リアル鬼ごっこ

ページ名:リアル鬼ごっこ

テンプレート:Otherusesテンプレート:転載疑いテンプレート:文学『リアル鬼ごっこ』(リアルおにごっこ)は、山田悠介のデビュー作である、ホラー小説、及びこれを原作とした漫画、映画、ゲーム。

2001年に文芸社より自費出版本として刊行され、発行部数は100万部を超えた。また、2004年には幻冬舎文庫から文庫版(改訂版)が、幻冬舎コミックスからは漫画版が刊行された。2008年に映画版が公開。

目次

あらすじ[]

テンプレート:ネタバレ西暦3000年。王様が治めるこの国は人口が約1億人、そして「佐藤」という苗字を持つ人口は500万人を超えていた。

ある日、王様は自分の苗字が「佐藤」であることに対して「佐藤と名乗るのは自分だけでいい!」と怒り、「鬼ごっこのようにゲーム感覚で全国の佐藤を捕まえ、抹殺する」という恐るべき計画を提案する。期間は12月18日から12月24日の1週間。期間中23時から24時までの1時間、全国に王国の兵士100万人を「鬼」として配備し、時間になったら、その鬼は「佐藤探知ゴーグル」なる特殊な機器を用いて付近の「佐藤」姓の人間を探索、発見し次第、追いかける。「佐藤」は、捕まったら最後、秘密の収容所に連れて行かれる。そして、捕まった暁には眠るように殺されてしまうのだ。

横浜市内の大学に通う大学生・佐藤翼は現在父との2人暮らし。友人の持っていた号外にてこの計画の施行を知る。翼は7歳のときに父の暴力に悩まされていた母と妹・愛と生き別れになってしまった、という過去がある。「母と愛は家に翼を置いて出て行ってしまったが、きっとどこかにいる」そう思っていた。

「リアル鬼ごっこ」初日。開始のサイレンが鳴る。外を歩いていると、翼はある女の子と知り合う。その女の子も、苗字が「佐藤」であるというだけで、王国の兵士に1時間追い回されるのだ。初日は「鬼」に遭遇することなく終了。しかし2日目、翼は鬼と遭遇してしまう。余裕で逃げきり2日目は終了。帰る途中、翼は息を切らして倒れていた父を発見。父から母が交通事故で亡くなったこと、愛が父の親戚に引き取られたことを知る。

父が亡くなり、翼は愛がいると思われる大阪に到着。そのまま「リアル鬼ごっこ」3日目開始。鬼から逃げきり、その後翼は昔の悪友・佐藤洋と出会う。「鬼」から逃げながらも3日目終了。次の日、翼と洋は愛を探すため行動するが、見つからないまま「リアル鬼ごっこ」4日目開始。

登場人物[]

佐藤家[]

佐藤翼(さとう つばさ)本作の主人公。大学3年生で21歳。7歳の頃に暴力に耐えかねた母親が妹を連れて出て行ったために現在は父親である輝彦と2人暮らし。「足の速さでは誰にも負けない」と自負するほど足が速い。その足を買われ、中学の頃に陸上部の顧問である阿部に声をかけられ入部する。多くの賞を勝ち取っており、陸上界では名前を知らない者はいないとまで言われている。財布の中にはいつも小さい頃に愛と一緒に写った写真が入っている。佐藤愛(さとう あい)翼の妹。18歳。身長は翼の見立てでは160cm程度。4歳の頃に母親に連れられ、母親である益美と暮らしていたが、益美が事故死したために子どもの居ない輝彦の弟夫婦に養子として引き取られた。大阪府淀川区の新北野で暮らしている。翼同様足が速い。とても優しい性格であったが、「鬼ごっこ」が実行されて以来、日に日に人との接触を避けるようになっていた。幼児教育に興味があるものの、金銭面の問題で学費が払えないことが悩み。佐藤輝彦(さとう てるひこ)翼と愛の父親。酒癖が悪く、暴力を頻繁に振るっていた。若い頃は翼同様、陸上選手だった。佐藤益美(さとう ますみ)翼と愛の母親。故人。輝彦の暴力に耐えかねて愛と共に家を出た。本当は翼も連れて行こうとしたが、自身の経済状況から残して行った。14年前に事故でトラックに轢かれ、死亡。旧姓は「鈴木」。

王族[]

王様「鬼ごっこ」を提案した張本人で第150代目の国王。かなりわがままな上に優柔不断な性格で、弱冠20歳で王位に就いたせいもあってか、何事も満足に成し遂げられない。そのためについたあだ名は「馬鹿王」。今回「鬼ごっこ」を提案した理由は「自身の苗字と同じ人が居るのは、同じ人間が居るのと一緒。だから消す。」と言う極端なものである。王様の弟王様の2歳年下で、とても優秀な人物。周りからは「王様よりも王様にぴったりだ」と思われており、彼が国王になることを望んでいる人も少なくない。

その他の「佐藤さん」[]

佐藤恭子(さとう きょうこ)翼が公園で出会った「佐藤さん」。18歳。大企業の社長である父親と、別の企業で重役を任されている母親を両親に持つ。小さい頃から帰りが遅く、仲の悪い両親を見ているうちに自分の殻に閉じこもっていたが、それでも最後に「自分を愛していたか」と訊きたいと翼に語った。佐藤洋(さとう ひろし)中学時代の翼の悪友。現在は大阪に住んでいる。翼に万引きを教えるなどの悪行もあったが、サッカー部に入部したのをきっかけにやめた。仲の良さから翼と2人で「ダブル佐藤」と呼ばれていた。

映画[]

リアル鬼ごっこ

監督

柴田一成

脚本

柴田一成

製作

吉田浩二
川崎隆

製作総指揮

中沢敏明
柳舘毅

出演者

石田卓也
谷村美月
大東俊介
松本莉緒
吹越満
柄本明

音楽

岩代太郎

主題歌

『リアル鬼ごっこ』
KOTOKO

撮影

早坂伸

配給

ファントム・フィルム

公開

日本の旗2008年2月2日

上映時間

98分

製作国

日本

言語

日本語


ジェネオンエンタテインメント、電通製作。ファントム・フィルムの配給により2008年2月2日に公開された。製作費は1億円。

リアル鬼ごっこは現実とは異なるパラレルワールドで行われているなど、原作とは設定が大きく変更されている。

キャスト[]

  • 佐藤翼:石田卓也
  • 佐藤愛:谷村美月
  • 佐藤洋:大東俊介
  • 渡辺かをり:松本莉緒
  • 佐藤輝彦:吹越満
  • 医者(王様):柄本明

スタッフ[]

  • 原作:山田悠介
  • 監督・脚本:柴田一成
  • アクション監督:谷垣健治
  • VFXスーパーバイザー:小田一生
  • 音楽:岩代太郎
  • 撮影:早坂伸
  • 照明:鈴木秀幸
  • 録音:松本昇和
  • 美術:大庭勇人

主題歌[]

  • KOTOKO「リアル鬼ごっこ」(ジェネオンエンタテインメント)

評価[]

本作は、主として作品の内容以外の部分について、各ウェブサイト等で話題になった。

当作品は非常に突飛な設定を有しており、かつその整合性が取れていない部分が存在する。例えば西暦3000年の某王政国家が舞台とされているが、時代背景などがほぼ現代の日本と変わらない(東海道新幹線が刊行当時の所要時間と殆ど変わらない状態でそのまま存在する)など。なお映画版では、舞台を未来から架空のパラレルワールドに変更している。

更に、下に挙げる様な文法的な誤りのある(主語と述語が対応しない、重複表現、等)箇所が多い点も指摘されている。なお、当時の著者は全くと言っていいほど読書をしていなかった、読書は嫌いだと文芸社の作家インタビューにて語っている。

この特徴からいわゆる「トンデモ本」や「VOW」ネタの延長線上としてこの作品を捉えている読者も少なからずいると見られる(と学会の『トンデモ本の世界S』で取り上げられた)。

後に出版された幻冬舎文庫版は、徹底した改訂(例:ファミリーレストランでの食事場面が削られている)が行われ、文章の誤りなども修正された。

作品内の主なおかしな表現[]

  • 重複表現
    • 「もの凄く機嫌が悪く、不機嫌な顔をして」
    • 「騒々しく騒いでいる」
    • 「いかにも挙動不審な行動で」
    • 「十四年間の間」
    • 「うっすらと人影がかすかに現れた」
    • 「最後の大きな大会では見事全国大会に優勝」
    • 「罪として重罪が下される」
    • 「記憶を全く覚えていなかった」
    • 「しかし、洋の姿は何処にも見当たらなかった。何処を探しても、洋の姿は見当たらない」
    • 「道具アイテム」
  • 語彙の誤り
    • 「九人の足跡がピタリと止まった」
    • 「永遠と続く赤いじゅうたん」
    • 「翼達に標準を合わせている」
    • 「愛は一つも振り向かず」
    • 「愛を探すしかほかないのだ」
    • 「二人は鬼たちに目をとらわれていた」
    • 「一人の鬼が瞳の奥に飛び込んだ」
    • 「この話は人々の間とともに長く受け継がれていく」
  • 句の接続の誤り
    • 「二人が向かった先は地元で有名なスーパーに足を踏み入れた」
    • 「佐藤さんを捕まえるべく鬼の数である」
    • 「遠く離れると横浜の巨大な遊園地ができた」
    • 「いざ、着地してみるとそこは森の様な草むらに二人は降り立っていた」
  • 不条理な動作
    • 「ランニング状態で足を止めた」
    • 「もう一度首を右に左に素早く後ろへと回し、ぐるりと体を反転させた」

既刊一覧[]

書籍[]

  • 『リアル鬼ごっこ』(初版)ISBN:4-8355-2579-5
  • 『リアル鬼ごっこ』(文庫版) ISBN:4-344-40513-7
  • 『リアル鬼ごっこ+』(DVD付き限定盤) ISBN:978-4-286-00009-1

漫画[]

  • 『リアル鬼ごっこ』(杉山敏画、山田悠介他原作、バーズコミックス・リミックス版)ISBN:978-4-344-81197-3
  • 『リアル鬼ごっこ』(杉山敏画、山田悠介他原作、バーズコミックス・スペシャル版)ISBN:4-344-80383-3

携帯ゲーム[]

  • 『モバゲータウン』にて映画公開記念として期間限定でゲームを無料でプレイすることができる。

外部リンク[]

  • 文芸社内特集ページ
  • 映画版公式サイト


テンプレート:Lit-stub

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