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相棒の登場人物(あいぼうのとうじょうじんぶつ)は、テレビ朝日系列でシリーズ化されている刑事ドラマ『相棒』に登場する主な架空の人物の一覧である。
凡例
登場人物の所属名、役職、階級等は番組公式ウェブサイト(Season9開始時点)と番組オフィシャルガイドブックに従って記載。また、文中の「S.」や「PS.」は、「Season」「Pre-Season」の略称で、数字は話数を示す(「S.1-5」は「Season1の第5話」、「PS.2」は「Pre-Seasonの第2話」の意である)。本稿では右京・薫の親族を除き異なるエピソードで2回以上登場している人物のみを記載している。
特命係
杉下 右京 - 水谷豊警視庁特命係係長 警部補→警部[1]。生年月日は不明だが、S.1開始時点で45歳[2]。東京大学法学部を卒業後に渡英。帰国後、国家公務員採用I種試験に合格、キャリアとして警察庁に入庁。警視庁刑事部捜査二課に出向して次々に事件を解決していたが、余りにも切れ過ぎる頭脳と、何を考えているのかわかりづらい言動から「変人」扱いされ[3]、窓際部署の特命係に追いやられてしまう。また、右京の下につく者はことごとく警視庁を去る[4]事から、「人材の墓場」と揶揄される。S.1終了時に一旦警察庁に戻り、警視庁警察学校の教官に異動[5]を命じられるが拒否し、休職してロンドンへ渡る[6]。S.2で特命係復活に伴い復帰し、S.3では免職されかかったが、これも免れている。薫から「ただでさえ私生活を明かさない人」と言われている(S.4-16)ようにプライベートが映ることはないが、薫の婚姻届にはたまき共々同意人として署名している(S.4-12)。性格は、時に冷淡に思える程、極めて冷静で理論的[7]。死体を発見してしまう(S.1-最終話)、薫に突然手錠を繋がれる(S.2-12)といった事態を前に泰然とする、腐乱死体を前にしてもマスクも付けずに平然としている(S.8-1)など精神的にも非常に強靱な物を持っている。以上のように普段は物静かで沈着冷静だが、たまきに図星を突かれ傍目に見て分かるほど動揺する事もあるほか、怒りが頂点に達すると声のトーンが変わり、顔を震わせて激昂する激情家の一面も持つ。口調は誰に対しても敬語を使って丁寧に接するが、その一方で相手に対して思った事を明確に口にする場合もある。また、観察力、洞察力、記憶力が異常なほどに優れており、それらを基にした分析能力や推理力も非常に高く、時として誰もが疑問に思わないような些細な事を足掛かりにして捜査を開始する。あくまで事件の真実を明らかにすることにこだわっており、事件を解決した手柄には興味を全く示さない。個人として非常に有能な反面、組織の利害に関係なく一片の妥協も無しに容赦なく犯人を追い詰める姿勢から、上層部から圧力がかかることもしばしばある[8]。また、許可なしに他人の住居に侵入したり、違法な捜査令状をごり押しするなど、事件解決のためなら違法行為をも厭わない行動をとる事もある[9]。弱者を救うなどの理由から止むを得ず犯罪を犯した人間に対してもその姿勢は変わらず、犯罪を正当化しようとは決してせず情に流されることはない(S.5-1、S.7-2,最終話、S.8-14)。服装は三つボタンのシングルスーツ、またはスリーピース・スーツで、ベルトは使わずにボタン留のサスペンダーを愛用している。冬場に着るコートもテーラードカラーのコートである。かなりの紅茶通[10]であり、いつも丁寧に作っては飲んでおり、「夜飲まないと眠れない」とのこと。カップに紅茶を注ぐ時に、ポットをかなり高い位置に引き上げてまた戻すという、独特な注ぎ方をする[11][12]。食べ物では、好きなものは牛のほほ肉(S.9-11)、苦手なものは梅干し[13]と酢豚のパイナップル[14]等(S.4-12)。総じて手先が器用で、リンゴの皮むきが早く綺麗にできる(S.4-18)ほか、携帯電話のメールを打つのが極度に速く(S.4-19)、ピアノまで弾きこなす(S.3-15)。運動能力も高く、練習をしていないにもかかわらず剣道の腕もかなりのもの(S.5-7)で、護身術にも長けている。ただ、車の運転は必要に迫られた場合に運転するのみ(S.3-9)(S.5-12)(劇場版I)で、大抵は薫や尊、平時はたまきにも運転を任せている(S.6-17)[15]。拳銃は携帯せず、警察官の義務である射撃訓練すらしないほど嫌っている(S.2-4)。PS.では喫煙するシーンも見られたがS.1以降は吸わなくなった。様々な分野に造詣が深く、円周率の暗記(S.2-12)やワイン(S.5-9)に関する知識があるほか、複数の外国語を理解しているが、大学では仏文学の単位を落とした(S.7-15)[16]が、右京本人は「大学時代はしばしば女の子とデートをしていた」と述べている(S.2-12)。また、手話も嗜んでいるほか(S.5-11)、方言で話した人間の出身地を見抜いたこともある(S.6-10)。マジックに関する知識もあり、トランプの裏を見て表の数字とマークを当てる手品を披露している(S.8-13)。この他に病気や薬の知識にも長けており、生活習慣や薬を一目見てその人が何の病気にかかっているか見抜いている(S.6-3、S.7-17等)。洞察力や推理力が高いゆえか、小説作家から気に入られることも多い(S.6-3,7等)。趣味は紅茶、チェス、落語、クラシックレコード鑑賞など。特に落語は同じ趣味をもつ米沢とテープの貸し借りをしたり、話が盛り上がることもしばしばである。また、中学時代に推理小説を書いていたことがあり、その作品が大学の推理小説サークルの同人誌に掲載されたことがある(S.4-8)。 また、幽霊や超能力にも興味があるようだが「幽霊を見る能力が欠如している」らしく、薫が「裸の女の幽霊」を目撃したという話に「いささか嫉妬を覚える」と残念がっていたり(S.3-最終話)、鑑識課員の米沢に「お化けと超能力は信じます」と言ったことがある。口癖は、「はい?」「おやおや」「そろそろ、行きますか」「ご随意にどうぞ」「違いますか?」「妙ですねぇ」など。また、自分の罪や非を認めようとしない人間に対しては「まだ、わからないのですか!」「いい加減にしなさい!」「恥を知りなさい!」と怒りを込めて言い放つことが多い。細かいところまで気になってしまうのが自他共に認める「悪い癖」であり、一度帰ると見せかけて、去り際に「もう一つだけ」と言って粘る場面が頻繁にある。また、重大な問題点や証拠、手がかりなどの見落としや思い違いなど[17]に気付いた時は半ば動揺した状態で「僕とした事が!」「迂闊でした!」と話す。亀山 薫 - 寺脇康文警視庁特命係員 巡査(巡査長たる巡査)→巡査部長[18]。S.7-9までの右京の相棒。1966(昭和41)年7月23日生まれ。実家は新潟県[19]で造り酒屋を営み、父親は市議会議員も務める。新潟県立阿賀野東高等学校卒業後、野球でのスポーツ推薦で城南大学法学部法学科に進学。妻の美和子、浅倉禄郎は大学時代の同級生だった。大学卒業後に警視庁入庁。刑事部捜査第一課入りを果たすが、指名手配犯を捕まえようとして逆に人質にされるという失態を起こし(PS.1)、特命係に追いやられる[20]。S.1では一時的に警察庁長官官房付として警察庁に出向したほか、S.2では特命係復活までの間、警視庁の運転免許試験場、S.3では所轄署である麹町東署の刑事課捜査一係(強行犯係)に勤務した経歴を持つ。S.5-最終話では懲戒免職処分に追い込まれるも、地方公務員法を逆手にとった右京の計画[21]でそれを免れた。大学時代より美和子と長らく交際していたが、S.3で破局。しかしS.4開始時に復縁し、最終話で美和子と入籍した。性格は根が真っ直ぐな正直者のお人好しで熱血漢。腰が重いわりに口が軽く、警察官を辞めるまで警視庁内で唯一、右京と長時間一緒に居ることが出来る人物だった。当初は右京とはそりが合わず、時に右京の強引さや策略に騙されたり振り回されたりして違和感を抱くこともあったが、右京の心情や思慮に触れる中で右京を認め、彼の良き相棒となった[22]。その過程で、小野田に違法行為も辞さない右京について忠告を受けたが(S.6-最終話)、最終的には違法行為に及んだとしても右京を信じぬくことを決め、右京に「諸刃の剣」[23]と評されている(S.7-7)。服装は、フライトジャケット[24]にトレーナー、カーゴパンツの組み合わせがほとんどで、査問委員会等にもその格好で現れるほど。ただし、場に応じてスーツを着る場合もある(S.1-最終話、S.2-3、S.5-9他)。当初は「特命係の亀山」と呼ばれることを特に嫌っていたが、話が進むにつれてそう呼ばれても文句を言わずに余裕を見せるようになった。また、右京と親しくなるにつれ、彼の事を「右京さん」と親しげに呼ぶようになった[25]。元喫煙者[26]でコーヒー好き。子ども好きでもあり、子どもと接すると一緒に遊んだり世話をしたりすることもしばしばある(S.5-12他)。苦手なものは嘘を付くこと[27]とひじき(S.4-12)。スポーツ推薦で大学に進学できたほど運動神経は良いが、頭を使う事はやや苦手とする。ただ、幼少期から好きだった昆虫に関する知識は右京以上で(S.4-14)、虫マニアとも語り合えるほど。味覚および嗅覚がかなり鋭く、事件の凶器発見に貢献したり(S.2-3)、ワイン評論家を驚かせたりした(S.5-9)。また、勘も非常に鋭く「思い出したように出る神がかりに近いヤマカン」(S.1-最終話)で事件の解決に大きく貢献する時が稀にある。だが何かと事件に巻き込まれやすいトラブル体質でもあり、幾度か犯人に人質にされ窮地に陥ったことがある[28]。さらに霊感もあり、「全裸の女性の幽霊」を目撃したのがきっかけで白骨死体を発見した事もある(S.3-最終話)。ある事件で殺された親友への思いに接し、その親友が活動していた国、サルウィン[29]を訪れた際に (S.7-1〜2)、腐敗が蔓延しているこの国の子どもたちに正義の精神を理解してほしいと感じ、それを教えるために警察官を辞め、美和子と共にサルウィンへ旅立った(S.7-9)[30]。「白い罠」(S.2-16)のエンディングで彼が涙ぐむシーンがあるが、これは演技ではないものの「亀山薫のベストシーン」だと水谷、寺脇両者が認めている[31]。寺脇いわく「薫は自分にとって理想の男性」とのこと。神戸 尊 - 及川光博警視庁特命係員 警部補(元警視)。薫に代わる右京の現在の部下(一時的に所属した陣川公平を含めると9人目)。1970(昭和45)年2月1日生まれ。東京都大田区田園調布出身[32]。1993年に中央大学法学部を卒業して警視庁入庁。その後、推薦組として警察庁に採用、上層部からの「特命」により特命係及び右京が警察にとって必要かを判断するため、警察庁警備局警備企画課課長補佐の警視の地位から表向き「2階級降格の左遷」という形で特命係に半年間限定の「潜入調査」を開始する。しかし、自らに課せられた「特命」が、かつて自身が開発指揮した顔認識システムを取り込み開発中の監視システムの機関運用に、右京と尊を捜査・運用官として配した際の適性を見極める為に仕組まれたことと判明。同システムの関与する事件を機会に、右京と共に真相を知り、事件解決後は己の意志で警察庁には戻らず、警部補の階級のまま特命係に留まる道を選んだ(S.8-最終話)[33]。クールかつ気障な自信家で、ノンキャリアから出世街道を歩む経歴から、エリート然とした雰囲気を醸し出す秀才タイプ。『トリオ・ザ・捜一』や内村刑事部長の嫌味もそつなくかわし上司には逆らわないが、意見はしっかり主張する(S.7-最終話)[34]。負けず嫌いの性格から右京とは何かと張り合い、互いの痛いところを突き合うも、一枚上手の右京に置いてけぼりにされたり、やり込められムキになることがしばしば。しかし、右京にさえ本心を読み取らせない曲者の一面を垣間見せ、捜査に手段を選ばない彼のやり方には否定的な見解を抱く。時に苦言も呈し、右京に意見する際の「お言葉ですが…」は口癖と化している。当初右京には「君は亀山君の代わりにはなれません」と距離を取られても(S.7-最終話)[35]、自分から「花の里」に来るなど(S.8-8)、右京への興味を隠さず行動を共にしようとしていたが、当の本人にはにべもなくあしらわれることもあった。しかし事件によっては互いに歩み寄って信頼を見せ、潜入調査員としての立場を捨てて以降は右京にも認められ、信頼関係を築きつつある。服装は黒いスーツ[36]に色柄もののカッターシャツを着用。第2ボタンまで開けていることがほとんどで、基本的にネクタイは着用しない。普段はミネラルウォーターを常飲しており、好きな食べ物はナポリタン(S.8-16, S9-12)。記憶力が高い(S.8-8)上に洞察力もあり、総じて頭の回転は速いが、警備畑出身なので実物・写真・白骨を問わず死体は苦手でしばしばハンカチを口に当てている。黒の日産・GT-Rに乗っており、少々運転が荒い[37]。MacBook Pro 15インチを使っており、これを用いて右京に関する感想などを「報告」[38]として綴っている(S.7-最終話、S.8-4,12等)。携帯電話はiPhoneを所持。チェスも得意で右京と互角に勝負ができる (S.8-8)[39]。育ちの良さから物を見る目は高い(S.8-18、S.9-7)他、女性の香水や服装にも詳しく(S.9-1,9)、それらの知識が捜査に役立つこともある。やや迂闊な所があり、軽率なミスをすることもしばしばある。大河内とは警察庁時代からの旧知の仲で一緒に飲みに行ったり(S.7-最終話他)、剣道鍛錬でワインを賭ける勝負をしている(劇場版II)。捜査一課には陰で「ソン」と呼ばれている[40]が、尊本人はそう呼ばれる事を快く思っていない。また、子供や若者から「オジサン」と呼ばれるのも嫌いである(S.8-6、S.9-2)。当初はドライな部分もあったが、クールな振る舞いとは裏腹に、相手への配慮や思いやりを見せることもあり[41]、時に感情的になることもある。正義感も持ち合わせているが、徹底して正義を貫く右京とは異なり、基本原則や体制に準じながらも状況によって主張を変え、物事を割り切る柔軟性があり(S.8-1)、時として情を振り切る捜査をする右京と対立することがある(S.9-6,10)。プライドが高く「自分は他人より頭が良い」と思っている人間に対して嫌悪感を露わにする(S.8-4)。嫌いなものは、温泉とホラー映画[42]。遅刻が多く(S.9-11)[43]、貧血気味の体質である(S.9-12)。特命係のパートナー
亀山 美和子(旧姓:奥寺) - 鈴木砂羽帝都新聞社会部記者(警視庁記者クラブ所属)→フリージャーナリスト。生年月日は1970年(昭和45年)11月12日[44]。S.1時点で32歳[2]。薫とは大学時代からの付き合いで、長い間同棲していた。S.3で破局、別居[45]してしまうが、S.4-1で復縁。途中、帝都新聞のカイロ支局(エジプト)への転勤をはさみ(S.4-12〜20)、同最終話で薫と入籍した。その後、S.5で10年あまり勤めた帝都新聞を辞めてフリージャーナリストに転身、S.7-9で警察官を辞めた薫と共にサルウィン[29]へ旅立った。普段はさばさばとした性格で気が強いが、薫に他の女性の影を感じると嫉妬してしまうような一面もある。薫に対する口癖は「○○し給え」[46]。職業柄、特命係が追っている事件に関して情報を持っていることも多く、その場合には2人に情報を提供した。また、彼女の何気ない一言が重要な手がかりとなることも多かった。逆に、特命係が上層部に不祥事案件で握りつぶされた時は、リークを受ける時もあった。過去に右京が薫をいじめたと勘違いし、右京の足を踏んだことがある(PS.1)ほか、右京の理解者となってからは特命係を疎ましがる内村刑事部長の足を踏みつけたこともある(S.1-5)。薫のライバルの伊丹とはそりが合わない[47]が、結婚後は伊丹から「特命係の亀山〜…夫婦」「特命係の亀山〜…の嫁」「亀山夫人」「亀子」などの嫌味を言われている[48]。薫ほどではないものの彼女もトラブルに巻き込まれやすい面がある。薫と一緒に別荘として、かつて殺人事件があったいわく付きの物件を購入した結果、薫共々命の危機に直面したり(S.5-2)、夫婦お揃いのTシャツを特注で作った結果、薫を狙った爆弾事件が発生している(S.6-15)。また、ジャーナリストとしては北条から回顧録を作る話を持ちかけられたが彼が起こした事件によって話が立ち消えになり(S.4-1)[49]、初の単行本を出す件が担当編集者の死によって流れている(S.6-7)。「美和子スペシャル」[50]という、初めて見た者は口に入れるのをためらう程に変な色合い(ラベンダー色)をした得意料理がある(S.5-13他)。宮部 たまき - 益戸育江[51]小料理屋「花の里」(PS.では「新ふくとみ」)[52]女将。生年月日は不明だが、S.1時点で38歳[2]。常に和服姿[53]で、誰にでも分け隔てなく接する物腰の柔らかい女性。右京の元妻[54]だが、その後も右京のことを何かと気遣ってくれている「家族以上の存在」であり、右京の最大の理解者。右京と結婚していた頃、右京とともにロンドンに滞在していた時期がある[55]。美和子とは違い基本的に事件には首を突っ込まないが、ふとした時に店で漏らす一言が右京に重要な手がかりを与えることも少なくない。また、元夫婦らしく、右京の考えている事を一発で当てたり(PS.2)、右京が「自信がない」と言った台詞から彼の着眼点を言い当てて右京を仰天させたりしていた(S.5)。雷が大の苦手(S.2-3)。右京と薫だけがJRの寝台特急カシオペアに乗ったことで不機嫌になっていたり、列車の発着時刻に妙に詳しかったりと隠れ鉄道ファンの節がある言動も見受けられるが、本人は否定している(S.6-10)。右京と尊を取り持とうと迎えを尊に譲ったり(S.8-1)、京都への小旅行に尊を呼んだりしている(S.8-10)。また、右京が来ない代わりに尊をデートに誘ったこともある(S.9-7)。主要レギュラー
警視庁
刑事部捜査一課(トリオ・ザ・捜一)伊丹 憲一 - 川原和久警視庁刑事部捜査一課員 巡査部長。薫の捜一時代からのライバルであることに加え、特命係が「勝手に」動くことを疎ましく思っている、『トリオ・ザ・捜一』のリーダー格。薫と顔を合わせた時の「特命係の亀山〜!」や「亀吉〜!」[56]、「コラ!亀!」は、本作での定番台詞。ただし、事件によっては薫と協力して捜査することもあり[57]、いつも通り憎まれ口を叩き合いつつも、薫のサポート役に回ったりするなど決して不仲であるとは言い切れず、角田はこの2人の関係を「仲良し」と評している(PS.3など)。薫が辞職する際には、憎まれ口を叩きながらも、しっかり見送った(S.7-9)。誰かに噂されると背中がかゆくなったり(S.3-9)、ドア越しや取調室のマジックミラーの向こう側にいる特命係に凄みをきかせ(S.4-最終話)[58]など、見えない所にいる特命係の存在に気付く特異体質の持ち主[59]。美女にめっぽう弱いが、強面な上に恋愛下手なため、『トリオ・ザ・捜一』で唯一、妻や彼女がいない[60]。剣道が得意で、薫を打ち負かしている。また、師匠が殺害された事件に右京が興味本位で事件に首を突っ込んだ時は不快感を露にしていた(S.5-7)。流行の事象や人物に疎く、事件関係者が有名人である場合でも気付かず、よく芹沢や米沢から突っ込まれている。「長いものには巻かれるに限る」と発言したことがある(S.1-12)ように、正義感が強いあまりに暴走しがちな薫と比べるといささか冷静で、基本的には組織の枠をはみ出すような行動はしない。しかし、上司の内村が、己のエゴのために事件の真実を捻じ曲げるような捜査命令を下した時は「勝手にやりゃあいいだろ!」と啖呵を切ってみせたり(S.2-18)、天下りが事件に関連していると聞いて不快感を露にするなど、「筋の通らない事」を嫌う彼なりの正義感を持ち合わせている。個人的に英会話を学ぶ(S.1-9)生真面目な一面もある。「何事も自分の目と耳で確かめる」ことがモットー(S.3-9)だが、その割には三浦や芹沢同様、重要な証拠物件や証言などを見過ごしてしまい、右京に先手を取られてしまいがちである。基本的に捜査や取り調べは強面でかつ強引に行っているが、その一方で、聴取中の参考人に暴れられたり(S.5-5)、心臓発作を起こされた(S.6-6)時にうろたえるなど、臆病で打たれ弱い面もある。子供の相手は苦手。当初は右京のことを「警部さん」と呼んでいたが、のちに「警部殿」「杉下警部」と呼ぶことが多くなった。また、尊に対しては階級が上のためか右京と同じく敬語で接しているが、一方で陰険な行動も目立っている(S.8-1,4等)ものの、時に協力し合う場面も見られる(S.8-15)。また、かつての薫に替わって尊という新たな相棒を得た右京ないし現在の特命係の能力自体は認めており、S.8-10では上の方針で捜査範囲外にされていた場所での捜査を、特命係に情報を渡して捜査させた[61]。作中で呼ばれたことはないが、ファンやスタッフからは「イタミン」と呼ばれている。元々は掲示板やブログ等でファンが呼ぶだけだったが、2008年5月1日放送の裏相棒の第八夜のサブタイトルに使われるなど、いつのまにか公式化している。また、小説「鑑識・米沢の事件簿」では、女子職員が影で「イタミン」と呼んでいることが明かされた。三浦 信輔 - 大谷亮介警視庁刑事部捜査一課員 巡査部長。岐阜県出身。PS.2より登場[62]。『トリオ・ザ・捜一』の中では一番の年長者で唯一の妻帯者。そして3人の中で唯一、所轄署を経て警視庁刑事部に配属になった「叩き上げ」の刑事[63]。『トリオ・ザ・捜一』の中では比較的穏健な性格で、薫と伊丹がぶつかり合っている場をとりなしている『トリオ・ザ・捜一』の良心的存在[64]。初登場時からしばらくは伊丹同様、結構荒っぽい取り調べを行っていた。特命係が動く事を疎ましく思っているが、右京に対して「警部殿」と言うなど慇懃な態度を取り、伊丹に比べ多少は敬意を払っている。更に、密かに特命係へ仕事を依頼(S.5-4)して以降、陰では特命係を信頼している様子もある。最近少し老眼気味(S.4-5)で、眼鏡をかけることが多くなった。また、近年は現場での捜査は伊丹と芹沢に任せ、本庁の捜査本部で仕事をしている場合が多く、登場の機会が減っている。芹沢 慶二 - 山中崇史[65]警視庁刑事部捜査一課員 巡査。島根県出身で、興奮すると地元の方言が出る(S.3-12)。S.2から登場[66]。薫や伊丹、三浦の後輩。伊丹や三浦に何かとどやされているが、薫が先輩という事もあってか特命係への反感などは殆ど無いため、特命の2人と会ったり別れたりする際には律義に会釈をする。ただし、その場のノリ次第では伊丹や三浦と同様に嫌味を口にして、薫に怒られて逃げ出したりするお調子者でもある。そのため、薫に捕まったり右京の話術にはまったりして、特命係に重要な情報を流す場面も多い。S.8の頃より特命係の勝手な捜査にうんざりする事も出てきているが、前述の通り元から必要以上に特命係を嫌っている訳ではないので、特命係と情報をやり取りして捜査に利用するという、ちゃっかりした面も持っている。知人に起きた事件の捜査のため、特命係と行動を共にしたこともあり(S.4-3、S.8-4)、S.7-16では右京と一時的にコンビを組んだ。とんでもない軽口を叩く事が多く、頻繁に髪型が変わるなど、刑事とは思えないような言動も目立つ。彼女がいるが詳細は不明[67]。鑑識課米沢 守 - 六角精児警視庁刑事部鑑識課員 巡査部長[68]。PS.2より登場[69]。優秀な鑑識であり特命係に対して協力的である一方、『トリオ・ザ・捜一』とはあまり仲が良くない[70]。趣味は落語[71]で、米沢自身が「敬愛する刑事」と敬う右京と共通しており、何かとウマが合う。事件現場を教えて特命係の2人を現場に来るように仕向けたり、「落語のチケット」「名人のカセットテープ」や「人気(大御所)作家のサイン本」などと交換に、「捜査一課がつかんだ情報」を右京に提供するなど特命係への捜査へ積極的に協力し、自身も特命係からの依頼で調査分析を行っている[72]。事件について語る時、ドラマ等の影響を受けているような願望込みの想像を解説に交えたりする(S.2-18)ミーハーな性格。上記の落語以外にも多趣味な一面もあり、主なものにアナウンサーおたく(S.4-10)、ギター[73]、ゲーム[74]など。この他にも鉄道おたく[75]の一面もあり、列車の車窓から見える景色のみを撮ったDVDを見ながら昼食をとったり、廃線寸前の路線の切符を手に入れて喜んでいる場面がある(S.8-5)。また、漫画も好きで、漫画喫茶に毎晩のように通いつめていた時期もある(S.7-3)。好きな食べ物はオムライス。苦手なものは高い所(S.4-4)と、チェス等の駒を使うゲーム(劇場版I)。眼鏡をしている理由は、視力の悪さの他に「素顔だと人相が悪く見えてしまう」ことを気にしていることと、「オタクに見えないようにするため」である(S.4-10)。以前妻に逃げられ離婚した経験があり[76]、現在は独身。別れた妻のことは今でも想い続けており、S.5-3では「元妻の行方を捜してかれこれ3年」とも話している[77]。小説『鑑識・米沢の事件簿|鑑識・米沢の事件簿~幻の女房~』とそれを原作にした映画『相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿』では主役を務めたほか、『警視庁捜査一課9係』特別編(2006年12月27日放送)と『新・警視庁捜査一課9係』season3 第1話(2011年7月6日放送)に登場したことがある。組織犯罪対策部組織犯罪対策5課角田 六郎 - 山西惇警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策5課長[78] 警視[79]。PS.2より登場。黒ぶち眼鏡がトレードマークで[80]、「暇か?」が口癖。ちょくちょく特命係の部屋にやって来ては、コーヒーを飲みながら雑談などをしている。そのためか、特命係の棚にはパンダのマイカップ[81]が置かれている。また特命係のコーヒーを気に入っているということも特命係の部屋にくる理由でもある。特命係に対して個人的に面倒は見ているが、直接の上司というわけではない。ただ、特命係の能力については評価しており、事件情報を流したり、担当事件の手伝いをさせたり、逆に特命係の捜査のために課員を同行させたりするなど、関係は良好。彼の何気ない言動が右京にヒントを与えることもある。性格は至って温厚で普段はいつも飄々としているが、自身が担当する薬物関係や銃関係の事件捜査の際は、容疑者に対して容赦なく大声で怒鳴りつけるなど、かなり厳しい一面をみせることもある[82]。また、殺人事件に銃や薬物が絡んでいた場合には捜査一課と手柄の奪い合いを繰り広げている(S.4-13、S.9-6)。京都府警に勤務している双子の兄がいる[83]。たまに家庭内の出来事や家族に関することを話すことがあり、世の中の流行には詳しい。ほとんどの人が「微妙」と称していた美和子スペシャルの味をべた褒めしたり (S.5-13)、コーヒーの味についてインスタントと挽きたての区別が付かない(S.8-13)など、やや味覚音痴気味。煙草の銘柄はエコー。大木 長十郎[84] - 志水正義小松 真琴[84] - 久保田龍吉警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策5課員 巡査部長で、角田の部下。大木は小柄で小松は長身という、苗字とは正反対の体躯で、いつも特命係の様子を覗き見している。S.5からは角田と共に特命係と絡むことが多くなった。角田と同様に、捜査一課の刑事とは事件の処遇を巡ってもめることが多い。右京とともにシリーズ開始以降、同役で登場し続けている。刑事部内村 完爾[85] - 片桐竜次警視庁刑事部長 警視長[86]。薫の不祥事を「刑事部の恥だ」と断じて、特命係へ追いやった張本人。特命係の存在を最も疎ましがり嫌っており、特命係の2人が捜査一課に入ってきただけで「誰に許可をとって入ってきた?」[87]と言うほど毛嫌いしているため、事件に首を突っ込んでくる特命係の2人を呼び出しては毎回のように激しく叱責している。小野田から「悪人面」と称される強面で(S.6-最終話)、「バカモン!!」が口癖。PS.1では部下であっても敬語口調であったが、それ以降は基本的に命令口調である。『トリオ・ザ・捜一』や、大木と小松が失態を犯すと、彼らの上司を飛び越えて、直接本人を呼びつけては怒鳴りつけている。手柄は奪ってでも全て自分のモノにしたがる、失態は全て部下や所轄に押しつけるなどかなり人間的に器が小さい挙措言動が目立つ[88]。剣道に造詣があり(S.5-7)、好きな女優やウイスキーの話になると見境が無くなるミーハーな一面もある(S.5-19, S.6-14)。自室に「古轍」[89]と書かれた書を飾ってある。中園 照生 - 小野了警視庁刑事部参事官 警視正。内村と行動を共にすることが多い、内村の腰巾着的な存在[90]。内村程ではないものの特命係の動きを疎ましがっているが、必ずしも内村と同感というわけではなく、話についていけなくなることもある(S.5-19等)。また、最近では右京に対し若干の情報を与えることもあり(S.5-最終話、劇場版IIなど)、事件解決の理由を「特命係のおかげ」と口走ったこともある(S.6-2)。所轄署において捜査の指揮をとるなど、捜査一課長・管理官のポジションも担っている[91]。不祥事に際しての謝罪会見を内村に押しつけられることが多数あり、会見で涙を流した際に、内村から「大根役者」、小野田から「アカデミー賞もの」という両極端の評価を受けた(S.6-最終話)。警務部大河内 春樹 - 神保悟志警視庁警務部首席監察官[92] 警視[93]。警察キャリアで[94]、警視庁に出向中(S.6-10)。S.2-1から登場。かなり几帳面な男で、携帯している薬用小瓶に入れた錠剤[95]をよく口にして噛み砕いており、周囲からは「ピルイーター」と呼ばれている。以前から職務を離れた私見では特命係の活躍を高く評価していて、特命係両名の懲戒処分を引き延ばそうとしたり、特命係からの依頼に協力したりしていた。また、管理官として指揮を執った時には積極的に意見や援助を乞う(S.5-11)など、警視庁上層部の人物としては珍しく、特命係の良き理解者である。さらにS.2-18で秘匿で事件の捜査を依頼した際に自分のある秘密[96]を打ち明けた。一時期、特命係と距離を置くようになった(S.7-1)が、それ以降も特命係に協力するなど関係は続いている。臨時で管理官に任用された経験があるが、審議官より「失格」の烙印を押されてしまった(S.5-11)。最近では監察官に加え、分析官としての任務も負っている(S.6-10)。尊とは警察庁時代からの旧知の仲のため、バーで一緒に飲んだり(S.8-1,10,最終話等)、剣道の練習に付き合わせる(S.9-9,劇場版II)など、尊のことを度々気にかけている(S.8-12)。また、過去に、尊が推薦されてで警察庁へ移籍する際、上申書を出して反対したことがある(S.8-最終話)。警察庁
小野田 公顕 - 岸部一徳警察庁長官官房室長(通称・官房長)[97] 警視監。6月4日生まれ[98]だが、年齢に関する詳細は不明。S.1より登場。東京大学法学部卒業。警察庁から出向していた警視庁公安部参事官時代に、外務省公邸人質監禁・篭城事件に対応すべく、プロジェクトチーム「緊急対策特命係」を結成、その作戦参謀が杉下右京だった。この時の判断ミス[99]で部下と人質に死者が出てしまうが、上層部の判断により責任は窓際部署「特命係」への封じ込めという形で右京1人に押し付けられた。つまり特命係の誕生、並びに現状に至る原因を作った張本人である。何度か廃止された特命係の復活に関与したりするなど基本的には特命係を支援しており、廃止したがる内村を諭して処分されない様に手を回しているが、たまに味方なのか敵なのか分からない行動をとることもある喰えない男で、特命係を自分の手足、はたまた趣味のために利用している。警察内部の不祥事などが絡む事件の場合は、警察や国家の威信を守る立場に立ち、右京と対立することがあり[100]、また、尊の特命係配属の理由となった右京を調査する密命にも関与していた。普段は飄々としているが、犯罪や政府組織などの腐敗を憎む気持ちは人一倍強く持っており、権威を利用して犯罪を隠蔽しようとした官僚に対して制裁を加えたことがある(S.1、S.5-各最終話、S.8-7等)。また、右京ほどではないが、大がかりな事件などで、誰もが全く気にしていない点に着眼し推察していた(S.1-5)。一方で気が回りすぎて失敗してしまう事もあった(S.4-9)。警視庁篭城事件発生前後から、警察庁長官と共に警察庁を省に格上げする改革に着手。その計画に反対する警視庁幹部一掃の人事を進めるが、その人事で懲戒免職となった一人の幹部に刺され右京の腕の中で息を引き取った(劇場版II)。その一ヶ月前の2010年6月から左翼過激派組織「赤いカナリア」が絡む国家を揺るがす事態を収束させるため、雛子と共に本多を「超法規的措置」により釈放する計画を進めていた(S.9-最終話)。右京と2人で話をするため食事をする事が頻繁にあるが、「庶民的」な店では勝手が分からないようで、回転寿司で取った皿や食べ終わった後の皿をレーンに戻してしまう(S.1-4,S.3-3,劇場版Iなど)、湯飲みでボタンを押すお湯の注ぎ方がわからずに親指を火傷する(S.7-12)こともあった。登場初期の頃は一人称を「俺」と称することも多かった。例外もあるものの基本的に右京と同様に敬語口調で、どんな若手警察官に対しても「さん」もしくは「君」付けで呼ぶが、右京に対してだけは「お前」「杉下」と呼んでおり、敬語はほかの人物へと比べて少ない。疑問を投げかけるときはよく「~かしら?」という口調を用いる。美和子に対し「特命係を動かしているのは、実は君の旦那様(=薫)なんだね。」と語る(S.5-15)など、薫を高く評価していた数少ない人物でもあった。対して特命係に来てから組織の体制よりも正義感や感情を優先させたるようになった尊には「青くなった」と評している(劇場版II)。プライベートでは、孫を車で幼稚園に送る程の孫煩悩。「じいじ」と呼ばれ、孫に対しても敬語を使うこともあった(S.1-5)。特命係と関わった人物
犯人(被疑者・被告人・服役囚等)
浅倉 禄郎 - 生瀬勝久薫や美和子とは大学の同級生で、無二の親友だった男。かつては優秀な検事であったが、売春行為を行っていた女性を次々と殺害し「平成の切り裂きジャック」という異名をとられるほどの連続殺人犯。その事実が特命係に発覚し[101]、逮捕された。自分が「不義の子」である事がトラウマとなっており、連続殺人に手を染める以前にも、幼少期に娼婦だった母親と、売春に手を染めていた婚約者を殺害していた(PS.2)。死刑判決を受け東京拘置所に収監中、検事時代に起訴できなかった犯人を右京に逮捕させるよう薫にあるメッセージを伝えるために脱走するも身柄を拘束された(S.2-1)。事件解決後、再び脱走して投身自殺を図る(S.2-2)。だが奇跡的に助かり、その後は記憶喪失となってホームレスとして生活しており、約半年後に発見され再収監されたものの、拘置所内で元上司の次長検事に教唆された刑務官により、自殺に見せ掛けて殺害されてしまった(S.2-最終話)。死後から1年後、記憶喪失時に娼婦の遺体の入ったトランクを運んでいた事実が判明し被疑者として疑われる事となる(S.3-18)が、特命係と美和子の尽力により無実が証明された。また、少年犯罪を起こした少年に対して「君も将来は僕のようになる」と囁き、結果として彼を精神的に更生させた事もある(S.1-5)。阿部 貴三郎 - 武野功雄指名手配中に薫に発見されて逮捕されそうになるが、逆に銃を突きつけて薫を人質にし、小料理屋に立てこもった(PS.1)。この事件がきっかけで、薫は特命係に追いやられる事となった。前科3犯で地域部の刑事にも逮捕された事があるが、後にその刑事の変死現場を目撃してしまい、殺人事件の被疑者として疑われる事となる(S.3-13)。田端 甲子男 - 泉谷しげる日ごろの警察の不祥事を憂いて警視総監に向けて何度も手紙で訴えたが、返答が無いことに業を煮やし、ダイナマイトを携えて薫を人質に警視総監室に立てこもった(S.1-1)。東京大学卒業の、自称「模範的一般市民」。浅倉が死んだ事件の捜査のため再び面会に訪れた右京と薫に、浅倉の死亡時の状況に関する証言をしている(S.2-最終話)。三好 倫太郎 - 蟹江敬三バーテンダー。初登場時はカクテルバーの店長を勤めていた。自分の意に反し、オリジナルカクテルを缶入りカクテルとして商品化することで経営危機を乗り切ろうとした経営者と対立して殺害、逮捕された(S.1-7)。6年で仮釈放後、服役中に懇意にしていた以前の顧客からの打診を受け、顧客がオーナーを務めるシガーバーの3号店の店長を任されていたが、自身の罪を雑誌で糾弾しようとした評論家を殺害した疑惑を向けられる(S.6-14)。北条 晴臣 - 長門裕之元外交官。外務省事務次官から特命全権大使にまで上り詰めた生粋のエリート。非常に傲慢な性格で「閣下」と呼ばなければ返事をしない。また、右京の口調が鼻についている。自らが巻き込まれた篭城事件の際、自身の横領の罪を告発しようとした外務省職員を射殺し、その現場を目撃した緊急対策特命係隊員も射殺[102]した容疑で右京らに逮捕された(S.1-最終話)。その後起訴されるも、かつて外務省幹部が犯した公金横領を告発することを条件に司法取引並みのかけ引きで保釈を認めさせた[103]。保釈中は奥多摩にある別荘のアイアンハート城[104]で暮らしていたが、同居していた執事を、特命係に復讐する陰謀のために殺害した容疑で再逮捕された(S.4-1)。月本 幸子 - 鈴木杏樹ことごとくツキに見放された人生を送っていた自他共に認める「ついてない女」[105]。夫を亡くし、暴力団幹部の元で愛人として身を寄せていたが、夫を死に追い込んだのがその暴力団幹部だと知り復讐を決行。直後に海外逃亡を図ろうとしたが、途中で右京に出会ってしまい緊急逮捕された(S.4-19)。当初は自分の境遇を忌んでさえいたが、右京や薫の言葉で前向きな心境に変化し、服役して刑期を終えようとしていた。しかし、ある女性受刑者の脱獄計画に巻き込まれ、さらにその計画の裏に関与した首謀者に殺害されかかるも特命係が救出、身柄を確保された。この時、女性受刑者に対して自分自身のことを「ついている女」[106]と語っている(S.6-11〜12)。向島 茂 - 正城慎太郎暴力団「城代金融」の幹部。利用していた月本司法書士を自殺に追いやり、そうとは知らない妻の月本幸子を愛人にしたが、真実を知られてピストルで撃たれるが、一命をとりとめる(S.4-19)。ある時、「ゴッド」と名乗る謎の男に雇われ、月本幸子への復讐という表書きで、ある女性受刑者の脱獄計画に加担するが逮捕され、警察に脱獄計画について供述した(S.6-11〜12)。田村 秀明 - 児玉貴志向島の部下。薫に行方不明の向島の捜索に付き合わされる(S.4-19)。ある時、女性受刑者の脱獄計画の首謀者とその女性受刑者のやりとりを記録し、金を要求したが、撃たれてしまう。が、一命をとりとめる。救急車で運ばれる際、薫に「何で城代金融のやつらは撃たれても助かるんだよ」とののしられてしまった(S.6-11〜12)。本多 篤人 - 古谷一行かつて左翼過激派組織「赤いカナリア」の幹部として70年代に大々的なテロ活動を行っていた元テロリスト。だが自分が行ったテロ行為には現在後悔の念を抱いている。国際手配され、紛争が起きている地域へ国外逃亡していたが、娘の茉莉が起こした事件により帰国、小野田と取引をして逮捕された(S.8-1)。その後死刑が確定し収監されていたが、片山雛子や生前の小野田が推進していた計画のため、死刑執行が行われたことにして秘密裏に釈放される。さらに茉莉もろとも「赤いカナリア」の残党絡みの事件に巻き込まれるが、その事件解決後に全てを公表すべく特命係にマスコミを呼んでもらい、自らの生存を公にすると共に警察に出頭した。またこの時、自分がテロを悔やんでいる理由について、自分の逃亡先である紛争地帯で無力な子供がいつも真っ先に犠牲になっていたのを見てきて悟ったと語っている(S.9-最終話)。学生運動に身を置いた経験のある小野田とはかつて友人だった間柄。早瀬 茉莉 - 内山理名本多の娘。区役所勤務(S.8-1)。父がテロリストであることが原因で幼少の頃からいじめに遭い、加えて母共々公安にマークされてきたが、それでも母の言葉もあって本多のことをヒーローとして敬慕していた。しかし、その本多が今までのテロ活動を後悔していることが許せず、本多への復讐のため彼を信奉する者達と共謀、その過程で発生した殺人に関与し、狂言による人質事件を引き起こした(S.8-1)。小野田と本多の取引により逮捕を免れた後、本多が絡む陰謀に巻き込まれ、警視庁内に拘束[107]される。その過程で、本多と直に接した事で彼への憎しみは消え、父親として慕う感情が生まれたが、最終的には小野田の死によって事実上先の取引が消滅した結果、自らが引き起こした事件について取調べを受けた[108](S.9-最終話)。政府関係者
瀬戸内 米蔵[109] - 津川雅彦衆議院議員。S.2 最終話で初登場。登場当時は法務大臣を務めていた。実家は寺であり、幼少のころに得度を受けて以来僧侶として生活していたが、選挙に出馬するにあたり還俗した。そうした経緯から人命を非常に尊重しており、法務大臣在任中には死刑執行命令書への署名を一切しなかった(S.2-最終話)。しかし、北条が犯した事件に関しては小野田から北条の保釈を依頼され、苦渋の決断を下したという事もあった(S.4-1)。その一方で命を失う貧しい国の子供たちを救おうと、NGO団体の支援者にもなっていたが、サルウィン[29]でボランティア活動をしていた薫の友人が殺害された事件により、現地政府の腐敗で十分な援助が受けられない子供達への援助資金調達のために汚職をしていたことが判明し、逮捕された(S.7-1~2)。後に拘置所にて右京に面会を求め、元テロリスト・本多篤人の釈放についての証言をしている(S.9-最終話)。[110]その後、死亡した小野田の弔いをする為、近々保釈される事を右京らに告げた。常にべらんめえ口調で一本筋の通った性格。特命係の能力を高く評価し、捜査には快く協力することが多い。ヘビースモーカーである。片山 雛子 - 木村佳乃長年、外務大臣を務めた父の地盤を継いだ、若手ながら有望株の女性衆議院議員。他人が自分の犠牲になってもまったく気にせぬふてぶてしさと、したたかな人心掌握術を併せ持ち、右京が「身の周りで事件が起きる度に、それを逆手にとり、まるでそれを糧にするかのように大きな人間になっていく」と評する(S.6-16、S.9-最終話)人物。亡父と瀬戸内が懇意であったため、瀬戸内には「雛ちゃん」と呼ばれるが、大人になってもそう呼ばれる事を彼女自身は快く思っていない(S.3)。内閣官房長官の愛人だった事もある[111]が、内閣官房長官の犯罪が発覚すると見限った(S.3-1~3)。総理補佐官として赤いカナリアによる事件を担当した際は、本多と茉莉の味方のように振る舞いながら、実際には2人を利用していたため、本多からは「食えない女」と評された。政府の内情をたびたび公表するため、マスコミからはこれを「爆弾発言」として捉えられている(S.6-16、劇場版I)。警察関係者
陣川 公平 - 原田龍二S.3-6で一時的に特命係に異動となった「特命係・第三の男」。捜査第一課強行犯捜査第一係 警部補。大阪府寝屋川市出身[112]。元々は経理担当者だったが、刑事事件の捜査員希望で警視庁に入ったことから捜査に首を突っ込み、それが原因で誤認逮捕を2度も起こしたことから特命係へ左遷された[113]。特命係でもあれこれと問題を起こしたが、右京や薫と共に事件を解決してすぐ、一係の経理に欠員が出たため復帰となった。そのため、特命係からの脱出に成功した唯一の人物でもある。また、劇場版IではSNSに関する有力情報を提供しているが、捜査時に「特命係」を勝手に名乗っていたことから後日事件に巻き込まれてしまう(S.7-18)。その後も度々登場するが、殺人容疑で一時的に身柄を拘束されたり(S.6-2)、右京と共に拉致監禁されたり(S.7-18)、自宅に空き巣が入った事件を捜査したら、大掛かりな展開に発展したりするなど(S.9-5)、登場の度に災難に巻き込まれている。日商簿記一級の資格を所持しており(S.3-6)、経理職としては優秀だが、迂闊な行動が多くて捜査能力はかなり低く、右京からは呆れ気味に見られている。しかし、未だに刑事への憧れを捨て切れておらず、自宅の部屋中に指名手配犯の手配書を貼り付けて、刑事になるチャンスを虎視眈々と狙っている。トリオ・ザ・捜一は彼の方が階級が上かつ捜査一課の元同僚という経緯のためか、丁寧な態度で接する(S.6-2)ものの、彼が刑事になるのだけは嫌がっている(S.9-17)。尊に対しては自分の方が特命係の先輩であるとの意識から、先輩風を吹かせていた(S.9-5)。「美人に翻弄されやすい」「捜査対象の女性に惚れる」という「重要な特性」がある[114]。実直で人柄はいいものの、美和子曰く「顔はイケてるけど、残念なタイプ」。酒癖が悪く、酔った際には「杉さん(右京)」(S.7-18)、「亀ちゃん(薫)」(S.6-2)、「ソン君(尊)」(S.9-5)と馴れ馴れしい呼称になる[115]。佐古 秀樹 - 山崎一警視庁滝沢署刑事課の刑事(巡査部長)だったが、強盗事件の捜査のために保護した泥酔者を放置して死なさせた事が発覚し、責任を取らされる形で退職する(S.1-4)。退職後はおでん屋台を経営、薫に連続殺人事件の被害者の遺留品を預けた(S.4-4~5)。海音寺 菊生 - 竹中直人S.3で薫が異動した警視庁麹町東署刑事課長の警部で、薫の直属上司となった人物。非常に変わった性格の持ち主であったが、本当は薫のことを理解している人物。内閣官房長官の圧力で懲戒免職[116]を受けた右京を麹町東署に引き入れて特命係を作ろうとしていた(S.3-4)。坊主とエリートが大嫌い。金子 文郎 - 宇津井健S.9-9と劇場版II時点における警察庁長官。警察庁と警視庁の関係に関しては、警視庁への締め付けを強化すべきという考えの持ち主。田丸寿三郎 - 品川徹S.9-9と劇場版II時点における警視庁警視総監。警察庁と対立している。常に扇を所持している。報道関係者
大久保 康雄 - 阿南健治帝都新聞記者で、警視庁記者クラブのキャップを務める美和子の元上司。圧力を掛けられることを恐れてか、公的機関に纏わるスクープなどは全く採用しようとしないかなり保身的な性格。そのため、美和子としばしば対立している。鹿手袋 啓介 - 西村雅彦院内紙記者。元帝都新聞記者で美和子の先輩。S.3で美和子の浮気相手として登場(S.3-3)し、結婚直前までの関係になったが、S.4開始時には既に美和子と破局していた。自らのアパート前で片山議員の秘書が雇った暴漢に襲撃されて入院したことがある(S.3-1)が、後に片山議員への情報提供者となっている(S.6-16、劇場版I)。法曹関係者
武藤 かおり - 松下由樹弁護士。薫が逮捕した強盗犯の弁護を務めたことで特命係と知り合って(S.1-8)以降、特命係の捜査に協力している。薫の強盗犯逮捕に違法性があることを立証し、被告人の無罪を勝ち取ったり、独房内にいる浅倉に連絡を取る方法を考案する(S.2-1)など、弁護士としての手腕は高い。3回目に登場したS.6-9では、殺人罪の公判過程で自白を翻した被告人の弁護を担当した。劇場版Iでは捜査一課に取調を受けた人物の付添人となっている。三雲 法男 - 石橋凌裁判官。担当の裁判において「立場の弱い側」に有利な判決を下す事が多く、マスコミからは「司法の良心」と呼ばれる。警官が殺された殺人事件の裁判で試験導入された初の裁判員制度による公判の裁判長を務めたが、自らは裁判員制度に懐疑的な立場をとり、裏でその混乱を招くような行為を行った(S.6-1)。新人時代に担当した殺人事件の裁判で心証と異なる死刑の判決が下されたことが長年の重荷だった。この裁判と関係する事件で右京に押し切られ、不正な捜査令状[117]を発行した責任を取る形で裁判官を辞職、弁護士への転身もせずに法曹界から去る(S.6-最終話)。医療関係者
内田 美咲 - 奥貫薫精神科医で犯罪心理学者[118]。S.4-4〜5とS.5-5に登場。2度も殺人事件に巻き込まれた事で一時は辞職を考えたが、右京らに説得された末に精神科医として留まる。高所恐怖症。安斉 直太郎 - 高橋一生内田美咲の助手。内田と同じくS.4-4〜5とS.5-5に登場。内田が治療に係わった連続殺人犯に魅了され、後継者として同じ手口で連続殺人を犯してしまった。逮捕後、精神鑑定で心神喪失による刑事責任能力無しとの鑑定結果が出たため不起訴処分となり釈放、措置入院(強制入院)処遇となるが、リハビリ中に殺害された。その他
ヒロコ - 深沢敦薫の知人。かつては焼肉屋を営んでいたが、現在は都内でゲイバー「髭と薔薇と…。」を経営している(S.1-6)。S.1-3で目撃者として初登場し、以降も殺人容疑をかけられたり(S.2-20)、特命係に相談したことが事件を呼び寄せたりと、特命係とは何かと縁がある人物。自身の愛犬が関わった事件で花の里に訪れた際に美和子やたまきと知り合い(S.6-13)、マラソンに参加した2人の応援に駆けつけるほどの仲になる(劇場版I)。若杉 栄一 - マギー薫の知人。かつて東京で借金取りをしていた頃に薫に逮捕された過去があり、夫婦ともども薫に世話になっていた。以後は更生して故郷の北海道で暮らしていたが、妻を置き去りにして再び上京し友人と事業を立ち上げるも失敗、借金取りに舞い戻ったが、その事で離婚の危機に陥った上に事件に巻き込まれた所を特命係に助けられた(S.2-7)。再び故郷に戻り、タクシー運転手の職を得て、特命係の北海道での捜査では運転手として協力した(S.2-15~16)。S.3-16では地元商工会議所の仕事で上京した際、脅迫犯に体に爆弾を着けられスケープゴートとして強盗事件を起こすという不運に巻き込まれた。子供が生まれたことを明かしており、薫の名前を取って「薫子」と名付けている。遠山 ちず - 前沢保美[119]西東京市にある「オリエントマンション元町」の管理人。懇意にしている住人の殺人事件の解決に協力したことで特命係と知り合う(S.4-2)。その後、住人の女性の結婚詐欺に関して右京に相談した(S.8-18)。リサ - はるな愛ヒロコが経営するゲイバー「髭と薔薇と…。」の店員(S.6-13)。美和子とたまきがマラソンに参加した際にはヒロコとともに応援に駆けつけた(劇場版I)。右京・薫の親族
アキコ・マンセル - 草村礼子S.1-7に登場。美和子の伯母。イギリス人と結婚してロンドン在住。夫の死去直後に一時帰国し、薫・美和子宅に数日間泊まる。その間のマイペースな行いに2人は振り回されるが、ロンドン在住経験のある右京とは非常に気が合う。杉下 花 - 原沙知絵S.4-16に登場。右京の遠縁[120]で、ニューヨーク在住のフォトグラファー。ハーバード大学卒、同大学院中退。頭脳明晰な点、人差し指を立てながらポイントを説明する癖、紅茶を入れる際の動作、理屈を並べたがる点やしゃべりだすと止まらない点[121]などは右京とよく似ている。後先考えずに行動することがあり、それが原因で警察に連行されたことや、犯罪に巻き込まれかけたこともある。たまきの営む小料理屋「花の里」の名前は彼女の名前に由来している。磯村 茜 - 戸田恵子S.4-最終話に登場。薫の実姉で新潟県在住。既婚者。パワフルな性格で声が大きい上に世話好き。お人好しなところは薫に似ている。新潟から出てきた際には美和子が落とした婚姻届を拾って役所に提出した。薫と話すとたまに方言が出る。関連項目
- お願い!ランキング - 米沢と角田が『相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜』コラボ企画で「グッズ鑑識・米沢守」「グッズ課長・角田六郎」として登場。後者のみ不定期に継続している。
脚注
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