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蘇りの石とは、伝説の死の秘宝のひとつである。「三人兄弟の物語」によれば、2番目に作られた秘宝でありカドマス・ペベレルから要望を受けた死自らが創り報酬として彼に贈ったとされる。カドマスは蘇りの石をもらって、死んだ恋人の魂を呼び出した。伝説では、残りのふたつの秘宝、ニワトコの杖と透明マントと一緒に所持すれば死を制する者になれるという。
カドマスが所有者だった時代から代々子孫にうまく受け継がれてきた秘宝のひとつであった。1943年、トム・リドルは蘇りの石が使われているとは知らずにモーフィン・ゴーントの指輪を奪い、その指輪を分霊箱に作り替えた。1968年にアルバス・ダンブルドアによって指輪は破壊されたが、石はハリー・ポッターが最初の試合で捕まえた黄金のスニッチの中に置かれた。所有者となったハリーは、第二次魔法戦争の戦いにおいて石を使った。
伝説では、残りのふたつの秘宝、ニワトコの杖と透明マントと一緒に所持すれば死を制する者になれるという。
所有者の亡くなっている愛する者の魂を呼び出すことを目的とし、石を手のひらの中で3回まわすと起動されるといわれている。
ゲラート・グリンデルバルドは石を使えば亡者の軍団を作ることができると信じていた。
"二番目の兄は傲慢な男でしたから「死」をもっと辱めてやりたいと思いました。そこで人々を「死」から呼び戻す力を要求しました。すると「死」は川岸から一個の石を拾って二番目の兄に与えこう言いました。この石は死者を呼び戻す力を持つであろう。"—『三人兄弟の物語』[出典]
%E3%82%AB%E3%83%89%E3%83%9E%E3%82%B9_%E4%BC%9D%E8%AA%AC.gifカドマスに石を与える死
『吟遊詩人ビードルの物語』に収録された「三人兄弟の物語」によれば、アンチオク、カドマス、イグノタス・ペベレルと思われる3人の兄弟が、あるとき旅をしていてそれまでに渡ろうとした多くの旅人を飲み込んできた危険な川に行き着いたという。兄弟たちは杖を取り出して魔法で橋を架けた。ところが3人が渡り始めると、橋の真ん中で道を塞ぐフードをかぶった影に遭遇した。それは死そのものであり、死はあらたな犠牲者がでなかったことに腹を立てていた。死は3人の技を褒めるふりをして3人を騙そうと考えた。彼は自分を出し抜いた褒美をやると言った。カドマスはは死者を蘇らせる物を要求し、蘇りの石を手に入れた。[8]
"そうして「死」は二番目の兄を自分のものにしました。"—『三人兄弟の物語』[出典]
%E3%82%AB%E3%83%89%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%81%8B%E4%BA%BA.gif恋人を失い、カドマスは自らの命を絶った
アルバス・ダンブルドアは石が死によって作られたとは考えづらいという意見を表明していた。彼は石を作ったのはペベレル兄弟の次男カドマスではないかと考えていた。石が実際にどのように作られたかは不明だが、カドマスは結婚するつもりだった死んだ恋人の魂を呼び戻すために石を使った。恋人を呼び戻すことができたが、彼女は悲しそうで冷たくカドマスとはベールで仕切られているようだった。そしてこの世に戻ってきたものの、完全にはこの世には馴染めずに苦しんだ。石の限界を知ったカドマスは彼女と本当に一緒になるために、とうとう自らの命を絶った。[9]
石をはめた指輪はゴーント家に受け継がれた
カドマス・ペベレルの死後石は指輪にはめ込まれ、ペベレル家の子孫に受け継がれていたが、ある時ゴーント家の手に渡った。その頃には石の知識や秘宝のシンボルマークがなにを意味するのかさえ、知られていなかった。マールヴォロ・ゴーントが所有すると、彼は純血の家系を誇示するのにリングを利用した。[10]
マールヴォロは息子モーフィンとともにボブ・オグデンら数人の魔法省役人を襲撃した罪でアズカバンに短期間収監され、釈放された直後に死亡し、指輪はモーフィンの手に渡った。モーフィンが母方の家系を調べるためゴーント家を訪れたトム・リドルに指輪を奪われリドル家殺害の罪をなすりつけられるまで、何世代にもわたってゴーント家の男子に受け継がれていた。[11]
父方の親族を殺害し、指輪の所有者となったトム・リドル
ホグワーツ魔法魔術学校において、トムは堂々と指輪をはめていた。ホラス・スラグホーン教授に、仮説的に複数の分霊箱を作ることが可能かどうか確かめた後、自分の父親を殺害し指輪を分霊箱に作り替えた。この指輪はヴォルデモート卿が作った分霊箱のうち、初期のものになる。[12]
その後ゴーント家の屋敷に戻り、何重にも分霊箱に強力な魔法をかけて隠した。[13]分霊箱に替えてしまったからか、または単に興味がなかったのか、どちらにしてもリドルは石が死の秘宝のひとつであること、持つ力を知らなかった。リドルが死を恐れず、魂が戻ってきてほしい愛する人もいなかったので石に興味をもっていなかったのかもしれないが[14]、単に知らなかったという可能性の方が高い。
指輪をはめるダンブルドア
ヴォルデモート卿の過去と彼に関する記憶から、アルバス・ダンブルドアは指輪の在りかを追跡し、その場所がゴーントの家であることを探りだした。かつてマールヴォロ・ゴーントが所有していた指輪の分霊箱を見つけると、ダンブルドアは指輪にはめられた石が死の秘宝のひとつ蘇りの石であると気がついた。そして分霊箱ということも忘れて、妹のアリアナに会いたいという欲求が勝り、指輪をはめた。
指輪には強力な呪いがかけられており、もしすぐさまホグワーツ魔法魔術学校に戻ってセブルス・スネイプに処置してもらわなければ、この時ダンブルドアは死んでいてもおかしくなかった。しかしながら呪いはダンブルドアの寿命を劇的に縮めることになり、手は焼け焦げてしまった。グリフィンドールの剣を使って破壊すると、はめられていた蘇りの石をハリー・ポッターが最初の試合で捕まえた黄金のスニッチの中に封印し、後にハリーへの形見として遺した。
ハリーは家族と大切な人を呼び戻した
分霊箱を破壊する旅のあいだ、ハリー・ポッターは遺品のスニッチをモークトカゲの革製巾着袋に入れて持ち歩いていた。ダンブルドアのかけた呪文により、ハリーはスニッチを開けることができずにいた。1998年5月2日、ホグワーツの戦いがはじまり、一時間の休戦中にセブルス・スネイプの記憶を見たハリーは自らも分霊箱だと知る。そして自分が死に直面しなければスニッチが開かないことに気づきスニッチを唇に押し当て、「僕は、間もなく死ぬ」と呟いた。
スニッチが開きハリーの手の平に石が落ちた。ハリーが石を3回まわすと、父親と母親、リーマス・ルーピン、シリウス・ブラックが現れ一時的に再会するが、その後ハリーは禁じられた森のどこかに石を落としてしまった[15](ハリーはもう誰も石を探し求めることのないよう、そのことをダンブルドアの肖像画以外には誰にも喋らなかった)。
カドマス・ペベレルが呼び出した魂
アルバス・ダンブルドアが呼び出した魂(失敗)
ハリー・ポッターが呼び出した魂
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