMoon Landerを入れて白黒の画面で遊ぶんだ……6歳の子供にとっては実に楽しい経験だよ!大きくなってから、僕の地元で行われたNintendo World Championshipに行ったことも忘れられないね。次のWiz kidになろうとしてみたけど、結局無理だった(でも第二ラウンドまでは行ったんだ)。

指輪物語は僕が初めて自分一人で読んだ本だった。Turbineにいるようなロアマスターたちにはほど遠いけど、この本を僕はすごく愛しているし、そのジャンルへの愛を目覚めさせてくれた本でもある。いまはMelanie Rawnとか、Tad Williams、George R.R. Martinを読んでる……彼らの新刊を指折り数えて待ってるよ!

他に?ここをギュウギュウ詰めにしても書き込めないくらいのプロフィールがあるよ。遠慮なく聞いてくれれば、時間があるなら喜んで答えるよ!



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