時と星を見下ろす賢者

ページ名:時と星を見下ろす賢者

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クロスxベース

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キャラ詳細

 

久しぶりに国に帰ってみれば、惨憺たる光景が広がっておるではないか。
魔導部隊らの謀反の果てに暴君が殺され、絶対王政に蝕まれていた国に自由と平和が齎される。かと思いきや、有権者は新しく築くべき政を放棄し、城には王の暗殺に与した者をただただ闇雲に吊るし上げる輩で溢れかえっておる。自立心をとうの昔に失った彼らにとっては、史上稀に見る暗君ですら光明の導だったのだ。
だが私にとって、この未来はとうに見据えていた些末事。それよりも気がかりなのは、王との刺し違いで死んだはずの弟子の所在。おそらく実際に死んだのは弟子本人ではない。今もこの世界のどこかで生き長らえているのだろうか?


天才は人々に多くの恵みを容易に齎すことができるが、一歩道を誤れば地獄を呼び寄せる大きな災いに転ずる。それは今のこの国に来れば一目瞭然だろう。
私の弟子は自らが信ずる正義を以って平和を成すことが最大の喜びであった。想像もつかなかっただろう。よもや平和のために振るっていた正義がこの惨状を創り出してしまうなど。どれほど打ちのめされただろう。どれほど恐れただろう。たまらず逃げ出した自分に、どれだけ絶望しているだろう。


予見していたときよりも早かった。弟子が生き長らえていたのは見えていたが、同年代の少女を侍らせているのは予想外だった。上司と部下という間柄でしか関係を作れなかった生真面目な小娘が、随分変わったものだ。
彼女らを知る人に聞いてみれば、何とも凸凹な、それでいて絶妙に噛み合っている愉快な旅の師弟なのだそう。
私の気がかりは杞憂に終わった。が、人ごみの隙間から覗き見た弟子の表情には、まだ翳りが残っている。おそらく、未だに叶えられていない望みが作った影だろう
……
少しだけかき乱してみようか。まずは傍らの少女の素性を見極めるため近づいてみる。


私の狙いは間違っていなかったようだ。少女──ローシャという名前らしい──に託した『レンジシーラー』を利用したとはいえ、常勝無敗の弟子の意表をあからさまに突いたのは、おそらく彼女が初めてなのではないだろうか。彼女ならばきっと弟子──キィカ──を真の意味で救うことが出来るやも知れぬ
……そろそろ頃合いだろう、久しぶりに弟子に道を示す時が──って、えっ、おぬし何奴……っ?え、おまわりさん?いやその、これはオシャレで……違う?ストーカー?いやいや違うそのワシそんなつもりじゃ、あのあのあのあの──

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コメント

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名無し

この「弟子」はもしかしてハインちゃんの事?

返信
2019-03-29 15:24:06

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