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この記事はWikipedia:コロニー落としから転載、一部修正し作成されたものです。転載時期は2011年以前であり、加筆も不十分であるため、不正確な情報や虚偽が含まれているおそれがあります。転載記事についての方針を参照。なお2014年以降は転載による記事の作成を禁止しています。
[独自研究では?]
コロニー落とし(コロニーおとし)は、アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する架空の戦術のひとつ。スペースコロニーをラグランジュポイントより離脱させ、コロニーそのものを質量兵器として地球や月の目標地点に落下させて目標を含む一帯を破壊する。
地球上の人間にとっては「空が落ちてくる」と表現される[1]など、トラウマを与える側面[2]を持ち、共通の畏怖対象として扱われている。
コロニー以外の重量物(人工天体・小惑星・大型艦船等)を質量兵器として用いる戦法についても、本稿で取り扱う。
テンプレート:ネタバレ
コロニーそのものを巨大な質量兵器として地球上ないし月面上の目標に落下させ、その運動エネルギーで大規模な破壊を行う。コロニーの移動・軌道変更には核パルスエンジンなどの推進手段が用いられる他、別のコロニーと衝突させて、その反動で目的の軌道に投入する手段もとられる[3]。
落下軌道に乗ったコロニーの落着を阻止するにあたり、推進剤等があれば内部からの制御でコロニーの進路を変える方法が取られるが、阻止限界点[4]を超えると、目標への直撃は回避できても地上や月面への落下は免れない。あるいは、外部より火力による攻撃を加えたり、ソーラ・システムの照射によって物理的に破壊する方法も取られる。作戦に敵方のコロニーを用いる場合には毒ガスなどを用いて住民を虐殺し、コロニー内の抵抗を排除して作戦に供する。
『機動戦士ガンダム』で描かれた一年戦争冒頭の宇宙世紀0079年1月4日、ジオン公国軍により発動されたブリティッシュ作戦として行われたのが最初である。以後もコロニー落としが企図され、その過程でルウム戦役が勃発したほか、ガンダムシリーズで数度にわたりコロニー落とし、並びに小惑星を落下させる戦法が登場する。下記の他に、宇宙世紀0203年を描いた作品『ガイア・ギア』では一年戦争時のコロニー落としによりパリが壊滅しており、パリ湖という湖が形成されている。
目的は地球連邦軍総司令部ジャブローの破壊である。発案者は、ギレン派で知られるエギーユ・デラーズ大佐(当時)であったと言われている。連邦側に立ちジオン公国に敵対したサイド2の8バンチコロニー アイランド・イフィッシュ を作戦に供すべく、シーマ・ガラハウ麾下の部隊がコロニーに毒ガスを注入して2000万人[5]の住民を虐殺した上で核パルスエンジンを装着し、ジャブローに落下させる軌道に投入した[6]が、連邦軍艦隊の艦砲射撃や地上からの核ミサイル攻撃をうけて損傷し大気圏突入の約40分後に崩壊した。
崩壊したコロニーの前端部分はオーストラリアのシドニーを直撃、厚さ10kmの地殻を貫通し造山運動を促してマグニチュード9.5の大地震を発生させた。『機動戦士ガンダム』のアニメの冒頭やゲーム『ギレンの野望』『0079カードビルダー』などのムービーで描かれているシーンはこの落着の瞬間である。その破壊力はヒロシマ型原爆[7]約300万発分[8]とも、6万メガトン級[9]とも言われ、後にシドニー湾とも呼ばれる最大直径500kmの巨大なクレーターを穿ち[10]、オーストラリア大陸の16%を消滅させた。
崩壊したコロニーの残りの部分の3分の1は太平洋上、3分の2は北米大陸にそれぞれ落着した。また、崩壊に際して飛び散った大量の破片は地球全域に降り注いだ[11]他、落着の2次被害として衝撃波や津波、気象変動などが発生して、人的被害は23億人に及んだ[12]。以後も、長年にわたって地球全体に多大な悪影響を及ぼし続けた他、地球の自転速度が1時間当たり1.2秒速められたという。
ブリティッシュ作戦自体は当初の目的を達成できずに失敗となったが、地球規模の多大な被害を起こしたことから、後に結ばれる南極条約では「大質量兵器の使用禁止」という条項が盛り込まれている。
異説[]『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではアイランド・イフィッシュはやはり3つに崩壊し、シドニー、シベリア、北米に落着したとされている。
設定[]ブリティッシュ作戦という作戦名と上記の詳細な設定は1981年のムック『ガンダムセンチュリー』に初出の非公式設定であった。この資料によると、作戦名は第二次世界大戦後に多くの植民地(英語でコロニー)を失い衰退していったイギリス連邦に準えたものとされる。また、作戦に供するコロニーの改造と護衛のため、長時間行動用の推進剤と冷却タンクを背負ったザクが機動性を損ない大きな損害を出したとする記述もある。後に『機動戦士ガンダム0083』の劇中で語られたことで公式の設定となった。本作戦における毒ガスの使用についても本編放映当時には設定が無く、小説版におけるGG(ダブルジー)ガス使用の記述や、同様に『機動戦士ガンダム0083』の小説版等で描写され、さらに後年『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』においてシロー・アマダの回想シーンの中で映像化された。
ブリティッシュ作戦でジャブローの破壊という目的を達成できなかったジオン軍は、再度のコロニー落としに着手し、サイド5 ルウムの第11番コロニーワトホートに狙いを定めた。これを察知した連邦軍は作戦を阻止すべく総力戦を挑み、ジオン側は核パルスエンジン装着の途中で作戦の中断を余儀なくされた。この攻防戦をルウム戦役と呼ぶ。
異説[]『MS IGLOO』第1話「大蛇はルウムに消えた」では、本作戦はジオン軍がワトホートを襲撃するという情報を意図的に流して連邦軍艦隊を誘い出す為の罠であると説明されている。
宇宙世紀0083年のデラーズ紛争にて、ジオン残党軍デラーズ・フリートがコロニー再建計画で移送中のアイランド・イーズとアイランド・ブレイドを乗っ取り、2基のコロニーを衝突させて、その反動でイーズを月に落下させる軌道に投入した[13]。月への落着を阻止すべく追撃する連邦軍を引きつけたところでコロニーは推進器に点火、推進剤を使い果たした連邦軍艦艇を振り切り今度は地球へ向かう軌道に乗った。シーマ・ガラハウと密約を結びデラーズ・フリートの作戦を入手していたジャミトフら連邦軍の一部は地球近傍でコロニーを破壊すべくソーラ・システムを展開して待ち受けたが、アナベル・ガトーらの猛攻に妨害され充分な照射を与えられず、コロニーはほぼ原型を留めたまま北米大陸穀倉地帯に落着した。
デラーズ・フリートの目的は、北米の穀倉地帯を壊滅させることで地球への食糧供給をスペースコロニーに依存せざるをえない状況を作り出し、スペースノイドの連邦政府に対する発言権を強化することにあったが、連邦政府は後に「コロニー移送中の事故」と発表して真相を隠蔽し、ジャミトフ・ハイマンら連邦軍内部のタカ派が、その発言権を強化してティターンズを結成する大義名分として利用した(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)。
宇宙世紀0087年のグリプス戦役の最中、ティターンズはアポロ作戦によって占領した月面都市フォン・ブラウン市がエゥーゴの反攻作戦によって奪還されたため、エゥーゴの本拠地である(地球から見て)月の裏側の月面都市グラナダを攻略するための橋頭堡を失った。そこで、フォン・ブラウン失陥時に同市に駐留していたティターンズ部隊の指揮官であったジャマイカン・ダニンガンは、一年戦争において著しく損傷したため廃棄された無人コロニーであるサイド4の27バンチコロニーを月のグラナダへ落下させて一気にエゥーゴを殲滅しようとしたが、この作戦を知ったパプテマス・シロッコがサラ・ザビアロフをエゥーゴに差し向けて作戦内容を密告したためエゥーゴの対処が素早く、コロニーはグラナダから180kmほど離れた地点に落着した(『機動戦士Ζガンダム』)。
なお、劇場版ではアポロ作戦を省略していきなりグラナダへのコロニー落とし作戦が行われている。この際にティターンズ前線部隊司令官バスク・オムがティターンズ総帥ジャミトフ・ハイマンに対して送った電文にはバスクがジャマイカンを始めとする前線の将兵を抑えきれなかったとの内容が書かれていたが、ジャミトフやアレキサンドリアのブリッジにおけるジャマイカンらの発言からはむしろバスクがコロニー落とし作戦を立案したように受け取れ、少なくともこの作戦に対して積極的に反対しなかったことがうかがわれる。
TV版においてはこの作戦に対してバスクがどれほど関与していたかは定かではないが、コロニー移動用の核パルスエンジンやその燃料は普段の作戦行動では必要のないものであることから、バスクもこの作戦におけるジャマイカンの行動を承認ないし黙認する形でかかわった可能性がある。
宇宙世紀0088年にはネオ・ジオンのマシュマー・セロ率いる部隊により、アイルランドのダブリンにコロニーが落とされる[14]。地球連邦政府はコロニーが落ちることを否定していたため避難が遅れており[15]、そこをラカン・ダカラン率いる部隊が襲撃。ラカンは、一人でも多くの人間をコロニー落としに巻き込もうとダブリンから外に出る路を破壊し、また、避難民に対しても攻撃を加えている[16]。
この時は落下速度が低かったのか、コロニーが落着後もしばらく原形をとどめたまま直立していた。対岸のイギリス本土でも、ブリティッシュ作戦時のオーストラリアに比べて被害は少なかったようである(『機動戦士ガンダムΖΖ』)。
宇宙世紀0093年、シャア・アズナブル率いるネオ・ジオン軍は「地球に居残る人々を粛清する」として地球寒冷化を目論み、当時地球連邦軍本部のあったチベットのラサに小惑星5thルナを落下させた。更に小惑星アクシズを地球に落下させようとするが、ロンド・ベル隊の必死の攻撃により阻止された(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)。一説によれば、この時はミノフスキー物理学的な現象によってアクシズの軌道が変化したのではないかといわれている。
みのり書房『ガンダム・センチュリー』において、月面のマスドライバーの記述がある。これによるとブリティッシュ作戦から地球降下作戦までの間に、ジオン軍が制圧した月面のマスドライバーによって旧ソビエトから中国にかけて軌道爆撃が行われ、集結中の地球連邦軍地上部隊が大損害を受け欧州・東南アジアに後退。戦力の空白となった資源地帯にジオン軍が降下、制圧したとされている。
雑誌企画『ガンダム・センチネル』において、全長200mを越える大型モビルアーマー「ゾディ・アック」を質量兵器として用いている。
ゲーム『機動戦士ガンダム戦記』では、宇宙世紀0081年に「水天の涙作戦」においてジオン軍残党が、ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』では、宇宙世紀0122年に第二次オールズモビル戦役においてクロスボーン・バンガードが、それぞれ月面に設置されたマスドライバーを運用している。また架空戦記になるが、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』では、ジオン側の作戦としてルナツーのマスドライバーによるジャブローへの攻撃が実行できる。
宇宙世紀のif要素を盛り込んだ戦略シミュレーションゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』では、ジオン側の作戦としてルナツー攻略後にサイド7のコロニーを用いた「第二次ブリティッシュ作戦」を実行できる。
アフターコロニー195年、ホワイトファング軍と世界国家軍の決戦のさなか、主砲を発射しようとするホワイトファングの旗艦リーブラにガンダムチームの母艦ピースミリオンが激突。ミリアルド・ピースクラフトはリーブラを地球へ落下させようとしたが、5人の博士とヒイロ・ユイによって阻止された(『新機動戦記ガンダムW』)。
アフターコロニー196年、マリーメイア軍は本来のオペレーション・メテオ(L1〜5までの各ラグランジュポイントにあるコロニーを地球に落下させる)の実行を目論み、L3コロニー群のX-18999コロニーを地球に落下させようとした。ただし、これは同コロニー内に潜入したヒイロ・ユイ、デュオ・マックスウェル、トロワ・バートンの3名により阻止された(『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』)。
第七次宇宙戦争末期、宇宙革命軍は意見を違える他のコロニーを毒ガスによって殲滅。さらにそれらのコロニーをもってコロニー落としを強行する。40基近くのコロニーが南米大陸を中心に地上各地へ落着し、地球圏の総人口が開戦前の百億から一億程度にまで激減するほどの惨劇をもたらした(ガロード・ランの言葉によれば、その後「3年間核の冬だった」という)。地球統合連邦政府と革命軍はともに継戦能力を失って事実上の停戦に追い込まれ、この年はアフターウォー元年と呼ばれる事になる(『機動新世紀ガンダムX』)。
コズミック・イラ73年、血のバレンタイン事件の復讐を誓うサトーらザラ派のザフト軍脱走兵が、同事件により破壊されたユニウスセブンの残骸を地球へ落下させた。ザフト軍は可能な限り破砕作業を続けたが、多数の破片が燃え尽きる事なく地上へ落着し、ローマ、アテネ、ラサ、万里の長城、上海、北京、東京、グランド・キャニオン、ケベックなどに直撃した。また、一部が太平洋に落ち津波を引き起こした事で、太平洋に面する都市が巻き込まれるなど、世界各地に大きな被害を与えた(「ユニウスセブン落下テロ事件」)(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)。
コロニー内部は実際には空洞になっており、仮に大型コロニーが建造され地球に落とされたとしても、大気圏内で飛散し完全に燃え尽きるのではないかという説がある[17]。しかし、想定されるコロニーの外壁はスペースデブリが衝突しても耐えられるほどの強度は当然備えているであろうし、推定50億t近くになるとされるコロニーが、たとえ分散したとしても完全に消失するとは考えがたいとの反論もある[18]。なお、ブリティッシュ作戦で落とされたアイランド・イフィッシュは外壁に耐熱コーティングが施されていたという設定が後付けされており、漫画『THE ORIGIN』でその描写がある。
実際、1979年に大気圏に突入したスカイラブの破片の一部が地上に(奇しくもオーストラリアに)落下したのをはじめ、大きなスペースデブリの破片が燃え尽きずに落下した事例が数件ある。
より巨大なダメージを地上に与える手段としてはシャアが実行した隕石落しの方が効果的であると考えられる。直径数-数10kmの小天体は質量面でコロニーを大幅に上回っており、地球に落下するとその損害は計り知れない物となる。なお、実際に起こったとされる小天体の落下事件としては恐竜の絶滅原因の一説としても知られるK-T境界層事変が著名である。
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