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「一流は一流を知る」
将棋とeSports。競技こそ違えど、多くの共通項がつぎつぎと飛び出した今回の取材。女流棋士とプロゲーマーの目線としても、同じプロの道を極めた者だからこそ分かる、共通の想いがそこにはあった。‟女流王将”のタイトルを2期保持した一流女流棋士の目に、eSportsはどう映っているのだろうか?
Kagawa-namao-1
撮影協力:菜な 渋谷宮益坂店カメラマン:中村ユタカヘア&メイク:中塚智恵着付け:都丸元恵聞き手:高城暁
――本日はプロ棋士という目線から、香川愛生女流三段にeSportsに関するいろいろなお話をお伺いできればと思います。香川さん自身かなりのゲーム好きだとお聞ききしていますが、香川さんにとってゲームとは?
私が最初に触ったゲームハードは、ゲームボーイやニンテンドー64あたりです。私の世代が小学生のときは、みんなでゲームを持ち寄って顔を合わせながら遊ぶのが日常でした。ゲームボーイは通信ケーブルを使って、ニンテンドー64はコントローラーを4つ使って、みんなでいっしょにワイワイ、楽しい時間を共有した思い出が色濃く残っています。ですので私にとってゲームとは、みんなで楽しい時間を過ごせる遊び場であり、コミュニティーなんですよね。
――コミュニケーションツールとしてのゲームという感覚は、将棋でも同じなのでしょうか?
そうですね。やはり、誰かといっしょに対局することが私にとっては大事だったのだと思います。道場に行って対局して、相手が悔しがったり、自分が悔しかったり、対局が終わった後は小さい子たちと遊び将棋をすることが楽しかったですね。将棋もゲームと同じで誰かと面と向かって指すから好きで、だからいまも続いているんですよね。
――将来の職業となる、将棋との出会いを教えてもらえますか?
そもそも私が将棋を始めたきっかけは、小学校3年生のときです。クラスメイトが遊んでいた将棋に偶然、混ぜてもらったのが最初で、ルールを覚えたての私は太刀打ちできませんでした。それが本当に悔しくて、近所の有段者もいらっしゃる将棋好きのおじいちゃんの会に通い始めるんです。そこで腕を磨いて、夏休みは将棋道場や将棋会館にも通うようになりました。
――いつごろからプロを目指そうと思ったんでしょうか?
小学校6年生のときに出場した‟女流アマ名人”という大会です。これはアマチュアの女性の全国大会で、同い年から社会人の方まで参加されます。そこで決勝戦まで勝ち進んで、2年連続準優勝の方に勝って優勝したんです。アマチュアで日本一になれたということが、プロの世界に進もうと思ったきっかけでした。
――プロになる前のアマチュア時代は、どのような選手だったんですか?
実践&感覚派でしたね。本はあまり読まずにひたすら指してました。対局の中で試行錯誤をくり返していました。だからアマチュア時代はペンは剣より強しではなく、剣こそ最強という気持ちで臨んでいました(笑)。当時はその方法がマッチして棋力が伸びました。でもプロになると通用しなくなってくるんです。とにかく攻めて攻めて、攻め切れなかったら終わりという試合をしていました。
――プロに近づこうとして、アマチュアとプロの差が見えてきたということでしょうか。
中学3年生の10月にプロ入りして、その直後、高校生のときは本当に勝てなかったです。だから自分の将棋を見つめ直そうと奨励会[1]に入り直したんです。
――奨励会では攻めとは逆の、守りの方法を学んだということですか?
辛抱というか、忍耐を学びました。アマチュア時代は自分の好きな手だけを指せば良かったんです。でもプロになると、いかに相手に指したい手を指させないかが重要になります。「自分の好きな手を指したい」という気持ちを抑えて、より相手の思考を読み取り戦局を優位に運んでいくんです。意識としては勝つための将棋ではなく、負けない将棋をするにはどうしたら良いのかという考えに変りましたね。
――やはり将棋の世界でもアマチュアとプロの差は大きいんですね。では、厳しいプロの世界に飛び込んで、いまも続けているモチベーションはいったい何なのでしょうか。
将棋は運の要素がほとんどない競技なんです。将棋は勉強をして積み重ねた分だけ結果が出ます。だから自分より強い相手でも、頑張り次第で勝てるときがあるんです。本番の強さ、盤の上で出る力というのでしょうか。運ではなく頑張った分の実力で勝てる喜びが大きくて、将棋はいままで続けてこれたんだと思います。
――そんな将棋のプロの世界で活動する傍ら、eSportsタイトル『シャドウバース』の実況番組にも出演されていますね。女流棋士の活動としては珍しいな、と(笑)。
ゲームが好きですから(笑)。そして、少しでも将棋に興味を持ってもらうきっかけになればなと。‟本将棋”が江戸幕府公認となり、棋士が職業として認められたのが、いまからちょうど400年前。私はひとりの棋士として、400年続いてきた将棋と棋士の歴史を、今後も100年、200年と延ばしていきたい心持ちで取り組んでいます。 小さい力ではありますが、将棋連盟の一員として、将棋界の未来の一端を担っているつもりです。
――現在の将棋が形を変えずに400年も続いているのはすごいことですね。それだけ続いている理由は何だと思いますか?
ルールのシンプルさと、戦略戦術の複雑さを兼ね備えている点が魅力だと思います。将棋のゲーム性や考えかたは、ゲーム(eSports)に限らず、あらゆる戦略や思想にも通ずる普遍的な要素が詰まっています。私自身、長い年月をかけて完成した将棋を生業にしている人間として、すごく尊敬しています。将棋が生まれたこと、残してきてくれたことに感謝しています。
――逆にeSportsタイトル『シャドウバース』をはじめ、多くのゲームが要素を増やして形を変えることで続くタイトルにしていますよね。その点はどう思いますか?
じつは将棋も、現在の形に定まった400年前よりもさらに以前には、‟本将棋”以外では要素をどんどん増やしていった時代がありました。当時は時間の流れがゆっくりですし、まだ遊べるぞとルールや駒の種類を増やし、盤もどんどん大きくしていったのではないでしょうか。もっとも大きい‟大局将棋”で盤面が36×36マス、駒は209種類もあるんです。このときの傾向がまさにいまの『シャドウバース』に近いのかなと(笑)。いま『シャドウバース』もカードを追加して、どんどん要素が増えてきてますから。もっとも、ルールを増やした‟中将棋”や大局将棋は遊び将棋として愛されたんですけども、競技として本将棋に取って代わることはありませんでした。このことは将棋が400年続いている理由のひとつだと考えています。
――意外なところで両者の共通項が出てきました。ではeSportsとしての『シャドウバース』は、将棋と同じ1対1の対人競技として、似ているところがあると?
%E5%AF%BE%E6%88%A6.png『シャドウバース』は終盤になるにつれて進化ができるようになり、コストの高いカードが使えるようになります。将棋も最初に小さな駒を動かして陣形を整えていき、進化のように駒が“成る”ことができるようになる。そして最終的に強力な飛車と角を使っていく。両者とも、始まりからゴールに向かうに従って、複雑になっていくゲームだと私は思います。そういうゲームのほうが逆転が起きやすいんですよ。もちろん序盤で投了することもありますけど、あきらめなければ勝ち筋が見えてくるのも、競技として共通していますね。
――逆に『シャドウバース』と将棋で、対戦して違うなと感じるところは?
『シャドウバース』はデッキを組む時点で自分の勝ち筋をイメージしています。将棋は互いに序盤の戦法を考えて対局に臨みますが、どの戦法が有利だということはありません。将棋は最初の盤面も持ち駒もイコールコンディションなので。だから『シャドウバース』でいう対戦前に自分のデッキを組み上げる工程が、将棋でいう中盤あたりです。序盤はどういう打ちに進もうか、どういう囲いにしようかと中盤、終盤の攻めの形を徐々に考えていくんです。
――『シャドウバース』はデッキを組むところから試合が始まっているということですね。ではデッキを組むときに意識されていることなどはありますか?
Deck.jpg私は『シャドウバース』を始めた当初は強いカードばかり入れたんです。そうしたら番組[2]で先生として教えてくださるふ~どさんに「コンセプトが分かりづらい」って言われちゃって(笑)。そのときはコンセプトというものが、まだ私には見えていなかったんですよね。でもいまはわかります。私のデッキはセラフビショップという、ほぼ確実に9ターンで勝てるカードを軸に構成しています。8ターン目に熾天使のカードを出すとエクストラウィンで決着がつきます。ですからこのデッキのコンセプトは“完全な勝ちパターンが見えているデッキ”だと言えます。この、対戦前に自分の勝ち筋を意識するデッキ構成が、将棋とは大きく異なる点だと思います。
――それは『シャドウバース』のデッキづくりの工程と同じく、将棋も中盤になると勝ち筋が定まってくるということでしょうか?
ある程度は定まってきますね。絶対に同じ将棋は現れないと言われるほど将棋の可能性は天文学的で、必ず対局していると知らない世界に入るんです。だからより将棋の戦略は臨機応変に変えていく必要があります。そのため将棋には駒の効率という言葉があるんです。たとえばいい具合に囲いができているけど、いまの配置だとこの金や銀は駒が働いていないよね、ですとか。将棋は駒の役割を考えてあげることが大事です。一方『シャドウバース』のカードは役割がはっきりしていますよね。だからカード同士の組み合わせを考えていくことが、『シャドウバース』でいう効率になるのかなと思っています。
――続いて、競技ではなく競技者に関することをお聞きします。プロゲーマーのふ~どさんと共演して、どのような部分にプロ意識を感じますか?
撮影時にいつもスポンサーのTシャツを着ているところ(笑)。それはプロとしての条件のひとつが、スポンサードしてもらうことだと思うからです。プロゲーマーの方の仕事は対戦することはもちろん、そのゲームをしている姿を観客に楽しんでもらうことです。それはプロ棋士の対局も同じです。スポンサーが付くということは、その姿が評価されている証だと私は思います。
――それでは目に見えないメンタルな部分で共感するところはありますか?たとえばこんなところがプロの自分と似ているな、とか。
ふ~どさんと会話をしていると、なんとなく話す前から答えがわかることがあります。番組を通じてお会いしましたが、100%違うから呼ばれたのではなく、どこかで共通項があるから呼ばれているんだと思うんです。
――なるほど。そういえば以前『鉄拳』世界チャンピオンの‟ノビ”さんにインタビューした際、「格闘ゲームはもの凄く早く展開する将棋なんですよね」と例えていました。
そうだったんですね(笑)。そんな共通項があったとは驚きました。
――プロゲーマーはゲームの根っこの部分を理解分析して、プレイに反映する能力がズバ抜けて高いんですよね。ロジカルな思考力は将棋と共通する気がします。
『シャドウバース』の番組では、ふ~どさんが先生になり、さまざまなことをロジカルに教えてくださるんです。ふ~どさんはとても冷静で情報処理に無駄がない。棋士もロジカルに考える人が多いですが、ふ~どさんと話しているとそんな棋士の先輩方と話しているような感覚になるときがあります。そういったロジカルな思考が将棋と格闘ゲームは似ていて、自然と共感し合えるのかなと思います。
――現在のeSports界の盛り上がりをどう捉えてらっしゃいますか? 11月26日(土)には“日本eスポーツリーグ”[3]が開幕するなど、盛り上がりを見せています。
Kagawa-namao-4.jpg協会やリーグが設立して、競技としての箱ができた状態ですよね。見応えのある競技、競技を盛り上げるプレイヤー、そしてプレイヤーを応援するファンが増えてくれば、ひとつの競技の形が出来上がるのかなと思います。私は将棋の歴史が今後も100年、200年と続いていってほしいと切に願っています。eSportsも同じように、長く愛される競技になっていってくれたら嬉しい。
――将棋と比べると、eSportsは生まれたばかりの子供ですね(笑)。
私は現在の将棋を400年間続けてきた先人達に、ものすごく感謝していますし、すでにバトンを託された人間のひとりです。eSportsは既におもしろい、珍しいと多くの人たちが興味を持ってくれていますよね。その状態を続けるのは、また別の大変さがあると思うんですよ。でも続いていくことに本当の価値があると思うので、eSportsがいまの勢いのまま盛り上がり続けていくことを祈っています。
――では最後にプロ棋士として、eSportsについてひと言お願いします。
私はたくさんの将棋ファンの方々に支えていただいて活動できています。eSportsも応援してくれる方が増える施策が大事になってくるんだろうな、と思います。そして、eSpoetsが情熱の受け皿になれば良いなと。将棋界には何人かいらっしゃいますが、ケガなどでいったん人生に挫折した方が、将棋と出会って生きる希望を見出して、プロにまで昇り詰めたという話が結構あるんです。将棋には、多様な人を受け入れる懐の深さ、受け皿になる奥深さがある。eSportsも若い方たちが情熱を注ぎ込める、より大きな器になることができれば、急速に発展していくのではないでしょうか。
香川愛生女流三段
平成5年生まれの23歳。中学3年生でプロになり今年で10年目になる。20歳のときに第35期女流王将戦で初タイトルを獲得し、2年間タイトルを保持。現在はプロ棋士の傍らプロ格闘ゲーマーの‟ふ~ど”氏とともに『シャドウバース』の生放送連載番組に出演するなど、女流棋士界きってのゲーム好きとしても知られている。
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