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『笑の大学』(わらいのだいがく)は、三谷幸喜脚本による日本の演劇作品。ラジオドラマ版・舞台版・映画版の3バージョンが存在する。ストーリーは各バージョンともほぼ共通だが、役者に合わせた当て書きのため脚本は各々で書き直されている。
舞台は昭和15年。日本は戦争への道を歩み始めていた。国民の娯楽である演劇は規制され、警察で台本の検閲を受けなければ上演できない。そんな時代に、生まれて一度も心の底から笑ったことのない検閲官・向坂睦男と、劇団「笑の大学」座付作家・椿一が警視庁の取調室で出会う。向坂は「このご時世に、低俗な喜劇など不謹慎であり上演する必要などない」と考えているため、“笑の大学”を上演中止に持ち込むべく、椿の台本に対して「笑い」を排除するような無理難題を課していく。しかし、椿は何としても上演許可を貰うため、向坂の要求を飲みながらも更に「笑い」を増やす抜け道を必死に考えていく。
1994年、NHK-FMで放送初演。
キャストは2人で舞台も取調室のみという完全な密室劇となっている。1996年初演。1998年再演。1997年2月に1996年度読売演劇大賞・最優秀作品賞受賞。3バージョン中でも最高傑作との評価も多い。
TVでは1997年12月22日、NHK衛星第2で初演版の模様が放送された。2005年6月に、再演版を収録したDVDがパルコより発売されている。
2004年10月30日公開。監督は星護。1996年の舞台版を観て強い衝撃を受けたプロデューサーが、三谷幸喜に映画化を申し入れたことにより誕生した。三谷は、監督を星護が担当するなら、と了解を出すが、星護が拒否。星曰く「これほど完成された作品を映像化などできない」との事だった。しかし、その後の説得で8年越しで映画化にこぎ着けた。
舞台との差別化を図る為、キャストを大幅に増やした。(舞台版では名前だけ出てきた人物を登場させる)ストーリーそのものは舞台版と全く同じであるが、場面やキャストを増やしたことで、映画的な奥行が広がった。
セットにもこだわり、取調室のセットは、縮尺模型を使って何度も検証した。警視庁の建物は、横浜にある旧神奈川県庁舎、事務所は開港記念会館、長い廊下は国の登録有形文化財でもある名古屋市役所の全長100メートルの廊下を使用し、昭和初期の雰囲気を見事に再現した。また、浅草の街並はオープンセットを使い、多数のエキストラや、色とりどりの幟旗を使って、にぎわいを表現している。また、この街並のシーンでは、木梨憲武演じる劇場支配人や、加藤あい演じるカフェの女給といった隠しキャストが確認できる。
冒頭で、役所広司が次々にハンコを捺していくシーンは、すべて実際に役所広司の手によるもの。
興行収入7.2億円。
テンプレート:Movie-stub
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