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『光の雨』(ひかりのあめ)は、高橋伴明監督の日本映画。2001年公開。連合赤軍事件を描いた立松和平の小説『光の雨』をベースとしているが、立松の原作をそのまま映画化するのではなく、小説『光の雨』を映画化する模様を描いた作品となっている(以下の文章では区別のため、劇中で制作される映画を「劇中劇『光の雨』」と記載する)。
連合赤軍事件の本格的な映画化としては初めての作品。
事件そのものは劇中劇にする体裁を取ったことで、残酷な「総括」の場面が「映画としての再現」であることが強調され、見る側への刺激を和らげる効果を生んでいる。また、劇中劇に出演する若い役者たちの戸惑いの描写が、そのまま30年前の事件に対する今の若者の違和感を浮かび上がらせている。
なお、連合赤軍事件のうち、劇中劇として映画化されるのは山岳ベース事件(およびそれ以前に日本共産党革命左派神奈川県委員会~劇中では「革命共闘」~の起こした同志殺人(印旛沼事件))が中心で、あさま山荘事件に相当する場面は1カットだけ(玉井が銃を構え、銃口から火が吹く映像)である。
また、劇中劇として映画化されているのは、原作小説では玉井の回想に当たる場面であり、老人となった未来の玉井が出てくる下りははずされている。
小説『光の雨』の映画化が決まる。監督の樽見は学生運動の経験者。一方映画に出演する役者は、元アイドルやお笑い芸人、劇団員など事件はおろか革命という言葉にも無縁な若者たちで、演じる人物の台詞や題材となった事件に戸惑う。
小説の読者カードの中に、明確に監督の樽見に宛てたと思しいものがありその内容が樽見の心にわだかまりを生んでいた。撮影は順調に進んでいくが、樽見は葛藤から北海道ロケの最中に監督を降板してしまう。やむなくメイキング編の監督をしていた若手の阿南が監督を引き継ぐことになるが…。
劇中劇『光の雨』に出演する役者たちは、一部を除いてエンディングクレジットでは劇中劇の役名で表示されるが、ここでは「劇中劇」である点を明確にするため、「××役の俳(女)優」と表記する。(役者としての役名は明示されない)。劇中劇『光の雨』の登場人物については小説版『光の雨』の項目を参照のこと。
樽見省吾(大杉漣)CMディレクターで初の映画監督作品として『光の雨』を引き受ける。若い頃は学生運動に参加していた。当時、対立セクトからの攻撃を前に逃亡した(「日和った」)過去があり、暗にそれをほのめかす葉書を見て動揺し、途中で監督を降板し失踪してしまう。阿南満也(萩原聖人)劇中劇『光の雨』メイキング編の監督として参加。監督と若い役者たちとの間をつなぐ役をしていたが、樽見の監督降板に伴い、そのあとを継いで監督になり映画を完成させる。なお、小説版にも同姓同名の登場人物がいるが、別人の扱いである。大山賢一(塩見三省)劇中劇『光の雨』のプロデューサー。高取美奈(高橋かおり)原作とは別人物で元アイドル。マスコミの注目を浴びつつも、上杉に総括された女性兵士・高田ゆみ役を演じる。基本的に態度は大きいが、樽見やほかの出演者に追い詰められた役者を庇ったりする一面もある。倉重鉄太郎役の俳優(山本太郎)元漫才師で役者志望の青年。普段は路上で即興の詩を売る生活をしている。倉重の難解かつ大仰な台詞には理解不能な反応を示す。倉重のモデルは森恒夫。上杉和枝役の女優(裕木奈江)駆け出しの女優。冷酷非情な上杉を迫真の演技で演じきるが、劇中人物と同世代の監督に当時のことを聞いたりする。上杉のモデルは永田洋子。玉井潔役の俳優(池内万作)劇中劇『光の雨』の主人公役。ナレーションも務める。事件については「わからない」とコメント。玉井のモデルは坂口弘。大橋ショウジ(一條俊)兄のショウイチとともに戸張兄弟を演じる。撮影中は役にのめりこみ、温い態度をとる他の出演者に批判的な態度をとる。このページには、クリエイティブ・コモンズでライセンスされたウィキペディアの記事が使用され、それをもとに編集がなされています。使用された記事は光の雨 (映画)にあり、その著作権者のリストはページの履歴に記録されています。 |
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