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CeGCC は Windows CE デバイス向けのオープンソースの非公式開発環境で、UNIX 環境で動作します。Cygwin や WSL を使えば Windows 環境でも利用できます。第5世代向けアプリはこの方法では作成不可能です。
GCC 9.3.0 をベースに移植されている版を用いて説明します。
UNIX と同じです。
パッケージ libmpc3 が必要です。32-bit 版の場合はこちらから .tar.gz ファイルを、64-bit 版の場合はこちらをダウンロード・展開して利用します。PATH を設定した場合は arm-mingw32ce-g++ -v、設定していない場合は (配置場所)/bin/arm-mingw32ce-g++ -v を実行します。PATH を設定した後、既存のターミナルは開き直さないと反映されないことに注意します。これによって以下のような出力が得られれば環境構築は終了です。コマンドが見つからない等のエラーが出た場合は、正しく環境構築できていません。
Cygwin や WSL が使えない場合は、こちらをダウンロード・展開して使用します。ただし、arm-mingw32ce-windres が動作しません。使用にあたっては、付属の openTerminal.bat で起動したコマンドプロンプト上で使用するか、setting.bat の内容を参考に環境変数 PATH を設定するかのどちらかが必要です。
最も簡単、確実、高速な方法です。ただし、APT をパッケージ管理に用いる Linux ディストリビューション (Debianやその派生など) が必要で、パッケージも AMD64 用しか提供されていません。
[trusted=yes] は Ubuntu では必須なため記載していますが、システムによっては不要な場合があるので適宜取り除きます。
終わったら arm-mingw32ce-g++ -v を実行し、以下のような出力が得られれば環境構築は完了です。コマンドが見つからない等のエラーが出た場合は、正しくインストールできていません。
アンインストールは通常のパッケージと同様に行えます。必要に応じて、sudo apt autoremove による一掃や、/etc/apt/sources.list.d/gcc-arm-mingw32ce.list の削除も行います。
APT を採用しないシステムでコンパイル済みバイナリを使用する方法です。
Debian 10 Buster AMD64、Ubuntu 20.04 AMD64、Intel Mac AMD64 から最も自身のシステムに近いものをダウンロードし、適当な場所に展開します。
必要に応じて PATH に追加します。以下はインストール先が /opt/cegcc であり、環境変数をシステムに設定する例です。なお、この場合設定の反映には ~/.profile の読み込みまたはシステムの再起動が必要です。
PATH を設定した場合は arm-mingw32ce-g++ -v、設定していない場合は (配置場所)/bin/arm-mingw32ce-g++ -v を実行します。これによって以下のような出力が得られれば環境構築は完了です。コマンドが見つからない等のエラーが出た場合は、正しくインストールできていません。
以上の方法が使えないシステムでは、ソースからビルドすることで自分のシステム用のコンパイラを生成することができます。ただし、Apple Silicon Mac ではコンパイルに失敗することが知られています。また、GCC は巨大なプログラムであるため、かなり時間が掛かります。性能にもよりますが、数時間はかかると思われます。
必要なパッケージを取得します。APT を用いないシステムでは、等価なものを適切な方法で取得してください。
CeGCC のソースコードを取得します。Submodule 機能が使用されているため、--recursive を忘れないでください[1]。これには少し時間が掛かります。
CeGCC をインストールするディレクトリを作成し、所有者を自身に設定して書き込めるようにします。以下のコマンドの /path/to/install をインストールしたい場所で置き換えてください。よく分からない場合は /opt/cegcc とします。自身のホームディレクトリ下に配置する場合は sudo 無しで mkdir すれば十分です。
CeGCC のコンパイル中に使用するディレクトリを作成し、そこに移動します。通常は以下のコマンドで問題ありません。
いよいよ CeGCC をコンパイルします。これにはかなりの時間が掛かります。-j の直後には並行処理数を指定し、--prefix= の直後には先ほど作成したインストール先ディレクトリを指定します。以下は、並行処理数を論理コア数[2]、インストール先を /opt/cegcc とした例です。なお、このコマンドを実行する時点で、$OLDPWD がソースコードのディレクトリ (cegcc-build) を指している必要があります。以上の手順を順番に行っていればこれは満たされているはずですが、途中で異なる操作を行った場合は変化している可能性があるため、$OLDPWD の部分を cegcc-build のパスで置き換えます。システムによっては --prefix= に各種パッケージのパス等も指定する必要があります。
完了したら、以下の出力とともに終了します。取得したソースコード、パッケージ、一時ディレクトリは削除しても構いません。エラーメッセージの場合は、その内容を元に調整して再度やり直してください。やり直す場合は、一時ディレクトリとインストール先ディレクトリの中身を空に戻しておくことを推奨します。
以降の流れは、前節のコンパイル済みバイナリを使用する場合と同じです。アンインストールはインストール先ディレクトリを削除することで可能です。必要に応じて PATH も戻します。
ソースコードがあるディレクトリで
を実行すると AppMain.exe が生成されるので、これをアプリの起動方法に従って起動します。C 言語を用いる場合は g++、gnu++2a の部分をそれぞれ gcc、gnu2x に置き換えます。ソースコードの拡張子はもちろん .c になります。
一般的な GCC の使い方はここでは説明しきれないので、別で調べてください。また、外部ライブラリを使う場合やリンカエラーが出た場合は、必要なライブラリファイルを -l(ライブラリ名) の形でコンパイルオプションに追加します。Windows API 関数がどのライブラリで提供されるかは、「関数名 Windows CE」で出てくる MS の記事の一番下に書いてあります。上記のコンパイルオプションでは頻繁に使用される commctrl, commdlg, mmtimer を既に追加してあります。
リソースの埋め込みは通常通り arm-mingw32ce-windres を使えば可能です。参考までに、コマンドライン引数として C/C++ ソースファイル名を受け取り、resource.rc があればそれもコンパイルしてバイナリを生成するスクリプトを掲載しておきます: C / C++
文字コードは UTF-8 を使用できます。また GCC 9.3.0 ベースなので C++17 に対応し、C++20 にも部分的に対応します。上のコンパイルオプションでは C++20 を有効化させています。
ヘッダファイルは Windows PC のものを流用しているらしく、CE のものと定数が異なり変な挙動をすることがあります。例えば、最小化ボタンを表示させたはずが最大化ボタンが出たり、起動時に最大化するようにしたのに変化しなかったりします。Microsoft eMbedded Visual C++ 4.0、Pocket GCC 等の他のコンパイラに付属のヘッダファイルを参考に直接書き換えたり、ソースコード中で定義し直したり、直接数値で指定したりして対応します。
なお、ソースコード中での再定義は windows.h をインクルードした直後に以下のように記述することで行えます。以下は一部を修正するのみですが、他の定数も同様にして修正できます。
デフォルトでは Windows CE 3.0 でも動くものが生成されます。Linux 環境にインストールするのが無難です。
まず、32-bit 版の libgmp と libmpfr をインストールします。64-bit 版 Linux でも 32-bit 版が必要です。次に、ARM 用の CeGCC を /opt 以下に展開し、各種環境変数を設定します。その後、ln -s を用いて libgmp.so.3 と libmpfr.so.1 のシンボリックリンクを作成します。
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