ゆきゆきて、神軍

ゆきゆきて、神軍

監督

原一男

製作

小林佐智子

出演者

奥崎謙三

撮影

原一男

編集

鍋島惇

公開

1987年8月1日

上映時間

122分

製作国

日本

言語

日本語

『ゆきゆきて、神軍』（ゆきゆきて、しんぐん）は、1987年公開の日本映画。天皇パチンコ事件、天皇ポルノビラ事件などの過激な言動で知られる奥崎謙三の姿を描いた異色のドキュメンタリー映画である。

概要[]

戦中に独立工兵第36連隊で発生した兵士銃殺事件の真相を追い求める奥崎の姿を描く。当時の部隊員たちのもとを訪れ、時には暴力を用いて過激に詰問していく様が生々しく記録されている。ドキュメンタリーとしてはかなりの異色作であり、度を越した描写も見られるが、国内外問わず多くの賞を受賞するなど映画としての評価は高いと言える。

内容[]

奥崎謙三はかつての所属部隊・独立工兵隊第36連隊のうち、ウェワク残留隊で隊長による部下射殺事件があった事を知り、殺害された二人の兵士、吉沢徹之助の妹・崎本倫子、野村甚平の弟・寿也とともに、“敵前逃亡"の罪で二人を処刑したとされる元上官たちを訪ね、真相を究明しようと試みる。

二人の日本兵は敗戦後3日目には敗戦を知っていたにも関わらず、その20日後に処刑されたという。だが、当時の上官は処刑に立ちあったことは白状したものの、ひとりは空砲だったと言い、別の者は2人をはずして引き金を引いたと証言。誰が彼らを撃ったのかは不明のままとなる。すでに病人であったり、老いたりしていた当時の上官は容易には口を開きたがらなかったが、奥崎はさらに詰め寄り、ときにはその煮え切らない態度に業を煮やし殴りかかる。そのうち、殴られた上官は話しはじめ、少しづつ真実が見えてくる。その中で、彼らは飢餓状況の中で人肉を食したことまで証言。やがて、二人の遺族は奥崎の、時として暴力も辞さない態度からか、処刑の責任者たる古清水元中隊長宅への同行を辞退。奥崎はやむを得ず妻と知人に遺族の役割を演じさせ、古清水元中隊長を訪問し真相を質す。

また同時に、独工兵第36部隊の生き残り、山田吉太郎元軍曹に当時の有様をありのままに証言するように迫る。1983年12月15日、奥崎は古清水宅を訪ね、たまたまその場で対応に出た息子に向け発砲、2日後に逮捕される。殺人未遂罪などで徴役12年の実刑判決を受ける。3年後の1986年9月18日に妻・シズミが死去。

受賞[]

ファイル:奥崎謙三邸P5050550.JPG

今も残る奥崎謙三邸シャッター

• 日本映画監督協会新人賞
• ベルリン国際映画祭カリガリ映画賞
• 毎日映画コンクール監督賞
• 日本映画ペンクラブベスト1位
• キネマ旬報ベストテン2位（読者選出1位）
• ブルーリボン賞監督賞
• 映画芸術ベストテン1位

関連項目[]

• カニバリズム
• 今村昌平（企画）

外部リンク[]

• 『ゆきゆきて、神軍』と奥崎謙三政見放送を見ることが出来るサイト

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