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痴漢男(ちかんおとこ)とは、書籍・映画などで有名になった電車男と同様、インターネット掲示板サイト2ちゃんねるへの書き込みを基にしたラブストーリーである。「電車男を超えた、2ちゃんねる発のラブストーリー」として双葉社から書籍化され、2005年11月には映画にもなった。
名称は電車男と同様、投稿した人物のハンドルに由来する。書籍の著者は「板野住人(いたのすみと)」。“板の住人”を意味するペンネーム。
電車男ブームにあやかった、いわゆる「二番煎じ」作品といえるが、大ヒットになった「電車男」と比べると、社会的知名度はこちらのほうが圧倒的に低い。「電車男」が成功したからか、最近のメディア傾向として、インターネット、特に2ちゃんねるで人気が高まった話題を持ってくることが非常に多い(ネット発の○○男も参照)。
テンプレート:ネタバレ
ある人物の2004年11月5日の投稿からすべてが始まった。アニメと爬虫類にしか興味のない20歳の大学生が、ある日女性に痴漢に間違われた。後日なんとか誤解が解け、その男(痴漢男)は女性(後に勘違い又はカンチと命名)のストーカー被害の相談に乗っているうちに、彼女にほのかな恋心を抱くようになる。話が進むにつれ、「カンチ」の友人「関西」「ロリ巨乳(ロリ)」も登場し、ここに女の子3人との不器用な恋物語が始まる。女の子達と友達として付き合っていくうちに、痴漢男は自分の関西に対しての本当の気持ちに気付く。そして、ついに痴漢男は関西に思いを打ち明けるのだが……
痴漢男のスレッドにリアルタイムで触れていたあるアマチュア漫画家によって、ウェブ上で公開されている。商業作家ではないが、巧みな心理描写や他作品のパロディを多く織り交ぜたその内容にはファンが多い。
書籍は、電車男と同様、書き込み内容がそのまま書籍として編集されている。その類似した内容のためか、本作を出版した双葉社が電車男を出版した新潮社の方法を「パクった」として、2ちゃんねらーからの評価は低い。
『痴漢男』書籍版を底本として、映画化された。2005年11月19日より上映。配給はトルネード・フィルム。主題歌は上村梨恵子の『大切な人』。映画『電車男』と違い、映画内に『2ちゃんねる』の名がはっきり出ており、また「電車男を超えた」と銘打っている。上映館である『渋谷シネ・ラ・セット』にて劇場前売り券の販売枚数新記録を樹立、舞台挨拶の整理券を特別に前日配布としたこともあり、キャストのファンが全国からつめかけて前々日夜から映画館に観客が並ぶという、最近の邦画では異例の事態が起こった。監督の寺内幸太郎はこの作品の好評をきっかけにテレビドラマに進出。とはいえ、上映館も少なく(前述の通り、関東地区の上映館は渋谷シネ・ラ・セットのみ)、CMや予告編などの宣伝も行われず、なにより大手映画会社(東宝・東映・松竹など)以外の映画会社が製作・配給をした以上、かなりのマイナー映画であることは明白である。なお、一時期「東宝製作」というデマがネット上で流れたことがある。
また、主役を演じている柳浩太郎の台詞が、滑舌が悪く聞き取りにくいという評価があるが、これは2003年に柳浩太郎本人が交通事故に遭い、その後遺症が残っているためと思われる。
余談だが、劇中にギャラクシーエンジェルのグッズが出てくるシーンがある。
この他に声のみの出演であるネットの住人たちが登場する。ネットでの会話は全てアスキーアートに動きと声を与えた形になっている。
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