さてさて、前回はお金が選挙を左右するせいで政治が機能しないという話でした。
これが正しいとすれば解決策は単純です。
お金が選挙を左右しないようにすればいいだけです。
しかし、考えてみるとこれはかなり難しいことだとわかります。
なぜなら現在の政治家は、お金に左右される選挙で勝った人だからです。
これを禁止すると、自分が次は勝てなくなってしまうかもしれません。
自分で自分の優位を捨てるのは難しく、多数の同意を得るのはさらに困難を極めます。
要するに自浄作用が働かないということです。
これが厄介なのは、禁止しない人だけが禁止する権利を得られ、
禁止したい人は禁止する権利を得られない構造になっている点です。
たとえ現時点で禁止する権利を持っていたとしても、
禁止しようとするとたちまち選挙で負けて権利を失ってしまいます。
問題があるとわかっていても、
誰にも制度を変更できない強固な構造が完成してしまっているわけです。
こうした障害を飛び越えるには、どうしても一時的に大きなエネルギーが必要です。
論理的に考えるなら必要な条件は明確であり、
「お金に頼らずに選挙で勝った政党が与党になり、選挙にお金を使うことを禁止する」
しかありません。
当たり前ですが、これが簡単ならそもそもお金が影響力を持つこともなかったわけです。
しかしこの条件が達成されないことには、
これからもずっと一部の人の利益の為の政治が続くことになります。
この問題を解決することこそが、
わざわざ新しく政党を作らなければならない最大の理由と言ってもいいかもしれません。
そこには誰か個人や集団の意思があるわけではなく、制度や構造でしかないからこそ、
時代や人が様々に変化しても維持され続けてしまうと考えられるのです。
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