ミストバーン

ページ名:ミストバーン

ミストバーン(Myst-Vearn)は、三条陸(原作)と稲田浩司(作画)による漫画、およびそれを原作とするアニメ『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の登場人物(声:難波圭一)。

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目次

キャラクター概要

当初は魔王軍の魔軍司令・ハドラーの部下であり、魔影軍団の軍団長として登場。後に大魔王バーンの最大の秘密の鍵を握る側近であることが判明、ハドラーに代わって魔軍司令を務める。正体は暗黒闘気の集合体である魔界の魔物ミスト。ヒュンケルの命の恩人にして闇の師であり、強力な暗黒闘気や鋼鉄以上の硬度を誇る両腕の爪を操る。

名前の由来はmyst(霧)+主のバーンの個人名。作中では「影(ミスト)のバーン」という意味でもあり、影という言葉は「代行人」や「分身」といったニュアンスで使われていた。

性格・人物

一見、口数が少なく極端に寡黙かつ冷静な性格に見られるが、それは接触する相手が極端に限られて、不慮の失態もない状態が平時であったためである。バーンに背いたロン・ベルクを独断で制裁を加えたり、戦いの長期化で自分も前線に出て、敵味方多くの人間と深く関わっていくことで自分の意見を伝えたり失態があれば、怒りを見せることが多く、感情的な性格を晒していき、物語が進行するにつれて口数は多くなる(後述)。中盤以降はむしろ饒舌な面が多く見られるようになった。

後述のように彼自身は「他者に乗り移る」ことしか出来ず、自身の身体を呪っていた。そのため、自らを拾い「自分しか出来ない任務」と生きる意味を与えてくれたバーンには絶対の忠誠を誓っており、いついかなる時でもバーンの言葉や意思を全てにおいて優先し、そのためには共に戦い、敬意を払っていた味方でさえも見捨てるほどの冷徹さを持つ。

本来の姿である「ミスト」は実体のない魔影生物である。これは暗黒闘気の集合体で、生命エネルギーだけの生物であり彼自身は「ガス生命体と幽霊の中間のような存在」と説明している。ゆえに自らを鍛え強くなることができないため、自身を鍛えて強くなった強者を敵味方問わず羨み尊敬する傾向があり、またその反対の性格の者をこれも敵味方問わず軽蔑する。それは袂を分かったハドラーやバラン、クロコダインに対しても、最後まで魔王軍であり後に自分の部下となったザボエラに対しても変わらない。特にハドラーとは一定の親交を築き、彼から礼を述べられたり、その身を案じたりもした。最終的にはハドラーへの情よりもバーンへの忠誠を優先して彼を見捨てたが敬意そのものは継続しており、ダイ一行を一度破った後にザボエラがハドラーを侮辱した発言をした際には「お前ごときにハドラーを卑下する資格はない」と警告し、金属生命体のヒムがハドラーの生まれ変わりを自称した際には憤慨している。

例外はキルバーンである。キルバーンは本来ミストバーンが忌み嫌う卑劣で残虐な戦術をモットーとする対極の性格の人物でありながら、バーンと初対面で一歩もたじろがず、「バーンの抹殺」という本来の任務を見抜かれた後も態度を変えなかった様子に感心し、同僚となった後も不思議と気が合い、友人となっていた。なお、キルバーン登場以前のミストバーンは通り名として本名である「ミスト」を使っていたのだが、その後はキルバーンの素性を周囲に隠すため「主人であるバーンの名を貰った幹部」という表向きの理由を作るため現在の名前となった。そのため、キルバーンが「ミスト」と言うのは昔からの本名で呼んでいたためだが、ミストバーンが「キル」と言うのは愛称としてである。

外観・性質

魔影生物としての性質上、実体がないために物理攻撃は一切効かず、自身も敵を攻撃することはできない。しかし生物の肉体に憑依し、他者の体を乗っ取る能力を持つ。乗り移れる肉体は生命活動を行っていない物でも構わず、この能力を見込まれてバーンに拾われた後は、「凍れる時の秘法」を施された彼の本来の肉体を預かってまとわりつき、またその肉体の存在と自身の正体を「闇の衣」を着用することによって隠し「ミストバーン」と名乗っていた。「凍れる時の秘法」により時間が停止したバーンの肉体を動かしているため、肉体は極大消滅呪文メドローアを除いたあらゆる攻撃を受け付けないが、本体である彼は暗黒闘気の集合体という体質上、光の闘気を弱点とし、これを用いた攻撃ならダメージを与えられる。

普段は着用している「闇の衣」から覗く部分が黒い影となっており、両目と胸の部分が丸く光った姿をしている。しかしバーンの許可を前提に「闇の衣」を解き放つことで彼の肉体に入り込み、その身体能力を使用できる。この時のミストバーンは自身の肉体を保存する「凍れる時の秘法」の特性に加え、バーンの肉体の高い身体能力を自由に使うことが可能である(なお、バーンの魔法力もいくらか肉体に残っているらしく、黒のコアを爆発させるバーン自身の魔法力を放つこともできる)。ミスト本体がバーンの肉体内部にいるため、通常の光の闘気による攻撃も無効化され、「凍れる時の秘法」を唯一打ち破るメドローアでさえも、バーンの超必殺技の一つであるフェニックスウイングを使用すれば回避可能。これらのことから魔王軍六団長はバランが最強とされているが、事実上最強なのは闇の衣を剥ぎ取った状態の彼であり、作中でも魔王軍最強を自負している。

最終決戦の時はバーンもダイに苦戦していて許可を得ることができなかったため、やむを得ず無断で使用。バーンと対話可能となった時点では、彼がミストに肉体の返却を求めるほど追い詰められていたので事実上不問とされた。

ヒュンケルとの師弟関係

アバンの元を離れたヒュンケルを助けて彼の師となったのは、万一バーンに肉体を返すことになった際に、彼の肉体をメインボディとして使用するためであった。長年にわたりヒュンケルに暗黒闘気の使い方を教え込むことで自分と彼の暗黒闘気の相性を最高のものとしており、バーンと比べて戦闘能力では大きく劣るものの、ヒュンケルの肉体を乗っ取ったならばミストバーンに匹敵する最強戦士になれると述べている。なお、乗っ取った肉体がダメージを受けても、ミストにはその痛みは伝わらず限界を超えてその肉体を酷使することができるため、すでに戦闘不能となっていたヒュンケルに乗り移っても問題はなかった。バーンに肉体を返した後、一時的にマァムに取り憑き次いでヒュンケルに乗り移ろうとした。だがこれを察知していた彼は魂に光の闘気を溜め込んでおり、その中に飲み込まれて最期を迎えた。

口数について

バーンの肉体を借りているという事実を隠すため、バーンと同じ声をみだりに発することがないように滅多に口をきかないとされていた。だがストーリーが進むにつれ、かなり口数が多くなった。

当初は会話相手を慎重に選んでいたはずが、群集へ死刑宣告を下し、不特定多数へ声を聞かせてしまう場面もあった。そもそも、バーンの肉体を使用する前後で声が違うというシーンがあることや正体を明かした際のミストバーンの描写を見ると、彼は他者の肉体に取り付いている間であっても自分本来の肉声を出すことができ、わざわざ発言を控える必要はない(ミスト独自の声については物語終盤で明かされ、序盤からの設定と矛盾している)。もっとも、マァムに取りついた際は正体が明らかになっているのにもかかわらず、わざわざマァムの口を使い声を出していることから、劇中の「完全に能力を引き出して操る」ためには肉体本人の口を使わねばならない、あるいはよほど意識しなければ自分の口ではなく憑依した相手の身体を利用してしまうということも考えられる。死刑宣告にしても、鬼岩城撃破後の様子から鬼岩城を破壊されて敗退という事態など微塵も予想していなかったことから「全滅」を考えていたともみられる。

なお、ミストバーンが多く喋りはじめた時期におけるキルバーンの発言によれば「ミストバーンは必要がなければ何百年でも黙りっぱなし」、ヒュンケルの発言によれば「俺にものを教える時ですらろくに喋らなかった」とのことである。

必殺技

全て肉体に纏わりついている状態の時のもの。

ビュートデストリンガー鋭い爪を高速で伸ばして離れた相手を貫いたり、からめとって捕獲したりする。左右どちらの手でも使用でき、地中を掘り進むことも可能。デストリンガー・ブレード爪を揃えて剣のように伸ばし、近接戦での武器とする。闘魔傀儡掌掌から放つ暗黒闘気の糸で相手を束縛し、意のままに操る。ヒュンケルにもこの技は教授された。強力な光の闘気や暗黒闘気などを持つ相手には束縛を破られてしまうことがある。闘魔滅砕陣足元から蜘蛛の巣のように暗黒闘気の糸を周囲に張り、同時に複数体の相手を束縛する。ポップやマァム、クロコダインなどを同時に完全に束縛してしまう強力な技だが、傀儡掌と同じく強力な闘気によって束縛を破られてしまうこともある。ダイやヒュンケルの「空」の技に打ち破られたほか、新生ヒムには踏みつけられただけでかき消された。闘魔最終掌掌に全暗黒闘気を集中させ、敵を握りつぶす。その威力にはオリハルコンでさえ耐えられない。通常時のミストバーンの最強の技でもある。フェニックスウイング本来はバーンの技で、闇の衣を取り払った時のみ使用可能。超高速の掌圧による衝撃波で、攻撃をはじき返す。

このほかに闇の衣を纏った状態で、呪文を正面から衣の内側に受けて増幅して撃ち返すという技も披露している。同じ呪文反射でもフォームなどから見てフェニックスウィングとは異なる技のようだが、原理や名称は不明である。

補足

のちに発売されたコンビニコミックでは、「バーン以外のキャラクターに乗り移ったらどうなるか」という企画があった。

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