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暴れん坊将軍 | |||||||
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ジャンル | テレビドラマシリーズ | ||||||
放送国 | 日本の旗 日本 | ||||||
制作局 | テレビ朝日 | ||||||
出演者 | 松平健 ほか | ||||||
外部リンク | テレビ朝日 暴れん坊将軍 | ||||||
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特記事項: シリーズである。 | |||||||
表・話・編・歴 |
め組の提燈
『暴れん坊将軍』(あばれんぼうしょうぐん)は、テレビ朝日をキーステーションにANN系列で1978年(昭和53年)から2002年(平成14年)にかけてレギュラー放映された東映制作の時代劇シリーズである。主演はシリーズを通して松平健。舞台版も上演されている。
シリーズ12作と最終回スペシャル・復活スペシャル・2008年末のスペシャルの3本を合わせた放映回数は計832回と、同じ俳優が演じた単一ドラマとしては大川橋蔵の『銭形平次』888回に次ぐ長寿番組である。レギュラー放送は終了して久しいが、地上波やCS放送[1]などで頻繁に再放送が実施されていることもあり、今も知名度は衰えていない。
ナレーターはシリーズを通して若山弦蔵が担当している。
江戸幕府の八代将軍・徳川吉宗が、町火消『め組』に居候する貧乏旗本の三男坊・徳田新之助に姿を変え、市井(しせい)へ出て江戸町民と交流しながら、世にはびこる悪を斬る勧善懲悪ものである。
物語は、連夜発生している辻斬りや盗賊団による凶悪事件をはじめ、塩や米などの買占め・卸値吊り上げによる小売価格高騰や偽小判の流通、さらには公儀発注の公共工事を巡る汚職の疑いなど、江戸や諸藩における諸問題について、南町奉行・大岡忠相や高級幕臣(この高級幕臣が黒幕であることが多い)などから報告を受けた吉宗が、事態の深刻さに憂慮することから始まる。市井に出た吉宗は善人が不良浪人に襲われている現場に遭遇し、自慢の腕前で撃退することが定番となっているが、このシーンはストーリーの中心となる人物と知り合うきっかけにとどまらず、「邪魔に入った取るに足らない貧乏旗本」が後に「実は八代将軍・徳川吉宗だった」という、このドラマの特徴ともいうべきカタルシスを得るための重要な役割を果たすこととなる。吉宗の太刀筋に恐れをなした不良浪人たちは現場から逃走することとなるが、「尾行せよ」との命令が下ることを予想している御庭番は、吉宗の目配せを受けて後を追って走り去る。不良浪人たちは、周囲に十分な注意を払わぬまま黒幕の屋敷に逃げ込むため、尾行してきた御庭番にまんまと目撃されるという大失態を犯し、序盤早々から黒幕の目星がつくこともしばしばである。また、回によっては波止場で待つ黒幕が不良浪人の口を封じて船で逃亡することもあり、遺留品などをもとに地道な捜査を余儀なくされることもある。騒動沙汰の被害者に「襲われた理由に心当たりはないか」「差し支えなければ事情を話してもらえないか」などと身の上話を聞き出し、不幸な境遇を知った吉宗は、め組の頭や若い衆をはじめ、南町奉行・大岡忠相、公儀御様御用(後に浪人)・山田朝右衛門、吉宗の母・お由利の方らと問題解決に向けて協力することとなる。
め組は、徳田新之助に姿を変えた吉宗が、身分を隠して城下の人々と触れ合うための拠点として出入りしているのが江戸の町火消である。権力の頂点に君臨する吉宗がその重責から解き放たれ、心安らぐひと時を過ごせる憩いの場所でもある。さっぱりした気性で曲ったことが大嫌いな江戸っ子肌の頭を筆頭に、まとまった組織力を武器にして吉宗とともに悪事に立ち向かう姿が心強い。吉宗の正体を知っているのは歴代の頭に限られており、おかみさんや若い衆、二代目頭・長次郎の姉などは、新さんのことを慕いながらも“仕官の道も探さずブラブラ遊び呆けている気楽な三男坊”[2]と信じ込んでいる[3]。このため、「まったく、上様は一体何を考えてんだか」「新さんは偉いお役目とは縁がなくて気楽でいいねぇ」「こら、新の字!あんた居候の分際で真昼間からタダ酒飲んで図々しいったらありゃしないね!」などと吉宗の目の前で言いたい放題自由奔放な態度を炸裂させるため、これに困り果てて苦し紛れにお茶目な表情をする吉宗と、板挟みになって慌てふためきながら事態を収拾する頭の姿は、このドラマの名物シーンとして定着している。このパターンは、シリーズX(通称)での大岡忠相とその姪子にも受け継がれており、大岡邸などにおいて、いつもの癖で大岡よりも上座に座ったり、大岡のことを呼び捨てにする吉宗を「不良旗本」と決め付け、「徳田殿、少しは自分の身分を弁えたらどうですか」「そんなことをされては叔父の出世に響きます」などとストレートに苦言を呈するため、気まずい空気が流れて側近である大岡はめ組の頭以上に頭を抱えている。劇の序盤では、なごやかな一日の始まりを演出するためのめ組であるが、口封じに狙われている人物を保護したり、凶悪事件を警戒しての夜回り、若い衆たちを動員しての情報収集活動、さらには、事件の手掛かりとなる重要情報が得られたりと、悪事に挑む吉宗にとって無くてはならない存在となっている。なお、史実によれば、め組は享保5年(1720年)に徳川吉宗が設置した町火消47組(後に48組)のひとつであり、現在でいうところの消防団にあたる。このほか、火消には、飯田橋、市ヶ谷、お茶の水、麹町の4か所に設置された公儀直轄の「定火消(じょうびけし)」、江戸城や各藩の江戸屋敷を火事から守るために組織された「大名火消」などがあり、これらは現在の消防署の礎となる組織である。このドラマでは、火事場において、め組と定火消(定火消の大役を利用して陰で火付け盗賊を働く悪役として登場)が管轄などをめぐってたびたび対立し、消火作業そっちのけで喧嘩を始めるなどの場面があるが、これらは「火事と喧嘩は江戸の華」といわれる史実を巧みに表現したものである。
御庭番このドラマでは、脇役でありながら事件の解決には欠かせない御庭番の活躍も見所のひとつである。公儀御庭番は、吉宗が紀州から連れてきた隠密御用の紀州忍者のほか、江戸城の裏門や大奥の警護にあたる伊賀忍者、大手三門の守備を行う甲賀忍者などで構成されている。忍びの者たちは、天正10年、本能寺の変で危機に陥った徳川家康を救った初代服部半蔵以来、公儀御庭番として忠節に励んできたという設定になっており、このドラマで活躍する御庭番は、元紀州藩主の吉宗が代々自分の家に仕え信用のある家柄から登用した男女二人の忍びで組織されている。吉宗の近辺に常に待機しており、市井をブラつく吉宗の警護はもちろん、吉宗直々の命により、悪事の証拠を掴むための諜報活動や事件の鍵を握る人物の身辺警護などを行う。その存在を知る者は、爺や大岡といった超側近に限られており、め組の頭などとも接触することはほとんどないが、吉宗評判記の第2話で投げ文を「忍びの者からだ」と説明して以降、御庭番とめ組みが画面に登場することが何度かあった。IV第64話では、初代組頭の辰五郎が吉宗に対し「先ほど(御庭番の)才三さんと会いましてね」という会話を交わしていることから、接触は少ないものの組頭もその存在を認識しているものと考えられるが、二代目組頭の長次郎からはこのような場面は確認されていない。町中では町人や行商人に、屋敷に潜入する際は忍びの格好という具合にその場の状況に応じた装いで活動する。そのほか、二人の御庭番が夫婦という設定で貧乏長屋に住み込んで内情を探ったりするほか、賭場の博打打ちや問屋で働く用人、大商の番頭や手代、飴売り商人、女中奉公の娘、さらには大奥に潜入したりと様々な身分になりすまして潜入捜査を行うこともある。屋敷の屋根裏や床下から内情を探る場面では勘の鋭い黒幕に気付かれて槍や刀で突かれる時代劇お決まりのシーンもあり、不覚にもかすり傷を負う場合があるが、卓越した身体能力と超一流の武術を心得ている御庭番が捕縛されたり命を落とすことはまずない。物語が進行する中で視聴者もこうした特長に気付いているため、善人が危うくなる場面やクライマックスシーンに御庭番が登場することで、安心感はもとより壮快感さえ覚える心理的効果が得られる。もっとも、吉宗ほどの剣豪ならばクライマックスシーンも一人で十分ではないかとも考えられるが、回によっては、戦いに専念する吉宗に向け、死角から鉄砲などで殺害しようと試みた悪党を危機一髪のところで押さえたり、自ら盾となり負傷する場面(Ⅱ第27話)も見受けられることから、やはりなくてはならない存在といえよう。また、吉宗自身も、諜報活動で失敗し切腹しようとした御庭番を戒め、「お前の腕を見込んでいる」「人は失敗を重ねてこそ成長できる」「この吉宗が仕事に完全無欠な人間だけを望んでいると思っているのか」「これからも頼むぞ」などと愛情を込めて接することもあり、単なる上下関係ではない強い絆で結ばれている。このように、厳しい規律のもと忠誠心の限りを尽くし、命を捧げることも惜しまない誠実で礼儀正しい姿がこのドラマにおける御庭番の魅力たる所以である。高島礼子が御庭番役で芸能界デビューを果たし、女優の登竜門として注目され続けたことからも、時代劇界において重要な役柄であったことがうかがい知れる。
これら実直な役柄を逆手にとり、お茶目なシーン(旅先で旅芸人一座に飛び入り参加した吉宗を見て「今日の上様、少々はしゃぎ過ぎでは?」「有馬様(爺)がお知りになったら腰を抜かすだろうなぁ」とニヤニヤしながら私語を交わす)や御庭番にスポットをあてた作品も少なからずある。タイトル中に御庭番が入った作品として「お庭番非情!」「あわれ、女お庭番」「吉宗狙撃!消えたお庭番」「庭番慕情、禁じられた恋の笛!」「お庭番を愛した女」「女お庭番の涙 怪盗夜がらすの正体は?」「吉宗を愛した女お庭番!断崖に消えた恋」「危機一髪!お庭番の禁じられた恋」など恋沙汰ものが多い。これは、陰に生きる公儀隠密を作品の主体とした場合、対する題材は人間らしさを表現しやすいものでないと魅力ある作品として成立しにくいためと考えられる。
シリーズIX(通称)第34話「女お庭番の涙 怪盗夜がらすの正体は?」は、御庭番の人間らしさを大胆に描写した作品として知られているため、一例としてその内容を紹介する。
「夜がらす」と名乗る盗賊一味が江戸の町を荒らして回っているなか、夜回りを行っていた「め組」の長次郎は、一味が薬種問屋に押し入っているところに遭遇し、捕縛しようと駆け付けた南町与力・大村市之進が斬られる現場を目撃する。事件の概要について忠相から報告を受け、殺害に使用された刃物を手に取り吟味した吉宗は、その特殊な形状から忍具ではないかと考え、御庭番を近くに呼んで意見させたところ、驚くことに御庭番と同じ流派の忍者が扱う武器であることが判明する。そんな中、御庭番は、紀州で共に武芸を学んだ二人と偶然にも再会する。夫婦となって江戸に暮らす二人は、吉宗が将軍に就任する際に随行する予定であった御庭番の中から、紀州藩のために残した「吉宗お墨付きの御庭番」という設定。吉宗の将軍就任に伴い、二人とは違う人生を歩むこととなった御庭番は、普段は決してみせることのない豊かな表情やタメ語を使ってお互いの近況や昔話(実はあんたに惚れていたとか、お前は泣き虫だったなど)で盛り上がり、さらには子どもの誕生を待ちわびる二人に温かい祝福の言葉をかけるなど、彼らの人間らしい一面がいきいきと描かれている。報告を受けた吉宗は、紀州で共に過ごしたよき時代に思いをはせる一方、紀州藩の騒動に巻き込まれ、命からがら江戸に逃げのびた苦い経験から自分に恨みを抱いていることなど、二人を苦しめた原因が自らの不徳の致すところと知り心を痛める。いたたまれなくなった吉宗は、無理やり用事を作って男の働く店に貧乏旗本として尋ね、男と交流するが、盗賊一味のひとりが負っていると推察される傷の特徴と酷似した怪我を負っていることに気付く。男を中心に捜査を進めた結果、案の定、二人が盗賊団の一味に加担している疑いが浮上することとなる。大岡邸にて吉宗と忠相が悪事の全貌について総括するなか、その事実を受け入れられない女御庭番は、取り乱しながら二人の無実を主張し、耐え切れず中庭に飛び出して泣き崩れてしまう。吉宗の御前にも拘わらず、私情を挟み、公儀隠密としてあるまじき奇行・言動の数々を行った女御庭番に対し、男御庭番は、公儀御庭番としての心得を説き厳しく戒めるも、吉宗は「よい。思い切り泣かせてやれ。」と、咎めることなく慈悲深さを示す。自らの不徳により、やむなく悪事に手を染めることとなった二人の事情を憂い、自責の念に駆られた吉宗は、御庭番に「何なら『吉宗自ら直接詫びたい』と申していたと伝えても構わん」と、自らの強い想いを託し二人の更生を図る。御庭番が吉宗から託された想い伝え、以前訪ねてきた侍の正体を知った男は足を洗うことを決意するが、口封じのため無残にも斬られてしまう。駆けつけた吉宗に抱きかかえられた男は、虫の息で自ら犯した罪の許しを乞い、これに応じた吉宗も自身の不徳を詫びたそのとき、静かに命のともし火を消す。御庭番は、大声で男の名前を口にして泣き叫び、悔しさを爆発させる。黒幕の屋敷では、盗賊団の解散により完全犯罪の成立を確信した黒幕が祝いの宴を設けていた。男を始末したことを「夜がらすは落ちた」などと例え、酒を飲みながらふてぶてしく笑うその背後から「烏は落ちたが、鷹が舞い戻ったぞ」という洒落を効かせた台詞で注意を引く。御庭番は吉宗とともに次々と手下を斬りつけ、最後は仇討ちを兼ねた形で成敗する。男の亡骸は故郷の紀州でよく遊んだ川に似た川(と吉宗が言っていた)沿いに手厚く葬られ、御庭番らとともに手を合わせるなか、吉宗は「今頃は故郷の紀州にも咲き乱れているであろう」と男が好きだった花を手向ける。ここで『この後、吉宗は、紀州藩主に対し、毎年、命日の日に墓前に手を合わせるよう命じた。』とのナレーションで締められる。最後は黒幕の屋敷などに乗り込み悪を成敗する。早まった善人が黒幕の屋敷に乗り込み斬られたところに吉宗が駆けつける場合もある。黒幕の悪党ぶりと吉宗の怒りを増幅させる効果が得られるこのパターンは、痛快時代劇を売りとするこのドラマでは多用される傾向にある。斬られた者のほとんどは瀕死の状態で、助かることは少ない。斬られる場所は黒幕の屋敷ばかりとは限らず、他の場所で襲撃され吉宗が看取ることもある。このとき、松平健のシングル「夢灯り」「ぬくもり」などが流れると、懐手(和服を着たとき手を袖から出さずに懐に入れていること)などで黒幕の屋敷に向かうシーンへと切り替わる。
吉宗の登場吉宗が乗り込むシーンは、劇終盤の夜間、黒幕の屋敷などで悪事の談合や出世祝いなどと称した宴席が設けられている中、「次期若年寄の座はこの儂に決まったも同然じゃ」「○○屋(悪徳商人)、儂が勘定奉行に出世したらおぬしを江戸一番の大金持ちにしてやるぞ」「○○(善人)も哀れな男よのう。今頃は三途の川。案ずるには及ばん」など、黒幕の不謹慎な発言によってふてぶてしい盛り上がりが最高潮に達したところで、「その悪事、許すわけにはいかぬな」「罪なき民の生き血を吸う悪党ども」「その企み、果たして上手くゆくかな?」「貴様らの悪事も今宵限りだ」「その宴、この世の名残りの宴と知るがよい」「いくら小判が好きでも、あの世までは持っては行けまい」「これ以上、余の名を汚すことは許さん」「天が見逃しても、俺が見逃さん!」など、暗闇からエコーのかかった台詞で呼応して黒幕の注意を引き、障子を開けさせて中庭に誘い出すことが多い。そのほか、善人を斬りつけようとした悪人の手元にめがけ、「正義」と記された扇子を投げつけて動きを止めたり、稀に牡丹の花や偽小判、南蛮渡来の手投げ弾(導火線に火を点けた状態で投げ込むため、悪党たちは慌てふためくが、肝心の火薬は抜いてある。)などの自らの悪事の裏付けとなるような証拠物品を障子を破って投げ入れたりするほか、吉宗が能面などを被って口を封じたはずの善人に扮して驚かすパターンもある。
黒幕の例として以下のようなものがある。
暗闇から懐手して現れた吉宗を見て、一部の悪徳商人や用人は「お前は徳田新之助」「貴様はこの前の浪人!」「この間邪魔をしたのはこいつです」などと黒幕に言いつける。黒幕は、自分を呼び捨てにしながら悪事の証拠を並べたてる吉宗に対し、「黙れ!だまれ!」などと腹を立てながら、「何者じゃ貴様!」「貴様、ただのネズミではなさそうだな」「浪人の分際で……。ここを誰の屋敷と心得ておる!」「何をほざくか、貧乏旗本!」「まるで上様のような口のきき方をしおって!」「はて、何処かで見た顔だが」などと高慢な態度をとる。これに対し吉宗は、「たわけ者!」「愚か者!」「うつけ者!」などと一喝したのち、黒幕を呼び捨てにしながら「余の顔を見忘れたか!」「主の顔を見忘れたか!」「余の顔をとくと見るがよい」「俺の顔を忘れた訳ではあるまいな」「お主、主(あるじ)について江戸城に登城・将軍に拝謁したことがあったであろう」などと、自らの顔をよく見ろといわんばかりの台詞を投げかけるほか、公儀発注の土木工事での札入れにかかる不祥事を嗅ぎまわる御側御用取次・田之倉孫兵衛(爺)の命を黒幕の作事奉行が狙う回(IV第65話)では、「お前の悪事、爺の孫兵衛によりすでに調べは付いているぞ」などと、自らが吉宗であることを示唆するような意味深な発言で悟らせる場合もある。
稀に、以下のように御庭番や大岡、爺などが一喝する場合もある。
御庭番が一喝する場合「頭が高いぞ!御前に居られる御方が分からんか」「このお方をどなただと心得る!」「上様の御前である!」「この紋所が目に入らぬか!」「控えぃ、○○(黒幕の名前又は役職)!その御方は上様にあらせられるぞ!」(IV第58話、第65話、第72話) など。大岡が一喝する場合「上様の顔を見忘れたか!」「虚け者!この御方の顔を見忘れたか」 など。※横内正が演じていた時、一度、『水戸黄門』の渥美格之進役そのままに「こちらにおわす御方を何方と心得る!?」(IV第61話)と言ったことがある。爺が一喝する場合「控えぃ!上様であらせられるぞ」「この御方がどなたなのかまだ分からんのか」 など。山田朝右衛門が殺陣に加わる場合、朝右衛門が、「皆の者、控えろ」と一喝する場合もある。
黒幕は「なにぃ、“余”じゃと?」と言いながらじっくりと顔を眺めると、江戸城での将軍謁見シーンが脳裏をかすめて吉宗と気付き、「…う、上様!!」などと驚きながら、手下と共に慌ててひれ伏す(稀にXI第15話のように吉宗と気付いてもひれ伏さず、いきなり反逆のこともある)。善人がいる場合は「…う、上様!?」と驚き、「ははぁ!! 畏れ入り奉りました!!」と観念する。黒幕はその場に、手下の者は中庭に降りてから土下座をすることが多い。この違いは、後ほど仁王立ちして吉宗よりも高い位置から刃向うことで、黒幕の悪党ぶりを効果的に際立たせるための演出である。このドラマでは、『水戸黄門』のように殺陣の途中で家紋入りの印籠などを見せて「身分を明示」する方法とは異なり、殺陣の前に問いただして「顔を思い出させる」パターンがほとんどである。水戸黄門の場合は上級の公家などを除いて葵の家紋の権威で万人を屈服させることが可能であるが、将軍の吉宗の顔を見知っているのは旗本直参か大名級の武士に限られることになる。家老級の武士に対してもこのパターンが用いられるが、現実に陪臣の家老が将軍の顔を見知っているかは時代考証上問題が残る。
回によっては、鋭い黒幕が吉宗の一喝前に気付く場合(時にはそれより前。初期はこのパターンが多い)や、幕府直轄の領地(天領)において将軍・吉宗であることを名乗って登場する場合のほか、悪人の側に吉宗の顔を知っている人物がいない場合もある。
悪人の反逆ひれ伏す黒幕に対し、吉宗は、これまでに自ら見届けた証拠をもとに悪事の所業の数々を並べたて(「(黒幕本名)、その方、(役職名)の座にありながら御用商人と結託して私腹を肥やし、あまつさえ、不正を告発した(善人の犠牲者)を手先を用いて亡き者にするなど」等)、「悪事は明明白白のもとに曝されているぞ」「言い逃れはできまい」「もはや言い訳は無用」「断じて許し難い」「任命した余にも責任がある」などと総括したのち、「潔く腹を切れ!」「この場にて腹を切れ!」「武士の意地があるなら(残っているなら)潔く致せ!」「潔く法の裁きに服すが良い」「天に代わって成敗する」などと迫るが、ここで悪人たちは開き直って吉宗に刃向うため、殺陣となる。
悪人の開き直りの台詞には以下のようなパターンがある。
目の前の人物が吉宗ではないと開き直るパターン「上様がこのような所に来られるはずがない」「恐れ多くも上様の名を騙る不届き者だ」「こ奴は上様ではない」「上様の顔を忘れた」「何が上様だ、こやつは偽将軍だ」など反逆を口にするパターン「上様とて構わぬ」「上様、お命頂戴致します」「お手向かい致しますぞ」「ここで死ねばただの狼藉者」「八代将軍もこれで終わりぞ」「何をほざくか吉宗。良い所に現れたものよ」「飛んで火に入る夏の虫とはこの事よのう」「吉宗の首を我が殿、宗春公に差し出せ」(黒幕が尾張藩関係者の場合)「もはやこれまで、かくなる上は……」「上様に取り付いた死神になりましょう」「腹を切るのは拙者ではなく、上様の方じゃ」「天下人を倒すは今ぞ」「上様が死ねば世の中が変わる」「たった今禄は返した」などその他のパターン「悪党らしく死に花を咲かせてくれるわ」「我ら幕閣(幕臣、幕客)あっての上様ではないか」「上様と太刀交えるは武門の誉れ」(登場回不詳、薩摩藩関係者に一例。吉宗は「参れ」と受けた)「そんな事をしては、こっちの身の破滅」「御役御免で一度は死んだ身」「そこまでばれているのなら、毒を食うは皿まで」「もはやこれまで、斬れ!斬れ!」「曲者だ、斬り捨てい!」など殺陣殺陣(たて/さつじん)はこの番組最大の見せ場である。殺陣は、メインテーマをアレンジしたBGM「4-43」(暴れん坊将軍ベストコレクションVol.1 Best of Soundtrack第30曲目に収録)に乗って、概ね次の流れで展開される。二人の御庭番とともに3名で戦うことが基本となっているが、回によっては忠相やゲスト出演の侍らが参戦することもある。吉宗や忠相は峰打ち(刀背打ち)で、御庭番たちは忍者構えで普通に斬りつける。御庭番は柔術や拳打で敵を倒すこともある。
手下が全滅し、追い詰められた黒幕は「おのれー!」などと叫びながら吉宗に斬りかかるが、太刀払いで簡単に退けられ(旗本の場合、攻勢に出たり数合持ち堪えることができる者もいる)、その迫力に圧倒されておどおどする。吉宗が厳しい表情で黒幕を睨みつけながら「成敗!」と一喝すると、この命を受けた二名の御庭番が斬りつけて黒幕が崩れ落ちる。黒幕一人の場合は御庭番が交差する形で二回斬りつけ、黒幕と手下の二名の場合は各一斬りで仕留めることが多い。御庭番は吉宗の元に戻って片膝をついて座礼し、吉宗は血を振り払って太刀を鞘(さや)に収め、「カキン」という効果音で完了する。納刀後しばらくの間、厳しい表情で遠くを見つめる吉宗を撮し続けるパターンが多い。また、善人がいる場合(稀に善人側に寝返った小悪党も)は、吉宗の元にかけ寄って「上様とはつゆ知らず、無礼の数々をお許し下さい!」などと言いながら土下座するパターンも少なくない。成敗された黒幕達は、表向き、病気による急死や事件の責めを負っての切腹という形で処理される。黒幕達の家は取り潰しになる場合が多いが、一部の大名等は息子、兄弟、親戚に継がせる場合がある。
御庭番以外が成敗するケースとして、以下のような場合がある。
峰打ちで気絶させ、後に裁きを下すケース(Iの大半、III2話)最初期は殺陣を成敗で締める様式が確立していなかったため、大半をこの方式が占める。殺陣終了後のナレーションで経緯が説明されることが多い。大半は切腹だが、死罪、遠島というパターンもある。謁見中に反撃に出て再び打ち伏せられる(後述「吉宗の裁き」参照)、裁きを待たずその夜のうちに切腹する、といったパターンもある。吉宗自身が成敗するケース初期作ではこのケースが目立つが、それ以外では、「特に許しがたい」「怒りがおさまらない」「救えなかった者との約束」というケースに限定されるようである。その際には「貴様だけは(断じて)許さん!」「〇〇(犠牲者)の恨み思い知れ!」などと叫ぶ。戦闘に参加した侍や、黒幕に殺害された者の遺族が仇討ちの形で成敗するケース武芸の心得が無い者が仇討ちする場合、義によって吉宗が助太刀し黒幕から太刀を奪って実行される事が多い。仇討後、「見事だ。仇討本懐、祝着に思うぞ」などと労いをかけることがある。変形として、吉宗の助太刀なく、仇討ちの形も取らず、落した太刀を拾っての衝動的行動として復讐を遂げることもある。黒幕自ら切腹して果てるケース(II第111話、III54話、VI第44話)比較的身分の高い者に多い。手下全滅後という往生際の悪さから、武士としての切腹というより自殺に近い。その場で切腹を申しつけられるケースI第67話など。場合によっては、山田朝右衛門が介錯役としてやってくることもある。生かしたまま町奉行に捕縛させるケース捕らえられるのは悪徳商人が多い。まれに悪徳商人にかつがれた旗本なども捕えられることがある。叩き伏せられて屈服するケース叩き伏せられて屈服、土下座する。裁きの結果は説明されないこともある。吉宗の裁き初期のシリーズにおいて、大名、直参の黒幕は戦闘シーンには登場せず、共犯者(悪徳商人、下級旗本、陪臣など)とその手下が全滅した後後日口実を設けて江戸城中に呼び出され、その場で処断の沙汰が下るケースもある。大抵は恐れ入って処分を受け入れるが、I第65話の佐久間主馬など、より身分の高い共犯者や忠相に助けを求めたケースもある。
パターンとしては、
いきなり叱責いきなり叱責、糾弾される。場合によってはこの時黒幕が初めて吉宗の正体を知ることもある。下賜品として事件関係の品を賜り叱責初め功績を褒め、下賜品を賜り、悪人がそれを開けると事件に関係する物品であり、悪人が一瞬身を固くするのを契機として、吉宗が態度を一変、悪事を責め立て切腹の沙汰が下る、など。政策を取り上げ賞賛した後悪事を暴くはじめ黒幕の提案した政策を採用し、賞賛した後「一つだけ残念なことがある」などと言っておもむろに悪事を暴く。その後叱責となったり黒幕が逆上して吉宗に斬りかかり取り押さえられるなどのパターンがある。遠回しに尋問の末悪事を暴く奥歯に物の挟まったような言い方で遠回しに黒幕に犯行を自白、切腹するよう迫る。たいてい黒幕は自白せず白を切り、証人を突きつけられて吉宗に斬りかかり取り押さえられるなどの結末になる。その後、切腹するシーンまで描かれることもある。吉宗が詰所に現れ黒幕を叱責江戸城内における黒幕の詰所に吉宗が現れ、黒幕を叱責、改易や切腹を暗示して去る。黒幕が吉宗に斬りかかり、成敗されるパターンや往生際悪く忠相らに執成しを求めて叱責されるパターンもある。
などがある。
悪が成敗された後のシーンは、江戸城内の庭園(または江戸の町中)で爺や忠相らと散策しながら、以下のような要素を含んだハッピー・エンドで締められることが多いが、悲しみが残るバッド・エンド、怪談物や彗星落下の話、吉原で遊び狂ったり二日酔いで苦しむオチまで、バラエティに富んだものになっている。
回によっては悪党に捕えられた善人の救出過程を端折ったり善人のその後を吉宗と爺・忠相のやり取りだけで語るというお粗末な展開も多かった。また、このドラマでは、ストーリーの中心人物の女性が“徳田”に恋心を抱くという設定が多いが、最後には徳田が事もあろうに将軍・吉宗と明らかになってしまうため、その恋が成就することはない。このため、決して叶わぬ恋と知りながらも吉宗を想い続ける切ない姿やその複雑な胸の内について、以下のようなほろ苦い内容のナレーションで締められることも少なくない。
なお、後述のとおり歴史上の実在人物が登場することは多い。その中には宗直同様複数回登場した人物も少なくない。前水戸藩主水戸綱條、水戸藩主徳川宗堯、五代将軍徳川綱吉の養女竹姫、薩摩藩主島津継豊、老中水野忠之などである。が、いずれも演じる役者についてはその都度キャスティングが異なり、固定されていなかった。
町火消しの1つ。吉宗が徳田新之助として居候している。協力者的な存在であるが、吉宗の正体を知るのは、め組の歴代頭のみ。
辰五郎め組の初代頭、後に町火消肝煎、江戸町火消総元締となる。新門辰五郎がそのモデルと思われる。おさい辰五郎の妻。長次郎め組の二代目頭。おぶん長次郎の妻。栄五郎め組の三代目頭。お杏の兄。お杏栄五郎の妹。詳細は暴れん坊将軍のシリーズを参照
テンプレート:雑多な内容の箇条書き
ファイル:Imperial Palace Tokyo Well near Donjon base.jpg江戸城内の井戸(実物)。吉宗は城内の井戸から隠し通路をたどって堀外に出る設定。
富士山をバックに海岸線を走るシーンは、静岡県静岡市清水区。画像処理ができなかったのか、松平健の背後右下に、遠くの海岸そばの工場の煙突が映りこんでいた。テンプレート:ネタバレ終了
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なお、当番組でシリーズが終了した土曜時代劇の次番組は『プリズンホテル』(サタデードラマ)、同じく木曜時代劇の次番組は『いきなり!黄金伝説。』である。
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