椎名誠

ページ名:椎名誠

テンプレート:文学椎名誠(しいなまこと、1944年6月14日 - )は日本の作家、SF作家、エッセイスト、写真家、映画監督。本名は渡辺誠。椎名は旧姓で、結婚したときに妻の渡辺一枝の姓に合わせ渡辺姓となった。

妻(元保育士)の渡辺一枝とは、親友で弁護士の木村晋介の紹介で結婚。娘の渡辺葉は翻訳家でエッセイスト。

息子で、椎名の小説『岳物語』のモデルとなった渡辺岳はボクサーで現在は写真家。岳は格闘技、プロレスなども大好きで、柔道2段でもあり、また、マーシャル・アーツなども愛好する。2006年11月に写真活動の集大成ともいえる写真集『ONCE UPON A TIME』(本の雑誌社)を刊行した。

目次

経歴[]

  • 東京都世田谷区三軒茶屋に生まれ。父親は公認会計士。千葉県印旛郡酒々井町と千葉市幕張に育つ。特に、小学校1年で世田谷から漁師町である酒々井町に引っ越した際は、非常にカルチャー・ショックを感じたという。千葉市立千葉高等学校卒業。イラストレーターの沢野ひとしは高校時代の同級生。東京写真大学(現東京工芸大学)中退。
  • 異母兄弟の下から二番目に生まれ、長兄とは20歳位離れている。読書が好きで、SFやナチュラリズム系の本、海外旅行記などを好んで読んだ。また映画少年でもあった。
  • 小学校6年の時に父親が死に、中学に進学するとガラの悪い学校で、以降、高校まで喧嘩にあけくれる。一方、中学3年で8ミリの自主ニュース映画を撮った。
  • 高校卒業後に、江戸川区小岩のアパート克美荘で、沢野ひとし・木村晋介ら4人で、6畳1間で共同生活をした。東京写真大学は半年でやめ、シナリオライター養成学校に通いながら、皿洗いのバイトなどをする。。
  • 流通業界の専門誌『ストアーズレポート』を刊行しているストアーズ社に入社。この時、入社させてくれたのが、後に爬虫類研究家として有名になる、高田栄一だったという。編集者として才能を発揮し、同誌の編集長にまでなる。同社勤務中、同僚の目黒考二らと1976年、『本の雑誌』を創刊(創刊以来、一貫して編集長を務めている)。
  • なお、1977年ごろ、『本の雑誌』の経費を稼ぐために、「エロ漫画の原作」のアルバイトを目黒と共同で行っていた。椎名がストーリーを考え、目黒が台本化する形式で、月4、5本は書いていたという[1]
  • 『本の雑誌』誌上での椎名の「面白文体」の文章が評判となり、1979年『さらば国分寺書店のオババ』(情報センター出版局刊)でエッセイストとしてデビューする。その軽快で口語調の文体は嵐山光三郎らの文体とともに昭和軽薄体と呼ばれ、一躍マスコミの寵児となり、ストアーズ社を退社して執筆業に専念する。
  • 沢野ひとし・木村晋介ら仲間と「東日本何でもケトばす会」、通称東ケト会を設立。盛んに、島のなどに旅して、海岸でキャンプを張り、自炊をして宴会した。その活動を1980年、『わしらは怪しい探険隊』と題して出版、シリーズ化された。
  • その後は小説に進出、私小説、SF小説、超常小説を多数発表。椎名はSF・超常小説を、「シーナワールド」と呼ぶ。
  • 文筆活動以外には、辺境の地への冒険をライフワークとし、ドキュメンタリー番組によく出演するほか、旅先での写真を多数発表。また、本好きの習性として、旅先にも大量の本を持参して読了している。映像プロダクション「ホネ・フィルム」を設立、映画監督の経験もある(現在ホネ・フィルムは解散)。徳島で「川の学校」の講師もつとめた。写真雑誌『アサヒカメラ』の連載などを受け持っている。
  • 『週刊金曜日』の編集委員も務めたが、連載を担当していたほかは実質的な仕事をしていないとしており、表紙写真の担当を降りたことから2007年12月14日号を最後に退任。

受賞リスト[]

  • 1988年 『犬の系譜』 吉川英治文学新人賞
  • 1990年 『アド・バード』 日本SF大賞
  • 1993年 『あひるのうたが聞こえてくるよ。』 第10回山路ふみ子映画文化賞。
  • 1995年 『白い馬』 JRA賞馬事文化賞
  • 1996年 『白い馬』 EARTH VISION 地球環境映像祭環境教育映像賞

第5回日本映画批評家大賞最優秀監督賞

  • 1997年 『白い馬』 ボーヴェ映画祭グランプリ受賞

ポーランド子ども映画祭特別賞

作品リスト[]

  • クレジットカードの実務知識
  • さらば国分寺書店のオババ(デビュー作)
  • 気分はだぼだぼソース
  • 岳物語
  • 続・岳物語
息子、渡辺岳の成長を捉えた私小説。なお、娘(岳から見た姉)の渡辺葉については本人の希望により一切書かれていないため、岳が一人っ子のように描かれている。なお、作品中では家族名が(「渡辺家」ではなく)「シーナ家」となっていることから、出版社の付録では「フィクション小説」と扱われる場合が多い。『続・岳物語』も同じ。椎名自身はさらに長期にわたって書き続ける予定であったが、息子が、小説の登場人物にされるのを嫌がるようになり、中断した。
  • アド・バード
集英社刊。異形の怪物がうろつく世界で、主人公の兄弟が父親を探しに行くというSF大作。作品中の言語感覚には筒井康隆の影響が見られる。日本SF大賞受賞作品。
  • 哀愁の町に霧が降るのだ
他称自伝的小説。克美荘時代を中心とした、作者とその仲間たちの生活を書いている。
  • わしらは怪しい探険隊
  • いろはカルタの真実
  • イスタンブールでなまず釣り
  • 砂の海 : 楼蘭・タクラマカン砂漠探検記
  • かつをぶしの時代なのだ
  • ジョン万作の逃亡
  • 風にころがる映画もあった
  • 風のかなたのひみつ島
  • 波のむこうのかくれ島
  • インドでわしも考えた
  • 赤眼評論
  • 風景進化論
  • フグと低気圧
  • 新橋烏森口青春篇(「哀愁の街に~」の続編)
  • 犬の系譜
  • 熱風大陸 ダーウィンの海をめざして
  • さよなら、海の女たち
  • あやしい探検隊 海で笑う
  • ねじのかいてん
  • 土星を見るひと
  • 白い手
  • 水域
  • 武装島田倉庫
  • 胃袋を買いに。
  • 銀座のカラス(「新橋鳥森口~」の続編)
  • ハマボウフウの花や風(第102回直木賞候補)
  • 草の海 モンゴル奥地への旅
  • むはの迷走
  • ひるめしのもんだい
  • 地下生活者
  • おろかな日々
  • フィルム旅芸人の記録
  • モンパの木の下で
  • ガリコン式映写装置
  • はるさきのへび
本当の“岳物語”がある(姉の事について書かれている。)
  • 南国かつおまぐろ旅
  • 猫殺し その他の短篇
  • 鉄塔のひと その他の短篇
  • ネコの亡命
  • 馬追い旅日記
  • あやしい探検隊 焚火酔虎伝
  • 時にはうどんのように
  • でか足国探検記
  • 麦の道
  • カープ島サカナ作戦
  • 麦酒主義の構造とその応用力学
  • 風の道 雲の旅
  • あやしい探検隊 焚火発見伝
林政明と共著。
  • 人生途中対談
東海林さだおと共著。
  • みるなの木
  • 本の雑誌血風録
本の雑誌ができるまでを、編集の面を中心にして書かれた作品。
  • ギョーザのような月がでた
  • あるく魚とわらう風
  • 海浜棒球始末記
  • 突撃 三角ベース団
「浮き球▲(三角)ベースボール」についての本。奄美大島訪問中に、地元の漁師が砂浜で流木のバットと「浮き球」を使って遊んでいた草野球と出会い、その際、持ち帰った浮き球で後日、仲間と始めた三角ベースが原型。椎名は、「全日本浮き球リーグ」、通称「う・リーグ」の創設者。
  • 新宿熱風どかどか団
『本の雑誌血風録』の続編。本の雑誌創刊後、椎名がメジャーな文化人になって、色々な仕事をこなすようになるまでを描く作品。
  • あやしい探検隊 バリ島横恋慕
  • ずんが島漂流記
  • ビールうぐうぐ対談
東海林さだおと共著。
  • とんがらしの誘惑
  • 問題温泉
  • くじらの朝がえり
  • にっぽん・海風魚旅 怪し火さすらい編
  • もう少しむこうの空の下へ
  • すっぽんの首
  • 焚火オペラの夜だった
  • 春画
  • ハリセンボンの逆襲
  • ぶっかけめしの午後
  • 海ちゃん、おはよう
  • なつのしっぽ
  • いま この人が好きだ!
  • パタゴニア-あるいは風とタンポポの物語り
  • 黄金時代
  • 全日本食えばわかる図鑑
2004年から始めた「全日本麺の甲子園大会」の模様が収録されている。

映画[]

監督作品(すべて「ホネ・フィルム」作品)[]

  • ガクの冒険(1990) 出演:ガク、野田知佑
  • うみ・そら・さんごのいいつたえ(1991) 出演:余貴美子 本名陽子 仲本昌司 平良進 平良とみ 紺野美沙子
  • あひるのうたがきこえてくるよ(1993) 出演:柄本明 小沢昭一 黒田福美 萩野純一
以上の音楽担当:高橋幸宏
  • 白い馬(1995)
  • しずかなあやしい午後に 遠野灘鮫原海岸(1997) 音楽:高橋幸宏出演:林政明 猪熊寅次郎 鈴木一功 河原田ヤスケ

その他の「ホネ・フィルム」制作映画[]

  • 『しずかなあやしい午後に スイカを買った 沢野ひとし』(1997) 監督:太田和彦椎名は「企画」担当
  • 『ツェツェルレグ モンゴル草原の花』(1997) 椎名は「脚色」担当
  • 『しずかなあやしい午後に ガクの絵本』(1997) 監督:和田誠 椎名は「原作」
  • 『中国の鳥人』(1998) 監督:三池崇史 椎名は「原作」

椎名作品の映画化[]

脚注[]

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 南伸坊『さる業界の人々』(ちくま文庫)の関川夏央の解説より。なお、関川も同時期にエロ漫画雑誌の編集長及び、原作執筆を手がけていたという。

関連項目[]

  • 日本の秘境100選
  • 沢野ひとし
  • 木村晋介
  • 野田知佑
  • 群ようこ
  • 目黒考二
  • 中村征夫
  • 沢田康彦
  • 青山正明
  • 週刊金曜日

外部リンク[]

  • 浮き球.com
  • 椎名誠の「麺の甲子園」ブログ
  • 作家の読書道:第19回椎名 誠さん
  • 椎名誠シングルモルトウイスキーの旅


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