バトル・ロワイアル_(映画)

ページ名:バトル・ロワイアル_(映画)

バトル・ロワイアル

監督

脚本

製作

片岡公生
深作健太

製作総指揮

高野育郎

出演者

藤原竜也
前田亜季
山本太郎
栗山千明
柴咲コウ
安藤政信
ビートたけし

音楽

天野正道

撮影

柳島克己

編集

阿部浩英

配給

公開

2000年12月6日 日本の旗

上映時間

114分

製作国

日本

言語

日本語

興行収入

31.1億円

次作

『バトル・ロワイアル』は、高見広春の同名小説『バトル・ロワイアル』を原作として、2000年に公開された日本映画。

目次

概要[]

監督に深作欣二、出演に藤原竜也、前田亜季、山本太郎、柴咲コウ、ビートたけしらを迎えて制作された。第43回ブルーリボン賞作品賞を受賞し、同新人賞を藤原竜也が受賞した。

中学生同士が殺し合うという原作の内容から、青少年への悪影響を危惧して、当時の衆議院議員の石井紘基が中心となり、この映画の規制を求める運動が行われ、石井紘基は2000年11月17日、国会(第150回国会文教委員会)で大島理森文部大臣にこの映画に対する政府の見解を求める質疑を行った[1]。これがマスコミに取り上げられることになり、社会の関心を集めた。しかしこの報道によって逆に話題を呼び、興行収入31.1億円の大ヒット作となった(2001年度の邦画興行収入ランキング第3位)。

大ヒットだったものの、原作のファンからは「原作は登場人物それぞれの過去の回想や心理描写があるが、映画版はただ殺し合っているだけ」との批判もある。また主要人物である桐山和雄をはじめ多く登場人物の人物像が多かれ少なかれ改編されており、これも原作ファンからの賛否を招いている。

劇中にある中学生同士の殺し合いの描写から、映倫よりR-15指定を受けた(当初はR-18指定だったが、幾つかのシーンをカットしてR-15指定で公開されたと云う話もあるが、詳細は不明である)。

しかし、R-15指定は中学生による鑑賞をほぼ全て制限する為、劇中の主人公らと同世代であり、製作側もメインの観客層として多分に意識していたであろう中学生達が、劇場では見ることができないという状況も作り出した。ここに商機をみた東映はオリジナルの作品にシーンの追加やCG処理等を行った再編集版を製作し、翌2001年4月7日に『バトル・ロワイアル【特別篇】』として公開。こちらもヒットさせた。同年3月には公開当時の中学3年(1985年度生まれ)が中学を卒業してR-15指定の範囲から外れ、彼らを中心とした新規観客や前作からのリピーターが多く足を運んだと推測される。又、卒業証書を劇場に持参すれば料金が1000円となるキャンペーンも実施された。

2003年7月5日には続編にあたる『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』が公開された。

2004年6月1日、この映画(15禁)のDVDを借りていた小学六年生の少女が、小学校内で同級生を殺すという佐世保小6女児同級生殺害事件があり、この年最大級の衝撃的事件となったが、この子は小学3年生からこの小説のファンであり、事件の前にはこの作品の同人小説の創作に夢中であった。この事件のために、再編集版『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌 REVENGE』の発売が延期となったという。

キャスト[]

主役である七原秋也と中川典子役は藤原竜也と前田亜季。当初中川典子役には岩村愛がキャスティングされていたが、怪我で交代となり、岩村愛は前回優勝者の少女役として出演した。そして物語上重要な役割を担う転校生の川田章吾と桐山和雄役は山本太郎と安藤政信が、その他の主要生徒は柴咲コウ、栗山千明、塚本高史、高岡蒼佑、小谷幸弘、石川絵里がそれぞれ演じている。又、ビートたけしは自身と同名の教師「キタノ」役にキャスティングされている。川田章吾役は当初安藤政信が演じる予定であったが、台本を読んだ安藤が桐山和雄を気に入ったため彼が桐山を演じる事となった。ちなみに映画の桐山和雄には一切の台詞が無いように思われるが、本来台本には「道ばたに転がる石ころをどけただけだ」「命に平等の価値は無い。俺は俺を肯定する」といった台詞が書かれていたが、安藤の判断で無くなった。

『バトル・ロワイアル』への出演によってブレイクした俳優としては、柴咲コウ、塚本高史らが挙げられる。又、栗山千明は本作を鑑賞したクエンティン・タランティーノに認められた事から『キル・ビル Vol.1』に出演し、バトル・ロワイアルの出演シーンをオマージュしたシーンを自ら演じた。

城岩学園中学校3年B組生徒役の俳優42名のうち、撮影・公開が行われた2000年当時に実際に中学三年生(1985年度生まれ)だったのは前田亜季、小谷幸弘、三村恭代、金澤祐香利の4名のみで、残りの38名は全員が高校生以上の年齢であった。尚、回想シーンで神戸の中学三年生役を演じた美波は当時中学二年生(1986年9月22日生まれ)であった。生徒役で最も高年齢なのは主要キャストでもある山本太郎と安藤政信で、どちらも撮影時25歳であった。

特殊な所では、前田亜季の実姉である前田愛や有名声優の宮村優子がカメオ的に出演している。

登場人物の詳細は、バトル・ロワイアルの登場人物を参照。

城岩学園中学校3年B組 男子[]

  • 男子01番 赤松義生:日下慎
  • 男子02番 飯島敬太:松沢蓮
  • 男子03番 大木立道:西村豪起
  • 男子04番 織田敏憲:山口森広
  • 男子05番 川田章吾:山本太郎
  • 男子06番 桐山和雄:安藤政信
  • 男子07番 国信慶時:小谷幸弘
  • 男子08番 倉元洋二:大西修
  • 男子09番 黒長博:増田裕生
  • 男子10番 笹川竜平:郷志郎
  • 男子11番 杉村弘樹:高岡蒼佑
  • 男子12番 瀬戸豊:島田豊
  • 男子13番 滝口優一郎:内藤淳一
  • 男子14番 月岡彰:広川茂樹
  • 男子15番 七原秋也:藤原竜也
  • 男子16番 新井田和志:本田博仁
  • 男子17番 沼井充:柴田陽亮
  • 男子18番 旗上忠勝:横道智
  • 男子19番 三村信史:塚本高史
  • 男子20番 元渕恭一:新田亮
  • 男子21番 山本和彦:佐野泰臣

城岩学園中学校3年B組 女子[]

  • 女子01番 稲田瑞穂:木下統耶子
  • 女子02番 内海幸枝:石川絵里
  • 女子03番 江藤恵:池田早矢加
  • 女子04番 小川さくら:嶋木智実
  • 女子05番 金井泉:三原珠紀
  • 女子06番 北野雪子:金澤祐香利
  • 女子07番 日下友美子:加藤操
  • 女子08番 琴弾加代子:三村恭代
  • 女子09番 榊祐子:日向瞳
  • 女子10番 清水比呂乃:永田杏奈
  • 女子11番 相馬光子:柴咲コウ
  • 女子12番 谷沢はるか:石井里弥
  • 女子13番 千草貴子:栗山千明
  • 女子14番 天堂真弓:野見山晴可
  • 女子15番 中川典子:前田亜季
  • 女子16番 中川有香:花村怜美
  • 女子17番 野田聡美:神谷涼
  • 女子18番 藤吉文世:井上亜紀
  • 女子19番 松井知里:金井愛砂美
  • 女子20番 南佳織:関口まい
  • 女子21番 矢作好美:馬場喬子

その他[]

  • 前回優勝者の少女:岩村愛
  • キタノの娘・栞(声):前田愛
  • 川田の恋人・慶子:美波
  • レポーター:山村美智子
  • 安城三尉:竜川剛
  • 七原の父:谷口高史
  • 林田先生:中井出健
  • バスガイド:深浦加奈子
  • ビデオのお姉さん:宮村優子
  • キタノ:ビートたけし

特別篇追加キャスト[]

  • 幼い光子:利根川鈴華
  • 中年の男:諏訪太郎
  • 光子の母:片岡礼子
  • 光子の友達:大田ななみ、野口綾奈
  • A組 担任:益田てつ
  • バスケットボール審判::横山一敏
  • A組バスケットボール選手
    • 鬼頭穣:上条公太郎
    • 沖山浩介:関克文
    • 田中信一郎:松本清之

スタッフ[]

  • 原作:高見広春
  • 監督・脚本:深作欣二
  • プロデューサー:片岡公生、深作健太
  • 音楽:天野正道
  • 撮影:柳島克己
  • 照明:小野晃
  • 美術:部谷京子
  • 編集:阿部浩英
  • 録音:安藤邦男
  • 音響効果:柴崎憲治
  • 監督補:原田徹
  • 制服デザイン:BA-TSU

主題歌[]

  • Dragon Ash「静かな日々の階段を」

その他[]

  • 原作では戦前の大日本帝国、軍国主義を模したと思われる日本のパラレルワールド「大東亜共和国」が舞台であるが、対して映画版では深作の意向により軍国主義化した近未来の日本(山田洋次と並んで戦後左翼を代表する映画監督の深作が、近年の日本の若者の「右傾化」を憂いたことによる。ただし劇中に国名は一切出ず、プロモーションでも「東京」を「首都」と表記するなどしていた)を舞台としている。又、ゲームの法的根拠は「戦闘実験第六十八番プログラム」ではなく「新世紀教育改革法」(通称:BR法)によって実施される。冒頭部でその立法の所以が出てくるが、本編中では特に社会的な背景等は説明されない。
    最後の場面は小説の大阪の梅田、JR大阪駅周辺ではなく東京の渋谷になっている。この撮影でも、「渋谷センター街」「JR渋谷駅」など、はっきりと地名が見えるシーンでは、ある程度のぼかしがかけられている。
  • 映画本編や予告に、レクイエム (ヴェルディ)やG線上のアリアを使用するなど劇中演出の随所に、90年代後半に話題となったアニメ、新世紀エヴァンゲリオンへのオマージュテンプレート:要出典が取り入れられている。
  • 制服がブレザーに変更されたことには、黒い学ランやセーラー服では血が分かりづらいため、女子生徒のアクション(灯台等)でスカートの中身が見えないようにするためにフリルの多いスカートとなった等の理由がある。
  • Dir en greyのvo. 京がオファーを受けていたが、京の性格上断ったテンプレート:要出典。
  • この映画を作るために、深作親子は個人事務所「有限会社深作組」を設立した。

脚注[]

  1. 会議録 第150回国会 文教委員会 第4号(平成12年11月17日(金曜日))

関連項目[]

  • 銃社会
  • レクイエム (ヴェルディ) (映画本編や予告等で使用された曲)
  • ラデツキー行進曲 (映画本編で使用された曲)
  • G線上のアリア (映画本編で使用された曲)
  • 美しく青きドナウ (映画本編で使用された曲)
  • 八丈小島 (一部シーンのロケ地)
  • 剱埼灯台 (灯台シーンのロケ地)
  • 鬼石町の廃校 (校庭のシーンのロケ地)

外部リンク[]

  • Official English-language Battle Royale website


bg:Кралска биткаde:Battle Royaleel:Battle Royale (ταινία)es:Battle Royale (pelicula)fi:Battle Royalefr:Battle Royale (film)it:Battle Royale (film)lt:Karališkas mūšis (2000 filmas)nl:Battle Royale (film)pl:Battle Royale

このページには、クリエイティブ・コモンズでライセンスされたウィキペディアの記事が使用され、それをもとに編集がなされています。使用された記事はバトル・ロワイアル (映画)にあり、その著作権者のリストはページの履歴に記録されています。


特に記載のない限り、コミュニティのコンテンツはCC BY-SAライセンスの下で利用可能です。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。


最近更新されたページ

左メニュー

左メニューサンプル左メニューはヘッダーメニューの【編集】>【左メニューを編集する】をクリックすると編集できます。ご自由に編集してください。掲示板雑談・質問・相談掲示板更新履歴最近のコメントカウン...

龍村仁

龍村 仁(たつむら・じん、1940年-)はドキュメンタリー監督、元NHKディレクター。有限会社龍村仁事務所代表。目次1 経歴2 作品2.1 ドキュメンタリー2.2 CM2.3 その他3 参考文献4 外...

龍の牙-DRAGON_FANG-

テンプレート:統合文字『龍の牙-DRAGON FANG-』とは、2007年11月22日にDVDが発売される日本の映画。監督は久保田誠二。製作は株式会社クリエイティブ・ホールディングス。目次1 概要2 ...

龍が如く_劇場版

『龍が如く 劇場版』(りゅうがごとく げきじょうばん)は、PS2のゲームソフト「龍が如く」を、『着信アリ』『妖怪大戦争』などを手掛けた映画監督の三池崇史が実写映像化した作品。2007年3月3日から東映...

龍が如く_〜序章〜

『龍が如く 〜序章〜』(りゅうがごとく じょしょう)は、PS2のゲームソフト「龍が如く」を、「着信アリ」「妖怪大戦争」などを手掛けた映画監督の三池崇史が実写映像化した作品。2006年3月24日にDVD...

齋藤武市

齋藤 武市(さいとう ぶいち、1925年1月27日 - )は日本の映画監督。埼玉県秩父市出身。早稲田大学文学部卒。1948年、松竹大船撮影所に助監督として入社。小津安二郎に師事する。1954年、先輩の...

黛りんたろう

テンプレート:Otheruses黛 りんたろう(まゆずみ りんたろう、1953年 -)は、NHKのドラマ番組ディレクター、演出家、映画監督。目次1 来歴・人物2 手掛けたドラマ3 劇場公開作品4 著書...

黒部の太陽

テンプレート:予定黒部の太陽(くろべのたいよう)は、木本正次による小説作品、ならびにこれを原作とする日本の映画作品。1968年公開。当時、世紀の難工事と言われた黒部ダム建設の苦闘を描いている。目次1 ...

黒蜥蜴

テンプレート:文学『黒蜥蜴』(くろとかげ)は小説。江戸川乱歩の代表作の一つである。宝石等の財宝を盗む女賊と名探偵明智小五郎が対決する推理小説である。初出は連載小説として雑誌『日の出』に1934年1月号...

黒田義之

黒田 義之(くろだ よしゆき、1928年3月4日 - )は、映画監督。目次1 経歴・人物2 主な監督作品(特技監督・助監督含む)3 主なテレビ監督4 主な脚本作品経歴・人物[]1928年、愛媛県松山市...

黒田秀樹

黒田 秀樹(くろだ ひでき、1958年4月30日 - )は、日本のCMディレクター、映画監督。大阪府出身。黒田秀樹事務所代表。目次1 プロフィール2 主な作品2.1 CM2.2 映画2.3 PV3 関...

黒田昌郎

黒田 昌郎(くろだ よしお、1936年 - )は日本のアニメーション演出家。東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。東映動画で「狼少年ケン」、「おばけ嫌い」、「ジャングル最大の作戦」、「タイガーマスク...

黒澤明

くろさわ あきら黒澤 明ファイル:Akira Kurosawa.jpg生年月日1910年3月23日没年月日テンプレート:死亡年月日と没年齢出生地日本の旗 東京府荏原郡大井町職業映画監督家族長男・黒澤久...

黒沢清

テンプレート:Otheruses黒沢 清(くろさわ きよし、1955年7月19日 - )は、日本の映画監督、脚本家。東京藝術大学大学院映像研究科教授。兵庫県神戸市出身。六甲中学校・高等学校を経て、立教...

黒木瞳

ののっぺらぼう鏡あべこべの世界絶対ムリ行きたない怖顔合わせおうちで暗い一番怖がりとしてもお願い申し上げください一緒よろしくね↓未来おうちで暗い見たい行きたです特に記載のない限り、コミュニティのコンテン...

黒木和雄

黒木 和雄(くろき かずお, 1930年11月10日 - 2006年4月12日 )は、映画監督。宮崎県えびの市生まれ。宮崎県立小林中学校(旧制)、宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校、同志社大学法学部卒業。少年...

黒土三男

黒土三男(くろつち みつお、1947年(昭和22年)3月3日 - )は、日本の脚本家・映画監督。熊本県熊本市出身。目次1 経歴2 作品2.1 TVドラマ脚本2.2 映画監督・脚本3 関連項目4 外部リ...

黒い雨_(映画)

黒い雨監督今村昌平脚本今村昌平石堂淑朗原作井伏鱒二製作飯野久出演者田中好子北村和夫市原悦子三木のり平音楽武満徹撮影川又昂編集岡安肇配給東映公開日本の旗1989年5月13日1989年9月17日上映時間1...

黒い雨

テンプレート:Otheruses黒い雨(くろいあめ)とは、原子爆弾炸裂時の泥やほこり、すすなどを含んだ重油のような粘り気のある大粒の雨で、放射性降下物(フォールアウト)の一種である。主に広島市北西部を...