登録日:2021/09/13 Mon 06:04:37
更新日:2024/06/03 Mon 13:54:23NEW!
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tcg デッキ破壊 デュエル・マスターズ デュエマ 冷遇
本項目では『デュエル・マスターズ』におけるデッキ破壊について解説する。
TCG用語としてのデッキ破壊は「デッキ破壊(TCG)」を参照。
概要
デュエマの山札は40枚だが、うち10枚が手札とシールドに振り分けられるため、ゲーム開始時の枚数は30枚。
また、マナコストさえ払えば比較的簡単にドローができ、山札の上からマナブーストする能力も多いため、意外と山札が減りやすい。
したがって、特化したデッキなら中々のスピードで山札を減らす事が可能。
また、S・トリガーという逆転要素のある本作では、それを避けつつ勝利を狙う手段としてもライブラリアウトは魅力的である。
デュエマのルールでは「山札が0枚になった時点で即敗北確定」*1となるため、尚更である。
そのため他のTCGに比べてデュエマにおけるこの戦略は冷遇されており、またプレイヤーからの評価も賛否両論。
「子供をターゲットにしたカードゲーム」というコンセプトから見ても、この手の戦略は処理が複雑になったりワンサイドゲームになりがち…というか実際になっているためか
該当するカードの数自体も15年という歴史の割には多くなく、製作側もこの手のカードのデザインには慎重である。S・トリガーやG・ストライク、革命0トリガーといった逆転要素を無差別に否定してしまうため当然ではあるのだが。初期?知らん
MTGが元となって生まれたタイトルという事もあり、やはり戦略の主流となっているのは闇文明。
その次にはトリッキーな能力の持ち主が多い水文明に見られる。
ただし、デッキの色自体は闇中心ではなく様々な色をバランス良く生み合わせた構成のことが多い。
中には闇はタッチ同然の扱いか、もしくは闇を完全に排した構成のものも。
デッキタイプ
- 化身コン
デュエマ史上初とされるライブラリアウトデッキ。
元祖山札破壊呪文である《ヘル・スラッシュ》を、墓地のカードをマナゾーンに送れる《恵みの化身》でマナゾーンに戻し、
そこからマナ回収に繋げて再利用するのが目的。
勘違いされることもあるが、《恵みの化身》自体に山札を破壊する効果はない。
- 青黒赤ライブラリアウト
サポートの水・妨害の闇・除去の火の3つを合わせて作られたライブラリアウトデッキ。
《ヘル・スラッシュ》を使用する点は化身コンと変わらないが、こちらは自然が入らないことから《恵みの化身》を使わず、
《ロスト・チャージャー》を水のマナ回収で積極的に使い回す点で差別化された。
- 白青黒赤ライブラリアウト
青黒赤ライブラリアウトの発展型にして、デュエマ初期の最高峰とも称されるライブラリアウトデッキ。
上記の青黒赤ライブラリアウトに、ブロッカーと呪文の扱いに長けた光を加えたもの。
ありそうでなかった発想だが、これにより上記2種にはない粘り強さを獲得した。
メタゲーム上にも本格的に進出し、初期の公式大会で最も結果を残したライブラリアウトデッキである。
しかし、諸々の事情でキーカードの多くは制限をかけられてしまう。
このデッキタイプの消滅後、デュエマにおける山札破壊の系譜は永い眠りを迎えることとなる…。
なお、このデッキからLOカードを抜いた穴に《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》を突っ込んだのがいわゆる「ボルコン」の原型である。
- ケロディナンスライブラリアウト
デュエマの氷河期とも言われる不死鳥編で静かに生まれたライブラリアウトデッキ。
マナが十二分に増えたところで、相手に強制1ドローさせるデメリットを持つ《黒神龍ザルバ》と、
マナゾーンのフェニックスをアンタップし再使用を可能にするウィニー《森の歌い手ケロディナンス》を出した後、
味方を全バウンスするデメリットを持つ《エクストリーム・クロウラー》で手札に戻し、以後その流れを繰り返す事で相手の山札が尽きるまでドローを強制させる。
もっぱらファンデッキ色の強いライブラリアウトデッキであり、白青黒赤LOとは違いメタゲームにも顔は出していない。
しかし「変わった効果のカードや欠点しかなさそうなカードも、工夫すれば意外な活躍ができる」という意味では中々興味深いデッキではある。
- ヤサカノフカライブラリアウト
決まれば相手の山札を一気に8枚墓地に送る核弾頭《猛菌魚雷ヤサカノフカ》を中心に据えたライブラリアウトデッキ。
ヤサカはブレイク・ボーナスでシールド1枚につき4枚の山札を削れる。すなわち、W・ブレイクに成功すれば8枚もの山札を墓地に送れるということ。
ブロッカーやシノビに妨害されやすく、攻撃終了前にS・トリガーなどで除去されると能力を発動できないため、過去のLOデッキに比べると大分ロマン寄り。
積極的な除去とハンデスで妨害したり《パクリオ》で安全なシールドを準備する、クロスギアで強化する戦法などが取られた。
久々に登場した豪快な山札破壊手段という事もあり、登場当時は注目された。
全体的に不安定な面もあってメタゲーム進出には至らなかったものの、コアなプレイヤーを中心に人気を博した。
ちなみに、デュエマ史上初の「殴って勝つライブラリアウトデッキ」でもある。
- ヘルゲート・ムーンライブラリアウト
墓地のクリーチャーを全てリアニメイトする究極進化の《神羅ヘルゲート・ムーン》を使うデッキ。
ヘルゲートで2枚目のヘルゲートと《百発人形マグナム》と《黒神龍ザルバ》を踏み倒し、《マグナム》の能力でそれらをすべて破壊。
その後、解決待ちだった2枚目のヘルゲートを解決し、2枚のヘルゲートとマグナム、ザルバを延々とループ。
これにザルバの強制1ドローを好きなだけ蓄積させられるので、相手の山札が無くなるまでドローさせてゲームセット。
ヘルゲート・ムーンは他にも様々なコンボを考えられるカードだが、即決着を付ける方法としては上記のLOが有力。
しかし、いかんせん下準備の墓地肥やしに手間がかかり、ヘルゲート自体が10マナの上、進化元に進化クリーチャーを要求する。
決まれば派手だが、デッキ構築、プレイングともに難易度が高い。
ちなみに、ヘルゲートは相手にも可能な限りリアニメイトさせてしまうが、能力の解決は必ず「ターンプレイヤー」→「非ターンプレイヤー」の順で行う。
ターンプレイヤーの新たな能力がトリガーした場合、それらをすべて解決してから非ターンプレイヤーの解決となるため、
ループコンボでLOに持ち込めれば、相手にはリアニメイトしたクリーチャーの能力を解決する機会が無い。
《龍世界 ドラゴ大王》のような置換効果の影響は受けてしまうが、マグナムのようなトリガー能力による除去を受け付けないのはメリットと言える。
- ヴォルグ・サンダーライブラリアウト
2010年代に入った後に登場したものの中では、恐らく最も大きな影響を及ぼしたと思われるライブラリアウトデッキ。
味方を破壊し、その数だけサイキック・クリーチャーを出せる《復活の祈祷師ザビ・ミラ》で
《ヴォルグ・サンダー》を複数体呼び出し、一気に山札を削る。
クリーチャー以外のカードは墓地に置かれた枚数にカウントされないため、それ以外のカードが多く入ったデッキにはダメージが大きくなる。
当時は超次元呪文によって出てくるサイキック・クリーチャーが全盛だった事もあり、主要なデッキは呪文の比率が高く、このコンボはメタゲーム上でも猛威を振るった。
のちに《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》の登場で対策されるようになったが、
《時空の霊魔シュヴァル》を《霊魔の覚醒者シューヴェルト》に覚醒させて制圧するなど、別の戦法にスイッチすることも可能。
現在はオーソドックスな形でのこのデッキはあまり組まれないが、そのギミックは様々なコンボデッキに受け継がれている。
最終的にキーカードである《ヴォルグ・サンダー》がプレミアム殿堂に指定されたことで、現状は殿堂ゼロでしか構築できない。相方と裏面が取り残されてしまったが、同じ名前を含むそっくりさんが出たことで一応救済された
- ジェームズゾルゲ
敵味方問わず強制バトルを発生させられる社会のダニこと《偽りの名 ゾルゲ》と、
バトルに勝つことで4コスト以下の味方をリアニメイトできる《偽りの名 ジェームズ》を使ったコンボデッキ。
またしても《黒神龍ザルバ》を使い、ゾルゲの効果でジェームズとバトルさせる事でジェームズの効果が発動し、破壊されたザルバが蘇る。
再びゾルゲの効果を発動する事でザルバが死んでは生き返るループが発生し、そのままザルバの強制ドローで相手はライブラリアウト。
主役3枚だけでデッキが4色になってしまうため、プレイングとデッキ構築の腕が問われるデッキの一つ。
コンボの成立も楽ではないが、その難しさからこの手のデッキには珍しくギャラリー受けが期待できる。
ちなみに、あの青い悪魔も紹介している公式公認のコンボでもある。
- 天門ループ
今や光の代表的なS・トリガーの一つとなっている《へブンズ・ゲート》を利用したループデッキの一種。
非常に難解なデッキのため詳細は省くが、勝ち筋として上記のヴォルグ・サンダーライブラリアウトか、後述するアダムスキーライブラリアウトが取り入れられることがある。
- ヘレンループ
自軍が破壊されると山札からウィニーを踏み倒せる《救済の精霊龍 ゴシック・ヘレン》と、
踏み倒しに反応してクリーチャーを破壊させる《百発人形マグナム》を利用したコンボデッキ。
墓地のカードを山札の上に戻せる《鬼人形ブソウで山札の積み込みを行い、
相手の山札を1枚墓地に送る《腐敗麗姫ベラ》を使い回してライブラリアウトに追い込むという方法が考案されている。
その考案者というのは青い悪魔。ま た か 。
墓地送りによるLOだが、ベラは相手のデックトップ2枚から好きな方を選んで墓地に送れるので、
《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》を避けられるのがポイント。
- アダムスキーライブラリアウト
S級侵略者《S級宇宙 アダムスキー》でライブラリアウト…もとい「無重力勝利」を狙うデッキ。
ブロッカーや攻撃制限で陣形を固めた後、アダムスキーを水コマンドから侵略させ、流れるように山札を削っていく。
当時流行していた「革命0トリガー」や、《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》を置換効果のルールにより無効化できる点で注目され、
革命編環境の地雷の一つとなった。
スピーディーに攻めながら山札を破壊する事によって生まれる独特の爽快感から、ファンの評価も高い。
- バッシュギヌス
破壊時にパワー1000以下の味方をリアニメイトできる《凶鬼34号 バッシュ》と、
墓地の非進化クリーチャーを何でもリアニメイトできる《魔龍バベルギヌス》を使ったコンボデッキ。
そのバベルギヌスがよりによってパワー1000なのが罪深く、実質4コストで何でもリアニメイトという《インフェルノ・ゲート》の再現が可能となってしまった。
バベルギヌス自体とリアニメイト対象を墓地に仕込むために、序盤は下準備として手札交換と墓地肥やしを行い、
最後にバッシュの起爆要員として《暗黒鎧 ダースシスK》が使われることが多い。
前述の通り非進化なら何でも出せるので色々な呼び出し対象が考えられる(ざっくり言えばサファイアとか覇ァ!とか)のだが、
ここでまたしてもヴォルグ・サンダーライブラリアウトを取り入れたタイプが考案され、いきなり公式大会で結果を残してしまった。
そんなわけで今後の展開が注目されたデッキだったのだが、2017年7月8日にキーカードの一つである《魔龍バベルギヌス》の殿堂入りが決定。
デッキの確立からわずか一ヶ月弱の出来事であり、これでこのデッキは弱体化を余儀なくされてしまった。公式はバベルギヌスの存在を忘れていたのだろうか……
- 正体不明ループ
自分のシールドが2枚以下の時に相手は勝利する事が出来なくなる《燃える革命 ドギラゴン》が場にいる状態で、
cipで手札から好きなだけクリーチャーをコスト踏み倒しする代わりに、相手にエクストラターンを提供するクリーチャー《正体不明》の能力を組み合わせる。
「正体不明召喚⇒手札からクリーチャーを出して相手にエクストラターン1回分プレゼント⇒場に出したクリーチャーの能力で《正体不明》バウンス&マナアンタップ⇒再び《正体不明》召喚⇒…」
というループを作り上げる。
最終的に相手にどうあがいても勝利できない無限のターンを与え、ターン開始時の1ドローを繰り返させてLOを狙うというぶっ飛んだ発想のデッキ。
しかも、使用するのは主人公と黒幕である。
決まれば大方勝利できるが、《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》や《サイバー・N・ワールド》など、
自力で山札を修復できるカード相手にあると、逆に自分が負け確になってしまうので要注意。
編み出したのは当然の如く[[青い鬼畜ショタ>クリーチャーでアタックしてるのが少し残念だね]]。
- シャコガイル
「自分がライブラリアウトするときかわりに勝つ」能力を持つ《水上第九院 シャコガイル》を用いて、自分から積極的にライブラリアウトする狂気のデッキタイプ。
同系統の能力を持つMtGの《研究室の偏執狂》などと異なり、「相手のターン開始時に手札交換する」ことで自力で勝利できる能力も持つため、山札を過度に削れるデッキならなんにでも入る。
無限ドローや無限マナ加速ができるコンボデッキの勝ち筋として最適であり、たいていのコンボデッキの勝ち筋として搭載されるため、現代では純正のライブラリアウトよりこっちのセルフライブラリアウトの方が明らかに多い。
カレーパンはどこじゃぁぁぁ!
個別カード
デュエマにおける元祖山札破壊呪文。部類は「妨害手段としてのデッキ破壊」カードだが勝つためにも使われた。
8コストと非常に重いが、相手の山札を見てその中から3枚選んで墓地に置かせる。
キーカードを3枚も失えば大概のデッキは機能不全に陥る。盤面をコントロールした上で2~3発も撃てば勝利はほぼ確定である。
相手のデッキをすべて確認できることから、大会のマッチ戦では多大な情報アドバンテージをもたらすことになった。
また性質上、このカードを使用したLOデッキのミラーマッチは先に撃った方が勝ちとなるのが特徴。
下の2枚にも言えることだが、相手の山札を手に取った上で最後にシャッフルも行うため、カードを傷めたりデスカットを疑われるなどトラブルの絶えなかったカードでもある。
しかもデッキピーピングされるので相手にデッキ構造をすべて把握され、その上で対抗手段を根こそぎ奪われることから戦力の低下も半端ではなく、
その状態でダラダラとゲームを続けなければならなかったので、特に低年齢層からは嫌がられていたと言われる。
後年類似効果のカードが殆ど登場しなかった事などから、製作側はトラブルを元から絶つためにプレミアム殿堂という手をとったのではという考察もある。
デュエマにおけるデッキ破壊およびLO戦略が賛否両論を呼び、以後冷遇されるようになった元凶といっても過言ではない一枚。
兄貴分のMtGには上記のように妨害するためのデッキ破壊をカードが山程あるので同様の感覚作ったのだろうが、あんまりにも対象年齢やゲーム性が違いすぎたのである。
自分か相手の山札を見て、その中から1枚選んで墓地に置けるチャージャー。
それだけだと地味に思えるが、こちらは3コストと桁違いに軽く、おまけにチャージャーで+1マナのおまけ付き。
マナ回収と合わせれば、本家を撃つ前にもネチネチとキーカードを抜き取ることが可能。
撃てる頃には墓地に送りたいカードが既に使われてたり、手札にあって狙い損ねるといったパターンも多い本家では出来ない芸当である。
また、情報アドバンテージという観点から見れば本家よりもこちらのほうが遥かに強力。
なんせ、最速3ターン目に相手のデッキを覗いた上で、ついでの様にその中から厄介な一枚を葬れるのだから。
前述の通り自分のカードも墓地に送る事ができるため、
《インフェルノ・ゲート》でファッティをリアニメイトする際の繋ぎに使われたこともあった。
- フューチャー・スラッシュ
《ヘル・スラッシュ》の調整版として登場した呪文。こちらは7コストで墓地に送れる枚数は2枚。
調整版ではあるのだが、相手の山札を見て捨てるという点は変わりなく、同等の効果のカードが1種類増えたことが問題。
これでは本家が規制された意味がない。
墓地に送れる枚数は減ったが、1マナ軽くなっており、1ターン早く撃てるようになってしまった。
あれ?調整版なのに調整されてなくね?
本家と違いプロモカード故に集めるのが困難であったが、それでも本家の穴を埋めるために複数所持するプレイヤーも少なくなかった。
現在は上の2枚共々温泉行きとなっており、表舞台でこのカード達を見ることはまずない。
- 黒神龍ザルバ
cipで相手に1ドローを許してしまうデメリットを持つ4マナのドラゴン・ゾンビ。
しかし効果が強制なのがミソであり、無限ループに組み込めば相手に使うことのない手札を与えて敗北させる事ができる。
どれだけ手札があっても、ターンが来なければ意味は全くないのである。
4コストと比較的軽いドラゴン・ゾンビという中々恵まれたスペックでもあるのだが、普通のデッキではバニラ以下の性能。
ドラゴン・ゾンビのデッキに入れられる事は皆無であり、もっぱら無限ループに組み込まれて相手をLOさせるのに使われる。
同じコストに「ギランド」や「アバヨ・シャバヨ」もいるため、当然といえば当然。
山札破壊のアクセル能力を持つ2マナキマイラ。
クロスギアをクロスして相手プレイヤーを殴ってブロックされなかった場合、シールドをブレイクする直前に相手の山札を見て、カードを1枚墓地に送れる。
なんと、現状相手の山札に触れて、その上でカードを捨てさせることの出来る唯一のカードである。
しかし、下手なシールドのブレイクが利敵行為になるのは言うまでも無く、クロスギアが必要な上、素のパワーも低いなど、自身に課せられた条件の数々から、ライブラリアウトデッキで使われることは極めて稀。そもそもどう考えても普通は山札が無くなる前にダイレクトアタックが決まる。
むしろキマイラデッキの進化元として使う方が便利。
- 曲芸メイド・リン・ララバイ
お互いに山札から強制で1マナブーストする能力を持つ自然のドリームメイト。
使い方はザルバとほぼ同じ。ただしこちらは自分も山札が減るので、別のカードの効果でどちらかの山札の枚数を調節した上で出される。
基本的には相手のみに効果のあるザルバの方が使い勝手は良いのだが、
何らかの理由でどうしても闇を入れられない、または自然で固めたい場合などにはこちらにお呼びがかかる。
なお、L・ゲートという割と貴重な能力も持っているのだが、案の定そこには殆ど触れられない。
6マナのゲル・フィッシュ/サイバー・ウイルス/オリジン。
前述の通り、プレイヤーへの攻撃が通り、S・トリガーで除去されなければ相手の山札を8枚破壊できる特攻野郎。
ただし、現在は性質の似通っている《S級宇宙 アダムスキー》にその人気を譲り、ほぼ引退同然の状態。
cipでどちらかの山札からクリーチャーが2体出るまで墓地に置かせる効果を持つ闇のサイキック・クリーチャー。
本来は自分の山札からクリーチャーを墓地に送った後、覚醒リンク後の効果でリアニメイトするというデザインなのだが、
その点はライブラリアウト狙いのプレイヤーからはとことん無視される。
サイキックコストが6なのでちょうどザビ・ミラで呼び出せ、《時空の霊魔シュヴァル》の覚醒に貢献できるのも評価が高い。
相手の山札操作を妨害したり、自分の墓地を肥やすのにも使えるなど、かなり器用で便利なクリーチャーでもある。
クリーチャー以外を主体とするデッキにとって致命的、そしてそういったデッキを推すうえで邪魔になると判断されたためか、現在は殿堂を経てプレミアム殿堂に指定されている。
3体リンクで完成するサイキックの切り札。
攻撃するだけで相手の山札を2枚にしてしまう恐怖のサイキック・スーパー・クリーチャー。「絶対絶命」の名は伊達ではない。
一応1ターン分の猶予は与えるものの、こんな効果が決まってしまえば殆どのデッキは敗北確定だろう。
《暴走機械オーバースキル》を出しておくと互いに強制ドローを発生させるので、確実にLOさせられる。
しかし、サイキック3体の覚醒リンクであり、場に出すまでが非常に難しく、専用構築でなければ活躍どころかその姿すら見られない。
ちなみに、カード名は「絶対絶命」であり、「絶体絶命」ではない。
日本語としては絶体絶命が正しいのだが、こちらは絶対絶命なので検索や表記の際は間違えないようにしよう。
- 腐敗麗姫ベラ
水/闇の2マナウィニー。
相手の山札の上2枚を開示させ、どちらか1枚を墓地に置かせる効果を持つ。
2コストと軽い為使い回しやすく、うまく使えば《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》も回避できるのが利点。
- S級宇宙 アダムスキー
シールドブレイク時、代わりに相手の山札を2枚(1ブレイクにつき2枚なので実質4枚)墓地に送る進化クリーチャー。
専用能力「S級侵略[宇宙]」により水のコマンドから早期に場に出てくる上、他の水コマンドに飛び移って連続で山札を削ることが可能。
更にブレイク時の効果は置換効果のため、《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》も問答無用で墓地に置く。
(置換効果は同じ処理に1つしか適用できないため、アダムスキーの置換効果のみが処理される)
この時点で十二分に厄介なのにアンブロッカブルのおまけ付き。天門系デッキにとっては悪夢のような存在。
ただし開発も見落としていたであろう欠点が一つだけ存在する。
以前は「できないことには置換できない。」ということで、相手の山札が2枚以上ないとブレイクを置換することができない、つまり相手の山札が奇数だった場合は最後の1枚を墓地に置くことができなかったが、現在ではそのまま消し飛ばすことが可能。
新機軸「封印」により、全体除去と山札破壊を同時にやってのける凶悪クリーチャー。
しかし他に類を見ない自身の仕様もあって、ライブラリアウトデッキに投入されることは稀で、またライブラリアウト目的でこのクリーチャーが使われることも稀。
説明の難しい一枚なので、詳細はリンク先を参照。
おまけ
- パクリオ+サイバー・N・ワールド
特殊なコンボデッキでライブラリアウトに利用される組み合わせ。
《N・ワールド》は本来山札をリセットしてLOを防止するカードなのだが、
《パクリオ》で手札をシールドに埋めてから使うと、山札の枚数が1枚減少することになる。
35枚以上シールドに埋めてしまえば5枚ドローでLOとなることから、ループコンボに取り入れて安全に勝利するという方法が考案されている。
もっとも、通常の環境ではまず無理なので「殿堂ゼロデュエル」などの特殊な環境でしか見かけない。
- 宇宙 タコンチュ
かなり特殊な事例のひとつ。
相手ターン中に破壊されると、置換効果で相手に5枚強制ドローさせた後、自身は+5000のパンプアップを行う。最終的に破壊はされない。
元々は上記のアダムスキーの相棒として有名なカードであり、味方水クリーチャーをコマンド化させる効果で非コマンドクリーチャーを侵略元に変えるのが本来の使い道なのだが、
中には上記の置換効果を利用して何らかの手段で相手ターン中に破壊させることで、5枚ドローを繰り返してLOさせるファンデッキも存在する。
ちなみに、このクリーチャーにパワー低下を仕掛けるとパワーが0になった回数分だけドロー効果が発生する。
まずありえないが、パワーを-99999できる《D2-V禁断のボルトロン》や《禁断英雄 モモキングダムX》を使うと95枚ドロー、
パワーを無限に下げる《凶槍乱舞 デスメタル・パンク》を使うと山札を無限にドローして死ぬ。
デュエマでLO勝ちを狙う際に必ず念頭に置かなければならないカード。
どこからでも墓地に置かれる際、置換効果で自身ごと墓地のカードを全て山札に戻してシャッフルする。
墓地に置くタイプの効果でLOを狙う場合、相手の山札に1枚でもこのカードがあればLO狙いはほぼ不可能になる。
一応、ルール上無限ループであればシャッフルによるランダム性を無視してこのカードしかデッキに残っていない理想状態(=ターンの最初のドローでLOに持ち込む)まで省略することも可能であるため絶対ではない。
このカード自体はデッキ破壊ではない(むしろそのメタカード)のだが、そのLO戦略そのものを完全否定するような効果から、
デュエマでデッキ破壊、及びLO戦略を語る際には絶対に無視できない存在となっている。
前述の《ヴォルグ・サンダー》へのあからさまなメタカードであり、少年サンデーの付録プロモだったので一時期は高騰していた。
このカードの存在だけで、墓地に送らないザルバやリン・ララバイの評価が上がったほどである。
置換効果なので、別の置換効果によって墓地に置かれる際は能力を適用できないので注意。
上記の《S級宇宙 アダムスキー》は、そんなルールの抜け穴を巧く利用したデザインとなっている。
山札回復に目が行きがちだが、8マナ8000のスピードアタッカーであり、コスト踏み倒しを対策する能力を持つことから、普通に出してもなかなか優秀。
バトルゾーンに出た時に、自分の山札から3枚を選んで、残りをすべて墓地に置くという、ともすれば自分がライブラリアウトになりかねない能力を持つドラゴン。
メディアミックスでの扱い
実物で冷遇されている事もあり、メディアミックスでの扱いは更に悪い。
理由については諸説あるが「勝ち方が地味でアニメ等では見栄えしない」「やり方が陰湿で子供達へのウケが悪い」事などが挙げられている。
そんな中、デュエル・マスターズVS第39話でついにライブラリアウトが日の目を見る事となった。
…外道デュエリスト「寄成ギョウ」が盤面を完全制圧し、後は攻め込めば悠々勝利できる状況にもかかわらず、あえて止めを刺さず相手をいたぶりながらターンを浪費させ、最後の山札を自分で引かせるという最悪の形で。
デュエマでライブラリアウト戦略が確立された闘魂編から約12年後の出来事であった。
なお、コレがきっかけで対戦相手のホカベンはライブラリアウトがトラウマに。
また中の人である菅原雅芳氏は関係者内で開かれた大会でもライブラリアウト負けを喫し、公式の対戦動画でも誤って山札を墓地の位置にセットしてしまい、デッドマンに「じゃあ、勝ちでいいですか?」と茶化されるなど、上記のエピソードがいろんな意味でこたえた模様。
デュエル・マスターズVSR第43話では敵の新幹部「チューやん」がアダムスキーライブラリアウトを引っさげて登場。
こちらは当時の最新スーパーレアであった《S級宇宙 アダムスキー》を宣伝する意図があったため、ギョウの時とは違いライブラリアウト戦略が前向きに描写されたシーンであるといえる。そして、対戦相手でもないのにアダムスキーを見るなりパニックを起こすホカベンェ…
デッキ破壊を愛用する主なデュエリスト
- Dr.サイン
「誰だよ」と思ったそこのあなた、その反応は正しい。
かつて発売されたGBAソフト「デュエル・マスターズ3」のオリジナルキャラで、本作品のラスボスを勤めているお方です。
元々コントロールデッキを好む人物だが、最終決戦では闇/火の除去コントロール色の強いライブラリアウトデッキを使用する。
事実上、デュエマで初めてライブラリアウト戦略を実践した人物である。
色々思うことはあるかもしれないが、要はこんなマイナーなキャラの名前が挙がってしまう事が、
デュエマのメディアミックスにおけるこの戦法の扱いそのものを表しているのだと思っていただきたい。
- ギョウ
前述の通りデュエマ甲子園のホカベン戦にて《永遠のリュウセイ・カイザー》と《五邪王 ニガ=ヴェルムート》で場を制圧したが、
ダイレクトアタックせず延々ホカベンをいたぶり最終的にライブラリアウトで勝利した。
なお、彼の行うデュエマの目的は「相手に苦痛を与える」ことにあるため、LO勝ちはその手段の一つに過ぎない。
事実それ以外の勝負ではLOは狙わず、全く別の方法で対戦相手を苦しめている。
- チューやん
前述の通り《S級宇宙 アダムスキー》を用いたアダムスキーライブラリアウトの使い手。
メディアミックスで初めてLO戦略に目を向けさせたという点では革命的な人物といえるかもしれない。侵略者だけど
}
- アルマゲドン
永井ゆうじ氏の漫画作品「アルマゲドンにダマされる!!」の主人公であり、「デュエル・マスターズ!!」の41話にゲストキャラクターとして登場。
チューやんと同様、アダムスキーライブラリアウトを使うが、こちらには《一番隊 ザエッサ》、《貝獣 ラリア》といったムートピアを採用している。さらにマジック・コマンドを追加する能力を持つ《宇宙 タコンチュ》でS級侵略を発動することでキャップの山札を削りライブラリアウトで勝利しようとするのだが・・・?
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▷ コメント欄
- メタとしてサイゾウミストは?攻撃する系には効くけど。 -- 名無しさん (2021-09-13 06:39:39)
- ドラグ変怪/ドラグライブラリアウトとか。 -- 名無しさん (2021-09-13 06:45:25)
- ジョバンニスコール、カリヤドネループ、イルカループもあった。 -- 名無しさん (2021-09-13 06:50:55)
- メカーネンや神回、神の試練が山札関連で使われてる印象 -- 名無しさん (2021-09-13 07:51:48)
- ↑神回じゃない、クリックだった -- 名無しさん (2021-09-13 08:08:53)
- デイヤーループもメカーネンを延々使い回してLOを目指すTier1だったな。初期こそヘルスラのせいで慎重なカードデザインだったけど、最近はむしろ何かしらの形でメタゲームにいるイメージある -- 名無しさん (2021-09-13 09:18:46)
- カリヤドネ規制以降はシャコで自分のLO目指すのが主流になったよな。 -- 名無しさん (2021-09-13 10:08:21)
- シャコガイルで自分のデッキを削って逆に勝つってのも書いたらどうだろうか -- 名無しさん (2021-09-13 10:21:35)
- コンボの布石の為にコジローが山札から大量に墓地送りにした際も狼狽えてたホカベン君の傷痕は深い… -- 名無しさん (2021-09-13 18:58:51)
- 悠久は弾幕デッキだとうわっ相手の攻撃止めすぎが強いから今は入らないんだよな -- 名無しさん (2021-09-14 00:34:40)
- そもそもデュエマのシステム自体ポケカ以上にLO起こしやすいんだよな・・・シールド5枚+手札5枚で残りが30枚でスタートしてマナブーストや手札補充でそこからさらに削れていく。更に敗北条件もLOの中で一番厳しい「山札が0になった瞬間に負け」だからシャコがトップメタを走り続けるしヴォルグが規制されたまま復帰が絶望的になるわな・・・ -- 名無しさん (2023-04-18 21:45:43)
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