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テンプレート:Otheruseslist式日(しきじつ)とは、「儀式を執り行う日」のこと。
本稿では2000年に公開された同名の日本映画「式日(SHIKI-JITSU, ritual)」について述べる。
庵野秀明監督による実写映画。2000年12月7日に東京都写真美術館にて初公開。第十三回東京国際映画祭 最優秀芸術貢献賞受賞。
スタジオカジノ第一回作品。スタジオカジノとは徳間書店のスタジオジブリのセカンドレーベルで実写作品部門。そのためか、ジブリコレクションのひとつとしてビデオ・DVD化されている。DVDに関しては後に英語字幕(内容が把握できる程度のものだが)がつけられ、米国でもリリースされる。
不幸な家庭と過去の体験に絶望し、現実世界を隔離して生活を送る少女の孤独で病的な精神世界の変遷を、非常に芸術的な映像で描き出した作品である。
アニメ作品が中心であった同監督のそれまでの実写作品はDVカメラによるものだったため、35mmフィルムの作品はこれが初めて。美術館での公開となったことが象徴するように、芸術性の高い作品であり「エンターテインメント」を目指しておらず、作中でもそうした映像を批判する。
藤谷文子の書いた小説『逃避夢』が原作で、彼女自身が主演した。この原作も、藤谷自身の家族問題が下地になっている。
また、映画監督の岩井俊二がこの映画で初めて俳優として出演している。物語の舞台およびロケ地は、庵野秀明監督の出身地である山口県宇部市。作品中では山口弁が登場する。
作品は岩井俊二の影響を強く受けているように見えるとも言われており、全体的に岩井俊二テイストの音楽、編集、テロップなどが出てくるが、その映像の構図、撮り方などは庵野秀明独特のものに他ならない。庵野特有の映像、カットが実写にも取り入れられ、映像作家としてかれの世界を垣間見ることができる。
テンプレート:ネタバレ
「カントク」は、実家の山口県宇部市に里帰りする。そこで「明日は私の誕生日なの」と語る少女、「彼女」と出会う。カントクはそれまで東京でアニメの仕事をしていて大きな成功を得たが、それによって生まれた無力感や、本当は実写をやりたいという不満をため込んでいた。彼女はカントクに自身の母親に姿を重ね、かれに心を開く。またカントクは自分の実写作品の最初の素材として、彼女の日々を撮り続けるようになる。毎朝6時に目を覚まし、住居としている廃墟ビルの屋上に上って、身を投げる勇気を試す「儀式」。入ってはならないとされる地下室は水浸しの床に赤い傘と赤いろうそくが一面に並ぶ。二人で生活し始めるうち、当初は被写体としてしか捉えていなかったカントクだが、彼女がうちに秘める、肉親の死という喪失感、自分を捨てた母親への憎しみ、常に比較の対象にされてきた姉への嫉妬など…虚構の世界に引きこもる動機に直面し、次第に彼女の心の問題そのものに取り組むようになる。
(エンディングテーマの歌詞が、シナリオのよき要約ともなっている。)
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