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ルース・ボルトン公はシーズン5およびシーズン6の主要なキャラクターで、シーズン2からシーズン4にかけても登場する。マイケル・マケルハットンが演じ、エピソード「光と影」で初登場する。ルース・ボルトンは北部の名家であるボルトン家の長であり、ドレッドフォート公。そして落とし子であるラムジー・ボルトンの父である。
スターク家に忠誠を誓うボルトン家のルースは、"皮を剥がれた男に秘密はない"という生家の習わしを信じ、拷問を手段として考える冷酷な男である。ロバートの反乱ではエダード・スタークのもとで戦い、トライデント河の戦いに参加する。ルースはバリスタン・セルミーを処刑するようロバート・バラシオンに進言するが却下される。
ルースには最初の妻との間に息子がいたが、若くして死ぬ。
ボルトン家はスターク家の旗主であるため、ロブ・スタークの召集に応じてウィンターフェルに参じた。エダード公が処刑された後はロブを北の王として擁立する。
ロブの軍はオックスクロスの戦いで勝利するが、軍には捕虜を世話している余裕がないためルースは彼らを拷問することを提案する。北部では拷問は違法であるためロブはその提案を蹴るが、ルースはここは北部ではないと言う。だがロブは王都で捕らわれている妹たちに危害を加える口実を作りたくないため、それを認めない。2人は治療師のタリサ・マイギアが負傷したラニスターの兵の足を切断しようとする場面に出くわす。タリサは感染症を防ぐために必要があると言うが兵が抵抗しているためロブが押さえつける。ルースは敵の兵より部下の心配をするよう王に進言するが、タリサに反論される。
ロブが陣地に戻り、キャトリンがタースのブライエニーを連れて帰って来た時、ルースはウィンターフェルから届いたシオン・グレイジョイがロブを裏切り、城を占領したという報せを報告する。その報せはホワイトハーバーやバロウトン、ドレッドフォートからも届いているため信憑性が高く、更にブラン・スタークとリコンの安否が不明でロドリック・カッセルが死んでいるという。激怒したロブは北部まで後退し、城を奪還すると言うが、ルースは王なら自分でやらずに部下にやらせればいいと彼を宥め、息子のラムジー・スノウに城を奪還させると言う。ロブはシオンは生け捕りにし、自分の前に連行するよう命じた。
アルトン・ラニスターがロブの元に戻り、サーセイは交渉の書状を破り捨てたと報告した。ロブはアルトンを檻に入れて食事を摂らせるよう命じるが、ルースやリカード・カースタークはイェローフォークの戦いで捕った捕虜が多いためアルトンを置いておく余裕がないと言う。仕方なくジェイミー・ラニスターの檻に入れておくことになり、ルースは何か言いたげにしていたが、そこにタリサが現れたため去る。
ルースはラムジーがウィンターフェルまであと3日の地点まで迫ったことを報告する。ロブは投降した鉄諸島人は故郷に返すことを約束するが、シオンは裏切り者であるため別だとする。ルースは鉄諸島人がシオンを裏切ることを期待する。
ロブの軍はタイウィン・ラニスターが去りグレガー・クレゲインが守っていると思われるハレンの巨城(ハレンホール)に到着する。ルースはハレンホールを包囲するよう進言するが、ロブは正面から戦うことを選ぶ。だが城は打ち捨てられており、中には数百名の北部人の死体が積まれていた。ルースはリカードに、死んだ息子のためにも必ず借りは返されるだとうと言うが、リカードは息子を殺した男がキャトリンのせいで逃亡していると言う。ルースは腕利きの部下に追わせているためその逃亡も長くは続かないと予測する。ハレンホールではクァイバーンという元メイスターが奇跡的に命を取り留めていた。
ロブがタリサと過ごしているところに、ルースはリヴァーランからホスター・タリーが死去したという報せと、ラムジーから届いたシオンらは既に逃走しており、ウィンターフェルが廃墟となってブランとリコンが未だ行方知れずだという報せを報告する。だが後者の報告の一部は嘘であり、実際はラムジーがシオンを捕えている。ロブはハレンホールをルースに任せ、軍を連れてリヴァーランへ発つ。
ルースの部下であるロックがジェイミーとタースのブライエニーを捕えてハレンホールに連行して来るが、ジェイミーの右腕を切り落としたことでロックを叱責する。ジェイミーから王都の状況を尋ねられ、ルースはスタニス・バラシオンの軍勢が王都を包囲したことを教える。まるでサーセイが処刑されてしまったかのような思わせぶりな口ぶりにジェイミーは緊張するが、タイウィン公の援軍がスタニスを退けた事の顛末を話す。ルースはジェイミーをクァイバーンに治療させる。
ルースは部下のロックが腕を切り落としたことの償いとしてジェイミーを王都まで無事に送り返すことを約束する。代わりとしてジェイミーの傷にルースが関与してないことを証言するよう約束させた。ジェイミーはブライエニーとの再出発に乾杯しようとするが、ルースはブライエニーは反逆の罪に問われているため解放しないと言う。ジェイミーが異を唱えようとするが、立場を弁えないとどうなるか学んだだろうと諌める。
ロブの叔父であるエドミュア・タリーがフレイ家の娘と結婚することになり、ルースは婚儀に参加するため双子城に発つ。ジェイミーが王都へ向けて旅発つ際にクァイバーンを同行させ、ルースがタイウィン公によろしく伝えてくれと言うと、ジェイミーはロブとその叔父に"ラニスターからの挨拶"を贈ると言う。ブライエニーをロックに与え、ロックは娯楽としてブライエニーを熊と戦わせて殺させようとするが、ジェイミーが彼女を救出する。
双子城での婚礼に参列したルースだが、この時密かにウォルダー・フレイやタイウィン公と共謀してスタークへの裏切りを画策していた。自らもフレイの孫娘と結婚することになり、ウォルダー公はその娘と同じ体重分の祝い金を約束したため、最も太った娘を選んだとキャトリンやブラックフィッシュに語る。事件の直前、雲行きを不審に思ったキャトリンがルースの袖を捲ると、ルースは服の中に鎖帷子を装備していた。キャトリンはルースを殴り、ロブに警告する。ルースが素早く身を隠すと、フレイ家の者たちがスターク家の諸侯たちを虐殺する。キャトリンはウォルダーの妻を人質に取ってロブを生かして帰すよう訴えるが、ウォルダーは拒否する。自らの子を身籠っていた妻のタリサが腹部を刺されて死亡し、茫然自失となったロブにルースが迫り"ラニスターからの挨拶だ"と言い、彼の心臓を突き刺す。キャトリンもフレイ家により殺害される。
ルースは双子城の頂上から北部軍が虐殺されるところを見物する。翌朝、虐殺が行われた広間でウォルダーと話し、エドミュアを牢に捕えたことやブラックフィッシュが逃亡したことなどを話す。ウォルダーが若造に仕えるのは苦痛だっただろうと尋ねると、ロブはルースの進言を悉く無碍にしたと言い、彼は永久に若造であるとその死を皮肉る。こうしてルース・ボルトンが北部総督となり、ウォルダー・フレイがリヴァーラン城主となる。
自らの手で主君を葬った〈釁られた婚儀〉の後、ルースは本拠であるドレッドフォートに帰還するが、鉄諸島人がモウト・ケイリンを占拠しているためネックを直進することが出来ず、密入国の形を取る羽目になる。ルースは人質のシオンを餌にベイロン・グレイジョイと交渉するつもりであったが、シオンはラムジーによってリークと化していた。独断でベイロンと交渉し、さらにシオンを不具にしたことで息子を叱責する。だがラムジーが調教したシオンは、ブランとリコンのスタークの兄弟が生きているという情報をもたらす。ルースは兄弟を殺した者には領地を与えるとし、ジョン・スノウが〈黒の城〉に匿っている可能性があるため、ロックを派遣して暗殺させようとする。さらにラムジーにはモウト・ケイリンを奪還する任を与え、結果如何によってはその立場を再考すると言う。
見事にモウト・ケイリンを奪い返したラムジーがルースに倒したグレイジョイの旗を渡す。ルースは黒の城に派遣したロックから連絡があったか尋ね、ラムジーはないと答える。ルースはブランは既に死んでいるのであろうと推測する。そしてモウト・ケイリン奪還の褒賞としてラムジーがトメン王によってボルトンの嫡子として承認されたという文書を渡す。この日から最後の日まで、ラムジー・スノウはラムジー・ボルトンとなった。
ボルトン家の一行はウィンターフェルに入城する。
ボルトン家はウィンターフェルを拠点とし北部を支配するようになるが、タイウィン・ラニスターが死んだため同盟が弱まっていた。ラムジーは税の支払いを拒否したサーウィン公の皮を剥いで殺し、新たな公となった幼い息子に払わせる。食事を食べながら事の顛末を話すラムジーに、食べるのをやめるように命じて彼を諌める。ルースは北部の旗主たちが団結した場合ボルトン家の軍事力では対処できないと言う。そして恐怖による支配ではなく婚姻による同盟が必要だとし、それに適した相手がいると言う。ピーター・ベイリッシュと連絡を取り、サンサ・スタークとラムジーとの婚姻を取り付けていたのだ。
サンサとリトルフィンガーがウィンターフェルに到着した際、ルースたちは彼女らを歓待し、サンサに息子のラムジーを紹介する。リトルフィンガーはサンサが処女であることとティリオン・ラニスターとの婚姻関係は既に解消されていると見ていいと語るが、ルースはそのような事よりサンサが持つスタークの名の方が重要だと言う。ルースは息子とサンサの結婚はラニスター家に対する反逆行為だと考え、彼らへの対処を心配するが、リトルフィンガーは軟弱なトメンが王になり、タイウィン亡き今ラニスター家は脅威ではないと言う。リトルフィンガーがサーセイの駒であることを疑うルースは彼へ届いた手紙に目を通し、返事を送る際も中身を確認させることを要求する。
サンサを交えた夕食の際、ラムジーは彼女がいる前にシオンを呼び出し、ブランとリコンを殺害した件を謝罪させ、場に緊張が走る。ラムジーは花嫁の引き渡し役をシオンにやらせてもよいかと確認し、ルースはそれを認めるが、彼を牽制するようにウォルダが妊娠したという報告をし、更に男児である可能性があると言う。ラムジーは自分の後継者としての立場が危ぶまれたと思うが、ルースはラムジーが産まれた経緯を話して彼も自分の息子であると語る。そして迫るスタニスの軍勢へ備えるよう息子に要求する。
〈神々の森〉での婚儀に参列し、サンサにラムジーを選ばせる。
スタニスの軍勢がウィンターフェルに接近し、ボルトン家の者たちは対策を話し合う。ルースはウィンターフェルが修復され、半年分の物資の蓄えもある今、城に籠って敵が弱体化するのを待てばいいと考える。しかしラムジーは北部総督であるルース・ボルトンが敵を攻撃するところを北部にアピールする機会であると考え、20人の兵による隠密作戦でスタニスのキャンプに火を放つという提案をする。この目論見は成功し、スタニス軍の物資は多くが失われる。
傭兵たちが離反し戦力が半数となったスタニスの軍がウィンターフェルを包囲しようとするが、そこにボルトンの軍が突撃をかける。開いた戦力差によりスタニスの軍は壊滅し、ルースは勝利を収める。
ルースは息子とサンサの結婚はラニスターへの反逆であり、報復があると予想する。敵を迎え撃つにはサンサが持つスタークという名の正当性が必要であったため、サンサを虐待して逃がしてしまったラムジーを責める。ラムジーは猟犬と6人の精鋭に追わせていると報告するが、ルースはもしサンサを取り逃がした場合、ラムジーには後継者を作ることがかなわないため、ウォルダが産む子供が男児であることを祈ると言いラムジーの継承を危ぶませる。
ウィンターフェルにハラルド・カースタークがやって来て、ラムジーの言う精鋭6人の死体を発見したと報告する。ラムジーたちは〈黒の城〉のジョン・スノウがサンサを匿っていると推測し、兵を送って突撃させて殺すよう提案する。だがルースは〈冥夜の守人〉の総帥を殺害すれば北部中が敵に回るとして反対する。ラムジーは多くが敵に回ったところでアンバー家やカースターク家、マンダリー家などの有力な諸侯を味方に付ければ優勢を保てると言うが、ルースはラムジーのような狂犬は豚の餌になると言う。その時メイスター・ウォルカンがやって来て、ウォルダに男児が産まれたことを報告する。父子は抱き合って喜び、ルースはラムジーこそが長子だと念を押すが、その瞬間ラムジーはルースを刺殺する。これは計画されていたことであり、ハラルドは即座にラムジーをボルトン公だと認める。ラムジーはルースが敵に毒を盛られて死んだと北部諸侯に伝えるよう命じたため、ルースの死は公には毒殺だとされる。
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