オオクワガタオージャー/ラクレス・ハスティー

ページ名:オオクワガタオージャー_ラクレス_ハスティー

登録日:2023/03/19 Sun 09:18:30
更新日:2024/07/05 Fri 11:01:30NEW!
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私は常にチキューの平和を願っている。




ラクレス・ハスティーとは、特撮テレビドラマ『王様戦隊キングオージャー』の登場人物。通称「ラ王」。


演:矢野聖人



【人物】

「すべての始まり」である最強の工業国・シュゴッダムの現国王。一人称は「私」
常に世界平和を願うカリスマ性のある為政者で、秩序維持の為には己の命を捧げることも厭わない。
その性格故、臣下や国民からは絶大な人気を誇っている程に信頼されている。
だが、突然国民に追加徴税を要求するなど不審な行動も目立ち始めており……?



以下ネタバレ注意

















【ラクレスの素顔】


真の平和は絶対的な力によってもたらされる。だからこそ、私の力で五王国を1つにする。


全ての国がシュゴッダムにひれ伏すまで私は戦い続ける。たとえどれだけの犠牲を払おうとも。



上記の振る舞いは表の顔に過ぎず、その本性は「民は道具。私が国だ」と称する冷酷にして傲慢な独裁者。
真の目的は地帝国バグナラクの復活に乗じて他国を侵略し、自国の巨大な軍事力によってチキューを統一すること」であり、そのためなら国民の犠牲も厭わない。
それどころか、守るべき国民が傷ついているのに「尊い犠牲だ」と開き直ったり、自身は戦わずに玉座で盃を手にふんぞり返っていたりとまさに「邪悪の王」である。
おかげで序盤では本来の敵組織であるバグナラクの存在を完全に喰っていたどころか、ラクレスのように引きこもらず前線に赴くデズナラク8世の評価が相対的に上がる珍事が起きてしまった
そうした傲慢さの滲む振る舞いは他国に対しても同様で、同盟調印式の際もヤンマヒメノリタカグラギの四王が円卓に座しているのに対し、一人だけ彼らを見下ろすように玉座に腰掛けている様子からもそれがうかがえる。
当然彼らにも内心快く思われておらず、とりわけ自国・ンコソパをシュゴッダムから属国扱いされていたヤンマは、ラクレスの野心に薄々気付いていたのもあって不快感を隠そうともせず「考えることが違う」と皮肉交じりに吐き捨てていた。
結果的に彼が同盟を拒んだことで、ラクレスの野望の実現が一歩近づいた事態は現状回避されている。
一方、妹のスズメ・ディボウスキを人質に取っていることで自分に(少なくとも外見上は)従順なカグラギのことは食えない奴と認識しながらも「あの男の前だと口が軽くなってしまう」と自嘲するなど、どこか共感に近いものを抱いている節が見られる。
また自国の軍事力と権威に過剰な自信を抱いている節が見られ、五大国共通の敵たるバグナラクを現時点で「チキュー統一の口実」「自分の力を誇示する踏み台」程度にしか見なしていない様子。
それも侵攻の第一陣で首都を徹底的に荒らされた後であるにもかかわらず、である。


ただし、自身の行いに異を唱える家臣がいないなど、人格に反して人望は紛れもなく本物。
主役を務めるスピンオフドラマ『王様戦隊キングオージャー ラクレス王の秘密』においては研究者達に王家の歴史を調べさせているが、「王家の秘密を解き明かした後は秘密保持のために処刑する」と宣告されても、彼らから「骨は拾ってくださいね」と忠義を捧げられる程である。
民との交流も行っているようであり、その際には民に対して「お体を大事になさってください」と王族とは思えないほど丁寧な物腰で接しており、表面上は間違いなく仁君として振舞えている*1
先述の追加徴税も当の国民からは「ラクレス様がそんなことを言うはずがない」と否定していた上、ギラもラクレスの本性を知った時は驚きを隠しきれていなかった。
こうして培った実績と信頼を元に不測の事態も自分にとって有利な方へ転ぶように立ち回っており、他の四王国も表立っての追及ができないばかりか、
後述の19話で本国に戻って戦うギラの姿を見てもなお国民達は「反逆者とバグナラクが戦っている」ことは理解しつつも、この場にいないラクレスには何の不信も抱いていなかった。
戦闘力でも小細工抜きでギラを圧倒するなど、政治的手腕・個人的武力において現状は彼の上位互換であり、最強国家シュゴッダムの王に相応しい実力を持つ。


以上のようにシリアスに徹底した人物だが、王達が企てる悪だくみ作戦のイメージ映像でキャラ崩壊する面白い人と化すシーンも。
※例:ギラの偽の葬儀で驚きのあまり白目を剥く、ヤンマが仕掛けたブーブークッションに引っかかって恥ずかしさのあまり泣きそうになる。



【劇中での活躍】

バグナラク襲来に備えて五大国の同盟を結び、そのリーダーとなることで目的を達しようとする。
同盟に同意する4人の王。しかし、ヤンマだけは他の3人のように剣に誓おうとせず、逆にラクレスに「てめぇがリーダー面する道理は何だ」と問い返す。


「始まりの国」だからだ。
キングオージャーはゴッドクワガタ無くしては蘇らない。であれば、私がその任を担うのは当然の責務だ。


昔話は聞いてねぇ。2千年間ビクともしなかったゴッドクワガタを電子制御して動かしたのは、この俺だ。



同じ王でありながら、自分達を露骨に見下すラクレスの態度が鼻に付くのは事実。しかしバグナラク復活という現実的な危機を前に、王同士で揉めている場合ではないのもまた事実。
そうヤンマを諫めようとするカグラギとリタだったが、ラクレスの野心と本性を見抜いていたヤンマは引き下がらない。


こいつは予言とやらを口実に力を独占してぇだけだ。……そうなんだろ?


私は常にチキューの平和を願っている。むしろ力を欲しているのは君のほうではないか?


……舐めんじゃねぇぞ。俺は降りる。



結局ヤンマが同盟を断ったことで話し合いは終わり、五大国のリーダーシップを握る目論見は泡と消えた。
しかし逆にそれを「ヤンマ・ガストの自分勝手な振る舞いのせいでゴッドクワガタが目覚めず、自国が危機に晒された」とンコソパを侵略する口実にしようとした。


そして、その矢先に予言通りバグナラクが侵攻を開始。
第一の刺客ダンジームと戦闘員サナギムの大軍が首都を襲撃する中でも、兵を一切出さず高みの見物を決め込み、王城に乗り込んだギラに「民を守るのが王ではないのか」と指摘されても、冷酷な姿勢を非難されても意に介さず嘲笑する。
だが、その得手勝手な態度に激怒したギラにオージャカリバーとマントを奪われ、さらにはギラがゴッドクワガタを目覚めさせたことに愕然。


反逆者の名はギラ。捕まえ次第……


死罪とする!!



当然このような事態を容認するはずもなく、以降は邪悪の王を名乗るギラを処刑すべく国際指名手配した。


第2話ではギラを連れ去ったヤンマを糾弾し、ンコソパとの同盟解消及び防衛出動の拒否を宣言。さらにヤンマに「同盟解消を取り消してほしければ、死んでいった我が国の民に跪いて詫びるのだ」と土下座を要求した。そもそもあんたが戦っていればもっと犠牲者を減らせたんじゃないか
この謝罪はヤンマが突っぱねたことで取引は不成立となったが、第3話ではカグラギに三大守護神の一体・ゴッドカブトのシュゴッドソウルを貸す等、変わらずギラを狙い続ける。
続く第4話の回想シーンでは、人間を嫌うゴッドカブトを「人間を拒むなら従順にしてしまえば良い」と洗脳し、物言わぬ兵器にしていたことが判明。
なお、実際にその洗脳作業を行ったのは「下請け」だった頃のヤンマだが、彼としても不本意だったようで渋々という表情を隠していなかった。


その後、第5話ではカグラギがギラをゴッカンの国際裁判所に突き出したと聞き、嬉々として裁判の傍聴に参加。
当然国家反逆罪及び国家侵略罪で死刑になるものと思っていたが……


被告人ギラは……無罪。


……失礼、よく聞き取れなかったが?


無罪だ。む・ざ・い。


何とギラは逆転無罪。
リタの調査とヤンマ、ヒメノの協力、そしてカグラギの全く当てにならない証言によって、衝撃の真実が明かされた。
ギラの本名はギラ・ハスティー。シュゴッダム王家ハスティー家の次男。
つまりラクレスとギラは実の兄弟だったのである。


即ちギラはシュゴッダムの正当な王位継承者であることが判明。
つまりオージャカリバーとゴッドクワガタを奪ったのは「国王に対する反逆」ではなく「王族として戦う義務を果たした」だけでしかなく、国際法に則れば何の問題も無い行為。
同時にギラがキングオージャーで他国を侵略するどころか、むしろバグナラクの攻撃から人々を守るべく率先して戦っていた事実も明らかにされた。
また、これによってラクレスがギラとの関係を隠して彼を反逆者扱いしたという事実も浮き上がることに。
蓋を開いてみれば、他の四国は単にシュゴッダムのお家騒動に巻き込まれただけに過ぎず、そこにリタがギラを犯罪者として裁く理由は一切なかった。
淡々と詰めて来るリタにラクレスは何も反証出来ず、苦し紛れに吐き出した「奴を解放するということはこの私を敵に回すということだぞ」という恫喝も通用せず。結局怒りに震えながら退廷するしかなかった。
当のリタ様は内心かなりドキドキだっただろうけど。


なお、ラクレスとギラの関係を頭に入れた上で第1話を見返すと

  • 王宮に潜入したギラにラクレスは一切驚いておらず、むしろ来るのが当たり前と言わんばかりの表情をしていた
  • ドゥーガがギラを斬ろうとした時に「やめろ」と静止させている
  • ギラにオージャカリバーとマントを奪われた時に、何故か奪い返そうとしなかった

……など、あの時点でラクレスはギラが弟だと気付いていたと思わしき伏線が散りばめられている。


だが、ここで謎も残る。
第5話で挿入された回想シーンによると、少年時代の彼は弟ギラと仲の良い優しい兄であり、後の冷酷な独裁者の顔など一切うかがえなかった。
そもそもギラの方も、元々王宮育ちだったはずなのに孤児院で暮らしていたのかは不明である。
2人は何故離れ離れになったのか、そして離れ離れになった後一体何があったのだろうか……?


第6話ではシュゴッダムに帰還したギラを「我が弟よ!」と言って笑顔で歓迎するというふてぶてしい姿を見せた。
これからは共に力を合わせてシュゴッダムを繁栄させようと語り掛けるが、既に本性を知っていたギラは聞く耳を持たず、逆に「民は道具、私が国だ」という先の発言をヤンマ達の前で暴露される。
形はそれぞれで異なれど、国民に真摯に向き合ってきた彼らにとってそれは看過し難い暴言。
はっきりとした嫌悪と軽蔑の視線をラクレスに向けるヤンマとヒメノ。背を向けながらも激情に身を震わせるカグラギ。失望に目を伏せるリタ。
剣呑な雰囲気が王城内を包む中、改めて開かれたバグナラク対策会議。
目下の議題は各国に設置された時限爆弾を兼ねた巨大繭であり、それをどうにかするにはやはりキングオージャーの力しかない。
しかしそこでさらに株を下げる言動に出るラクレス。



シュゴッダムは五王国同盟を破棄する。



そう言うや否や、リタが掲げていた同盟条文を文字通り真っ二つに斬り捨てたのである。
自らが発起した筈の同盟を、それもこの窮地を前に自ら破棄するという行動には全員が目を見張った。直前まで笑みを繕っていたカグラギさえも言葉を失った。


キングオージャーはシュゴッダムが独占する。
国を守りたいなら私に忠誠を誓え。そうすれば守護神の力を分け与えよう。


国を渡せと……?



それはもはや四国に対する宣戦布告も同然だった。


第8話のギラとの決闘裁判では、オオクワガタオージャーに変身しクワガタオージャーを真っ向から叩きのめし勝利。
ギラを崖から突き落としたが、トドメの一撃は何故かわざと急所を外している。


バグナラクの世界同時侵攻が本格化する中、あくまでシュゴッダム(と自分)の面子とギラの身柄にこだわるラクレス。
果たしてその行方は……?



堕落を極めし暴君の末路

その後も他の王達と何度も衝突を繰り返してきたラクレス。
そんな彼は第15話にて突如、「バグナラクとの和平」という目的を掲げ、その為にかねてから人間とバグナラクの共存を夢見てきたジェラミー・ブラシエリや、スズメの身柄を盾に従わせたカグラギを巻き込んで動き出す。
そして、意外にもその王であるデズナラク8世とは円滑に話が進んだらしく、実際に和平を成立させて見せた。


……だが、これはあくまでもシュゴッダムとバグナラクの2国間だけの話。
全てはバグナラクの兵力を自分に引き込むことによって、他の4王国を征服する力を身に付けるのが真の目的だった。
しかも和平の交渉材料として、永い眠りについていたバグナラクの英雄・ダイゴーグをシュゴッダムの技術力で蘇らせてしまっていた。


そうしてまんまとバグナラクの力を自陣営に引き込んだラクレスは、第16話以降、本格的に侵略行為に乗り出し、
正式に属国となったトウフ以外の国にサナギムを差し向け、さらに自身はダイゴーグと共にンコソパに出向き、そこでヤンマを殺害しようとする。
しかし、ここで遂に長い間身を隠していたギラが登場し、ヤンマを救助。
第18話にて再び因縁の戦いへともつれ込むと、ラクレスはハスティー家の秘宝・オージャクラウンを発動し、その力でパワーアップ。
いとも簡単にクワガタオージャーを下すが、ジェラミーの手引きもあって取り逃がした。


その後、王達が結集するイシャバーナに向けてキングオージャーZEROを駆り出し、不完全なキングオージャーを圧倒する。
だがここで動いたのはカグラギだった。
元々カグラギはラクレスの暴走をかねてから懸念しており、スズメを婚約者候補として差し出したのもラクレスに表向き取り入ると同時に、いつの日か失脚にまで追いやることが本当の目的だった。
そして利害も損得も関係なく、自分達兄妹を気に掛けてくれたギラの恩に報いることも。


お前のやること成すこと……全て、私の力を奪うためだったのか!


はて……何のことやら。ラクレス殿はご乱心のご様子。
トウフ国にはこのような諺がございましてな。「赤子と阿呆には包丁を持たすな」。


その王冠はシュゴッダムの王にだけ許されたものだ!お前にそれを手にする資格はない!


だがラクレス殿には似合わない!そして私はもっと相応しい方を知っています!



コーカサスカブト城に隠していたオージャクラウンランスを王冠諸共奪われてしまい、それらを受け取ったギラはキングクワガタオージャーへと覚醒。
さらには伝説を超えた14体合体の巨神・エクストリームキングオージャーの降臨によってキングオージャーZEROも敗北。
シュゴッダムへの敗走を余儀なくされるが、その時には既に国そのものがバグナラクに占拠されていた。



お帰りなさいませ……人とバグナラクが共に生きる国、新たなるシュゴッダムへ!



ラクレスがジェラミーを始め、周りの人々の想いを利用して踏みにじったのと同じく、バグナラクにとっても和平交渉は人間界侵略の為の足掛かりでしかなかったのだ。


第19話の時点で市内には無数のサナギムが溢れかえって人々を弾圧し、自身も傀儡政権の駒として祭り上げられたラクレスだったが、事態を見かねて新たに発足された「王様戦隊キングオージャー」がバグナラクを追い出したことで何とか事なきを得た。
あとは今までの罪で逮捕するだけ……と思われたのだが、ヤンマとジェラミーが個人的な制裁を加えたがために、それ以上罪を追及できなくなってしまう。


ちょっとビビらせただけじゃねぇかよ! だぁもう!中立面倒臭ぇ!


こっちの台詞だ。余計な真似を……ウ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!



無論当人も自首する気などなく面々が頭を抱える中で、ギラがラクレスに決闘裁判を申し込んだ。


第20話における実際の決闘裁判では、お互いに初戦と同じくそれぞれ「ギラが勝てば王座をギラに明け渡す」「ラクレスが勝てばギラを終生牢屋に幽閉する」という条件を出して激突。
取り返したオージャクラウンを使用し、キングオオクワガタオージャーによる圧倒的な戦力差で一度は優位に立つも、機転を利かせたクワガタオージャーの身のこなしの前に徐々に形勢が逆転し、ついに変身解除にまで追い込まれた。
それでも依然として引く気のないラクレスだが、ギラは兄の目の前で自身もまた変身を解除。
「今までの悪行を白状してシュゴッダムの民達に謝れば自分が降参する」と宣言した。


ギラには始めからラクレスを失脚させる気はなく、ただこのことを伝えたくて、決闘裁判を申し込んだのである。


しかし、ラクレスはそんなギラの慈悲と信頼すらも「甘い」と一蹴。
その上、シュゴッダムの民達が中継で見ているにもかかわらず、まるでヤケを起こしたかのように自身の本性を白日の下に曝け出した。


民は道具、私が国だ!
道具は国に仕え、物を言わず考えない。こき使われ、壊れるまで働く。それこそ道具の───民の幸せだろう?
だから私が……私こそが、国であり続けなければならないのだ!!



この醜態によりシュゴッダムの民達、あのゴローゲまでもが完全にギラ側となる。
再開された戦いにおいてもオージャクラウンを奪われた上に、カグラギの手でランスすらもギラの側に回っていたことで完全に勝ち筋を失い、その渾身の一撃を喰らうと大きく吹き飛ばされ、崖下へと落ちていった。


その後、遺体はすぐに回収されたらしく、既に棺に入れられて葬儀を待つのみとなっているようだが……



疑問点

このように登場人物の視点だけを見れば、「王座に固執し力に溺れ、最後は国民からの信頼さえ失って転落した愚王」としか思えないラクレス。
実際、『ラクレス王の秘密』のナレーションにおいて後に「シュゴッダム史上、最悪の王」と呼ばれる有様。
だが、上記のスピンオフを視聴した後で本編を見返すと、また違った側面が見えてくる。


その『ラクレス王の秘密』はオージャカリバーZEROおよびキングオージャーZEROの開発と、ラクレスがオージャクラウンを手にするまでの物語で、
ギラの出自が明らかとなる5話から約1か月おきに公開されており、ちょうどラクレスが本編から退場する20話の直後に最終話が公開されたが、
エピソード内でラクレスの身近な臣下にスパイが居ることを示唆され、時系列が本編第2話と第3話の間だと判明。


また、スピンオフの中での彼は本編の傲慢さを見せる場面がほとんどと言ってもいいほどに見られず、冷徹ではあっても暴君とは思えぬ振る舞いをしていた。
特に襲撃者に科学者コフキが襲われかけた時には敵の剣を自らの手で受け止め、血を流しながらもコフキを守るという行動を取っていた。


バグナラクに襲撃された本編第1話時点では、王鎧武装するためのオージャカリバーZEROは未完成。オート戦闘できる巨大戦力のキングオージャーZEROも動けない。
ゴッドクワガタやゴッドカブトを動かすにも、ンコソパに事情を説明して頭を下げなければならない。
つまり、当時のラクレスが前線で戦うための手段がシュゴッダム国内に何一つとして無い状況だったとも言える。


また、身近な臣下にバグナラクのスパイがいることは気付いていたが、誰がスパイなのか見当が付かないという状況も出撃を躊躇わせた要因とも取れる。
そんな状態でろくな装備も持たず、前線にのこのこ王が単身で赴こうものなら、バグナラクや他国からすれば絶好の暗殺チャンスだからだ。
プライドを捨てて他の四王に助力を求めるという手段もあるが、それでも大きな借りを作ることになってしまう。
それどころかそれだけならまだマシで、下手に協力した結果潜伏しているスパイを通じて他国の情報までバグナラク側に漏れるという最悪の状況まで起きかねない。
そしてラクレス視点で他国の王たちを見た場合、

  • ンコソパ国王:貧民街での育ちから成り上がった喧嘩腰の男、しかし政治面ではかなりの切れ者
  • イシャバーナ女王:自他ともに認めるわがまま女王、最もバグナラクに情報を流せない医療大国
  • ゴッカン国王:中立であることが重要な立場、それ故に融通の利かない堅物
  • トウフ王殿:口八丁な大嘘つきで、絶対に弱みを見せてはいけない曲者

……といった具合。誰も信用できない。
特にトウフの先代王殿・イロキを追い落とした(とされる)カグラギには、妹スズメを人質に抑え付けている状況も含め決して頼れない。


そして第20話の決闘裁判において「民は道具」と本性を露わにした場面についても、
「国民の前で悪役を演じることにより、ギラが新たな国王として受け入れられやすくする意図があったのでは?」と予想されている*2
というのもこの直前に、とある偶然から潜伏していたバグナラクのスパイが正体を現すという一幕があった*3ため、
ラクレスの抱えていた憂い、国に巣食う獅子身中の虫が完全に消え去ったことになるからである。


果たしてラクレスは力を求めただけの矮小な愚王だったのか。
それとも国と民を思い、一切の退路を断ち悲しみを支配した真の王だったのか。
ラクレス自身が表舞台から退場した今、後に「最悪の王」と呼ばれる男の真意を知る者は誰もいない。


だが、『ラクレス王の秘密』最終話にて、かつて重用していた女科学者ベダリアが生前に口にしていた言葉を思い出しつつ、
「───ああ、そうだな」と寂しげにつぶやく姿はギラの幼き日の記憶にある優しい兄としての姿そのままであり、「最悪の王」とは思えないほどに温和で優しげであった。


第二部開始前にはギラとジェラミーを除く王達が非常にしょうもない理由で罪を犯してゴッカンに投獄された*4ため、「実は一番真面目だったのでは?」と再評価されていたり。



舞い戻る暴君


知を尽くし、絢爛を操り、力を以て支配する……


地を舐め、泥をすすり、天の裁きを受けようと、語り継がるるは我が覇道!


チキューの王、ラクレス・ハスティー。地獄の底から……蘇ったぞ……!



そして、第34話。死したかに思われていたラクレスが生きていたことが判明。
しかもチキューを襲撃した新たな敵・ダグデド・ドゥジャルダン配下となり、素顔を隠すと同時に「シュゴ仮面」として地球に飛ばされた6人の王が帰還するまでの半年間、空席になっていたシュゴッダムの王に返り咲いていた。


さらに王達が不在で手薄になった4王国*5の隙を突き、ダグデド配下の道化達が方々へ侵略する手伝いをしていた。
結果、かねてからの野望であった五王国統一を成し遂げ、イシャバーナの最高級工芸品やトウフの新鮮かつ上質な食糧、ンコソパの最新式デバイスといった各国の富と技術を搾取してシュゴッダムの民達に配ることにより、
路頭に迷う彼らの心の隙間を埋めると同時に自身への忠誠心を植えつけ、自身の支配体制を盤石なものとする。


だがその野心は留まるところを知らず、裏でカグラギとの密会やヒルビル・リッチへの入れ知恵を通じてゴーマ・ローザリアが死ぬように事を運び、
五道化に空席ができるとその後釜になろうとダグデドに頼みこむと色の指定が間違っています。を交換条件に差し出され、それに乗ることに。


そしてその中で、ギラの「正体」をシュゴッダムの民達に明かして彼に対する敵意と不安を煽って孤立させたことを皮切りに、

  • シュゴッダム以外の国の王達をブーブークッション型爆弾「ブーブー爆弾」で爆殺し、統治者のいなくなった国を自然衰退させる
  • そんな危機的状況にある中で混乱する民達をキングコーカサスカブトに乗せ、宇宙船となったそれで避難の名目の下に宇宙へ旅立つ
  • そのまま民達をダグデドの玩具として献上し、次のお片付け遊びに酷使させる

という作戦を展開。 
予め自分と通じていたカグラギ以外の4王の動きを封じることに成功し、自身はギラと3度目の決戦に挑む。


自分の豹変を疑問に思うギラを相も変わらず「甘い」と一蹴し、さらにはカグラギから手渡されたオージャクラウンランスでパワーアップしてギラを追い詰めていく。


その様を嬉々として眺めていたダグデドがそこへ現れると、オージャカリバーZEROに「不死を殺す力」を与えられ、ギラを倒す万全の準備が整う。
そして、「この時を待っていた……」という感嘆とも取れる言葉の後、ラクレスはその刃を振り下ろした。




だが、それが斬り裂いたのはギラではなく、後ろにいたダグデドだった。
何が起こったのか理解できず混乱するダグデドを眼前に捉え、ラクレスは倒れ伏したままのギラに叫ぶ。



立て ギラ


宇宙を救う時だ!



ラクレス王の秘密

ラクレスの真意……それはダグデドの打倒だった。


当時のシュゴッダム国王であるコーサス・ハスティーの第一子として誕生したラクレスは、弟ギラと共に平穏な日々を暮らしていた。
だが、コーサスの体は病に蝕まれており、戴冠の儀に先んじてシュゴッダムと宇蟲王の関係性を伝えられる。
そして、コーサスのある恐ろしい計画を知ってしまう。
ギラをダグデド打倒の道具とすることを。
当然人の親であるコーサスもそれを本心から望んでいるわけがなく、自分達やチキューの民の未来と天秤にかけた末の苦渋の決断である。
しかし、ラクレスにとって大切な家族であるギラを戦いに巻き込むことは耐え難いものであり、コーサスに逆らってギラを王宮から逃がし、孤児院に送ったのだった。


これがラクレスとギラが生き別れとなった真相であり、ギラが王宮に居た頃の記憶が無かったのは、ゴッドクワガタのシュゴットソウル=レインボージュルリラを食べさせられて記憶が混濁していたからである。


間も無くコーサスはカメジムとグローディによって殺害され、それに伴いラクレスが王位を継承。
そして「神の怒り」が起こったあの日、彼はダグデドに圧力をかけられ、荒らされていくチキューをただ見ていることしかできなかった。
その無念と悔しさを滾らせると、ダグデドを倒すためその力をこの手に収めるべく、自ら邪悪の王となることを決意する。


そこから長い長い時間をかけた叛逆計画が幕を開けた。
チキューの全兵力を挙げてダグデドを倒すべく五王国同盟を持ち掛ける、ダグデドの支配を受け付けないZEROシュゴッド達の復活といった策を講じ、戦力を整えていった。
だが、そんな彼にとって完全に想定外の事態が1つ起こった───ギラの参戦である。
まだ年若いにもかかわらず、その身に眠るダグデドの力を目覚めさせてゴッドクワガタを操り、キングオージャーを顕現させた彼の登場で事が上手く運ばなくなり、遂には対ダグデドの切り札にする予定だったキングオージャーZEROが破壊されてしまう。
しかし、ギラの成長速度を見たラクレスはこれを好機と捉え、彼を戦いの切り札として密かに育てることを思いつく。
そのためにもゴッドカブトやオージャクラウンランスといった自身の戦力をギラに渡す必要があったのだが、ここでラクレスは「自分に取り入ろうとするカグラギとその妹スズメがギラに協力するはず」と睨んで逆に彼らを利用していった。
そして2度目の決闘裁判……それはギラを王に据え、さらに強くさせるには打ってつけの機会だった。
だが、ラクレスには1つ懸念点があった───「内通者」の存在である。
自分達のもとで敵に情報を流す者の存在を掴むまで、玉座を譲ることができないと考えたラクレスはこの時にも自分が勝つつもりでいたが、嬉しい誤算というべきか、その決闘裁判の中で内通者の正体が割れる。
あとはギラに玉座を譲るだけ……民衆が見守る中で精一杯の醜態をさらして彼らをギラの味方にすることに成功し、そのまま敗者として一度姿を消した。


実はこの決闘裁判の前に行われたスズメとの結婚式で、ラクレスは彼女に対して遠回しに自身の目的を伝えていた。
決闘裁判に敗北後、彼に賛同したスズメに助けられると、最初の決闘裁判にも用いられていた麻酔薬を投与され長い眠りにつく。
そして目覚めた後はスズメと共に計画を新たな段階に移す。
それこそがダグデドの下への潜入であり、ギラと共に確実に倒せる瞬間を虎視眈々と狙っていたのだった。


時は戻り現在。
ギラと共にダグデドに懸命に立ち向かうも、宇蟲王としての桁違いの戦闘能力にはやはり苦戦を強いられ、変身解除にまで追い込まれる。
それでも決して諦めず、不死殺しの力が宿ったオージャカリバーZEROをギラに投げ渡し、自身はオージャクラウンランスで足止め。
お互いに満身創痍になりながらも、遂にダグデドを倒すことに成功した。


戦いの直後、ラクレスはランスを向けてギラに叫ぶ。


今ここに誓え!!


必ず……必ず民を守ると!


できぬというのなら……玉座は私のものだ……



………僕は、シュゴッダムの王として、あなたの意志を受け継ぐことを誓う……!


……頑張れよ。



それは今までの宿敵としてではない、家族としての言葉だった。
直後、崩れ落ちるラクレスをギラは支え、、、
お兄ちゃん...!
紛れもない、弟としての言葉をこぼしたギラであった。


覇王の大罪

その後、王様戦隊の尽力により一命を取り留めると、法廷でリタに全てを語る。


客観的に見れば、ラクレスの行為には情状酌量の余地はあるものの、彼は罪の軽減を望まず、「最悪の王」として処罰を受ける覚悟を固めていた。
「宇宙を救うという大義」の為に多くの民を見殺しにしたことは紛れもない事実であり、他国…特にンコソパには甚大な被害をもたらした。
それが自身への情けで正当化されるようなことは未来永劫あってはならない。
ラクレスの意思を考慮したリタは、彼に死刑判決を言い渡す…。


が、またしても運命の悪戯が起こった。
ダグデドがミノンガンの能力で復活したのである。
それに伴いリタから取り引きを持ちかけられる。
「刑の執行まで猶予を与える代わりに、宇蟲王を倒すために王様戦隊の道具として生きろ」と。
それは、罪を償い共に戦ってほしいという王達の思いがあった。
ラクレスが出した答えはただ一つ。
「王は国民全員を守る。国民は手の届く大切な人達を守る」という理想の為に…


……戦う…!この命…民を救うために捧げる!!


その後

取り決めにより、王様戦隊の道具として各国の雑用でたらい回しにされる日々を送る羽目になる。
ある日、ンコソパを訪れたギラの目に飛び込んできたのは…


ワタシハ、歯車仕分ケロボット、ロボレス・ハスティー


檻の中でロボットの格好をさせられながら、淡々と歯車を仕分けるラクレスだった。(尚この時のロボットの格好はかつてギラも着たことがある物で、オフショットではこれを着た写真がある。)


邪悪の王を演じる必要が無くなったため、コミカルなシーンが増え

  • 簡易決闘裁判の審判をノリノリで務める。
  • ↑リタに「道具は去れ」と言われて「はい」。の二文字で引き下がる。
  • 檻の中で裁縫中に針で手を痛める→同じく檻の中に居たスズメに大げさなほどに心配される。
  • 以降スズメと一緒にいるときはだいたいべったりくっつかれている。
  • ミノンガンの能力で幼児退行したギラを必死にあやす。

「ああ...ギラねんねしな。ほらクワゴンだよ〜。クワゴントント〜ン。はいクワゴントントーン。」←あやすときのセリフ。


尤も、計画の過程で各国に大きな被害を発生させたことには少なからず負い目を感じており、ある意味道具としてこき使われていた方が精神的な負担も減るのかもしれない。
また、王の証の秘密や権力の危険性をヤンマに説くなど、重要な局面でもギラ達を支えている。


その後、六王国の王以外の人物でただ一人「避難計画ゼロ」の詳細を知らされ、ダグデドが直接乗り込んできた最終決戦にて民達の実質的なリーダーとして行動する。
当初は宇宙誕生以来初めてダグデドに肉薄し、自分一人では成し遂げられなかった「民を生かす」ことができた王様戦隊に対する思いから、計画を進めようとしたが、内心では実質的にチキューや王達を見捨てる計画に納得できておらず、側近達の「あの王達だからダグデドに抗えた」という思いに感化され、今度は逆に民や側近達を引き連れて王達が戦う戦場に戻ってくる。



我々はチキューの全国王に反逆し、宇蟲王に反旗を翻す!
聞け!この場においては逃げる者こそ正義だ……だが王に背く、邪悪なる意志を抱く者は集え!


共に王を救うぞ!



そうして、再びオージャカリバーZEROを手にダグデドが作り出した再生怪ジーム軍団相手に奮闘し、その途中でデズナラク8世共々カメジムを相手取る。
ラクレスにとっては、忠臣を奪われた挙句その姿と名前を騙られて尊厳をこれでもかという程踏みにじられ、情報の流出によって戦いを激化させられた因縁深い相手……それまでの怒りと無念を込めた連続攻撃によって大きなダメージを与えた。


戦いが完全に終結した後は、ゴッカンの牢獄で服役している模様。
だが、今まで背負ってきたものから解放されたこと……何より、スズメという伴侶に恵まれ、今尚世話を焼かれるその姿に、もう「邪悪の王」としての険しさは全く残ってなかったのだった。




【オオクワガタオージャー】


私はラクレス・ハスティー……“始まりの国の王”……!



Oh-Qua Godオオクワガタ!!



これが運命だ……!王鎧武装!



Lord of the!


Lord of the, Lord of the SHUGOD!



オオクワガタオージャー!!




画像出典:王様戦隊キングオージャー 第8話『王と王子の決闘裁判』より(2023年4月23日放送)

©テレビ朝日・東映・東映AG



CV:矢野聖人
スーツアクター:今井靖彦(本編)、青木哲也(ラクレス王の秘密)


ラクレスがオージャカリバーZEROを用いて変身する戦士。モチーフはオオクワガタ
ギラの変身するクワガタオージャーと同型だが、こちらは全身銀色になっている*6


オージャカリバーZERO一本のみでもその実力は高く、パワープレイと隙のない剣技で敵をねじ伏せる。
『ラクレス王の秘密』第3話ではキングズウエポンを使用。しかも戦闘中に様々なモードに変形させるほど使いこなしており、シデジームを圧倒していた。


変身音声が現代のキングオージャーと異なり、直訳すると「シュゴッドの支配者」となる。
しかし49話で披露された「王の双剣」と並んでの名乗り口上を考えると、シュゴッドを讃え加護を祈る文句を変身音声に組み込んだものだと思われる。



装備

  • オージャカリバーZERO

ラクレスの専用武器である黄金の王剣。
2000年前の初代シュゴッダム国王ライニオール・ハスティーから継承されており、ハスティー家の者しか扱うことができない。
鍔のクワガタトリガーを2回操作することでオオクワガタオージャーへと王鎧武装する。
さらにトリガーを3回操作することで必殺技「ロードフィニッシュ」を発動させる。



キングオオクワガタオージャー


王鎧武装……始祖、光来!!



You are! I am!


We are the, We are the!


KING! KING! KING-OHGER!!


画像出典:王様戦隊キングオージャー 第18話『始まりの王冠』より(2023年7月2日放送)

©テレビ朝日・東映・東映AG


第18話にて初登場のオオクワガタオージャーの強化形態。
オオクワガタオージャーがハスティー家の秘宝たる王冠オージャクラウンを被ることで、さらなる変身が発動。
オオクワガタオージャーの全身に金色の甲冑「ゴールドクワガタアーマー」が装着され、後部に二振りのマント「キングオーサマント」が伸びることで強化変身が完了する。
基本的なシルエットはギラの変身するキングクワガタオージャーと同様だが、
あちらが全身金一色になるのに対し、こちらは銀の素体が金の鎧を纏った造形となっており、鎧自体も後述のヒゲをはじめとした銀の装飾が追加される形で差別化されている。


胸部アーマーの中央にはシュゴッダムのエムブレムが施されており、そこから全シュゴッドの加護を受け、戦闘力を飛躍的に上昇させる。
さらにマスクには「キングヒゲイザー」という装飾が施されている。
これは所謂レーダーの役割を担っており、周囲からの攻撃をリアルタイムに探知し相手を返り討ちにする。


戦闘スタイルはオージャカリバーとオージャクラウンともども王家に伝わる長槍「オージャクラウンランス」の二振りで相手を力づくでねじ伏せるもの。
オージャフィニッシュ時のエフェクトも変化。オージャカリバーとオージャクラウンランスに銀色のエフェクトを纏ったクワガタの顎を纏わせ、相手を挟み込むように斬り伏せる。


この形態はギラにオージャクラウンの力とその使い方を教えるための「見本」としての意味合いが強く、クラウン自体が「王の証」であることも手伝い、その後は一度もこの形態にはなっていない。



【ゴッドクワガタZERO】

キングオージャーZEROの核となるラクレスのシュゴッド。ゴッドクワガタと瓜二つだが、こちらは黒と金の体色を持つ。
また、オージャカリバーZEROの操作で他4王国のシュゴッド達を支配下に置いて無理矢理キングオージャーへと合体することも可能。


その正体は過去にゴッドクワガタを正確に模倣して作られたコピー機であり、同じくキングオージャーを構成する全シュゴッドの「ZERO」が存在する。



【余談】

  • 名前の由来は恐らく「ヘラクレスオオカブト」から。ちなみに王家の名「ハスティー」は最古の昆虫化石リニオグナサ・ハースティ(rhyniognatha hirsti)が由来と、メインライターの高野水登氏が個人アカウントから2023年8月12日に配信したツイッタースペースで明かされた。



  • 前作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』にはキングオージャーをモチーフにした「王様鬼」という怪人が登場しているが、その変身者は自分の得手勝手な理由を主人公に押し付けていた。
    この点はラクレスに似ており、これによって王様鬼も(怪人枠ではないものの)戦隊側と対立するキャラの要素を盛り込んだ怪人であると言えるかもしれない。ただラクレスの場合は演技の一環だったのに対してあちらは完全な自己欲求に過ぎず、そう考えるとキングオージャーの6人はおろかラクレスさえ歪めた存在、ともいえる。

  • 矢野氏は子役時代に『仮面ライダーアギト』にゲスト出演しており、第20話放送後のインタビューでもこの件に触れている。

  • 上記の通りオオクワガタオージャーはシルバーの戦士だが、くすんだ灰色にも見えるため「グレーの戦士では?」との声も挙がっていた。
    また、2023年9月に開催されたベルーナドームの始球式イベントでは、歴代シルバー戦士*8との共演を果たした。なおその変身者達は色々と個性的すぎるため、ラクレスの胃が痛くなりそうである

  • 本編でも語られた通り、ラクレスはギラを「対ダグデド用の兵器」にすることを拒んでコーサスの計画を妨害したわけだが、「VSキョウリュウジャー」を見る限りコーサスの意図通りに事が運んでいた場合、確かにダグデドは倒せるが当のギラがそれを超える脅威として立ちはだかるという最悪の事態を招いていたことになり、当時のラクレスはあらゆる意味でファインプレーだったと言える。



シュゴッダム国王ラクレス・ハスティー


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*1 ただし、この発言をした第4話の時点ではギラが指名手配されたことで、彼と同じ孤児院に住むコガネとブーンはラクレスを睨んでいた。
*2 実際ギラ自身の思惑はどうあれ、状況だけを見れば「武力を持って実の兄を排斥して王座を奪った弟」の構図とも言える。
*3 さらにその成り代わっていた人物=ボシマールが殺害されたと聞かされた際には、その人物の優しい表情を思い浮かべて怒りに震えるなど、明らかに自己中心的な暴君らしからぬ様子を見せていた。
*4 リタの場合は自らの意志によるものだが。
*5 第2章開始時点でほぼ壊滅状態になっていたバグナラクを除く。
*6 実際のスーツは撮影時の反射を考慮してか、銀よりグレーに近い。
*7 一応前作の『ドンブラザーズ』も脳人とヒトツ鬼は別々の敵ポジションだったが、ヒトツ鬼は明確に組織化された勢力ではない。
*8 ゴーカイシルバー、ルパンエックス、キラメイシルバー、ドントラボルトが登場。

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