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テンプレート:文学『梟の城』(ふくろうのしろ)は、司馬遼太郎の小説。1958年(昭和33年)4月から翌59年2月まで宗教専門誌「中外日報」に連載。単行本は1959年(昭和34年)に講談社から改題して刊行。1960年(昭和35年)に第42回直木賞を受賞している。1974年(昭和40年)に新潮文庫から、1987年(昭和62年)には春陽文庫から文庫化。司馬遼太郎全集では第一巻に『上方武士道』とともに収録。
最初に発表された時の題は「梟のいる都城」で、京(都城)で暗躍した闇に生きる忍者を夜行性で単独生活をするフクロウに喩えている。こちらの方が作品内容の意味が通るとも指摘されるが、語呂が悪かったのか、単行本化の際に現在の題に変更されている。
それまで新聞記者であった司馬が歴史小説家となる契機となった作品で、以後も多くの忍者小説を手がけている。後年の独自の歴史解釈を交えた歴史小説群とはかなり趣の異なった作品。組織のなかで生き、豊臣秀吉の暗殺を狙う葛籠重蔵と、伊賀を捨て、武士として立身出世しようとする風間五平の二人の生き様を描く。また、徳川家康や服部半蔵、石川五右衛門など、実在人物も巧みに配置されている。忍者同士のアクションシーンの描写が評価され、1963年(昭和38年)、1999年(平成11年)の二度にわたり映画化もされている。1960年にもテレビドラマ化されている。また、1973年に同じ司馬作品の『国盗り物語』がNHK大河ドラマ化された際には、原作の一部として使用された。
織田信長による伊賀侵攻である天正伊賀の乱から10年後、伊賀忍者・葛籠重蔵は隠遁生活を送っていた。仇としていた信長はすでにこの世の人ではなくなり、生きる希望を失っていたが、かつての師匠・下柘植次郎左衛門から、太閤秀吉暗殺の依頼を受ける。忍者としての生涯を華々しく終えることのみを考えていた重蔵は依頼を引き受け、秀吉暗殺に乗り出す。
堺の豪商・今井宗久のもとへ向かう途中、小萩という、宗久の養女が現れ、二人は通じ、密かに愛し合うようになる。だが、彼女は重蔵を見張る役目を持ったくノ一だった。重蔵は木さる、黒阿弥らとともに、伊賀を裏切った風間五平らと対決し、秀吉の居城伏見城へ潜入する。
1963年(昭和38年)公開。配給は東映。
1999年公開。配給は東宝。篠田監督の歴史映画としては1995年の「写楽」以来。篠田正浩は1996年に死去した原作者の司馬遼太郎と長い親交があり、1964年には司馬作品の『幕末』を映画化している。SFXを使用したミニチュアと実写映像のデジタル合成が特徴的で、堺の町並みや聚楽第など、安土桃山文化の再現を試みている。同様の手法は2003年公開のスパイ・ゾルゲでも用いられた。ロケ地は松竹京都映画撮影所のほか、広島みろくの里写楽オープンセット、彦根城、比叡山延暦寺、錦帯橋など各地。
スタッフほか
1960年4月4日から4月18日まで、三菱ダイヤモンド劇場の「直木賞シリーズ」の枠で放送。
キャスト
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