小川紳介

小川 紳介（おがわ しんすけ、1935年6月25日 - 1992年2月7日）は、世界的に知られる日本を代表するドキュメンタリー映画監督である。山形国際ドキュメンタリー映画祭創設の提唱者。

生涯[]

東京市芝区横新町（現在の東京都港区芝）に生まれる。海城高等学校、國學院大學政経学部卒。

大学卒業後、1959年「新世紀映画」に入社。60年に岩波映画製作所と助監督契約を結ぶ。61年、東陽一・土本典昭らと映画研究グループ「青の会」を結成。64年、岩波との契約を解消し、66年『青年の海――四人の通信教育生たち』を自主製作する。66年、小川プロダクションを設立。スタッフを率い、三里塚の農民と生活を共にしながら成田空港の建設に反対する農民運動（いわゆる三里塚闘争）を記録した「三里塚」シリーズ七作を作成する。

その後、小川プロダクションのスタッフと共に山形県上山市に移住し農業を営みながら、82年『ニッポン国古屋敷村』、86年『1000年刻みの日時計 牧野村物語』を発表。ベルリン映画祭国際批評家連盟賞を受賞する。

92年、直腸ガンの転移による肝不全により死去。享年56。

なお小川の作品はすべて、ビデオ化、DVD化等されておらず、その作品を見るには、上映会等に通うか、CSなどで放送された際に見る必要がある。

主な監督作品[]

• 1967年 - 『圧殺の森高崎経済大学闘争の記録The Oppressed Students』
• 1968年 - 『日本開放戦線 三里塚の夏』
• 1970年 - 『日本解放戦線 三里塚』
• 1970年 - 『三里塚 第三次強制測量阻止斗争』
• 1971年 - 『三里塚 第二砦の人々』（マンハイム映画祭ジョセフ・フォン・スタンバーグ賞受）
• 1973年 - 『三里塚 辺田部落』
• 1975年 - 『どっこい! 人間節 －寿・自由労働者の街』
• 1976年 - 『クリーン・センター訪問記』
• 1977年 - 『三里塚 五月の空 里のかよい路』
• 1977年 - 『牧野物語 養蚕篇 －映画のための映画－』
• 1978年 - 『峠』
• 1982年 - 『ニッポン国 古屋敷村』（ベルリン映画祭国際批評家連盟賞受賞）
• 1987年 - 『1000年刻みの日時計 牧野村物語』

関連映画[]

• 小川プロ訪問記（1981）
  • 監督：大重潤一郎
  • 大島渚が小川紳介にインタビュー。
• Ｄｅｖｏｔｉｏｎ－小川紳介と生きた人々(2000) -『三里塚』シリーズの小川紳介と小川プロの神話に隠された真実。理想の映画製作集団の実態はカルト教団か？
  • 監督：バーバラ・ハマー (Barbara Hammer)
  • 主な出演者：大島渚／原一男／ロバート・クレイマー

主な著作[]

• 『映画を穫る―ドキュメンタリーの至福を求めて』（山根貞男編集）筑摩書房
• 『小川紳介』（蓮實重彦との共著）名古屋シネマテーク

研究書[]

• 映画新聞編『小川紳介を語るあるドキュメンタリ－監督の軌跡』映画新聞(フィルムア－ト社) 1992
• 阿部・マーク・ノーネス著『Forest of Pressure: Ogawa Shinsuke and Post-War Japanese Documentary』（2007）

小川プロ出身者[]

• 佐藤真
• 飯塚俊男
• 福田克彦
• 本田孝義
• 田村正毅（たむらまさき）
• 大津幸四郎
• 伏屋博雄
• 笠松則通
• 吉田司 - 小川プロを離脱後、小川を批判している。小川の「農民賛歌」は「大地主の孫」としての小川の贖罪意識から発している。また、カメラマンや専門スタッフは岩波映画から連れてくる。また金をむりやり集めてまったく返そうとしない。などなど。詳細は、藤吉雅春『ノンフィクションを書く』（ビレッジセンター）中の、吉田へのインタビュー参照。

関連項目[]

• ドキュメンタリー
• 山形国際ドキュメンタリー映画祭
• 日本の映画監督一覧

外部リンク[]

• とことん小川紳介
  
• 山形国際ドキュメンタリー映画祭公式サイト

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