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福岡県西方沖地震 | |
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本震 | |
発生時刻 | 2005年 3月20日 10:53 40.3秒(JST) |
震央 | 日本 福岡県 西方沖(現・北西沖) 北緯33度44.3分 東経130度10.5分(地図) |
震源の深さ | 9km |
規模 | マグニチュード(M) 7.0 |
最大震度 | 震度6弱:福岡県 福岡市東区、中央区、西区、前原市、佐賀県 三養基郡みやき町 |
津波 | なし |
地震の種類 | 直下型地震 横ずれ断層型 |
余震 | |
回数 | 2005年 5月31日までに震度1以上が350回以上 |
最大余震 | 2005年4月20日 06:11 26秒、M5.8、震度5強 |
被害 | |
死傷者数 | 死者1人 負傷者約1,100人1 |
被害総額 | 約350億円2 |
被害地域 | 福岡県 福岡地方を中心とする九州北部および山口県など |
*注1・注2:福岡・佐賀・長崎各県による
|
福岡県西方沖地震(ふくおかけんせいほうおきじしん)は、2005年(平成17年)3月20日午前10時53分40.3秒、福岡県北西沖の玄界灘で発生した最大震度6弱の地震である。ただ、地震の名称は気象庁命名の正式なものではなく[1]、気象庁や国土交通省では福岡県西方沖を震源とする地震とされている。ちなみに、メディアや機関によっては福岡沖玄界地震などとも呼ばれる。
本震での各市町村の震度
福岡県福岡地方と長崎県壱岐・対馬で10時57分から津波注意報が発表されたが、津波が観測されなかったため、12時に解除された。また韓国でも気象庁が津波注意報を発令したが、津波は観測されなかった。しかし、これにより韓国では一時パニックとなった。
マグニチュードが比較的大きい割に津波が発生しなかったのは、地震の発生原因が、地面の盛り上がりを伴わない「横ずれ断層」だったためで、もしも津波が起こりやすい「逆断層」や「正断層」だったなら、2003年の十勝沖地震並みの2~3mの津波が沿岸地域に到達していた可能性もある。
本震発生直後には最大で震度5弱程度の余震が発生する可能性があるとの注意が気象庁から発表された(24日には「震度4程度の可能性」に変更された)。以下は有感地震(体に感じる、最大震度1以上の地震)の回数。
2005年(平成17年)5月31日現在で、震度5強の余震は1回、震度4は7回、震度3は24回、有感地震は合計350回以上を数える。
以下のグラフは本震が発生した3月20日から、最大の余震が発生した日の翌日、4月21日までの間の、余震の回数の推移。
本震のちょうど1ヵ月後の2005年4月20日午前6時頃に、最大震度5強の地震が発生した。これは福岡県西方沖地震の余震だと考えられる。震源は本震の南東12km程度に位置し(Hi-net九州大学HYPO)、志賀島付近と考えられる。この震源地は、福岡市直下にある警固断層の北端からわずか5kmの地点で、余震がだんだんと南側で発生するようになっていることを表しているが、この大きな余震で断層の南側のひずみのほとんどが解放されたと見られている。
福岡市の繁華街に位置する福岡ビル。地震によってビルの窓ガラスが割れ、地面に降り注いだ。
ファイル:Fukuoka Earthquake 20050320 Wall1.jpg福岡市中央区の住宅街。地震によって古いブロック塀が倒壊して道路の片側4分の1を埋め尽くした。
ファイル:Fukuoka Earthquake 20050605 Shikanoshima.jpg志賀島の周回道路上の崖崩れ
本震以降(2005年4月現在)、被災者の「こころのケア」のため、無料相談電話が開設されている(福岡市精神保健福祉センター内)。また、被災した子供のストレス等症状に関する相談のための相談電話も開設されている(福岡市こども総合相談センター)。
福岡県、特に福岡市付近は、福岡県西方沖地震の以前は、国内の他の地域に比べて地震の発生が特に少なかった。史料によれば、679年に筑紫国で地震(M6.5~7.5と推定される)が起こり地割れができたとの記述があるが、それ以降約1,300年間は被害が出るような地震が起こっておらず、統計的に見て地震が少ないことは確かであった。しかし、阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)と同様に、規模の小さい地震すら少ないことでエネルギーの蓄積が起こり、万が一地震が発生した場合は規模が大きくなるものとして危険性は認識されてはいたが、やはり同様に実体験による認識においては「福岡地方では大きな地震は起こらない。」とする誤解が広まっており、自治体の資料(佐賀県 企業立地ガイド参考)にも、地震の少なさを立地の利点として紹介する文章があったほどだった。
今般、M7.0弱クラスの地震にしては、被害が小規模に止まったのは奇跡的とさえ言えるが、あらためて日本においてはどんな場所でも大地震が起こりうることを、改めて実証し、再認識させる結果となった。
2007年(平成19年)3月19日、文部科学省地震調査研究推進本部により「警固断層帯の長期評価」が発表された。[2]これによると、まず、警固断層(福岡市内)と本震に係る福岡県西方沖の断層帯は同一の断層帯であると言う判断がなされた。また、断層帯南東部(警固断層)の今後30年以内の地震発生確率は最大で6%と、日本国内の主な活断層の中では高いグループに属することになると言う評価となっている。もっとも、断層帯北西部(本震に係る断層帯)に関する過去の地震などのデータが現時点では十分に揃っていないため、この発生確率等の値の信頼性自体もやや低いものとしている。地震によって警固断層に掛かるひずみが増したかどうかは可能性の指摘に止まり、今後の研究による科学的検証を要するとしている。いずれにせよ、いつ起こるか分からない地震への警戒や備えが重要であること自体には、何ら影響はない。
地震調査研究上も、福岡市付近は特別の注目を受けていた地域ではなかった上、今後の調査研究の発展を待つ必要があるが、地震は待ってはくれるものではないため、防災対策(いつ起こるか分からない地震への警戒や備え)は同時進行されるべきである。
本震においては、NTT西日本の固定電話は数時間に渡り通話規制が行われた(災害伝言ダイヤルが開始された)。携帯電話においては、通話規制は夜まで続き、輻輳の影響もあり通話は繋がりにくい状態だった中、メールやウェブは規制を受けず、各社の災害伝言板サービスも含め、効果を発揮した。PHSは固定電話と同様の通話規制を受けたが、その後は通話は問題なく利用できた(メール・ウェブは携帯電話と同様)。一部の直収電話では復旧に1~2日かかった。インターネット(ADSL)やIP電話は、地震直後も問題なく利用できた(停電世帯を除く)。
本震以降、新潟県中越地震と同様に、振り込め詐欺や、係員を装った窃盗事件が横行し、注意の呼びかけもなされた。
この地震に於いても他の大きな地震同様、主にネット上で「宏観異常現象」に関するデマや噂(特に地震雲)が多発し、本震から数ヶ月間続いた(噂参照)。また地元テレビやラジオなどで地震雲が取り上げられたり、2006年(平成18年)2月に打ち上げられたM5ロケットの噴煙を見た人から気象台に「地震雲ではないか」との問い合わせが殺到するなどした(この時福岡周辺においては気象などの条件が重なり、ロケットの噴煙が目視でも確認出来るほど広範囲で目撃された)。これらは住民の関心の高まりもあったため、デマや噂が大きく広がったのではとの見方がある。
唯一、地下水の水位が、宏観異常現象のうち定性性のあるものとして報道もなされた(西日本新聞)。また、福岡市周辺において地下水の水位が常時観測態勢に置かれつつある(同・続報)。宏観異常現象の域を出ないものとして次のものもある(まちBBS九州のスレッド(レス50~53辺り))。また佐賀県みやき町の千栗八幡宮では、地震の5日前に「粥祭」と呼ばれる神事で「地震に注意」とのお告げが出て話題になったが、これも科学的な根拠は実証されていない。
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テンプレート:日本近代地震
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