ビデオ判定

ページ名:ビデオ判定

ビデオ判定(びでおはんてい)とは、スポーツ競技において審判の肉眼での判定が難しいときに、録画されたビデオ映像を活用して判定を行う方式である。

目次

NFL[]

NFLでは、インスタント・リプレイというビデオ判定制度が導入されている。これは、主審の判定に対して異議がある場合にタイムアウトの権利1回分を賭けて、審判にビデオ映像による判定の再確認を要求する制度である。異議が認められた場合には、問題の判定を覆した状態で試合が再開される。

観客が固唾を呑んで見守るなか、主審によってインスタントリプレイの結果が高らかと発表される瞬間はNFLの試合において特に盛り上がる場面の1つである。判定の透明性確保と共に、観客をわくわくさせるショー的要素も含んでいる。

1986年から1991年まで導入されたが乱発による試合遅延をまねき一旦廃止され、システムを練り直して1999年に再導入された。

詳細はインスタント・リプレイ参照。

大相撲[]

大相撲では1969年五月場所より導入されている。前場所の大鵬-戸田戦が誤審として物議をかもしたのを受けてのもの。審判長の場内説明も同時に始まった。

詳細は「物言い」を参照。

野球[]

野球ではプレー中の審判の判定が、選手によるその後のプレーの選択に影響するため、デメリットなくビデオ判定が導入可能となる局面は、如何なる判定となった場合でもその直後にボールデッド(ボールを用いたプレーが行われない状態)となるケースに限られる。具体例として、観客席に入った打球が本塁打であるかファウルボールであるかの判定が挙げられる。

2006年時点では日米双方のプロ野球および高校野球では導入されていないが、読売ジャイアンツが2006年6月11日の千葉ロッテマリーンズ戦で李承ヨプの本塁打が取り消しになったことをきっかけとして、ビデオ判定の導入を訴えていた。なお、これより以前からも現場や各球団関係者より相当数の要望がある。

2006年9月28日のコミッショナー事務局で開かれた事業委員会(委員長:清武英利巨人球団代表)ではビデオ判定の一部導入が議論された。その後、10月2日のプロ野球実行委員会で12球団に提案され、特に異論はなく導入する運びとなった。2007年のオープン戦で本塁打の判定に関してビデオ判定を試験導入する予定(この試験導入に先駆けて2006年の日米野球でも試験導入された)。予定では、審判員控え室にモニターのある球場でのテレビ中継のある試合に限って、予備審判を置き判定の補助を行うことになっていた。

しかし、審判員控え室にモニターの設置されていない球場が2006年時点では3球場あることから、2007年3月6日に開催された実行委員会で、2007年度の試験導入は見送りとなった。以降は、モニターの設置を急ぎ、予備審判が映像などをチェックすることで、判定技術の向上に役立てることにした。

メジャーリーグでも、2005年のポストシーズンで疑惑の判定があったことでビデオ判定の導入も考えられた。また、2006年11月15日(現地時間)のGM会議でも、判定検証のためのビデオ導入などが議題にあがった[1]。本塁打の判定、およびフェア・ファウルの判定に用いるという方向で話が進んでいた[2]。

そして、2007年11月6日(現地時間)にフロリダ州オーランドで開催されたGM会議において、本塁打の判定に限定したビデオ判定制度の導入が可決された(賛成25、反対5)。ビデオ判定の対象となるのは、フェンス際やポールぎりぎりの際どい本塁打の判定に限られ、打球がポールのどちら側を通過したのか、観客の妨害があったのか、フェンスのどの部分に当たったのか、などを審判が映像で確認することになる。導入の時期は未定で、今後はコミッショナーに導入要望書を提出し、制度の詳細について協議を始める予定[3][4]。

アメリカ4大プロスポーツで、ビデオ判定をいまだに導入していないのはメジャーリーグだけである。

なお、現行の野球規則上は、ルール解釈に誤りがあった場合を除き、一度下された審判の判定は終局のものであり覆らないとされている。テンプレート:節stub

テニス[]

テニスでは、イギリスのホーク・アイ・イノベーションが開発を手がけた「ホーク・アイ(タカの目)」(開発者の名前がポール・ホーキンスであることにもちなんでいる)と呼ばれるシステムが導入されている。このシステムはミサイル誘導技術を応用したもので、コート周囲に設置された10台のカメラがボールの軌道を捉え、映像を「ホーク・アイ・コントロールシステム」に送り、ボールがどのような軌跡を描いたか瞬時に映像解析を行う。

選手はライン際のイン、アウトの微妙な判定に対し、1セットにつき2回までビデオ判定を要求できる(審判の判定が正当だった場合は、残りの権利を1回分剥奪される)。また、CG加工された映像が場内の大型スクリーンに映され、観客にもシステムが行った判定の是非がわかるようになっており、ショー的要素も含んでいる。アンディ・ロディックなど多くの選手にはおおむね好評だが、ロジャー・フェデラーなど一部の選手は導入に反対し、賛否両論の状態となっている。

国際テニス連盟は、ライン付近の微妙な判定にビデオを導入することを2005年10月に承認。2006年3月22日からのナスダック100オープンで、テニス史上初のビデオ判定が行われた(ジェミー・ジャクソンが初の権利行使者となった)。2006年8月28日-9月10日の全米オープンで、4大大会では初めてビデオ判定が導入された。設置されたのはセンターコートなど2会場。2007年には、全豪オープンでも一部で導入された。

サッカー[]

サッカーでは、ビデオ判定は導入されていない。判定のトラブルが発生するたびに、導入を訴える声が上がったが、FIFAは導入反対の立場を崩しておらず、実現はしていない。フランスが国内リーグに独自に導入しようとした際にも、FIFAの反対によって中止されている。

2007年3月3日に、イギリスのマンチェスターで開かれた国際サッカー評議会(IFAB)の年次総会では、前述の「ホーク・アイ」システムの導入を検討することを決定した。イギリスでの報道によると、FAプレミアリーグが、ユースレベルの試合で実験を行うという。公式戦での実用化には、さらに数年かかる見込み。

ラグビー[]

2007年よりジャパンラグビートップリーグで導入予定。

ボクシング[]

WBCが2008年より世界戦で導入予定で、2007年12月15日にメキシコ・カンクンで行われた世界フェザー級タイトルマッチで試験導入された。

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