永遠と一日

ページ名:永遠と一日

永遠と一日

原題

Μιά αιωνιότητα και μιά μέρα

監督

テオ・アンゲロプロス

脚本

テオ・アンゲロプロス

製作

テオ・アンゲロプロス
イョルイョ・シルバーニ 他

製作総指揮

テオ・アンゲロプロス

出演者

ブルーノ・ガンツ

音楽

エレニ・カラインドロウ

撮影

イョルゴス・アルヴァニティス
アンドレアス・シナノス

編集

ヤニス・ツィツォプロス

配給

フランス映画社

公開

1999年4月17日 日本の旗

上映時間

132分

製作国

ギリシャ・フランス・イタリア

言語

ギリシア語

前作

ユリシーズの瞳
Το βλέμμα του Οδυσσέα

次作

エレニの旅
Το Λιβάδι που δακρύζει

『永遠と一日』(えいえんといちにち、希:Μιά αιωνιότητα και μιά μέρα)は1998年製作の映画である。ギリシャ・フランス・イタリア合作。監督はテオ・アンゲロプロス。

ギリシアの港町テッサロニキを舞台に、詩人の最期の一日と難民の子供との出会いの「人生の旅の一日」の中で現在と過去と未来、現実と旅と夢を描いた作品。

カンヌ国際映画祭でパルム・ドール受賞。

ストーリー[]

本作は、巨匠テオ・アンゲロプロスの「愛」と「旅」の永遠の物語であり、現代に19世紀を蘇らせ、台詞にギリシア語とイタリア語で詩をちりばめた文芸作品である。

テンプレート:ネタバレ19世紀の詩人ソロモスについて研究している詩人アレクサンドロスは、重病を患い、入院を明日に控えて、追憶に慕っている...

1936年の夏の少年の日、親友と朝早く遠泳をして島に行ったときの追憶から映像は始まる。アトランティス(サントリーニ島)の伝説から詩の台詞が謳いあげられ、アレクサンドロスは少年の日を呼びもどす。

彼は家政婦のウラニアと最期のお別れを告げ、テッサロニキの海辺通りに散歩に出る。アレクサンドロスはテッサロニキの嘗ての少年時代からの一戸建ての住まい(セットはイタリア領事官邸跡)を去り、今はアパルトマン(ポリカティキーア)に住んでいる。3年前に去った妻アンナの手紙を手に愛犬とともに娘のカテリーナの娘婿と暮らすポリカティキーアに向かう。途中、路上で車の窓ふきをして小銭を稼いでいるギリシア系アルバニア人の少年が警察に追われているところに出くわすと、アレクサンドロスは自分の車の窓を拭いてくれた少年を匿う。

アレクサンドロスはカテリーナに亡妻(アンナ)の手紙を渡す。聖人暦で聖カテリーナの日に当たる9月20日付の手紙の中で、アンナは聖アンナの日に娘カテリーナを出産した後の明けない身重の日の思い出を綴っていた。アレクサンドロスは娘が読んでくれる過去の妻の思いを読んでくれる書簡から過ぎ去ったその日の回想に耽る。

アレクサンドロスは愛犬をアンナの家に預けようとするが、娘婿ニコスが嫌うので断られる。また、嘗ての少年時代から一家で過ごした海辺の一戸建ての住まいは明日には売却すると聞かされ、少年の日の名残と過去からの突然の決別に詩人はとまどう。

アレクサンドロスは立ち寄った薬局で、窓ふきをしていた少年が養子縁組目当ての「人買い」に誘拐されるのを偶然目撃する。アレクサンドロスは手持ちの全財産を払い、少年を人買から買い戻す。少年は命を賭けてアルバニアから亡命してきていた命賭けの「旅人」であった。詩人はギリシア系アルバニア人の少年を「おばあちゃん」の許に返してあげようとアルバニア国境まで共に旅をすることになる。しかしそこは国境を越えられず死を迎えていた亡命者の無残な銃殺の死体の残る国境であった。

アレクサンドロスの「旅」はギリシアに戻る。彼は苦学の詩人ソロモスの詩作の経緯を語る。母系ギリシア人でギリシア語ができなかったソロモスは、ギリシア語を学びギリシアの国民詩人となった。イタリアで生まれ、ギリシア独立賛歌を詩作し、ギリシア語を丹念に蒐集した19世紀の詩人ソロモスの話と共にアレクサンドロスは「歴史を旅」する。

アレクサンドロスは愛犬をウラニアに託すことにするが、訪れた彼女の家では子息の婚礼の真っ最中であった。テッサロニキ港に休むアレクサンドロスに、亡命ギリシア系アルバニア人の「旅」する少年が、詩人ソロモスに倣い詩人を「言葉を買う遊び」で慰めようとする。アレクサンドロスは亡妻アンナの聖人暦の日に親戚一同で島に旅した思い出に耽るが、偶然、病院の担当医師と出会い、現実に連れ戻される。

海辺では溺死体が発見される。アルバニア難民の少年と命賭けの旅をともにしたセリムの遺体であった。少年のためにアレクサンドロスはセリムの遺品の引き取りの労を厭わない。セリムの弔いが廃屋で行われる。セリムの弔いのため亡命少年達が数多く廃屋に集まる。アレクサンドロスは記憶のなかで、亡くなった実母の病院を訪問し、自分も明日には入院するだろうと告げる。

難民の少年は他の仲間たちとナポリやマルセイユにフェリーで「旅」(密航)するという。アレクサンドロスは少年を誘い、海辺の循環バスに乗る。コミュニストの青年、喧嘩をする仲のよい恋人、弦楽科の音楽学生、そして詩人ソロモスが同乗する。

アレクサンドロスは下車するソロモスに「明日の長さはどれくらいか」と尋ねる答えは無い。真夜中、夜遅く、フェリーのトラックに積載されるコンテナで少年は仲間と旅立つ。翌朝、テッサロニキの海辺の昔懐かしい一戸建ての旧家で、アレクサンドロスは嘗てと同じように親戚と妻アンナに再会する。詩人が妻に「明日の長さは?」と聞くとアンナは「永遠と一日」と答える。

詩人は死することはない。言葉で過去を連れ戻すからである。アレクサンドロスは「すべては真実で、真実を待っている」と、詩人の永遠の生と旅立ちを告げる。テンプレート:ネタバレ終了

キャスト[]

  • ブルーノ・ガンツ(アレクサンドロス)
  • イザベル・ルノー (妻アンナ)
  • アキレアス・スケヴィス (少年)
  • ファブリツィオ・ベンティヴォリオ (詩人ソロモス)
  • デスピナ・べべデリ (母)
  • イリス・アジアントニウ (娘カテリーナ)
  • エレニ・ゲラシミドゥ (ウラニア)
  • ヴァシリス・シメニス (娘婿ニコス)

スタッフ[]

  • トニーノ・グエッラ、ペトロス・マルカリス、イョルイョ・シルバーニ (脚本/協力)
  • イョルゴス・アルヴァニティス、アンドレアス・シナノス(撮影)
  • エレニ・カラインドルー (音楽)
  • エリック・ユーマン、 イョルイョ・シルバーニ、 アメディオ・パガーニ(製作)
  • イョルゴス・ヅィアカス、 コスタス・ディミトリアディス (衣装)
  • イョルゴス・パッツァス (美術)
  • ニコス・パパディミトリウ (録音)

テンプレート:先代次代2


テンプレート:Movie-stubfr:L'Éternité et un jourit:L'eternità e un giornopl:Wieczność i jeden dzieńpt:Mia aioniotita kai mia mera

このページには、クリエイティブ・コモンズでライセンスされたウィキペディアの記事が使用され、それをもとに編集がなされています。使用された記事は永遠と一日にあり、その著作権者のリストはページの履歴に記録されています。


特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。


最近更新されたページ

左メニュー

左メニューサンプル左メニューはヘッダーメニューの【編集】>【左メニューを編集する】をクリックすると編集できます。ご自由に編集してください。掲示板雑談・質問・相談掲示板更新履歴最近のコメントカウン...

龍村仁

龍村 仁(たつむら・じん、1940年-)はドキュメンタリー監督、元NHKディレクター。有限会社龍村仁事務所代表。目次1 経歴2 作品2.1 ドキュメンタリー2.2 CM2.3 その他3 参考文献4 外...

龍の牙-DRAGON_FANG-

テンプレート:統合文字『龍の牙-DRAGON FANG-』とは、2007年11月22日にDVDが発売される日本の映画。監督は久保田誠二。製作は株式会社クリエイティブ・ホールディングス。目次1 概要2 ...

龍が如く_劇場版

『龍が如く 劇場版』(りゅうがごとく げきじょうばん)は、PS2のゲームソフト「龍が如く」を、『着信アリ』『妖怪大戦争』などを手掛けた映画監督の三池崇史が実写映像化した作品。2007年3月3日から東映...

龍が如く_〜序章〜

『龍が如く 〜序章〜』(りゅうがごとく じょしょう)は、PS2のゲームソフト「龍が如く」を、「着信アリ」「妖怪大戦争」などを手掛けた映画監督の三池崇史が実写映像化した作品。2006年3月24日にDVD...

齋藤武市

齋藤 武市(さいとう ぶいち、1925年1月27日 - )は日本の映画監督。埼玉県秩父市出身。早稲田大学文学部卒。1948年、松竹大船撮影所に助監督として入社。小津安二郎に師事する。1954年、先輩の...

黛りんたろう

テンプレート:Otheruses黛 りんたろう(まゆずみ りんたろう、1953年 -)は、NHKのドラマ番組ディレクター、演出家、映画監督。目次1 来歴・人物2 手掛けたドラマ3 劇場公開作品4 著書...

黒部の太陽

テンプレート:予定黒部の太陽(くろべのたいよう)は、木本正次による小説作品、ならびにこれを原作とする日本の映画作品。1968年公開。当時、世紀の難工事と言われた黒部ダム建設の苦闘を描いている。目次1 ...

黒蜥蜴

テンプレート:文学『黒蜥蜴』(くろとかげ)は小説。江戸川乱歩の代表作の一つである。宝石等の財宝を盗む女賊と名探偵明智小五郎が対決する推理小説である。初出は連載小説として雑誌『日の出』に1934年1月号...

黒田義之

黒田 義之(くろだ よしゆき、1928年3月4日 - )は、映画監督。目次1 経歴・人物2 主な監督作品(特技監督・助監督含む)3 主なテレビ監督4 主な脚本作品経歴・人物[]1928年、愛媛県松山市...

黒田秀樹

黒田 秀樹(くろだ ひでき、1958年4月30日 - )は、日本のCMディレクター、映画監督。大阪府出身。黒田秀樹事務所代表。目次1 プロフィール2 主な作品2.1 CM2.2 映画2.3 PV3 関...

黒田昌郎

黒田 昌郎(くろだ よしお、1936年 - )は日本のアニメーション演出家。東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。東映動画で「狼少年ケン」、「おばけ嫌い」、「ジャングル最大の作戦」、「タイガーマスク...

黒澤明

くろさわ あきら黒澤 明ファイル:Akira Kurosawa.jpg生年月日1910年3月23日没年月日テンプレート:死亡年月日と没年齢出生地日本の旗 東京府荏原郡大井町職業映画監督家族長男・黒澤久...

黒沢清

テンプレート:Otheruses黒沢 清(くろさわ きよし、1955年7月19日 - )は、日本の映画監督、脚本家。東京藝術大学大学院映像研究科教授。兵庫県神戸市出身。六甲中学校・高等学校を経て、立教...

黒木瞳

ののっぺらぼう鏡あべこべの世界絶対ムリ行きたない怖顔合わせおうちで暗い一番怖がりとしてもお願い申し上げください一緒よろしくね↓未来おうちで暗い見たい行きたです特に記載のない限り、コミュニティのコンテン...

黒木和雄

黒木 和雄(くろき かずお, 1930年11月10日 - 2006年4月12日 )は、映画監督。宮崎県えびの市生まれ。宮崎県立小林中学校(旧制)、宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校、同志社大学法学部卒業。少年...

黒土三男

黒土三男(くろつち みつお、1947年(昭和22年)3月3日 - )は、日本の脚本家・映画監督。熊本県熊本市出身。目次1 経歴2 作品2.1 TVドラマ脚本2.2 映画監督・脚本3 関連項目4 外部リ...

黒い雨_(映画)

黒い雨監督今村昌平脚本今村昌平石堂淑朗原作井伏鱒二製作飯野久出演者田中好子北村和夫市原悦子三木のり平音楽武満徹撮影川又昂編集岡安肇配給東映公開日本の旗1989年5月13日1989年9月17日上映時間1...

黒い雨

テンプレート:Otheruses黒い雨(くろいあめ)とは、原子爆弾炸裂時の泥やほこり、すすなどを含んだ重油のような粘り気のある大粒の雨で、放射性降下物(フォールアウト)の一種である。主に広島市北西部を...