タウ・エンパイアの戦力一覧(ウォーハンマー40K)

ページ名:タウ_エンパイアの戦力一覧_ウォーハンマー40K_

登録日:2021/08/13 (金) 22:57:28
更新日:2024/06/03 Mon 13:35:36NEW!
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“我らの科学技術が銀河を制するのではない。我々が等しく背負う誇りが、そして、我々のいただく大儀こそが、我々を勝利へと導くのである。大儀のもとに参集した我々にこそ、敵を打ち負かす力が与えられるのだ。”

火のカーストの司令 シャス=エル・サシーア・オル=エス



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P53 イラストより






タウ・エンパイアの戦力一覧とは、ウォーハンマー40Kに登場する異種族の一つである「タウ・エンパイア」の戦力をまとめたものである。数々の先進的な兵器、そして徹底的な合理化がなされた火のカーストの戦士たちによってタウの軍は成される。
タウエンパイアを支える要素はそれだけではない。影から技術力でタウを支える地のカーストの技術者たちや航空機や宇宙艦艇を操縦する風のカーストのパイロットたち、そして〈大善大同〉に賛同するタウ以外の異種族たちの協力があってこそタウ軍は破竹の勢いを持つ軍隊を維持することができるのだ。
しかし、タウの一番の強みはこれら多くの者たちを一致団結せる〈大善大同〉の精神であり、この思想こそが彼らの屋台骨となっているといっても過言ではない。


画像出典:コデックス「タウ・エンパイア6版」(codex:Tau Empire)P7 イラストより



概要

【火のカーストの軍制】


火のカーストの軍は、タウの資産を守るため、またはタウ・エンパイアの教えに背く者を滅ぼすために出撃する。迅速な攻撃と待ち伏せによる射撃戦を成功に導くため、タウ軍は柔軟に、かつ絶妙な連携を組んで戦う必要があるのだ。
「あらゆる部隊は〈大善大同〉の理念を遂行するため団結して戦うべし」というのが、火のカーストの戦士たちに叩き込まれている教えなのである。火のカーストはタウの戦士階級だ。ある意味で、彼らの訓練は生まれた直後から始まっていると言えよう。
というのも、この共同体は最強の戦士を作り出すことを至上目的としているのだ。訓練中の戦士たちには規律、適応性、勤勉さ、そして服従の基本姿勢が徹底して叩き込まれる。
彼らは通常、「班」(チーム)に分けられ、共同生活を送りつつ訓練をしてゆくため、部隊内には強い連帯感が生まれるのだ。そしてタウ・エンパイアのいかなる戦場へ派遣されようと、この戦士としての同胞意識が彼らの支えとなるのである。
一人前に成長した火のカーストの戦士は、「シャス=ラ」と呼ばれる。シャス=ラは、厳しい訓練を終了し、最後の試練となる関門を通過して、優れた戦士として重責を担うだけの資格がある事を証明しなければならない。
この試練に通過するだけの体力や知力のない者は、試練の後、二度とその姿を見られることはないという。火のカーストは常に臨戦状態であり、その軍学校は、戦士たちにあらゆる戦闘技術を教育し、鍛え上げる事のみを目的とした施設である。
火のカーストにとって、戦争とは、学んだ規律を応用する場であり、それはある種の芸術的形態であるといっても過言ではない。


画像出典:コデックス「タウ・エンパイア6版」(codex:Tau Empire)P25 イラストの図表を元に解説を追加


  • 「班」(チーム)(タウ語:ラ=ルア)

班はタウ軍の最小戦力単位だ。最もよく配置されるのは、タウ軍の中核を成す「ファイアウォリアー・チーム」である。
ファイアウォリアーの各チームは、6人から12人の兵で構成される。各チームの兵は同じ家門の出身であり、同じ〈火階の兵学校〉で学んだものである場合が多い。あらゆる班は1人の指揮官によって率いられるが、チームリーダーの位階である「シャス=ウィ」に就くことが出来るのは、様々な戦場で経験と武勲を積み重ねた者だけだ。
戦場で共に戦う班は、しばしば儀式で絆を深める。その儀式の中で最も有名なのが「班友」または「絆の誓い」などの意味を持つ「タ=リッセラ」である。
この誓いを立てた者たちは、互いに名前で呼び合い、死ぬまで助け合うことを誓うのだ。班の戦士たちが共に昇進してゆくのもよくある事例であり、古参のファイアウォリアー・チームの全員が揃ってシャス=ウィ位階へと昇格することもある。
このような場合、各シャス=ウィが別のファイアウォリアー・チームの指揮官をしばらく務めた後、生き残った者同士が再び集まって「クライシス・チーム」が結成されることもあるという。


  • 「部体」(ケードリ)(タウ語:カウ=ウィ)

部体は複数の班が集まって構成されるもので、1人の「司令」(コマンダー)がその指揮を執る。様々な種類の部体が存在するが、最もよく見られるのが、汎用的な活躍を期待できる「狩猟部体」(ハンター・ケードリ)だ。
狩猟部体とは、夜戦歩兵部隊、バトルスーツ部隊、ガンシップ部隊によって構成される構成部隊であり、一個部体の規模と戦力は、帝国防衛軍の一個中隊に匹敵するという。狩猟部体は常設で、その構成は多様ではあるが、戦場(すなわち彼らが赴く狩場)の状況や利用可能な増援部隊、またはそれを指揮する指令が好む攻撃方法などに応じて、変更が加えられることもある。
狩猟部体の中核を成すのはファイアウォリアー・チームだが、彼らは様々な支援を受けることが可能だ。例えば、「パスファインダー・チーム」は本体に先駆けて偵察を行い、攻撃目標の補足と指定を行うだろう。
また精鋭たるバトルスーツ・チームは高火力支援部隊となり、「スナイパードローン・チーム」は敵戦力の中で最も大きな脅威となりうる敵兵を効果的に排除し、「ハンマーヘッド・ガンシップ」は絶大な威力を持つ主砲で敵の装甲車両を吹き飛ばし、大量の歩兵部隊が押し寄せるのを未然に防ぐ。タウの戦闘教条には、異なった兵科が効率よく調和して機能することの利点が説かれている。
すなわち、歩兵からバトルスーツまで、ガンシップから航空戦力まで、全ての兵科が敵を倒すために一丸となって戦わなければならないのだ。狩猟部体は戦術レベルで完全に統合されているため、そこに所属するあらゆるチームは、同一の戦闘部隊の一部とみなされる。
狩猟部体に比べれば小規模で、単独の任務に特化した性質を持つものの、タウ軍には狩猟部体の他にも様々な部体が存在する。例えば、「急行先遣部体」は特に高速強襲を得意とするバトルスーツ・チームからなり、「浸透戦術部体」はパスファインダー・チームとステルス・チームから、そして「義勇兵予備戦力部体」は異種族の戦士達で構成されているのだ。
中でも特に強力な部体が「脅威停止機甲部体」だ。この部体はハンマーヘッドと「スカイレイ・ガンシップ」を擁し、敵戦車に対抗するための重火力を備え、いかなる強大な標的でさえも仕留めることが可能である。
巣窟艦隊ゴルゴンによってタウ・エンパイアが侵攻を受けた際、脅威停止機甲部体は、ティラニッドの先鋒となっていた個体種「バイオタイタン」を退けた。戦車ほどもあるサイズの個体「ハイエロデュール」に側面を守らせた巨大な個体「ハイエロファント」に対して複数のハンマーヘッドが一斉射撃を浴びせ、これをハチの巣にしたのである。


  • 「集体」(コンティンジェント)(タウ語:ティオ=ヴェ)

部体もいくつか(通常は3個から6個)集まったものを「集体」と呼ぶ。最も階級の高い司令が「集体司令」(コンティンジェント・コマンダー)の任に就き、彼の部体は司令本部の護衛に選ばれる。
もちろん部体レベルの戦力に「導師」(エセリアル)が迎えられることもあるが、集体が結成されると、少なくとも一人の導師が必ず迎えられる。導師は大抵の場合、司令本部に留まるだろう。
司令本部には常に戦況報告がもたらされ、作戦会議を開くには最適な場だからだ。導師が現状を詳しく視察する事を望む場合、指揮権を部体に委ねるか、あるいは自ら進んで指揮権を執るか決定してから、自ら前線へと向かうことになる。
集体は、長期に渡る戦役においても効率的に戦い続けられるように維持運営がなされるが、部体と違い、集体は常設の戦力編成ではない。ひとたび目標を達成した場合、例えば敵の防衛ライン突破に成功した場合や敵軍全体を撃滅せしめた場合、その集体は解散するか、あるいは別戦力として再編されるのだ。


  • 「共働体」(コミューン)(タウ語:カヴァール)

カヴァールは共働体のほかに、しばしば「軍体」(バトル)とも翻訳される。これは集体と火のカースト組織最高位の指令たちを一時的に集めた組織であり、そのために戦場では非常に優れた機能を発揮する。
共働体はしばしば異なる家門出身の集体で構成され、そのような編成はダモクレス湾での戦闘以前にはほとんど見られなかったが、今では定期的に編成されるようになった。中でも名高いのは、オルクに対して十年の長きに渡る戦役を戦った〈大同盟〉として知られる共働体である。
このように多くの家門の軍勢を連合させることができなければ、タウ・エンパイアを脅かすとてつもなく大規模なオルクの〈いくさだァァァア!〉を阻止することは叶わなかったであろう。


  • 「司体」(コマンド)(タウ語:ウアシュ=ウォ)と「和体」(コーリション)(タウ語:シャン=アル)

「司体」とは、ある特定の地点に集結した一つの家門に属するすべての軍勢を指す。例えば、惑星「ニムボザ」のあらゆる火のカーストは「火のカースト:ニムボザ司体」に属し、あらゆる風のカーストは「風のカースト:ニムボザ司体」に属している。
四つの司体は、「和体」と呼ばれる戦略的組織の一部であり、和体は導師の「導師評議会によって監督される。それゆえ和体には、その惑星、もしくは特定の星系内に存在する全てのタウの義勇兵の全勢力が所属することになるのだ。


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戦闘教条

いつ戦端を開くべきや?これは最も沈黙黙考すべき命題なり。だが、ひとたび答えがその心に浮かんだならば、後は全精力を傾け、一心不乱にそれを実行すべし。

清流たる司令(コマンダー・ピュアタイド) 「戦士道」第四十七の瞑想より



画像出典:コデックス「オルク7版」(codex:Orks) イラストより


【概要】
高度なテクノロジーを発達させてはいるものの、タウは古より保ち続けている多くの慣習に誇りを抱いている。組織、戦術、そしてファイアウォリアーの行動規範など、火のカーストの軍事的伝統の多くは、惑星タウの平原で狩りをしていた初期の部族の伝統にまで遡ることが出来るのだ。
火のカーストは、大いなる矜持とともに、今日までそうした伝統を受け継いできたのである。
【戦術思想】
タウが最も多用する「狩猟部体」(ハンター・ケードリ)における特有の戦術は、「モント=カ」「カゥヨン」である。どちらの戦術も、火のカーストの偉大なる軍学校できめ細かく教授されており、それぞれの戦術には専任の教官たちが存在する。
どちらの戦術の元となっているのは古の主張の技術であり、獲物の狩り方における二つの法則、すなわち“狩人が獲物を追いかける”「モント=カ」と、“獲物を狩人の方へおびき寄せる”「カゥヨン」を幅広く応用したものである。指揮官や家門によっては、ある特定のスタイルの班や武器を用いる事を好むが、実戦で使用される戦術はつまるところ、基本戦術の応用に他ならないのだ。
これは、かつて卓越した戦士であった軍学校の教官たちが、教え子に繰り返し教え込む概念なのである。
【モント=カ】
人類の言語に翻訳した際の正確な意味ではないが、モント=カとは「とどめの一撃」ほどの意味を持っている。タウの戦法では最も攻撃的なスタイルであるこの教義は、標的を確実に発見し、狩猟部体を使って素早く攻撃する事を意味している。
モント=カには多くのバリエーションがあるが、そのほとんどが機動力のある部隊を使って迅速に攻撃し、敵に対して直接戦闘を挑むという戦略を基本としている。この教義の背後にある思想は、敵の急所に迅速で決定的な打撃を与え、最終的な勝利を掴むというものだ。
タウのあらゆる戦術と共通して、モント=カも最優先攻撃目標に集中砲火を浴びせる点を重視している。つまり、標的とした敵に対し、時宜を得た攻撃を、圧倒的な数で加えるのだ。
これは、時期尚早の攻撃で自軍の機動力を失ったり、逆に遅きに失した攻撃で敵に主導権を握られる可能性を無くすためである。モント=カを追及する部体は、攻撃命令が出るまで、何日も待たねばならないこともある。
その間、彼らは戦略計画を入念に見直すのだ。攻撃命令は出た時になすべき動きをシミュレーションし、標的や地形、そしてタイミングの微妙な違いをあらゆる角度から再計算する。攻撃が何段階にも分かれて繰り出されることもあるが、これは攻撃部隊が様々な手段によって、しばしば個別に異なる方角から到着することがあるためだ。
そのような事態に備えた調整策は、あらかじめ戦闘計画の一部に組み込まれており、不測の事態の規模にもよるが、刻々と変化する戦況に応じてより柔軟な対応も可能となっていることは、言うまでもない。モント=カを実行するための最終決断は、敵の状況を完全に把握した指揮官が下すが、しばしば敵の陣中深くへと先行した「パスファインダー・チーム」がその決断の根拠となる。
モント=カを実行する部体とそれを命ずる司令との間には、強い信頼の絆があるのだ。そして、いざ研ぎ澄まされた一撃が放たれれば、それは両者に大いなる栄誉をもたらすであろう。
万が一、標的に損傷を与えられなかったり、標的が強硬に反撃してきたり、あるいは標的に逃げられてしまった場合、攻撃は速やかに中止されることとなる。戦闘の激化を招いたり、いたずらに長期戦に持ち込むのは、モント=カの求める戦術ではない。
消耗戦に入るよりも、タウはいったん敵の射程距離外へと退き、改めて別の攻撃方法を計画するのだ。
【カゥヨン】
カゥヨンとはタウの言語では「狩人」と「忍耐」は同じ言葉を語源としており、タウの狩猟テクニックの中でも最古とされる戦法だ。カゥヨンの戦闘スタイルでは、“狩人役”と“囮役”のチームワークが重要となる。
“囮役”はどのようなものでもいいが、大抵、戦場の中間地点に配置される味方の部隊や、敵にとって非常に重要だとわかっている標的物が使われるようだ。“狩人役”は忍耐強く知恵を絞って敵の進路を予測し、最も有利な態勢で攻撃可能となるように展開する。
例えば、カゥヨンを実行する部体は敵が選択する可能性の高い進路に沿って攻撃を仕掛けるだろう。まず、敵の遥か前方に攻撃チームを置き、ある程度のダメージを与えて撤退するのだ。
敵は復讐心に燃え、撤退するチームの追撃を開始する事は間違いない。追手となった敵は待ち構えて効率よく攻撃するという方法が、カゥヨン兵法の神髄なのである。
待ち伏せ攻撃を真に熟知した兵は、何層にもわたる計画を入念に練り上げる。そのため、敵は最後の瞬間が間近に迫るまで、その行動が読まれていた事、思い通りの攻撃を加えるために、自分たちの行動が誘導されていたことに気付くことはない。
いわば、多くの敵はカゥヨンによって張り巡らされた、蜘蛛の巣に絡めとられるのである。タウの戦線にわざと置かれた囮に誘い出され、あるいは退却していると見せかけたチームによって、熾烈な戦闘が行われている場所へとおびき出されるのだ。
タウの待ち伏せ戦略には、無数の巧妙な罠が仕掛けられている。機略に富んだ指揮官は、敵の軍勢を分断させるため複数の囮を使い、その囮を使い、その囮をあちこち移動させては敵を分散させ、まんまと反撃の手を封じてしまうのだ。
【機動戦術】
火のカーストは、機動力を活かした迅速な攻撃を用いる戦法を得意とする。モント=カの熾烈な攻撃であろうと、重要な地点の確保が鍵となるカゥヨンであろうと、あるいはより知られていない包囲戦術「リンヨン」や千の短剣で切り刻むか如き「リピィ=カ」の戦法であろうと、重要となるのは機動力だ。
このため、火のカーストは流れるように円滑に戦闘を遂行するための構成と装備とが用意されているのである。タウは白兵戦を原始的な戦術と見なし射撃武器の利用を中心とした攻撃計画を立てるであろう。
その計画が実行されれば、勝敗に関係なく狩猟部体はあらかじめ計画に組み込まれた撤退戦術を用いて、戦場から姿を消すのだ。一般的な原則からいって、タウの軍勢は制圧地域の拡大にはさほど熱心ではない。
地形の戦略的利点を理解し、常に自軍の有利になるよう利用しようとはするが、ある地域の制圧を巡って戦うことに、さしたる意味を見出さない。敵軍を撃滅する事に比べれば、自陣の拡大そのものに拘泥することは愚かだとみなしているのである。
熟練の指揮官ならば、そこに敵を壊滅させるための絶好の機会を見出すだろう。ある地域を制圧するのは攻撃に適した位置を確保するためであり、そこから敵を一掃した後に悠々と支配すればよいと考えているからである。
計画を練り、前もって探査装置と斥候を送り込んだ後、タウは効率のいい方法で標的を見極め、追跡し、そして屠る。その際、獲物との距離は可能な限り隔たっていることが望ましい。
【制空権】
タウの戦闘教条においては、いかなる戦場であってもまず「制空権を確保せよ」と謳われている。敵軍と遭遇し戦闘が発生した場合、制空権の掌握が勝利への第一歩となるというのが、タウの間で見られる一般的な考え方だ。
敵航空兵器の一掃を成し遂げれば、自軍の地上部隊は、頭上からの脅威に煩わせることなく前身可能となるだろう。制空権を確保する事によって、タウ地上軍の有する機動戦力を最大限に活用することが可能となるのだ。
敵の航空兵器を警戒する必要がなくなれば、「サンシャーク・ボマー」の編隊は破滅的な爆撃飛行を立て続けにくり出せるようになり、また「レイザーシャーク・ストライクファイター」の編隊も敵歩兵部隊や装甲車両の上空を執拗に旋回して、「クァッド・イオンタレット」の強力な打撃を振り下ろし、地上の射撃が届かない距離から敵を掃討しにかかるだろう。ひとたび制空権を完全掌握したタウは、柔軟性に富んだその猛火力を、然るべきタイミングと必要な方法で運用し、敵の戦力を各個撃破してゆく。
経験豊かなコマンダーは、戦場の上空から高度に統率された対地攻撃をくり出すことが可能であり、これによりハンター・ケードリは極めて適応力の高い、かつ極めて強大な戦力と化す。
【後退に対する姿勢】
強力な敵の攻撃を受けた場合、タウ軍は死傷者の増加を抑え、いざという時に十分な戦力で反撃に転じられるよう、いったん後退する。他の種族とは違い、タウは戦況に合わせて後退する事を不名誉とみなしていない。
むしろ、最後の一兵まで戦って玉砕することなど、想像力の欠如か、無能な指揮官が選ぶ最後の手段でしかないと考えているほどだ。数の上で優勢な敵を疲弊させ規模を縮小させようとする時、タウは個別に迅速な攻撃や待ち伏せ作戦を行うことを好む。
個々の攻撃計画には、敵に与える損傷を最大にし、自軍の損耗を最小にするための策が綿密に練り上げられているのだ。〈大善大同〉のために自己を犠牲にすることは英雄的行為とは考えられているものの、不要な損耗は愚とされる。
狩猟部体を大勝利に導いた後でも、未然に防げた可能性のある戦死者を大量に生じさせた場合、指揮官は喜ぶどころか大いに恥じ入るのである。そして義務として、指揮官の地位を退き、一戦士として戦列に加わり、自らの失態を悔いることが求められるのだ。
行動規範の違反はさらに厳しい処罰の対象となり、直々に同士が進み出て、〈マークラの儀式〉を行うよう命じるであろう。この儀式は立ち会った者全員の心に傷を負わせるほど過酷なものである。
【戦闘の返遷】
タウ・エンパイアが拡大するにつれ、おのずと大規模な戦闘が行われることも多くなる。それゆえ「火のカーストだけで戦いに臨むことが果たして正しいのか?」という質問が投げかけられることとなった。
そこで、導師たちの提案に従い、同盟種族からの傭兵部隊をタウ軍に組み込むことで、補助兵力の大幅な増員が図られている。一方、地のカーストによる新兵器と高度に発達した装備の開発と生産により、新たなテクノロジーを駆使した武器の供給も続いている。
だが、火のカースト軍学校の年経た教師たちは、古くからの教えを強調し続けているのだ。「技術は年々変化を生じる。だが我らが戦略はそうではない」と。


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兵種

【タウ一般兵】


  • 「コマンダー」(司令)(タウ語:シャス=ウォ)


【概要】
コマンダー(司令)。タウ語でいうところの「シャス=ウォ」とは、火のカーストの最高位である。
コマンダーの称号は大いなる栄誉であり、この位階に着くには長い年月をかけて昇り続けるしかない。近道や異例の出世などあり得ないのだ。
「シャス=エル」(貴族(あるいは騎士))の位階の戦士がシャス=ウォの位階を授かるためには、戦場で度重なる武勲を上げ続ける他に道はない。シャス=ウォの称号を授かること・・。
それはその戦士が武術の達人であり、名うての戦術家にして、また戦争のあらゆる局面における卓越した知識を持つことを意味する。
【司令の保持戦力】
コマンダーに預けられる戦力規模は、「ケードリ」(部体)から「コーリション」(和体)まで、大きく異なる。コマンダーとなったばかりの者であれば、百名前後の一個部隊を預かる程度であろう。
かたや、数多の戦役で輝かしい武勲を収め、高い名声を持つ歴戦の司令とあらば、彼の言葉一つで、数百万の戦士たちが馳せ参じる。そのコマンダーが過去に率いた戦力の規模や出陣回数を知りたくば、彼らの長い弁髪を飾る髪環を見ればよい。
彼らの戦場における行動哲学やアプローチは、出身家門によってある程度の傾向がある。ある司令は、「XV8 クライシス・バトルスーツ」を前面に押し立て、自身も最前線に身を置くことを好む。
特にヴィオルラ、タシュヴァール、ケルシアンの家門出身者は、XV8 クライシスのボディーガード部隊を随伴しながら常に最前線で行動し、自分自身の軍功にことさら強い執着を魅せることで名高い。他方、エルシエアやトゥルク家門出身の司令は理性的な指揮で知られる。
彼らは、後方からの指揮司令に徹し、自身が戦闘に直接参加するのは、それ以外の選択肢がない場合に限られるようだ。だが、司令の称号は傲岸の称号にあらず。
万が一、ある指令が増長しすぎ、傲慢が過ぎるとみなされた場合、エセリアルの評議会はすぐさまその者を呼び出し、必要な措置を講ずるだろう。タウ軍制においては「勝利こそが無上。だがそれは、〈大善大同〉の体現と〈火の掟〉によってバランスが保たねばならぬ」とされている。
例えば、必要以上の損耗を強いたうえでもたらされた勝利は「タウ社会が真に求めるものを満たしていない」と判断されるのだ。タウの戦士にとって、個々人が収めた武勲は大いに讃えられるべきであるが、武勲の獲得自体が目的になってはならない。
ごく稀にではあるが、〈大善大同〉の体現に失敗した司令は、エセリアルから〈マークラの儀式〉、すなわち峻厳なる戦士の儀礼作法を命じられることもあるという。
【退役後のキャリア】
コマンダーは、戦場で果てるか、あるいは名誉退役を命じられるまで、自らの家門に奉仕するのが通例だ。ただこれは絶対的なものではない。
中には、格別に勇名を馳せる司令もおり、そのような者たちは出身家門から「シャス=アル=トゥル」と呼ばれ高位の軍事組織へと召し上げられる。〈天球拡張〉が行われるたび、歴史には高名なる司令や名だたる英雄たちが続々と現れた。
彼らの教えは、高名なる司令や名だたる英雄たちが続々と現れてきた。彼らの教えは、〈火階の兵学校〉(ファイアカースト・アカデミー)で今なお受け継がれている。
例えば〈第一天球拡張〉期に主体的な征服攻勢を果たした“賢き狩人たる司令”(コマンダー・ワイズハンター)や「ボルク=アン家門」出身の英雄”瞬撃たる司令”(コマンダー・クイックストライク)などの教えは、その筆頭と言えよう。また、きらびやかな武勲の経歴に彩られた“真星たる司令”(コマンダー・トゥルースター)と彼女が冒した一度きりの、しかし致命的な失策の悲劇も広く伝え残されている。
“砂漠の獣”とあだ名され、策略に長じた“曙撃たる司令”(コマンダー・ドーンストライク)は偽装退却戦術の名手であり、しばしば戦術を模倣されてきたが、彼の戦術を超える者は今日でもなお現れていない。このように火のカーストには数々の偉大な司令官を輩出してきたが、戦績の輝かしさという面において、“清流たる司令”に勝るコマンダーはまずいない。
彼は〈第二天球拡張〉期において数々の大勝利をタウにもたらした気高き英雄である。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P44 イラストより


  • 「エセリアル」(タウ語:アゥン)


【概要】
タウ社会の支配階層を構成するのは、霊(エーテル)のカーストに属するエセリアルたちだ。彼らは評議会を形成し、忠告と指南によって同胞たちを定められし道へと導くのだ。
エセリアルは貴族階級と神官職との特徴を併せ持った役割を果たしているが、それらとの最も大きな違いは、タウ社会において彼らが放つ神秘的な存在感である。重大な事柄を決定する際、賢明なるエセリアルであれば、各カーストの上位者たちから成る協議会を催すであろう。
だが協議会の形を取る場合でも、その最終的な決定権はエセリアルに帰し、彼一人がその重責を担うこととなる。エセリアル自身は、自らを各カースト同士を結びつける役割、すなわち〈大善大同〉の理想に向けて各カーストの足並みを揃え、協調して行動させるように導く役目と考えているようだ。
エセリアルは完璧な指導者であるのみならず、タウ全体をけん引していく統率者たらねばならない。彼らは地のカーストをより実践的な新技術開発へと向かわせ、水のカーストにはより盤石な交渉の目標地点を定め、風のカーストが駆る宇宙艦隊にはより広い視野を与え、時には熱狂のあまりに攻撃的になり過ぎる火のカーストを自らの手で指揮するのだ。
【未知なる忠誠心】
エセリアルがいかなる手段であらゆるカーストを完全に支配しているのかは、謎に包まれている。多くの者たちは「生まれながらにしてエセリアルに備わったサイキック能力によって統率されている」と考えるが、またある者たちは「エセリアルに向けられる完全無欠の忠誠心は、未知のテクノロジーによって操作されたものであり、いかにもそれらしく繕われた偽装工作に過ぎない」と断言している。
さらには「その不自然なまでの服従ぶりはフェロモンを基礎とした化学反応によるものではないか」と考える者までいるようだ。タウ軍がこれまでに遭遇したどれほど原始的な種族であっても「エセリアルは神々しき存在であり、その偉大さ故に、進歩した文明を持つ者たちの指導者として選ばれた存在である」と信じて疑わない。
当然ながら、エセリアルたちは自らを神格化し、それを補強するための神話や伝説を広めているだろう。エセリアルが敵に捕らわれたり殺められたりすることを、タウは必死で阻止しようとするが、万が一そのような事態は起こった場合にいかなる結果や行動が待っているのか・・。
これはごく少数のサンプルケースが存在するが、それらのテスト結果を見ても完全な結論は導き出せておらず、依然として多くの疑問が残されている。
【四大元素の力】
エセリアルの存在はタウを断固たる行動に向けて前進させるが、彼ら自身は単なる象徴的存在に留まっているわけではない。エセリアルは全てのタウから畏敬の念で捧げられる指揮官でもあり、あらゆるタウはエセリアルのために自ら進んで身命を投げ打つのだ。
また四大元素の力を引き出すことにより、エセリアルは周囲のタウに超常的な能力をもたらすことができるという。エセリアルの神通力を授かった者は、致命傷の激痛すら振り払うとも、また突如その身のこなしが風のように軽くなり全力で移動しながら射撃を繰り出せるようになるとも言われるのだ。
タウはこのような不可思議な力の源に対して何ら疑問を持つことは無く、ただ偉大なる指導者に対して不変の信仰と忠誠の念とを抱き続けている。
【オナーガード】
エセリアルは、自らの近衛兵たるオナーガードを伴って戦場に現れることもある。彼らオナーガードは、バトルスーツのパイロットからコマンダーへという標準的な昇進コースからあえて外れ、エセリアルの近衛兵となる道を選んだ者たちだ。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P45 イラストより


  • 「ケードリ・ファイアブレイド」(タウ語:シャス=ネル)


【概要】
各ケードリ(部体)に所属するファイアウォリアーの中で、最も長く戦場に身を置き続ける歴戦の猛者たちが、ファイアブレイドだ。彼らの持つ戦闘技術の前では、しばしばバトルスーツのテクノロジーですら霞んで見える。
また有能な野戦指揮官である彼らは、その豊富な戦闘経験から、敵のどこに射撃を命中させれば最大の損害を与えることが出来るかを見抜く力を持つ。ファイアブレイドが身を置くのは、最も激しい銃撃戦が展開される最前線だ。
ここで彼らは揺るぎない意志によってファイアウォリアーたちを率い、タウの戦士たち一人ひとりにさらなる精密さと能率をもたらす。高度な精密さと能率こそは、タウが何千年にも渡って築き上げてきた戦闘教練の代名詞である。
【戦場の最前線で】
押しよせるグリーンスキンの大群の勢いを削ぐことに関しても、また〈人類の帝国〉が誇る重武装のスペースマリーンを攻撃する事に関しても、ケードリ・ファイアブレイドを超える能力を持つファイアウォリアーは存在しないだろう。ケードリ・ファイアブレイドが何よりも誇りとしているのは、まさしくそれこそがタウの武力の源であると彼らが信じているもの、すなわち歩兵が持つ圧倒的火力に他ならない。
またファイアブレイドたちは、指揮下のファイアウォリアーたちを鼓舞してその火力を組織化し、無慈悲なるパルス兵器の一斉射撃を攻撃目標に叩き込むこともできる。
【栄誉を捨てし指揮官】
ファイアブレイドもかつては、自らのケードリに所属するファイアウォリアーの一人であった。ここで経験を積んだ彼らは、古参にして部隊長の位階であるシャス=ウィへと昇格するのだ。
これら歴戦の指導者の中でも特に経験豊かな者には、バトルスーツを着装する栄誉が与えられるが、ごく少数ながらその栄誉を辞し、ファイアウォリアーたちと共に戦い続ける事を選択する者もいる。その理由は様々で、「クライシス・バトルスーツ・チーム」や「ステルス・チーム」が有していない戦術的多様性を自ら実戦で体現する必要があると考える者もいるし、あるいは単純に、タウ軍の銃列の中心に身を置いて敵を正面から攻撃することを好んでやまない者たちもいるだろう。
ファイアウォリアーとなる道を選択した戦士は、決して「シャス=ウォ」(コマンダー)の位階に至るまでの昇進は望めない。彼らはシャス=エルの下の位階にとどまり続けることとなるのだ。
彼らはまた、バトルスーツ着装者につきものの、意気盛んな性格や二つ名とも無縁である。にもかかわらず、ケードリ・ファイアブレイドの果たす役割には、高い尊敬の念が捧げられてきた。
その敬意は、華々しい栄誉を辞する彼らの強い意志力にのみ向けられているわけではない。たゆまざる修練を続け、戦場において職人的な能率を発揮するファイアブレイドは、崇高なる〈大善大同〉の理念の体現者とみなされているからだ。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P51 イラストより


  • 「ファイアウォリアー」


【概要】
ファイアウォリアーとは、各家門が持つ「ハンター・ケードリ」(狩猟部体)群の主力を成す職業軍人の歩兵たちである。ファイアウォリアーたちは高いプライドを持つことで知られているが、それは数千年に渡って受け継がれてきた実践の教えに学び、〈火の掟〉に定められた四代規範、すなわち「栄誉」、「忍従」、「奉仕」、「自己犠牲」を徹底して守り体現してきたことの自負ゆえである。
【〈火階の兵学校〉】
火のカーストとして生まれるとは、戦うために生まれたことを意味する。彼らは幾多の世代にわたって戦争の中に身を置いてきた戦士達であり、それゆえにその体つきは逞しく、筋力も限界まで鍛え上げられている。
火のカーストに生まれついた赤子は、歩くことを覚えたらすぐに〈火階の兵学校〉へと送られる。〈火階の兵学校〉とは、日の出の勢いで発展するタウを支えるための優秀な兵士らを、途切れることなく要請するために設立された教育機関だ。
〈火階の兵学校〉において、彼らは様々な教えを受け、心、技、体を磨き上げてゆく・・。一人前のファイアウォリアーとなるために。
【先進的な装備】
ファイアウォリアーの装備は、まさに過剰と呼んで差し支えない充実ぶりだ。〈火階の兵学校〉における教練で、彼らは相当の時間を使って、自らが纏うハイテク装備の使用法について学ぶ。
彼らの着装するのは、マルチレイヤー式の複合装甲から成る「コンバット・アーマー」であり、高初速の徹甲弾はむろん、榴弾の直撃からも着装者を保護する。タウが持つ優れた冶金テクノロジーにより、これらのアーマーに用いられる金属の重量は、同程度の装甲素材、例えば人類やオルクが用いるような金属に比べて、驚くほど軽い。
左肩を覆う大型のショルダーパッドは、極めて実用的だ。ファイアウォリアーはこれを盾にして使う訓練を受けており、実践でも頻繁にこのショルダーパッドを敵の方向に向け、銃火をしのいでいる。
またヘルメットには、各種センサー、ターゲット捕捉解析システム、呼吸器、無線機などがコンパクトに内蔵されており、タウのデジタル技術の粋を集めた代物と言えよう。優れているのは防御だけではない。
ファイアウォリアーの用いる「パルスライフル」や「パルスカービン」もまた、恐るべき性能を持つ。その射程距離と命中時の貫通力たるや、現在タウが知る全ての他種族が用いる歩兵携行銃器をはるかに凌駕しているという。
これらの進歩的技術銃により、ファイアウォリアーは圧倒的火力をもって敵を殲滅できるのだ。敵が近接戦闘を挑んできたとき、ファイアウォリアーは速やかに「フォトングレネード」を投擲する。
このディスク状の防御用グレネードは、作動と同時にマルチスペクトル爆発を起こし、凄まじい閃光によって敵の足並みを乱すのだ。ファイアウォリアーの用いるパルス兵器は、いずれも対戦車装備並の火力を持つが、さらに強い打撃力が必要とされる場合、「EMPグレネード」と呼ばれる高性能グレネードを携行する事もある。
これは爆発と同時に特殊な電磁波を放ち、敵ビークルの電子回路を過負荷状態にするグレネードだ。最低でも電子系統の障害、最悪の場合には動力機関のメルトダウンを誘発する。
【チームを率いる班長】
ファイアウォリアーは6から12名で1個の「チーム」(班)を成す。「チームリーダー」(班長)である「シャス=ウィ」は、長い実戦経験を積み上げた結果、一つのチームを任されるに至った歴戦の戦士だ。
自らのチームとケードリに貢献するため、シャス=ウィは様々な特別装備を身に帯びることが許される。ドローンやマーカーライトなどがその典型例だ。
戦闘開始に先立ち、シャス=ウィは自分のチームがとるべき行動についての指示を「コムリンク」で受けるか、それがシャス=ウィをむやみに縛り付けることはない。戦闘において状況は常に変化するものであり、彼らは流水のごとく柔軟に対応し、自らのチームを導かねばならないからだ。
【協調の取れたチームワーク】
火のカーストは、戦場における「統率の取れた協働」をこの上なく重視している。安易な自己犠牲や、付近にいる友軍への支援を怠ることは、ファイアウォリアーにあるまじき失策と見なされるようだ。
ファイアウォリアーの各チームは、自分たちの射界が、付近で行動する他チームといつでも重なるように行動することを、骨の髄まで仕込まれる。そうすることで、近くの班と常に相互支援し、敵の接近から班友たちを守り合うのだ。
この相互支援射撃は、ファイアウォリアーが最重要視する能力であり、その訓練は尋常でない。ゆえにファイアウォリアーの各チームは、相互支援の指定が自分のコムリンクの届く範囲や、接近する敵がたった一人であっても、パルス射撃を反射的に叩き込むだろう。
ファイアウォリアーは、チーム単体でも相当な戦闘能力持つが、相互支援しながら協働するケードリ単位ともなれば、その戦闘能力は個々の総和を遥かに超えるものとなる。このタウ特有の共働思想は、今まで数多の敵を圧倒する直接要因となった。
〈大同盟戦争〉において、オルクの大軍がなす緑の津波は幾度となくタウ戦線に押し寄せたが、槍ぶすまのごとく放たれるパルスの弾雨によって、オルクの突撃はことごとく頓挫した。以来、この戦陣訓は、「相互支援からなる共働あらば、数に勝る敵にすら克つ」典型例として、〈火階の兵学校〉において幾度となく教え込まれるものとなったのである。
【ファイアウォリアー・ストライクチーム】
ファイアウォリアーの中でもストライクチームは数あるファイアウォリアー部隊の中で最も一般的な突撃部隊として知られている。ファイアウォリアー・ストライクチームはパルスライフルを主力兵器として使用し、隠れた敵や戦闘車両に対してはEMPグレネードを投擲し、ドローン・セントリータレットを用いて火力支援を行う。
【ファイアウォリアー・ブリーチャーチーム】
近距離戦を得意とするファイアウォリアーのチームの一種であり、緊密な戦術的陣形で建物内の脅威を排除し、「パルスブラスター」や「フォトングレネード」による高火力戦術を駆使する。全ての進路がクリアが確認されるまで、彼らは熾烈な勢いで敵兵へと攻撃を仕掛ける。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P52 イラストより


  • 「パスファインダー」


【概要】
軽装偵察部隊、「パスファインダー・チーム」。彼らはどんなドローンにも真似できない方法で、コマンダーの目となり耳となる。
彼らの任務は、敵と交戦する事ではなく、ケードリが最も無駄なく作戦行動に従事するのを可能にすることだ。彼らは他の仲間たちに先駆けて動き、敵の間近にまで迫って、その実態を正確に偵察する。
このような任務を果たすパスファインダーは、常に危険と隣り合わせだ。だが、彼らが尊敬を受けるのには、このほかにもいくつかの理由が存在する。
【偵察に適する装備】
彼らの体はバトルスーツや「ステルス・フィールド発生装置」によって守られているわけではないが、それでも無力と呼ぶには程遠い強力な装備を有している。パスファインダーの基本装備の中には、近距離の射撃戦に適した「パルスカービン」が含まれていることが多い。
彼らはまた、ケードリが火力を集中させて狙うべき優先攻撃目標を指定するためのマーカーライトも装備している。どれほどの猛攻にさらされようと、遠距離の敵に対してマーカーライトを照射し続けるパスファインダーの崇高な姿は、まさに〈大善大同〉の理念を体現するものであり、事実、彼らの行動によってタウは数多くの勝利を獲得してきたのだ。
戦場へと浸透した彼らは、「ホーミング・ビーコン」や座標情報中継装置などを起動し、後続の部隊がより正確な戦闘突入や攻撃を行えるような下準備を整える。また中には、パワーアーマーを装備した重装歩兵に対して極めて効果的な「レールライフル」を装備しているチームも存在するようだ。
ごく最近になって配備された射撃武器としては、「イオンライフル」が挙げられる。この武器は二種類の火力モードを切り替えられ、オーバーチャージ・モードで射撃した場合、軽装甲の車両ならば蒸発させてしまうほどの威力を発揮するが、いささか安定にかけ、オーバーヒートによって使用者を危険にさらすこともある。
パスファインダー率いるシャス=ウィはドローンを装備していることが多く、〈第三天球拡張〉においては、パスファインダー・チームの作戦行動支援専用に新たなドローンが何種類も開発された。
【勇敢なる偵察兵】
生命と領土を秤にかけることは、タウにとって受け入れ難いことであるため、火のカーストは不利と見れば一時撤退し、改めて反撃に打って出ることを厳しく訓練されている。緻密に立てられた戦闘計画が頓挫した後、絶望的な状況から巧みに脱出し生還を果たしたパスファインダーの英雄譚を、どの家門も数多く語り継いでいる。
あらゆるタウの戦士たちは、〈大善大同〉の理想のためならば進んで命を投げ出すが、パスファインダーほど自己犠牲の精神を体現している者は、どのケードリにも存在しない。ある家門の報告によれば、〈大同盟戦争〉におけるパスファインダー・チームの死亡率は、84%以上にも達したという。
こうした事実にもかかわらず、あるいはこうした事実があるからこそ、〈火階の兵学校〉には〈大善大同〉の理想に最も忠実であろうとするパスファインダー志願者たちが殺到するのかもしれない。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア6版」(codex:Tau Empire)P38 イラストより


  • 「スナイパードローン・チーム」(タウ語:オルーモン=コー)


【概要】
最前線から遠く離れた場所で身を隠しながら、「ファイアサイト・マークスマン」は戦場全体をスキャンし、最新鋭の光学照準装置で最優先攻撃目標を選択する。そんな彼の上空には、彼の含めたチームの残り全員、すなわち「ロングショット・パルスライフル」を機体の下部に吊り下げたスナイパードローンの編隊が浮遊しているはずだ。
あらゆるケードリにおいて、敵指揮官や敵部隊内にいる重火器装備塀などを特定して狙撃排除することが可能なスナイパードローン・チームは、戦いの切り札となりえる重要な戦力である。
【的確に撃ち抜くマークスマン】
スナイパードローンには極めて高度なAIが搭載されているが、作戦を指揮する頭脳として働くのは無論、「ファイアサイト・マークスマン」である「シャス=ラ」(兵士)である。彼は小型のステルスフィールド・ジェネレーターで身を隠し、鬱蒼とした地形に姿を溶け込ませて、迎撃射撃の危険から身を守っている。
マークスマンは「ドローン・コントローラー」を用いて、最も防備の手薄な獲物を見つけ出し、指揮下のドローンに対して死の狙撃を命じるのだ。スナイパードローンは、標準的なドローンの改良型であり「ロングショット・パルスライフル」と安定翼を装備し、またドローンの機体自体にも小型のステルスフィールド・ジェネレーターが搭載されている。
ロングショット・パルスライフルは、弾丸と化したプラズマを用いて長距離から射撃可能な、極めて殺傷力の高い武器である。適切な地点から放たれた射撃はいかなる標的をも無力化でき、遥か彼方から一斉射撃を行っていとも簡単に大混乱に陥れたスナイパードローン・チームの英雄譚は無数に存在する。
〈人類の帝国〉が〈バーダスの亀裂〉への侵攻を企て戦闘が勃発した際には、わずか一個のスナイパードローン・チームが、スペースマリーンの「滅殺分隊」(ターミネイター・スカッド)を壊滅させた。ターミネイターたちは一人ずつ、分厚い装甲に覆われていないアイレンズ部分を狙撃され、完全に無力化されたのである。
【身を潜める狙撃手】
多くのコマンダーは、スナイパードローン・チームを戦列の背後に配置する。そうすることによって、前方に配備されたファイアウォリアーやXV88 ブロードサイド・チームによる、より強固な防御効果を得ることが出来るからだ。
またコマンダーの中には、無人地域を制圧下に置くためにスナイパードローン・チームを使う者もいる。この場合、スナイパードローン・チームは戦場を監視するために配置され、周囲に展開した自軍部隊へと接近してくる敵に対してしばしば射撃を行うのだ。
スナイパードローンは反重力ジェットによって飛行するため、狙撃のための位置へと移動した後、瞬時に静止飛行状態に入り、標的を狙撃してから、素早く遮蔽物の背後に移動することができる。このため、敵がスナイパードローンを射撃目標として補足するのは、極めて困難だ。
この戦術は、ケルシアンにてティラニッドの巣窟艦隊「ゴルゴン」との戦いが繰り広げられた際に完成を見た。当初、ティラニッドの群集団は猛然と突撃してきたが、大量に投入されたスナイパードローンから激しい射撃を浴び、最終的には大型個体ですらも遮蔽物に隠れながら前進せざるを得なくなったのだ。
【ファイアサイト・マークスマン】
スナイパードローンを操るファイアサイト・マークスマンたちは、「パルスピストル」を装備している。これは万が一敵が接近してきた場合に備えてのことだが、より重要なのは、マーカーライトのためだ。
もちろんマークスマンの多くは、銃火飛び交う最前線から遠く離れ、敵の射撃に身を晒すのはドローンだけとすることを好むが、マーカーライトがあれば、周囲に展開する同胞たちを支援したり、あるいはシーカーミサイルを発射したりできる。一人のマークスマンは最大9機のスナイパードローンを同時に指揮することが可能だが、それほど多くのドローンを駆使する場合、たいていは追加のマークスマンが戦場に赴く。
チーム内の全マークスマンが戦死した場合でも、スナイパードローンに搭載された人工知能は十分に戦闘継続が可能である。地のカーストの技術者たちも、戦いが終わった後に戦場に赴き、新たな標的を探してライフルを旋回させているドローンを目にして、改めて驚きを覚えることがあるという。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P57 イラストより


【クルート】


このクルートなる者たちは、実に凶暴だ。彼らの激しい戦いぶり・・。私も恐怖で震えさせずにはおかぬ。彼らを見た敵も、私と同じように感じ、恐怖に震えることを祈るばかりだ。

シルケルに派遣された水のカーストの使節、

ポー=ヴレ・タウ・チョー

第17ブリムロック竜騎兵師団の待ち伏せに先立つ言葉



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P72 イラストより


  • 「クルート・カーニヴォア・スカッド」


【概要】
クルートは、銀河系の至る所に無数に散らばっている生活している好戦的な異種族(ゼノ)である。その生活圏の密度が最も高いのは、「東部辺境宙域」(イースタンフリンジ)だ。
クルートは、放浪生活を送る原始的な種族だが、彼らの母星にして最大の“都”に相当する惑星「ペック」は、今もなお存在する。放浪生活の果てに、いつかクルートは最終的にこの惑星へと帰還し、風変わりな巡礼者の如き銀河の放浪生活を終えるのだ。
〈第二天球拡張〉の時代、タウ・エンパイアは当時の辺縁部に位置していた惑星ペックを発見されて以来、クルートはタウに忠誠を誓っている。タウ・エンパイアに組み込まれた他のあらゆる異種族にもましてはるかに高い割合で、クルートはタウの火のカーストの支援者として仕えているのだ。
クルートは一族単位で暮らしている。このような生活単位は「血族」と呼ばれており、その多くは獣皮と枯れ木を組み合わせた家を樹の上に築いて住むそうだ。
何千もの小部族に分かれた彼らは、戦闘準備を整え、タウ・エンパイアのあらゆる家門のハンター・ケードリに配備されている。ただし、クルートがタウに公然と忠誠を誓い、惑星ペック全土がタウ・エンパイアに組み込まれてはいるものの、あらゆるクルートがタウのために戦っているわけではない。
悪名高き傭兵部隊となって異種族「アエルダリ」の宇宙海賊と共に戦っていたり、人類や卑劣なる異種族「フラド」のために戦うものが存在するのもまた、事実である。
【身体能力】
クルートは背が高く、一見すると華奢に見えるが、その体には針金のような強靭さが宿っている。また、筋繊維の密度が非常に高いため手足の太さに比べて、発揮される力の比率は人類のそれをはるかに上回るものだ。
鞭のようにしなる筋肉が生み出す一撃は非常に素早く、なおかつ強力である。平地で跳ねるような足取りで歩くが、深い森の中では、木から木へととてつもない速さで飛び移ることができるらしい。
クルートは簡素で原始的な服を纏い、骨や手作りの護符、環などを飾った革ひもを身に着けることを好む。
【戦闘教条】
戦場で独自の行動を許されているクルートは、深い木立や密生した茂みの中に身を潜め、気配を消し、敵側面を叩く位置まで密かに忍び寄る。彼らは姿を隠したままロングライフルを水平に構え、ゆっくり狙いを定めると、奇襲の第一波となる絶好のチャンスを待ち続ける。
その機会が到来した瞬間、あるいは敵がまさに無防備な側面をさらけ出した瞬間、彼らは必殺の一斉射撃を放つのだ。原始的な外見にもかかわらず、彼らは敵の中でカギとなる標的、すなわち敵部隊の指揮官、あるいはヘヴィウェポンや通信装置を装備した兵士などを見つけ出し、それを適切に排除する見事な技量を持っている。
クルートは敵の数を減らし、指揮体形に混乱をもたらしてから、物陰から姿を現し、奇妙に跳ねるような歩き方で敵との距離を詰めてゆく。そして不運なる犠牲者たちの前にクルートが不意に姿を表せば、その後の状況はいかなるものであれ、理屈抜きの惨状と混乱に陥ることは間違いない。
この戦術は故郷の惑星の惑星ペックに広がる鬱蒼とした密林や、悪臭を放つ沼地で培われたものだ。クルートたちは故郷を遠く離れてはいても、故郷と同様の戦い方を繰り広げるのである。
【装備】
クルートの見せる野蛮さ、そして荒々しさは、共に戦うファイアウォリアーたちとは全く正反対の性質といってよいだろう。クルートが身に着けているものは、所々に粗末な縫い方で金属板を固定した動物の皮だけで、タウが着装するようなボディーアーマーに比べると、遥かに原始的なものだ。
またファイアウォリアーたちは、精密さと身上とする軍事訓練によって得た組織的行動力を効果的に発揮するため、統一感のある軍服や制式装備によって身を固めているが、一方でクルートたちは、その外見からして既に薄汚くちぐはぐで、全く統一感がない。彼らは手作りの魔除けや骨を組み合わせた装束を身に着けて戦場に赴くのだ。
多くのクルートは更に、携行食料として敵の死体から切り分けた肉塊や肉片を所持している。
【食欲旺盛なクルート】
クルートの最大の特徴は、何と言ってもその旺盛な食欲であろう。というのも、この異種族はたとえ先頭の真っ最中でさえ戦死者の上にかがみ込んで、また死後硬直が始まっていない肉片をかじって飲み込み始めるほど貪欲なことで知られているからだ。
この不穏な習慣だけで、それまで同盟関係にあった者たちを遠ざけてしまうのも無理からぬことだが、「いかなる環境でも自給自足で行動可能な、野外活動に長けた種族との同盟」は、タウが長らく探し求めていたものでもあるため、クルートの野蛮さはおおむね見過ごされているのが現状だ。無論、戦闘のさなかに自軍の兵を食料にしてしまうことを可能な限り避けるため、クルートと、そしてタウの死体はともに食料に充てられることはなく、没収される。
クルートたちは「定期的に食料の供給がされるならば、その食材が何処から来ようと一向に気にしない」のだ。クルートたち自身は、同盟者がなぜそこまで神経質になっているかが理解できていないようだが、少なくともタウが一人でも目の前にいる時は、クルートは自分たちの習慣を控えるようにすべきであることを学んでいる。
またクルートたちは、他の生物の肉を食べて消火すれば、その能力を自らの肉体に取り込むことができると考えられている。すなわち、ある惑星で生活するクルートが、何らかの現住生物の肉を一定期間摂食し続けた場合、このクルートたちの肉体はその現住生物と同等の能力を発揮できるようになるのだ。例えば、「ゴリロイド・プリマペス」の肉を食べ続けたクルートは、分厚い筋肉汁の肉体へと変貌するのである。
【クルートライフル】
日の出の勢いで拡張を続けるタウ・エンパイアにおいて、クルートのおびただしい人数と高い戦意は、それ自体がクルートという種族自体の価値を極めて高いものにしていると言えよう。彼らによる支援をより効果的なものにするため、タウはクルートの標準的な装備を近代的に改良することさえしてきた。
クルートは白兵戦時の武器としても使用可能な、刃物が取り付けられた長銃身びライフルを長らく愛用してきた。このライフル銃は元来、粗末な実体弾を発射するだけの武器に過ぎなかったが、タウの先進的テクノロジーを導入する事によって、クルートライフルはファイアウォリアーが装備するパルスライフルにも匹敵するほどの威力を持った、荷電粒子弾発射型ライフルへと進化を遂げたのだ。
その後も、クルートライフルにはいくつかの増強を施され、異なる種類の射撃を持つに至った。パルスウェポンとしての通常射撃モードに加え、狙撃モードでの射撃を選択することも可能になったことは、タウとは全く異質の戦術を取るクルートたちに大きな利益をもたらしたと言えよう。
【野蛮なる文化】
どれほど戦闘経験豊富なタウのコマンダーも、クルート・カーニヴォア・スカッドはケードリにとって極めて価値ある戦力だと認めている・・。無論彼らは、倒した敵の生肉を好んで口にするクルートたちの野蛮な慣習からはあえて目を逸らすのだが。
何度もの天球拡張を経る中で、クルートにはタウと同等の敬意が払われるようになっていった。ファイアウォリアーの指揮官たちも、またエセリアルでさえも、クルートの見せる武勇に対しては高い評価を与えている。しかしその一方で、彼らの心の底では皆「タウの繊細な感覚と進歩した文明に触れ続ける事で、いつの日かこの未開種族も、あの身の毛もよだつような野蛮な慣習を捨て去るはずだ」と願っているのだ。



画像出典:ミニチュアモデル「Tau Empire Kroot Carnivore Squad」 箱絵より


  • 「クルートハウンド」


【概要】
クルートたちはしばしば、似通った特徴を持つ多くの亜種や、あるいは近隣種と呼ぶべき奇妙な生物を連れて、戦場に赴く。この生物たちはクルートの拠点のすぐ傍らに、相当な規模で群を成していることさえもある。
これらの生物を引き連れて混成部隊を形作った場合、カーニヴォア・スカッドの部隊編成は、とても軍体とは思えないほど混沌とした様相を呈するだろう。このような混成部隊の中心をなすのはもちろんクルートの戦士たちであり、進化の途中で彼らと分岐したと思しき亜種や近隣種が、しばしばここに迎えられる。
猟犬のような外見を持つ「クルートハウンド」は、その荒々しい気性で名高いが、高い追跡能力と戦闘能力でカーニヴォア・スカッドに貢献している。この機敏な生物は、信じ難いほど鋭い嗅覚で獲物を追跡するのみならず、ひとたび白兵戦に入ると、主人であるクルートたちのもとから矢のごとく飛び出し、くちばし状の口で獲物の脆弱な下腹部を引き裂くのだ。
クルートはこの生物を訓練させ、パワーアーマーの泣き所である継ぎ目の部分を狙うように調教しているという。獰猛なクルートハウンドとの格闘も確かに危険だが、この猟犬たちはが敵にとって最も大きな脅威となるのは、退却してゆく敵を迎撃すべく解き放たれた時である。
クルートたち自身は、手負いの獲物を追うことは滅多にしない。そうする代わりに彼らは、捕まえた獲物は何であれ無慈悲に引き倒す血に飢えた猟犬、クルートハウンドの群れを解き放つのである。


画像出典:TRPG「Deathwatch: Mark of the Xenos」 イラストより


  • 「クルトゥックス」


【概要】
クルートたちの中に混じって最もよく遭遇する生物を他に一つ挙げるならば、大型獣「クルトゥックス」であろう。クルトゥックスは幅の広い背中と巨体を持つため、移動式の重火器プラットフォームとして利用される。
大砲と見紛うばかりの巨大な銃を括り付けたクルトゥックスの背にクルートの戦士が乗り、重火器の操作を行うのだ。クルトゥックスは本来、攻撃的な性質を持った生物ではないのだが、同族や群れの仲間と認識した者たちを守るためならば、驚くほど獰猛な戦いぶりを見せるという。


画像出典:TRPG「Deathwatch: Mark of the Xenos」P18 イラストより


  • 「シェイパー」


【概要】
様々なクルートたちや近隣種の群れを統率し、単一の意思を持った個体であるかのように導くのが、クルートたちのリーダーにして謎めいた指揮官、すなわち「シェイパー」たちの役目である。シェイパーはクルートたちのリーダとしてだけではなく、摂食した生物から能力を得るクルートの特徴をよく熟知しており、子孫に有益な遺伝子を伝えるために、どんな獲物を摂食すべきかを同族に教えている。
シェイパーはある資料によれば「シェイパー・カースト」と呼ばれており、タウとクルートの文化的な繋がりを示している。
【戦場に赴くシェイパー】
シェイパーは個々の血族を戦場に導き、人類の軍隊でいう軍曹ような役割をもって指揮を執る。大規模な血族は通常「マスター・シェイパー」が指揮系統を有するが、複数の血族からなる部隊は3~5名のクルートからなる「シェイパー・カウンシル」によって指揮される。
彼らは他のシェイパーの監査役を務め、シェイパーが自らが率いる戦士たちに危険な進化へと導かないように監視、指導を行う。緊急時には「シェイパー・チーフ」によって統率され、何百もの同族を単一の軍体として統合することも珍しくない。
【進化の導き手】
シェイパーは更にもう一つの役割を持っており、特定の種を摂食することで、その近親者のクルートの進化を指示することである。例を挙げると、シェイパーが自らの血族をより筋肉質な体形にさせたい際は、異種族である「オルク」を摂食させるように指示する。
またある例では、より俊敏で迅速な能力を追い求めるシェイパーは、血族にアエルダリを狩るように命じる。なお、〈帝国〉の臣民である人類はクルートにとって「一次中級栄養食」として指定されている。
【シェイパーが持つ能力】
シェイパーには多くの能力をもっており、その一つとして敵の種族を摂食した際に、その種族の傷や能力を本能的に理解することができる。また、彼らはシャーマニズム的な超常能力を備えている。
この能力は先祖の戦士の霊魂を呼び出し、様々な恩恵を得ることができる。その地におけるハンターの血と先祖の支持を得るための祈りや儀式を行うことによって、先祖からの祝福が得られるという。
シェイパーは更に予知夢を見ることもあり、一件理解し難い意味深なヴィジョンを授かり、その内容は数週間後、あるいは数年後に関する何かを示しているという。



画像出典:TRPG「Deathwatch: Mark of the Xenos」P14 イラストより


【ヴェスピッド】


【概要】
ヴェスピッドが放つ甲高い羽音は、一度耳にしたら忘れられないほど特徴的だ。そして、この羽音を耳にしてなお生き延びることが出来た者がほとんどいないのも、また事実である。
敵がこの羽音を聞くのは、「ニュートロン・ブラスター」から放たれる瞬間、すなわち不吉なる稲妻が閃く直前だ。ヴェスピッドはタウ・エンパイアに加わった飛行能力を持つ昆虫型異種族である。
タウがヴェスピッドの傍らで戦うのは、奇異な光景に見えるかもしれない。一見すると両者の外見は、著しく異なっているからだ。
ヴェスピッドは悠々と宙を舞い、空中を上下に素早く移動する。キチン質の翼はあまりに高速度で羽ばたくため、ぼんやり霞んだようにしか見えないだろう。
風のカーストに属するタウも、遥かな古の時代においては翼を有していたが、現在ではテクノロジーの力を用いなければ飛行できない。ファイアウォリアーたちと同様に、ヴェスピッドの体は部位ごとに分かれたセグメント型のアーマーに覆われているように見えるが、これは人工的に造りだされた物ではなく、彼らの持つ強固な外骨格だ。
またファイアウォリアーのヘルメットには最先端の「コムセンサー」が搭載され、戦場の様々なデータを収集するが、ヴェスピッドはこれすら天然の力でやってのける。二本一組の特徴的な感覚器官は、アンテナのように周囲の情報を絶え間なく読み取るのだ。
こうした様々な相違点にもかかわらず、それぞれの兵はお互いの指揮官に高い尊敬を払っており、ただの提案ですらも軍事命令であるかのように厳格に従うという。このようにして現在、タウとヴェスピッドは非常に緊密な連携行動を取るが、その道のりは決して平坦ではなかった。
【相互理解までの道】
水のカーストが初めてヴェスピッドと遭遇した時、彼らは多くの困難に直面した。この昆虫型異種族の精神構造はあまりにも異質であったため、それを理解したり合理性を見出したりすることが不可能だったからである。
だがエセリアルの指導のもと、二つの種族の相互理解を深めるため、地のカーストから意思疎通のための装置が提供されることとなった。ほどなくしてこの意思疎通装置はさらに改良され、昆虫型異種族の長に当たる「ストレイン・リーダー」用の「コミュニケーション・ヘルム」などが開発されていった。
こうして、拡張を続けるタウ・エンパイアに新たな種族ヴェスピッドが迎えられることとなったのだ。ヴェスピッドはタウ・エンパイアにおける自分たちの地位を大いに歓迎し、エセリアルに対して恭順の意を示したという。
また、タウ・エンパイアから技術支援と武器開発の援助を受けた見返りとしてヴェスピッド側からは支援戦力を派遣し、また母星である惑星「ヴェスピッド」で産出される希少価値の極めて高いクリスタルをタウが定期的に採掘する権利にも同意したのである。一切の反発や抵抗を示すことなくヴェスピッドが併合を受け入れたことと、その直前に彼らに対して贈られたコミュニケーション・ヘルムとの間には、何らかの秘密が隠されていると囁く者もいる・・
だが、これまでのところ、そうした考え方を裏付ける証拠は何一つ見つかっていない。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P73 イラストより


  • 「ヴェスピッド・スティングウィング」

【概要】
スティングウィングで知られるこの機動部隊は、タウの支援部隊として、火のカーストに属する戦士たちの傍らで戦う。戦場において、ヴェスピッド・スティングウィングの持つスピードと険しい地形を難なく超えていく高い機動力が、そのまま強力な武器となる。
戦場に出撃する時、スティングウィングは高速機動戦術を得意とする「モバイル・ケードリ」に編入されることが多い。彼らは偵察飛行任務に就き、同時に地上で斥候として動くパスファインダー・チームと、お互いの役割を補完するのだ。
コマンダーの中には、スティングウィング部隊を自らのクライシス・チームの側面に配備する者もいる。この有翼の昆虫型異種族は、ジェットパックを装備したタウの俊敏なバトルスーツに付いて来れるだけのスピードと機動性を兼ね備えているからだ。
ヴェスピッドが持つ特徴の数々は、五つのカーストのいずれにとっても諸手を上げて歓迎すべきものであり、今や惑星ペックの傭兵たちであるクルートに劣らぬのほど割合で受け入れられている。
【ヴェスピッドの秘密兵器】
加えて彼らは、この種族独自の極めて危険な銃器、ニュートロン・ブラスターを有しているのだ。この銃身の末端には、高エネルギーを帯びた不安定状態のクリスタルが備わっている。
惑星ヴェスピッドの深部でしか採掘できないこの特殊な結晶体を、タウは高度なテクノロジーによって中性子格納容器内に組み込み、さらに中性子投射用のシステムを取り付けた。これにより、敵の装甲を貫通して内部の肉体を損傷させたり、あるいは戦闘兵器の制御システムを焼き切ることが可能な、恐るべき射撃武器が生み出されたのである。
この武器は、ヴェスピッドによって装備された時にしか正常に動作しない。ヴェスピッドの翼の振動によって発生する超音波が、この結晶体の中で封じられたエネルギーを調整する唯一の手段だからである。


【その他】


  • 「ゲヴェサ アグジリャリー」

【概要】
ゲヴェサとは、ダモクレス征戦の際にタウ側に捕まった「帝国防衛軍」の捕虜であり、処刑される事よりもタウ・エンパイアに忠誠を誓った者たちのこと、またはその子孫のことを指す。彼らが誓った皇帝への忠誠は、タウ・エンパイアを支配する「霊のカースト」への忠誠へと置き換わった。
人類の補助部隊はタウ版図の西端、特にダモクレス征戦の舞台となった惑星ではごく一般的な光景として見られる。ダモクレス征戦当初、タウ・エンパイアは〈帝国〉軍が予想をはるかに上回る強大な勢力であることを知り、敵側の攻勢が停滞すると、タウ軍と戦闘を行っていた〈帝国〉軍は、ティラニッドの巣窟艦隊「ベヒモス」からの防衛を行うために撤退を余儀なくされた。
かのタウ軍の英雄である「コマンダー・ファーサイト」はこの状況を利用して、撤退する〈帝国〉の艦隊の後に続き、取り残された〈帝国〉側の兵士たちにタウ・エンパイアへの忠誠を誓うか、捕虜としての暗い結末を迎えるかの厳しき選択を迫ったのである。その結果、故郷から何光年も離れた敵国の地に取り残されたという状況に直面した多くの人類は、他の選択肢を見出せずにタウ・エンパイアへの忠誠を誓ったのだ。
かくして元〈帝国〉の臣民である兵士とその子孫は現在、タウ・エンパイア版図内の辺境にあるコロニーで生活している。新たな主人に忠誠を誓った人々は今の環境に満足しているが、再び〈人類の帝国〉による征戦に直面した際に、元同胞からの報復を恐れているのである。
【装備】
タウ・エンパイアに参加した人類は、タウが押し進める戦争で勝利するために様々な技術が提供されている。彼らには限られた生産能力しかないが、単純な農具から標準的な〈帝国〉製のラスガンの模倣品まで様々な機器を製造することが可能だ。
有事の際には、タウはゲヴェサにパルスライフルやパルスカービンなどのより高度な武器や、マーカーライトとEMPグレネードなどの特殊な装備の使用を許可している。これらの補助的な兵士は、国境地域においてタウ軍の尊敬を集める存在となっており、野蛮なクルートとタウ軍の主戦力であるファイアウォリアー・チームの間における戦術的な需要を埋めている。
ゲヴェサはクルートのような接近戦闘の達人でもなければヴェスピッドのような高速戦闘を得意とする種族ではないが、タウのより高度な技術を利用することが可能な〈大善大同〉のために戦う兵士として貢献している。


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ウォーギア(武器)と防具


【概要】
タウ・エンパイアは近距離戦よりも遠距離戦を好み、その装備のほとんどが遠距離専用の射撃武器だ。これに高機動の反重力車両やバトルスーツなどの高機動兵器を利用して機動力のある戦闘を押し進める。
大規模な弾幕よりもピンポイントで高火力な兵器が好まれるため、レーザー誘導式のミサイルや各種光学兵器、AIを用いたドローンや各種支援システムを用いて効率的でかつ精確な射撃を実現する。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア6版」(codex:Tau Empire)P67 イラストの図表を元に解説を追加


【近接武器】

  • 「イコライザー」

エセリアルの一部は、イコライザーと呼ばれる装備を二個一組の形で携行している。イコライザーはエセリアルの地位の象徴であるのみならず、強力な「ディスラプション・フィールド」を発生させる武器でもあり、衝撃と共に敵の骨と装甲をもろともに粉砕する。

  • 「誉れの刃」

誉れの刃は、幅広の刀身を持つ長柄の槍である。導師のカーストに属するエセリアルの間で衝突が起こった際、様式化された無血決闘によって調停されることが知られているが、その際に使用されるのもこの武器だ。
鮮やかな動作によってこの武器が振り回されると、その刀身は疑似的に不可視の状態となるため、この銀河にひしめく野蛮な種族にとっては極めて恐るべき武器となるだろう。

  • 「誉れの杖」

エセリアルは権威の象徴として誉れの杖を持っているが、緊急時にはその杖を使用して敵を殴打するために使用する。

  • 「クルートライフル(格闘)」

射撃能力を持つだけでなく、クルートライフルの銃口付近及び柄には刃物が備わっており、白兵戦においても効果的な武器として使用できる。これはかつて彼らは用いた原始的な棒状武器を起源とするものだ。


【射撃武器】
「バースト・ウェポン」
バースト・ウェポンはタウ軍の武装として一般的に見られる武器の一種であり、基本的にはバトルスーツやビークルに搭載される形で使用される。
タウのパルス兵器群に見られるのと同様のプラズマ誘導テクノロジーが採用されており、複数銃身からなるバーストキャノンは高い連射性を誇る。

  • 「バーストキャノン」

パルスカービンを複数銃身にしてまとめたもので、パルスカービンよりもかなり大型化して威力も強化されている。しかし、パルスカービンのように「フォトン・グレネードランチャー」を追加で装備することができなくなっている。
バーストキャノンは高い連射性を誇り、主にバトルスーツや各種ビークルに搭載されている。バーストキャノンから放たれる弾丸は非武装の兵士をズタボロの死体へと変えて数十メートル先まで吹き飛ばす威力を持つが、パワーアーマーに身を包んだスペースマリーンはこの弾丸に耐えられるだけの防御力を持つという。

  • 「ヘヴィバーストキャノン」

XV104 リップタイド・バトルスーツに装備されている大型のバーストキャノンで、通常のものよりも性能が強化されている。


「フュージョン・ウェポン」
フュージョン・ウェポンはタウで使用される熱線兵器であり、多種族でいう「メルタウェポン」の部類に入る。

  • 「フュージョンブラスター」

フュージョンブラスターは対戦車兵器であり、いかに強固な装甲であろうと一瞬のうちに融解スラグの残骸へと変えてしまう。主にクライシス・バトルスーツに装備されることが多い。

  • 「フュージョンカスケード」

フュージョンカスケードはXV9-01 ハザードクローズサポート・バトルスーツに搭載された試作兵器である。フュージョンブラスターと同様の技術をベースに、強力な熱線エネルギーをターゲットに叩き込む。
一発あたりの威力は〈帝国〉のメルタウェポンに及ばないが、圧倒的な連射速度で敵に熱線の弾幕を浴びせることが可能だ。

  • 「フュージョンコライダー」

フュージョンコライダーはXV95 ゴーストキール・バトルスーツに装備されているフュージョン・ウェポンで、瞬く間に敵の装甲を融解スラグへと化してしまう威力を誇る。対戦車兵器として有用だが、その射程はかなり短い。

  • 「フュージョンエラディケイター」

大型のフュージョン・ウェポンであるフュージョンエラディケイターは、現在のタウの熱線兵器技術の限界に対する根本的な解決策として設計された兵器として開発された。武器内は複数の同期した発射室のバッテリーを組み合わせており、非常に強力なエネルギーの爆発を敵に向かって投射する。
射程内の固体物質は強力な熱力によって分子レベルで引き裂かれ、タウが把握しているどんな物質もその破壊力に耐えられないという。この強力なフュージョン・ウェポンの製造にかかる材料や専門知識のコストは非常に高く、武器の耐久性は単一の戦闘に限られるため、使用できる回数も限られている。
フュージョンエラディケイターは部品に一度使用限界が来てしまえばその部分は破棄され、再使用するには同じ部品の交換が必要となる。

  • 「フュージョンオブリテーター」

試作型のフュージョン・ウェポンの一種で、XV95 ゴーストキール・バトルスーツに採用されている。〈帝国〉軍の巨大な装甲連隊に対応するために開発され、先進的なパワーセルにより優れた射程距離、出力、高効率を実現している。


「クルート・ウェポン」
タウの同盟関係を結ぶ異種族「クルート」が用いる武器で、クルートが古来から使用している武器に地のカーストが近代化改修を行った武器を用いて戦う。

  • 「クルート・ボルトスロワー」

クルートが使用する原始的な弩(石弓)であり、ボルトと呼ばれる矢を発射する原始的な武器だ。ボルトスロワーはクルートがタウ・エンパイアと遭遇する前から使用されており、タウ・エンパイアに併合されてからは発射される矢に衝撃反応型の爆発チップを埋め込んだ改良型を使用している。
タウのミサイルポッドに搭載されている弾頭を小型化した爆発チップ付きの矢を発射するボルトスロワーは、弾倉から補充されて素早く弓の弦を引き直す独創的な「ハンドクランク・システム」によって発射され、少ない労力で高い発射速度を維持することが可能だ。

  • 「クルートガン」

クルートガンはクルトゥックスの背中に装着された重火器であり、クルートライフルの大型版と言っていいだろう。あまりにも大きいために手に持って使用することはできない。
クルートガンは通常、輸送車両や戦闘車両からの攻撃から部隊を守るために用いられる。

  • 「クルートハンティングライフル」

クルートハンティングライフルは通常のクルートライフルを改良したものであり、より狩猟に適した仕様となっている。従来型よりも消音効果が高く、射程距離が強化されているため狙撃銃として使用されている。

  • 「クルートライフル(射撃)」

クルートが用いてきた原始的な実体弾発射型の銃は、タウの科学技術によって近代化改修をされ、荷電粒子のパルス弾を発射できる兵器へと改良された。一部の銃は、より強力な阻止能力を誇るスナイパー弾を発射できるが、スナイパー弾は発射の度に再装填しなければならず取り回しが悪いという側面を持つ。
またクルートライフルの銃口付近および柄には白兵戦用の刃が備わっており、近接戦闘においても効果的な武器として使用できる。これはかつて彼らが用いた原始的な武器を起源とするものである。


「イオン・ウェポン」
イオン・ウェポンから射出される高エネルギー光線は猛烈な破壊反応を引き起こし、金属と有機体の区別なく全てを蒸発させる。またオーバーチャージ状態で射撃する事でより破壊的な光線を射出できるが、この場合主要パワーセル部分にオーバーヒートの危険性が生じる。
地のカーストは長年、歩兵用のイオン兵器開発を計測している。タウのイオン兵器はこれまで、高エネルギーの荷電粒子を生み出すために、強力で大型の発電装置や、核反応炉の小型版を必要としてきた。
それゆえ、イオン兵器は強力ではあるものの、その使用が可能なのは大型のエネルギー源を搭載可能な大きさの車両やバトルスーツだけであったのだ。だが近年の技術の進歩によって、大きな発見がもたらされた。
これまで限界と思われてた量よりも遥かに多量のイリジウムを含有する新合金が発明されたのである。この高い反応性を持つ素材は「モートニウム」と名付けられ、危険性はあるものの、極めて有用であることが明らかとなった。
空気に触れたモートニウムは直ちに劣化を始め、大量のイオン流を発生する性質を持つが、これを収束させれば、高エネルギーのビームへと変換でき、また射撃武器にも転用できることが解明された。この発明によって大型のイオン発生装置はもはや不要となり、地のカーストは直ちに歩兵携帯型のイオン兵器開発に着手したのである。
イオンライフルのエネルギー源は、モートニウムの筒状対(シリンダー)であり、反応性の高いこの合金を空気に接触させるだけでエネルギーの再充填やオーバーチャージが可能だ。合金自体が劣化しきってしまった場合、新たなシリンダーが直ちにイオンライフルの保護ケース内にセットされる。
イオンライフルは制式銃器として支給されているが、それを取り扱う標準なファイアウォリアーは、強力な放射線に被曝し続けることによって、数か月のうちに肉体に何らかの障害が生じてしまう。これは、強大な火力と長射程を誇るイオンライフルに内在する、やむを得ないリスクだ。
すでに地のカーストはより安全な防護手段を開発中だが、その努力に見合うほどの成果は未だに得られていない。

  • 「サイクリック・イオンブラスター」

サイクリック・イオンブラスターはバトルスーツ用のイオン・ウェポンで、試験的に導入された特別仕様の武器である。サイクリック・イオンブラスターは、主に多数の軽装歩兵に対して使用するように設計されており、4つのバレルからイオンを放射する高速なストリームを生成する。
発射速度は一定だが、イオン化効果は一定でないため装甲に対する貫通力が安定しない。

  • 「サイクリック・イオン・レイカー」

強力な威力を持つ大型イオン・ウェポンで、XV95 ゴーストキール・バトルスーツに装備される武器の一種として用いられる。ターゲットに破壊的なイオン反応を引き起こし、有機体や金属を容易に蒸発させる。

  • 「イオン・アクセラレーター」

イオン・アクセラレーターはXV104 リップタイド・バトルスーツの装備の一種であり、チャージされた「ノヴァリアクター」から放たれる破壊光線は壊滅的な効果を発揮する。

  • 「イオンキャノン」

イオンキャノンは大型の車両や宇宙船に搭載される大型イオン・ウェポンである。高エネルギーのイオン化粒子の流れを生成し、電磁場を制御してその破壊的な放流を標的に向けて放つことができる。
これらの粒子は標的と爆発的に反応し、原子レベルの莫大なエネルギーを伝達する。その結果、エネルギーによって生じる気化によって莫大なダメージを与えることができ、その威力は帝国宇宙軍で使用される「ランス」に匹敵する。
イオンキャノンにはさらに大型化した「ヘヴィイオンキャノン」も存在する。

  • 「イオンライフル」

イオンライフルは試作兵器の一種であり、軽装の歩兵でも扱えるようにしたイオン・ウェポンである。現在はパスファインダー・チームが独占的に使用している。

  • 「クアッド・イオンタレット」

4連装のイオンキャノンが1組になった砲塔であり、主にレイザーシャークに搭載されている。軽装甲の車両を破壊し捻じ曲がった残骸へと変えるだけの威力を誇る。

  • 「アンプラファイド・イオンアクセラレイター」

何十年にも渡って極秘裏に開発された試作型イオン・ウェポンで、ネクロンの「ソーテク王朝」の軍勢に対して高い殲滅効果を証明している。


「ミサイルポッド・ウェポン」
単純かつ効果的な構造を持つミサイル発射装置。ミサイルポッド・ウェポンは多くのバトルスーツやドローンに搭載され、中距離以内にいる敵の軽装甲ビークルや重装歩兵部隊を撃破するために用いられる。

  • 「ミサイルポッド」

ミサイルポッドはバトルスーツの肩や腕部に装備するシンプルなミサイルランチャーであり、主に軽車両などの中距離の標的に対して使用される。ミサイル一発が直撃した際には、スペースマリーンのパワーアーマーを引き裂くのに十分な威力を持っており、さらに直撃した際にはマリーンの死体が爆発四散する。

  • 「ハイイールド・ミサイルポッド」

通常のミサイルポッドよりも射程距離と貫通力をある程度犠牲としているものの、大規模な集中砲火を放つことを可能としており、軽装甲の歩兵隊や車両に甚大な被害を与えることが可能だ。

  • 「シーカーミサイル」

シーカーミサイルは〈帝国〉軍の「ハンターキラーミサイル」に似た特徴を持つタウの追尾ミサイルである。各ミサイルには強力な弾頭とジェットエンジンの他に、マーカーライトのエネルギービームを感知するダイオード受信機の集合体である「シーカーアレイ」が搭載されている。
ひとたび発射されると、ミサイルはマーカーライトの光に照らされた標的をダイオードアレイで感知し、正確なマーカーライトのパルスパターンのみを検出する。誘導システムは正確なパルスパターンに沿っていることを確認するためにミサイルのフィンを調整し、ミサイルの速度と相まって、遠距離でもきわめて高い命中精度を実現する。
シーカーミサイルは味方の兵器を避けるために回避行動を取ることも可能だ。

  • 「クラスターロケットシステム」

おびただしい量のドローン制御弾頭を発射することが可能な30連装ロケットシステム。KV128 ストームサージに装備されており、その圧倒的な弾幕で敵を飽和攻撃で圧倒する。

  • 「アニヒレーション・ウォーヘッド」

KV128 ストームサージに装備された試作型ミサイル兵器。

  • 「ネクサス・ミサイルシステム」

KX139 タウナール スプレマシーアーマーに搭載されている巨大なミサイルランチャーで、その巨体にふさわしき威力を誇る。

  • 「スマートミサイル・システム」

スマートミサイル・システムは、自動追尾ミサイルを発射するミサイルランチャーで、AIによって制御される。ミサイルが発射されるやいなや、弾頭は完全に独立したドローンレベルのAIによって制御され、標的を追尾したり、隠れたターゲットに攻撃を加えたりすることが可能となる。
追尾ミサイルは暗い場所や夜間でも使用でき、発射された敵のミサイルを迎撃するのにも使用できる。


「プラズマ・ウェポン」
極めて不安定で制御が困難という性質を持つにもかかわらず、銀河系の多くの種族が「プラズマ・テクノロジー」を兵器として使用している。タウにおけるプラズマ・ウェポンは威力よりも使用者の安全性を優先したテクノロジーを好むため、各種プラズマ兵器にもその思想が見て取れる。

  • 「プラズマライフル」

標準的なタウのプラズマ・ウェポン。不安定でお粗末な〈帝国〉製のプラズマ・ウェポンとは異なり、安全性が高いが威力は劣る。

  • 「プラズマキャノン」

ビークル用のプラズマ・ウェポンで、主にハンマーヘッド・ガンシップに搭載されている。


「パルス・ウェポン」
パルス・テクノロジーは、火のカーストの戦士の武器として広く使用されている。全てのパルス・ウェポンはプラズマ誘導テクノロジーが使用され、驚くほど長射程のパルス状のプラズマ弾を連続射出できる。
パルスライフル及びパルスカービンは、ファイアウォリアーに支給される標準武装であり、前者は長射程を、また後者は「フォトン・グレネードランチャー」を内蔵し連射能力が高められている。

  • 「パルスライフル」

ファイアウォリアーの標準装備の一種で、〈帝国の〉「ラスガン」(粒子銃)と同程度の大きさでありながらその威力は遥かに強力である。パルスライフルは誘導磁場によって加速された粒子が銃身から離れる際に分解されて発生するプラズマパルスを発射する。
銃身の先端近くにある小さな円形の装置は「ガンスタビライザー」と呼ばれ、照準安定化システムの一部であるジャイロスコープを内蔵している。パルスライフルが目標に対して安定した状態を保ち、遠くからでも最適な角度で射撃できるように補正している。
これにより、パルスライフルの有効射程距離は他の多くの歩兵武器よりもさらに長くなっている。パルスライフルのエネルギー源である「パワーセル」は50発で撃ち切ったら交換しなくてはいけない。

  • 「ロングショット・パルスライフル」

更なる長距離狙撃を行うために開発されたパルスライフルのバリアント。

  • 「パルスブラスター」

パルス・ウェポン版の散弾銃であり、パルスショットガンの名としても知られている。ファイアウォリアーのブリーチャー・チームでよく用いられ、強力な近距離火力を発揮するように設計されている。
タウは歴史的に戦闘思想で近距離戦を軽視してきたが、複雑で狭い通路が多い構造を持つ〈帝国〉のハイヴシティー内で行われる市街地戦が困難であったため、パルスブラスターが開発された。パルスブラスターは、プラズマベースの弾薬の殺傷力を高めるため、2段階の発射プロセスを採用している。
引き金をを半押しした状態では、目に見えない負の電荷を帯びた粒子が標的に照射され、完全に引き金を引くとフルプラズマペイロードが照射される。これにより哀れな標的は被弾する直前に、幽霊のような光を放つ。

  • 「パルスボム・ジェネレーター」

サンシャーク・ボマーに搭載されたパルスボムを生成する機器。パルスボム・ジェネレーターは内部で高速回転するパルスエネルギーを蓄積し、プラズマ球を投下し、地上の敵は光り輝く閃光に包まれた後、後に残るのはクレーターと漂う灰燼のみである。
パルスボム・ジェネレーターは、ほぼ無限にパルスボムを生成することが可能で、弾薬を必要としない。しかし、時折機器自体が呼称することがあり、修理が終わるまでは再度使用することができない。それまでサンシャーク・ボマーはその他の武装で敵からの襲撃に耐える必要が出てくる。

  • 「パルスカービン」

パルスライフルの小型版で、携帯性に優れる。パルスライフルに比べ射程距離が短くなっているが、フォトン・グレネードランチャーを搭載するためのスペースが確保されている。
パルスカービンには「リモート・サーミック・サイト」が搭載されており、これが武器の反動軽減装置と高度なスタビライザーと組み合わさることで、使用者による照準射撃の才に高い精度を実現している。パルスカービンはパスファインダー・チームやガンドローンが頻繁に使用している。

  • 「パルスピストル」

パルスライフルのピストル版で、追い込まれた際の緊急時に使用するために備えられた武器として兵士たちに支給される。

  • 「パルスARCキャノン」

別名パルスブラストキャノンとも呼ばれ、パルス・ウェポンの中でも大型として知られている。アグレッシブ・リアクティブ・チャージ(A.R.C.)技術を用いてプラズマエネルギーを超加速させて、プラズマの放流を敵に投射する。
プラズマエネルギーが発射されると、負に帯電した粒子の流れが、メインのプラズマ・チャージの数ミリ秒前にキャノンから排出され、プラズマ・バーストを加速させて標的に爆発的な破壊をもたらす。パルスARCキャノンは主にKV128 ストームサージに装備され、敵のタイタンに痛烈なダメージを与えるのだ。

  • 「パルスドライバー・キャノン」

大型のパルス・ウェポンで、KV128 ストームサージに装備される長距離射撃用のパルス砲である。内部の粒子加速器から発生するパルス誘導場を利用して、巨大なプラズマ・バーストを投射する。
その威力は巨大なタイタンに対して必殺の一撃を与えることができる。

  • 「パルスサブミュニケーションキャノン」

XV107 ル=ヴァーナ・バトルスーツに搭載された試作型のパルス・ウェポンで、射程内の敵にプラズマパルスの嵐で飽和させるマイクロクラスターを発射する。

  • 「パルスオーディナリーマルチドライバー」

KX139 タウナール スプレマシーアーマーなどの大型バトルスーツに装備される巨大なパルス・ウェポンで、3連装砲から放たれるプラズマ弾は〈帝国〉の「インペリアルナイト」やティラニッドの「バイオタイタン」にダメージを与える威力を持つ。

  • 「パルスサブミリッツライフル」

XV9 ハザードクローズサポート・バトルスーツに装備された重量級のパルス・ウェポンで、今までの兵器とは異なる特殊な機構を持つ。パルスサブミリッツライフルは「ヘヴィグレネード・ランチャ」に相当する兵器で、多種多様な標的に対応するため、複数種の弾丸を切り替えて発射することができる。
ただし、弾丸のほとんどは試作型であるため、指揮官専用で使用される。標準的なパルス弾やイオンクラスタービーム弾は軽装歩兵の部隊や隠れている敵に対して使用し、超高密度サボットは重装歩兵や軽車両に、EMP弾は装甲車両に使用されるなど、状況に応じて弾丸の種類を切り替えて射撃を行うのだ。


「レール・ウェポン」
線形加速器テクノロジーの応用により、実体弾を超高速度で撃ち出す。それがタウのレール・ウェポン群だ。
射出された実体弾はいかに強固な装甲も貫通し、いかに巨大な敵も一撃で打ち倒す。レールガンの最も基本的な構造は、バレルを囲む多数の円筒形超伝導電極に沿った定在波加速を利用した線形加速器である。
ブロードサイド・バトルスーツのようなバトルスーツやハンマーヘッド・ガンシップのような戦車では、この技術を利用して実体弾を超高速で推進発射し、最も頑丈な敵の装甲をも貫通することが可能だ。

  • 「レールガン」

標準的なレールガンで、ブロードサイド・バトルスーツやハンマーヘッドなどに装備されている。通常の実体弾の他にも大規模な敵部隊に有効な特殊な散弾であるクラスター弾が発射でき、発射された散弾はスペースマリーンの「プレデター」戦車のセラマイト装甲を容易に貫通する威力を誇る。
しかし、「ベインブレード」といった超重戦車の装甲を貫通するほどの貫通力を持ち合わせていない。

  • 「マグナ・レールライフル」

試作型のレールライフルで、〈第四天球拡張〉時に発見された希少な磁性体を用いてレールライフルを大幅に改良した兵器である。XV88 ブロードサイド・バトルスーツで主に使用される。

  • 「レールライフル」

パスファインダーに配備されている携帯可能な手持ちのレール・ウェポンで、主に狙撃で使用される。リニアアクセラレーターを使用して、超高速でトリリウムを先端に持つソリッドダートを発射するレールライフルは、大型のティラニッド個体種に致命傷を与えることが可能だ。
武器には100発以上の弾丸が装填されているが、1つの弾丸を発射するために必要なエネルギーはカートリッジのパワーセル全体を使用する必要があり、この武器の威力と貫通力でそれの欠点を補っている。

  • 「ヘヴィレールライフル」

ブロードサイド・バトルスーツに装備されているレールライフルで、両手に構えて使用する。

  • 「ヘヴィ・レールガン」

マンタやタイガーシャークなどの航空機向けのレールガンとして採用されているヘヴィ・レールガンは、超重戦車やウォーハウンド・スカウトタイタンさえも撃破することができる恐るべき兵器である。またオプションとして、ドローンレベルのAIによって誘導され、大気圏内での揚力と航続距離を向上させるための安定化フィンを備えた、特殊なサブムニッション弾を発射することも可能だ。
対地攻撃としては有効打を叩き込めるが、通常の実体弾のような貫通力を持ち合わせていないため、主な用途は敵宇宙艦艇の脆弱な装甲への攻撃である。

  • 「ヘヴィ・レールキャノン」

KX139 タウナール スプレマシーアーマーに搭載可能な兵器の一種で、背中の部分に装備された大型のレールキャノンが長距離の敵を容赦なく射抜く。


「爆発物・投擲」

  • 「エアバースト・フラグ・プロジェクター」

試作兵器の一つ。弾頭には単純なAIが搭載されており、敵に最大限の損害を与える高度を計算して自動的に起爆し、広範囲に対して小型爆弾をばらまく。

  • 「EMPグレネード」

パルスグレネードとしても知られるEMP(電磁パルス)グレネードは、車両を破壊するために使用される。電子機器の近くで爆発させることによって小規模な電磁パルスを発生させ、電子回路に深刻なダメージを与えることが可能だ。

  • 「フォトン・グレネード」

フォトン・グレネードは非常に光度の高いマルチスペクトラム・ライトのパルスを放出し、あらゆる表示機器や光学機器に損傷を与える。フォトン・グレネードが爆発すると、その光を直視した敵の目を盲目にし、長期に渡るショック状態に陥らせるだろう。
グレネード自体は手に持って投げる手榴弾タイプと、パルスカービンなどから射出するタイプなどが存在する。

  • 「エアバースティング・フラグメンテーションプロジェクター」

実戦テストが行われている特殊な実体弾を発射する特別仕様の兵器で、近接融合型の爆発物を発射する。発射前に搭載されたドローンによって軌道計算が行われ、正確な高さと距離を計算して最大の破壊効果を敵にもたらすように弾丸が発射される。
弾丸は高角度で発射されると、標的の真上で爆発するため、敵が遮蔽物に隠れていても爆風に巻き込むことができる。また間接的に射撃を行うため、直接目視できなくても敵に照準を合わせることができるのも大きな利点となる。


「その他」

  • 「ニュートロン・ブラスター」

ヴェスピッド・スティングウィングが使用する武器で、ヴェスピッドとタウの科学技術が融合して生み出された武器である。ブラスターに搭載されたクリスタルから強力なニュートロン爆発の力が放出され、光線遮断系の防御シールドを持たないほぼすべての装甲を貫通してしまう。

  • 「フェーズド・プラズマフレイマー」

バトルスーツ用の武器の一種で、三連装のハイブリッド・プラズマフレイムウェポンであり、硬化したセラマイト装甲も焼き切る威力を持つ。XV109 イ=ヴァーラ・バトルスーツに装備されることが多い。

  • 「リアクティブ・カウンターメジャー」

試作兵器の一つで、バトルスーツのパイロットが破片弾の嵐を発射し、敵からの攻撃を妨害する。


【防具】

  • 「コンバット・アーマー」

戦場に出撃するファイアウォリアーは、標準支給型のコンバット・アーマーを着装する。このアーマーは、超高密度のナノクリスタル金属板が、高い機動性と熱硬化性を併せ持つ高分子ポリエチレン性の外側に融合され、二重構造を成している。

  • 「クルート・アーマー」

戦場に転がるスクラップや金属片を集めてアーマープレート上につなぎ合わせただけの代物だが、クルート・アーマーはそれなりの防御力を発揮する。加えて、このアーマーは彼らが得意とする野外技能に何ら支障を与えず、これを着た状態でも彼らは森や遮蔽物の中を巧みに通過することができる。

  • 「レコン・アーマー」

レコン・アーマーはコンバット・アーマーに似ているが、着装者がより柔軟な移動力を発揮できるように、いくらかの装甲が排されている。加えて、アーマーの内部にあるナノキュラー繊維製の戦闘服には、吸音性に優れた繊維が織り込まれており、敵が着装者を発見することがより困難となっている。


【支援システム】

  • 「高性能ターゲット捕捉システム」

この特殊なターゲット捕捉システムを搭載したバトルスーツは、戦場の混乱の中でも攻撃目標を精確に選び出し射撃することができる。

  • 「ブラックサン・フィルター」

この高度な光学系システムは、着用した戦士の暗視能力が飛躍的に強化するとともに、戦場で発生した強烈な閃光などを自動的にフィルタリングし、着用者が盲目状態に陥ることを防ぐ。

  • 「対突撃防衛システム」

この高度なAIセンサー内蔵スーツは、大波のように突撃してくるオルクの大群に対抗すべく開発されたものだ。スーツに内蔵された予測演算回路が敵の突撃経路をはじき出し、バトルスーツの火力をその予測経路に集中させることで、より効果的な迎撃弾幕を展開できる。

  • 「ドローン・コントローラー」

ドローン・コントローラーは、火のカーストの戦士が周囲のドローンAI戦闘プログラムを制御する際にインターフェース的役割を果たす。

  • 「脅威迎撃システム」

このセンサー装置は、テレポートビームや衛星軌道上からの降下システムが発する特徴的な電磁シグナルを察知し、接近中の脅威に対してバトルスーツに搭載された武器のロックオンを行う。敵は反応する暇もなく激しい迎撃射撃にさらされるだろう。

  • 「マーカーライト」

マーカーライトは単純なビームを目標に対して照射する小型のデバイスであり、片手で携行が可能である。ひとたび敵がこのビームによってマーキングされると、ケードリ内で共有されている戦術ネットワークへと瞬時に攻撃目標の情報が入力され、目標までの距離データのみならず、三角測量による最適な弾道予測、スーパーインポーズによって得られた最適な射撃ベクトルなどが、他のタウ・ユニットに提供される。
これにより彼らは、共通の攻撃目標に対してきわめて正確な射撃を繰り出せるのだ。

  • 「ホーミング・ビーコン」

火のカーストの戦士たちがしばしば、マルチスペクトル方式のホーミング装置を携行している。このビーコンが起動すると、同ケードリ内の後続バトルスーツは戦場への精密な到着が可能となるのだ。

  • 「重力波プロジェクター」

この装置から強力な重力波が発せられ、敵の接近を妨害する。この重力はにとらわれた敵は、前進速度が遅くなり、地面をはうように移動するかあるいはその場で身動きすらできずに止まってしまうのだ。

  • 「マルチトラッカー」

マルチトラッカーを搭載したバトルスーツのパイロットは、敵の脅威と遭遇した際、複数の武装で同時射撃を行える。いかなる戦況においても、この装置を搭載したバトルスーツは敵軍にとって手強い相手となるだろう。

  • 「ネットワーク・マーカーライト」

このマーカーライトは武装システム内に直接ネットワーク化されており、極めて高い精度で射撃を命中させられる。

  • 「パルス・アクセラレーター」

この装置からは強力な電磁誘導フィールドが発生し、パルス・ウェポンの充填速度を加速し射程距離を延長する。

  • 「座標情報中継装置」

この装置は詳細な戦場の地形データを記録した後、衛星軌道上の施設や艦艇に対して暗号化情報を高速送信する。このデータにより、タウ軍の予備戦力はより精密に組織化された作戦行動を取れるのだ。

  • 「リップタイド・シールドジェネレーター」

リップタイド・バトルスーツが持つ盾には、小型のエネルギーフィールド・ジェネレーターが内蔵されており、XV104のノヴァ反応炉で生み出されたエネルギーの一部がこのジェネレーターに回すことによって、さらにシールド出力を高められる。

  • 「シールドジェネレーター」

このジェネレータからは強力な凝集性エネルギーフィールドが展開され、オードナンス・ウェポンや対戦車武器の射撃からも所有者を護ることができる。

  • 「興奮剤投与装置」

このバトルスーツには高度な生命維持システムが搭載されており、パイロットが負傷した場合、その血流中に鎮痛剤と生命維持用興奮剤を投与することが可能である。

  • 「ターゲットロック」

マーカーライトを携行する全ての火のカーストの歩兵たちは、しばしば有線接続型のターゲットロック装置を装備しており、チーム内の班友たちが支援射撃を行う間に、それとは別な最優先攻撃目標を指定することができる。

  • 「ベクター・レトロスラスター」

この兵が着装するバトルスーツには、追加の逆噴射ノズルが複数搭載され、機動性能が飛躍的に強化されている。

  • 「ヴェロシティ・トラッカー」

高度な動作感知装置と熱反応センサーが組み合わされたこのシステムをバトルスーツに搭載すると、パイロットは攻撃目標の飛行パターンを追跡できるようになる。


【ビークル用戦闘システム】

  • 「自動修復システム」

損傷を受けた兵装システムに極小の「メンテナンス・ドローン」が群がり、戦闘を続けながらでもこれを修理することができる。

  • 「高性能ターゲット捕捉システム」

高性能ターゲット捕捉システムは、高い脅威度または重要性を持つ敵を特定し、またそれらを排除するための最適な射撃プランを構築する事によって、ビークルの射手を支援する。

  • 「ブラックサン・フィルター」

このフィルターを装備する事によって、ビークルのセンサー群は夜間行動中でも最大限の索敵効率と索敵可能距離を維持できる。

  • 「デコイランチャー」

デコイランチャーはタウの車両兵器群のエンジン部付近に搭載され、敵ミサイルの追尾から機体を守るために、大量の小型エミッター・ドローンや光反射性の金属片をばらまく。

  • 「ディスラプション・ポッド」

映像と電磁スペクトルの混ざった幻惑イメージが放たれ、敵はこのビークルを射撃のターゲットにするのが困難となる。

  • 「フレチェット・ディスチャージャー」

多くのタウ軍のビークルの車体には、強力なフレチェット・ディスチャージャーがクラスター状に複数搭載されている。敵が接近すると、これらの装備からは無数の金属片が高速度で発射されるのだ。

  • 「ポイントディフェンス・ターゲットリレイ」

ポイントディフェンス・ターゲットリレイは、突撃を仕掛けてくる敵を自動的に発見し、攻撃目標に設定することにより、ビークルの周囲に展開する火のカーストの部隊に対して効果的な援護射撃を提供する。

  • 「センサー・スパイン」

地形捜査型飛行管制システムとの間でデータを送受信する装置。これにより、危険地形の中を通過する際などに、操縦者の視界からは発見できないトラップや浮遊機雷などを回避するための安全な移動ルートを選択することができる。


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シグネイチャー・システム

【概要】


  • 「指揮管制ノード」

指揮管制ノードは、高度なAI支援にする通信システムだ。これによりコマンダーは、タウのあらゆる照準装置のコンピューターを同時にリンクされ、直接行動命令を下すことができる。
指揮管制ノードに流れる情報量は極めて膨大であるが、これらのデータ処理に長けたコマンダーは、自軍側の火力をより効果的に組織化し制御できるだろう。


  • 「自爆装置」

このバトルスーツ用特殊装置は、回避不能な緊急事態が生じた場合にのみ使用されることを想定して開発が進められてきた。ある意味において、この装置ほど〈大善大同〉の崇高なる精神を再現したシステムは存在しないだろう。
ひとたび起動されるとこのバトルスーツは自爆し、班友たちが敵から退却し再集結するための時間を稼ぐのだ。


  • 「マルチスペクトル・センサー装置」

タウの高度に発展したセンサー技術の代表格ともいえるのが、この試作型スキャン装置である。この装備は全ての既知スペクトル帯をスキャンすることが可能であり、ステルス・クロークを装備した敵すらも検出し、そのデータを射撃制御コンピューターへと送信する。


  • 「マルチセントリー・ディスカーレッジメント・アレイ」

元々は暴動を起こした市民を鎮圧するための非殺傷兵器として開発された特殊機器だ。この装置はパルス状のセンサービーコンに類似しており、亜音速の周波数よって紫外線の散乱波を発し、標的を驚愕させ、吐き気を催させて、抵抗できなくする。


  • 「オナガー・ガントレット」

オナガー・ガントレットは、〈ダモクレス征戦〉のさなか、弾薬補充がとぼしい状況下でもクライシス・チームが帝国防衛軍の機甲中隊に対してより効果的な戦闘行動を継続できるように開発されたものだ。これを装備した兵は敵戦闘車両の側面に大穴を穿つことができたが、そのためには至近距離まで接近する必要があったため、クライシス・チームは極めて高い確率で戦死者を出したという。
かつて12個造られたオリジナルのオナガー・ガントレットも、現在ではたった1個しか残されていない。このガントレットは、ブラックサンダー・メサ地帯において、煙を上げて燃える12両もの帝国防衛軍戦闘車両に囲まれた「コマンダー・ブレイヴストーム」の乗る致命的損傷状態のバトルスーツから回収されたものである。


  • 「ニューロウェブ・システムジャマー」

タウは自らのテクノロジーだけではなく、多種族のテクノロジーにも精通しこれを制御しようと考えている。このため彼らは、敵の武装システムに対して深刻な干渉(しばしば爆発を伴う故障)を与えるための、広帯域ジャミング・フィールド発生装置を開発したのだ。


  • 「ピュアタイド記憶痕跡ニューロチップ」

疑うべくもなく、“清流たる司令”ことコマンダー・ピュアタイドは史上最も優れたタウの司令官であった。タウは彼の持つ輝かしい戦術的才能を失いたくなかったため、ピュアタイドの死後、故郷である惑星「ダルイス」において彼の脳をスキャニングし、そこに蓄積された記憶情報を大規模な「ホログラム・プログラム」の中へと転送したのだ。
その後、ピュアタイドの天才的頭脳の破片をもとにして、移植用バイオチップが構築されていった。このチップを火のカーストの司令官の脳内へと外科手術的にインプラントする事により、その司令官はピュアタイドの大いなる叡智にアクセスし、その戦術的洞察力を引き出すことができるのだ。


  • 「リパルサー衝撃フィールド」

リバース・エンジニアリングに長けるタウは、オルクの戦闘兵器の残骸から回収した牽引ビーム装置のテクノロジーを何十年にも渡って研究し続けたが、その動作原理は今なお大部分が謎のままである。グリーンスキンたちが用いる兵器にはロジックが完全に欠如しており、また同一兵器であってもその形状は画一的ではなく多種多様だからだ。
これまでのところ、タウの持つ創造力を結集させてようやく開発できたのは、たった1個のリパルサー衝撃フィールドだけである。この装置からは強力なエネルギー衝撃波が放たれ、周囲にいる敵を粉砕するのだ。
フィールドテストの中で、この装置は極めて破壊的な兵器となる可能性が示唆されている。


  • 「ソリッドイメージ・プロジェクションユニット」

最高位のエセリアルである「アゥン=ヴァ」の悲劇的な死を境に、導師最高評議会は科学部門をポータブルな防御技術の開発に割り当てた。最近の研究による革新的な技術は、固体画像投影ユニットを造り上げた。
この小型ホロウェーブミッター・ドローンは、いわゆる「重い光」のビームを投射し、触ることのできる、説得力のある個体ホログラムを形成すると同時に、高度な屈折フィールドで対象物を覆い隠す事も可能。


  • 「サイズミック・ディーステイビライザー」

要塞を破壊し、敵兵を退避させるために設計されたサイズミック・ディーステイビライザーは、超低周波の共鳴周波数を発し、局所的な地響きを引き起こす。対象となる構造物は蜘蛛の巣状に破壊され、駐留している部隊は避難しなければ何トンもの瓦礫の下に埋もれてしまう危険性がある。


  • 「スーパーノヴァ・ランチャー」

スーパーノヴァ・ランチャーはティラニッドの巣窟艦隊「ゴルゴン」との血みどろの戦役の中で開発された兵器である。ティラニッドのような危険な生物に対して効果的な対装甲兵器を配備するのに十分な距離を取ることができなかったため、地のカーストの科学者たちはいくつかのフラグメント・ランチャーを試作型プラズマ・グレネードを実践投入を行ってその効果を確かめた。
そして効果が実証されたスーパーノヴァ・ランチャーは、空中に打ち上げられたこれらの弾丸を敵へと落下させ、火球となって炸裂する。


  • 「ベクトルド・マヌーヴァリング・スラスター」

この強化された移動用スラスターは、バトルスーツとビークルに装備することができ、本体は複数の高出力スラスターノズルで構成されており、それぞれがパイロットのニューラル・インターフェースに接続されているため、戦略的状況の変化に驚くべき反応速度で対応することができる。


  • 「サーモニュートロニック・プロジェクター」

ヴィオルラ家門の兵器開発技術者は、最大の威力を持つ近距離兵器を求めるコマンダーの要望に応えて、火炎放射器の技術に大きく力を注いできた。サーモニュートロニック・プロジェクターは、中性子星のコロナから吸い上げた揮発性ガスを利用して、戦車の装甲を焼き切るほどの炎を放出する。


  • 「ダイナミック・ミラー・フィールド」

ダルイス家門出身のコマンダーはあからさまな攻撃よりも隠密行動や浸透戦術を好むため、彼らはカモフラージュ技術の向上を求め、ダイナミック・ミラー・フィールドの開発に至った。この先進的な試作兵器は、ゴーストキール・バトルスーツで絶大な効果を発揮した屈折技術をベースに、オルタナティブ・アーマー・シャーシに適合させたものである。
アーマーノードは複数の光の歪みフィールドを投影し、装着者の虚像を作り出して敵の攻撃を誘発するのだ。


  • 「グラヴ・インヒビター」

先進的なタウの兵器の一つで、重力阻害フィールドを最初に使用したのは、オルクの襲撃から「ラグナシャード」を防衛した際のサシーア家門出身ののオ=ジール司令官である。司令官のバトルスーツに搭載された「グラビティッド・フィールド・ジェネレーター」は、打撃的な重力波を放ち、彼の陣地を圧倒しようとするビーゲルの試みをことごとく破壊した。


  • 「プラズマ・アクセラレーターライフル」

プラズマアクセラレーター・ライフルは、パルス誘導技術と高出力プラズマ・ジェネレーターを融合させた、ボルクアン家門の有名な科学部門による最も致命的な効果を持つ発明の1つである。その結果、歩兵と軽車両の両方に対して高い効果を発揮する長距離徹甲兵器となった。


  • 「フュージョンブレード」

フュージョンブレードとは、「ファーサイト・エンクレイヴ」の軍勢に見られる特殊な武器である。八勇傑の一人である三代目「コマンダー・ブライトソード」の指示によって作られた近接兵器であり、タウ種族が使用する中でも珍しい代物である。
見た目はフュージョンブラスターを大幅に改造したものだが、実際にはエネルギーを刃状に生成して敵を切り裂くという仕様に変更されている。要はライトセイバー しかし、膨大なエネルギーを必要とするため、戦闘中に回路がショートして使用できなくなる欠点を持っている。


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ビークル、地上兵器

【地上兵器】


  • 「ドローン・スカッドロン」


【概要】
タウはドローンと呼ばれる人工知能搭載の飛行兵器の運用に長けている。多種多様なタウのドローン兵器の中で最も一般的なのは、火のカースト共に作戦行動に従事する「ガンドローン」だ。
一見すると小型で、大きな脅威には見えないかもしれないが、ガンドローンの戦力を見くびった敵は、その命で舐めてかかった代償を支払う羽目になるだろう。通常時、反重力モーターとジェットブースター装置の力によってガンドローンは地形上を浮遊し、頻繁に旋回しながら、機体に備わったセンサー装置で周囲の重要情報を収集および送信し続けている。
だがひとたび敵に遭遇すると、ガンドローンは一気に加速して、直ちに攻撃態勢に移行し、機体下部に懸架された「ツインリンク・パルスカービン」で標的に対し激しい射撃を繰り出すのだ。
【戦場を飛翔せしドローン】
滑らかな流線形の装甲に覆われたガンドローンは、高い機動性を持ち、戦場で様々な役割を果たせるようにプログラミングされている。複数機でスカッドロンを編成したガンドローンは、凄まじいプラズマ爆発をもたらす猛烈な一斉射撃を行って、防衛ラインの増強やファイアウォリアーの火力支援を行うことが出来るのだ。
そのスピードと機動性の高さゆえに、コマンダーの中にはガンドローン・スカッドロンを索敵殲滅作戦へと投入する者もいる。このディスク状の自動殺人兵器を敵軍の側面へと回り込むように展開させることで、敵の斥候部隊のみならず、軽装甲車両さえも破壊できるからだ。
ガンドローンの持つジェットスラスター装置は、重力降下速度の減速のために十分な出力を備えているため、マンタやオルカのような超大型の降下艇から、文字通りドローンを戦場に直接投下する事も可能である。ガンドローン・スカッドロンが突然上空から出現し、どこからともなくツインリンク・パルスカービンが火を吹けば、敵は綿密に計画した作戦が台無しにされ、再配置を余儀なくされる事であろう。
【賢明な智慧を持つAI】
ドローンに搭載されたAI(人工知能)は、地のカーストが有する高度なテクノロジーの結晶と言えよう。ドローンのAIがスカッドロン全体でネットワーク化されて機能した場合、その処理速度は飛躍的にアップし、ドローン・スカッドロン単独での自立行動さえも可能にする。
このようなスカッドロンは、タウの制御者が存在しない状況下でも、高度な作戦行動を取るのだ。ガンドローン・スカッドロンが高度な一撃離脱戦法を取って射撃と回避を繰り返し、敵部隊を錯乱することも決して珍しくはない。
またガンドローン・スカッドロンは、敵のビークルに対して密かに接近し、その機動性を活かして脆弱な側面や背面の装甲を破壊する事もやってのける。ガンドローン・スカッドロンの中には、マーカーライトやシールドジェネレーターを搭載可能な、特殊な改造型ガンドローンが加わることもあり、稀にスカッドロン全体がこのような特殊ガンドローンのみで構成されることもありうるのだ。
「アルモス平原」で繰り広げられた大戦車戦において目覚ましい成果を上げた「シールド・ドローン」のバリア―装置や、「カ=ネル」植民領の廃墟に潜伏したオルクの歩兵部隊を一掃すべく、コマンダー・シャドウサンが駆使した複数のマーカーライトによる集中射撃戦術などが、こうした特殊型ガンドローンの有名な運用実績である。〈大善大同〉の理想を深く信じるタウたちは、こうしたドローン兵器にさえも自己保存プロトコルをプログラムしている。
搭載されたAIが現在の戦況を絶望的なものと判断した場合、そのドローンはこのプロトコルに従って、戦場からの離脱を試みるだろう。危険度の高い作戦や、ファイアウォリアーに迫る敵の進路を遮るために選択の余地がなかった場合でも、タウがドローンを使い捨てにすることはない。
ドローンのAIは、自らの生存のためにありとあらゆる可能性を分析するだろう。
【人類から見たAI】
人類はこうしたAIを始めとした機械知性に対して、根深い不信感と偏見を持っている。タウは人類の持つそうした偏見を目の当たりにするたび、物珍しさに似た興味と、それにやや勝る困惑とを覚えるようだ。
人類の自らの目的のために機会を使用しているのにもかかわらず、そのような偏った認識を持っていることに対して、地のカーストはとりわけ理解に苦しんでいる。地のカーストにとっては、人工知能は〈大善大同〉を押し進めるための道具の一つに過ぎない。
タウにとって機械知性兵器は時間と生命の浪費を防ぐための存在に他ならず、故に人類が有しているような機械知性に対する不信は、克服すべき野蛮なる迷信と見なされている。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P58 イラストより


  • 「TY7 デビルフィッシュ」


【概要】
デビルフィッシュは、火のカーストの歩兵部隊が何よりも必要とする「高機動性と戦術的柔軟性」をもたらす装甲兵員輸送車両であり、タウ地上軍において極めて大きな役割を担っている。その車体には完全武装した12名のファイアウォリアーまたはパスファインダーを収容でき、高い安全性と共に彼らを輸送するだけでなく、ひとたび兵員を降車させた後は、高機動火力支援ビークルとしても機能する。
中でも特に機械化歩兵の割合が高いハンター・ケードリでは、最も火力が必要とされる最前線にファイアウォリアーを迅速に輸送させ展開するための手段として、デビルフィッシュをことのほか重用している。反重力エンジンとジェットエンジンの複合システムによって浮遊走行するデビルフィッシュは、惑星地上を滑るようにして移動する。
反重力エンジンは、デビルフィッシュを地表から浮き上がらせるためのいわば「クッション」を形成し、強力な多方向ジェットエンジンが、厚い装甲に覆われた車体を前進させる。例えば小型ブースターの一つを下方向に向けることによって、デビルフィッシュは障害物や高低差のある地形を乗り越えて走破するためのさらなる上昇力を得ることができるが、これは無論、クローラーで地上を走行する一般的な装甲車両には到底実現不可能な機能だ。
【主な運用方法】
あらゆるコマンダーにとって機動力は極めて重要な要素だ。デビルフィッシュの導入によって、歩兵部隊が重装甲ガンシップ編成と足並みを揃えて移動することが可能となる。
敵軍に対して必殺の攻勢を繰り出す「モント=カ」戦法においても、歩兵の高速展開を実現する機動力は必要不可欠であるため、デビルフィッシュの運用が勝利の鍵となる機会はきわめて多い。
加えて、「バーストキャノン」による射撃は、降車した歩兵たちに接近してきた場合、再び兵を乗車させて一時退却し、戦列の立て直しを図ることが多い。こうして危険な状況から兵を素早く撤退させ、戦場の別地点に新たな射撃陣地を確保するのだ。
この再搭乗再配置の戦術により、パスファインダーは敵の包囲を逃れながら、ファイアウォリアーを支援し続ける。彼らがいるこそ、ファイアウォリアーたちは十分な距離で攻撃目標を捕捉し、効率的なパルス兵器の一斉射撃で敵を減らし続ける事に専念できるのだ。
【至近強襲戦法】
かつてヴィオルラ家門が挙げた戦果によって名高いものとなり、現在ではあらゆる家門で採用されている、より積極的なデビルフィッシュ運用法も存在する。それは、ファイアウォリアー・チームを敵の至近距離へと速やかに配置するというもので、危険度は高いものの、降車した部隊が敵に対して至近距離から射撃を放つことを可能にしている。
反撃を受けた場合、タウ側が無防備に近い状態に陥る可能性もあるが、この戦術が功を奏せば、直ちに敵戦力の削減に成功し、敵を殲滅する事も不可能ではない。この強襲はタウ戦術の頂点の一つともみなされており、綿密に計画されたモント=カの最終段階でしばしば用いられる戦術でもある。
このような戦術は同ケードリ内の他の兵科との連携によって、更に高い効果を上げることが可能だ。他の部隊から単純な火力支援を受けるだけでなく、バトルスーツの到着と同時に展開したり、あるいはパスファインダーからマーカーライト照射支援を受けるなど、様々な連携方法が考えられる。
【装備】
デビルフィッシュの車体には、バーストキャノンが搭載されている。これは周囲に展開する部隊を制圧射撃によって火力支援するうえで、理想的な装備と言えよう。
また標準装備として搭載されている二機の「ガンドローン」は、デビルフィッシュ自体の火力を増すだけでなく、特定の作戦を遂行させるために切り離されることもある。デビルフィッシュの強化装備は幅広く、火力増強用の「シーカーミサイル」から、「デコイランチャー」や「ディスラプション・ポッド」などの防御用装備まで、多種多様である。



画像出典:画集「The Art of Warhammer 40,000(2006)」P207 イラストより


  • 「TX4 ピラニア」


【概要】
高速、高機動を誇る滑空戦闘車両。ジェット推進エンジンと反重力装置の力によって惑星地表を滑空するピラニアは、二人一組のパイロットによって操縦されながら、地形に沿って、あるいは地形に巧妙に隠れながら作戦行動を遂行するのだ。
ピラニアの機体先端部に主武装が搭載され、また2機のドローンが備え付けられている。この2機のドローンは、ピラニアの追加火器としても機能するが、AIモードにして機体から切り離し、別な作戦行動を取らせることも可能だ。
ピラニアの機影はしばしば、戦場のありとあらゆる場所で同時に目撃される。自軍の歩兵部隊へと接近する敵歩兵部隊にカウンター攻撃を浴びせるために味方の頭上を飛び越えてゆくもの、敵の側面に急迫し弱点めがけて必殺の従射を放つもの、あるいは遮蔽物の陰から飛び出して敵に奇襲を仕掛けるものなど、ピラニアは戦場で様々な役割を果たすことが出来るからだ。
一斉射撃や相互火力支援を行うための多くの訓練や演習を終える頃には、ファイアウォリアーたちは自分たちの頭上を飛び行くピラニアのエンジン音にもすっかり慣れ染み、猛然と飛び去った後に吹き付ける風圧にも振り向くことは無くなるという。
【主な運用方法】
ピラニアの汎用性は極めて高く、単独で行動する滑空車両としてはもとより、最大5機編成となるチームで組織的に行動することも珍しくない。最大編成のチームでは、バーストキャノンを用いて敵歩兵部隊の掃討を行うことができる一方で、小規模編成で行動する場合も、敵の偵察部隊を叩いたり、テレポートによって縦深攻撃を行う敵部隊に反撃を加えるのに理想的な戦力となる。
たった一機のピラニアでも、主武装をフュージョンブラスターに換装すれば敵戦車を撃破するための最適の戦力となる。その高機動力を活かして敵戦車の側面や背面に素早く回り込めば、より確実に敵を仕留めることができるだろう。
攻撃速度で滑空するピラニアの機影は、一瞬霞んで見えるほどだ。ピラニアを駆るパイロットたちは、機体に搭載された武器以上に、ピラニアの機体をの者が持つスピードと回避能力に高い信頼を寄せている。ピラニアは、その搭載火力をするいかなる場所にも直ちに提供することが可能だ。
彼らがパスファインダー・チームと強調して作戦行動に当たる場合、敵にとってさらに危険な戦力となるだろう。マーカーライトを使って、パスファインダー・チームは滑空するピラニアの一斉射撃が最大限の効果を発揮するように支援するからだ。
逆にパスファインダー・チームが敵に蹂躙される危険性を察知した場合、ピラニアが敏速な反撃によって迫る敵を壊滅させるか、あるいは少なくともパスファインダーたちが別の場所に移動するまでの時間を稼ぐのだ。
【ピラニアを駆りし英雄】
史上最も名高きピラニアの操縦士といえば、ヴィオルラ家門の「ゴヴァー」であろう。彼は軍務に奉仕している間、何千にも達する敵兵をタウ・エンパイアのために仕留めてきた。
だが驚くべきことに、彼の最も輝かしき戦果は、彼が第一線を退き、教官として新しき奉仕を開始した矢先に上げられたのである。オルクの侵攻がヴィオルラ最大の衛星を襲った時、ゴヴァーは再び最前線に立つこととなった。
まだ訓練の半分しか終えていないゴヴァーのピラニア・ケードリは、グリーンスキンの機甲部隊と衛星の食糧生産工場との間に立ちふさがったのである。ゴヴァー率いるピラニア部隊は、縦横無尽に入り乱れてオルクの無骨な戦闘車両へと飛びかかった。
バーストキャノン装備のピラニアは射撃を軽装甲のバイクや粗末な輸送トラックに集中させ、フュージョンブラスター装備のピラニアは銃口の狙いを重装甲のバトルワゴンやタンクに定めた。オルクたちは、地のカーストの農業施設に突っ込むのを止め、ゴヴァーのピラニア・チームと一戦交える気満々となっていた。
遂に開始された戦闘で、タウの機敏なピラニアスキマーは巧みな陽動と一撃離脱の戦術で、オルクに何度も反撃を見舞った。最終的にオルクの戦線は崩壊し、敗走を開始したが、ゴヴァーのピラニアも操縦不能となっていた。
古参のタウ戦士はどうにか機体をまっすぐに立て直すと、大族長のバトルワゴンめがけて一直線に飛ばし、大爆発と共に炎の中に消えた。損傷した機体と戦い続けたゴヴァーの見事な技量と、自らの命を省みぬ自己犠牲精神はタウの心に深く刻まれ、死後、彼に〈タウ・エンパイアの英雄〉の称号が送られたのである。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P55 イラストより


  • 「TX7 ハンマーヘッド・ガンシップ」


【概要】
獲物を求める耐えた捕食者のごとき威圧的なフォルムを持つハンマーヘッド・ガンシップは、全方位をカバーする大型砲塔を搭載し、惑星地表を機敏に滑空する。ハンマーヘッドはタウの主力戦車であり、その手法である恐るべき「レールガン」の威力を前にしたタウの敵は、無条件に戦意を失うまでに至らずとも、畏怖の念がこみあげてくるのを禁じ得ないであろう。
【装備】
レールガンは、硬質実体弾を超音速で発射する、超電導線形加速装置だ。射出された硬質実体弾が標的に命中すると、そこに込められた膨大な運動エネルギが―解放され、どれほど長距離から射撃された者であったとしても、恐るべき破壊効果を生じるのだ。
無論、ハンマーヘッドにはより洗練された弾頭を装填する事もでき、例えば小型の炸裂弾を複数ばらまくクラスター弾を用いれば、軽装甲の標的群に対して広範囲な制圧射撃を行うこともできる。また至近距離から敵に攻撃を受けた場合への対抗装備として、ハンマーヘッドの機体には二機一組ガンドローンが搭載されているが、これは必要とあらばAIモードを作動させ、ハンマーヘッドの機体から離脱させ、独自の作戦行動を取らせることも可能だ。
ハンマーヘッドの中には、主武装をレールガンからイオンキャノンに換装している機体も存在する。これは標的に命中すると大爆発を起こすイオン収束ビームを放つというタウ独自の武器であり、軽装甲の敵戦闘車両や敵重装歩兵を攻撃する上で理想的な選択肢といえる。
イオンキャノンはオーバーチャージモードで射撃する事も可能であり、過負荷による危険はあるものの、より大きな爆発を起こすことによって通常よりも大型の標的を撃滅することが出来るのだ。ファイアウォリアー・チームの支援役としてハンマーヘッドが配備される光景はごく一般的なものだ。
機体のあらゆる箇所を装甲で覆っているとはいえ、ハンマーヘッドは主砲の射程距離を活かして敵と距離を保ちながら戦うことが多い。この戦法により、敵戦車を単独で苦もなく撃破してきたハンマーヘッドの戦闘記録は無数に残されている。
【悪名を刻みし戦車】
〈人類の帝国〉とタウ・エンパイアとの激戦が繰り広げられた〈ダモクレス征戦〉のさなか、ハンマーヘッドは「帝国防衛軍」(アストラ・ミリタルム)の兵士たちから恐怖と共にその悪名を高めた。〈帝国〉の一個戦車中隊が、タウの戦列に接近する前に壊滅の憂き目を見、先遣部隊はことごとく驚異的な火力のハンマーヘッドによって残骸と化したのである。それでも人類は全身を止めるどころか、人海戦術によって敵を押しつぶそうと存在する戦車部隊を全てタウの戦線へと差し向けてきたが、オルクとの戦いを長年経験してきたタウは、このような戦術を取る敵に最適の対抗策を編みだしていた。
かくして〈帝国〉の戦車部隊は、最適な射撃位置で待ち構えていたハンマーヘッドとスカイレイの混成部隊であるアーマード・インターディレクション・ケードリ(脅威停止機甲部隊)に遭遇することになる。〈帝国〉は少なくとも総兵数の面では五倍の優位を有していたはずだが、ハンマーヘッドは射程距離と装甲貫通性能の面で〈帝国〉の戦闘車両群を遥かに凌駕するその主砲と、敵の砲撃を巧みにかわしつつより効果的な射撃位置へと移動する高い機動能力をもって、これに対抗したのである。〈ダモクレス征戦〉の終結時、帝国防衛軍の戦車部隊は徹底的に破壊され、生存者の割合を絶望視しなければならないほどの状況となっていた。
その後〈帝国〉の兵士たちはハンマーヘッド・ガンシップを大いに恐れ、地平線をくまなくスキャンしてハンマーヘッドの特徴的な機影が存在しないことを確認してからでなければ、決して掩蔽壕から出てこようとしなくなったという逸話も存在する。
【主力戦車としての役目】
このように一対一の戦車戦において極めて高い戦力を発揮するハンマーヘッドではあるが、タウ軍が旨とする複合的な戦力運用においては、単なる対戦車戦力としてだけではなく、主力戦闘車両としての役目も期待される。伝説的な司令官である“清流たる司令”は「どれほど荒れ狂う大軍勢であれ、火力の効果的な運用によって打ち破ることは不可能ではない」という言葉を残しているが、レールガンの炸裂弾頭は、迫り来るオルクの〈いくさだァァァア!〉(グァァァグ!)に血塗れの亀裂を穿ち、怒涛の如く押し寄せる無数の小型ティラニッド個体群を粉砕することが出来るのだ。
ファイアウォリアーやパスファインダーのチームは、ハンマーヘッドと密接な連携を取りながら作戦行動にあたる。お互いを十分に相互支援しつつ、頻繁にマーカーライトを照射し、ハンマーヘッド・ガンシップの強力な主砲を優先攻撃目標へと確実に導くのである。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P59 イラストより


  • 「TX78 スカイレイ・ガンシップ」


【概要】
スカイレイ・ミサイルディフェンス・ガンシップは、ハンマーヘッド・ガンシップの主砲塔に強力なシーカーミサイルを多数配置した、特別仕様の戦闘ビークルだ。本来は敵航空戦力を無効化するための兵器として開発されたスカイレイだが、複合的戦力運用の中でも高い有用性を証明した。
スカイレイのミサイルは機体の操縦者が直接発射する事もできるが、地上に展開している別な操作者がマーカーライトを標的に照射することで、遠隔的に発射する事もできたからだ。すなわち、重火器を携行することのないパスファインダーやファイアウォリアーのチームも、スカイレイの強力なシーカーミサイル射撃システムに瞬時にアクセスし、ネットワークを通じて遠隔ミサイル射撃を行うことが可能となったのである。
反重力戦車であるスカイレイは、前線の背後を滑空するように移動しながら、地上か空中かを問わず標的を探し続け、二梃のマーカーライトで地平線を薙ぐ。ひとたび標的が捕捉されれば、スカイレイの乗員はシーカーミサイルを射出することができる。
これは肉眼では追えないほどの速度で飛翔する、極めて強力なミサイルだ。標的となったのが軽装歩兵であれば、貴重なシーカーミサイルを浪費せずに済むため、スカイレイはミサイルを射出する代わりに二梃のマーカーライトで標的を照らすだろう。
これにより、周囲に展開するファイアウォリアーたちはこの獲物を易々と狩り落すことができるからだ。スカイレイの乗組員たちは、先行する歩兵部隊との通信を大いに頼りにしている。
歩兵部隊と頻繁に連絡を取り合うことによって、組織的な砲撃を行ったり、最適な標的選定を行うことが出来るのだ。
【スカイレイに関する逸話】
スカイレイが開発されて実戦配備されたのは、〈ダモクレス征戦〉の末期、〈帝国〉の航空戦力に対抗するためであった。高度な捕捉追跡装置である「ベロシティ・トラッカー」のおかげで、スカイレイは射界に捉えたものは何であれミサイルの標的としてロックオンし、それがたとえ帝国宇宙軍(インペリアルネイビー)の誇る高速戦闘機であったとしても射撃対象とすることができたのだ。
シーカーミサイルはあまりにも高速で飛翔するため、〈帝国〉側の多くの操縦士たちは、回避行動を取ることすらできずに撃墜されていった。〈タロス征戦〉においては、敵軍の操縦士たちはスカイレイを“毒針エイ”または“毒針”と呼んでその攻撃力の高さを呪い、他の何よりもスカイレイの撃破に価値を見出すようになったという。〈大同盟戦争〉においては、タウ側の都市の外側に築かれたスカイレイによる防衛ラインが、オルク爆撃機の大編隊を次々と撃破した。
やがてこの航空防衛ラインは“死の道”(デフ・アレイ)と呼ばれ、どれほど向こう見ずなオルクの操縦士でさえも、そこへ向かうことを拒否してしまうようになったのだ。次第に、スカイレイは単なる対防衛戦力ではないことを、敵の戦車部隊も認識するようになってゆく。
敵戦車どころか敵司令官でさえもが、スカイレイから不意にマーカーライトの照射を受けた直後、シーカーミサイルの標的にされてしまうのだ。事実、近年における「ゼイスト星区」の攻防戦では、スペースマリーンの多くの英雄たちがこの攻撃によって戦死を遂げている。
【装備】
副武装として、スカイレイには二機一組のガンドローンが搭載されているが、火力増強を図るため、このガンドローンのペアが「ツインリンク・バーストキャノン」か、「ツインリンク・スマートミサイルシステム」(SMS)に換装されることもある。スカイレイの搭乗員たちの多くは、近距離防衛能力の高さをもたらすSMSを好むという。
自律飛行して標的に命中するスマートミサイルは、スカイレイ本体が遮蔽物に身を隠すことの利点を最大化し、時にはただの一発も反撃を受けることなしに敵を壊滅させることすらもあるからだ。単体での戦闘能力があまりにも高いため、スカイレイが大編隊を組む姿は滅多に見られず、ハンター・ケードリに1機、あるいはタウの空軍基地や発電所のような、防御に難のありそうな領域に1機が配備されるのが一般的となっている。
またスカイレイは、敵陣深く潜行するパスファインダーや最前線を形作るファイアウォリアーの背後に位置する場合が多い。このような編成を取ることで、効果的な対空防衛力をもたらしつつ、地上の攻撃目標に迫る自軍歩兵部隊にも十分な火力支援を行えるからだ。
アーマード・インターディレクション・ケードリの支援用に組み込まれることも多いスカイレイだが、この他にもいくつかの家門においては、〈天空の盾〉と呼ばれる編成が取られる。〈天空の盾〉はミサイルを追加搭載したスカイレイが3機1組となった編成であり、複数のマーカーライトを相互に駆使し、タウ地上軍の頭上にあたかも鋼鉄の傘を広げたかのような鉄壁の守りを築くという。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア8版」(codex:Tau Empire)P55 イラストより


  • 「テトラ」


【概要】
テトラは、タウ地上軍で使用される軽量の反重力偵察車両である。2人のパスファインダー・チームによって運用されるが、長距離のパトロールや潜入任務のために設計されており、本格的な戦闘車両としての運用は想定されていない。
テトラが最初に投入が確認されたのがタロス征戦であり、この戦役で初めて投入された数多くの車両の一つでもある。通常は2台1組で運用され、パスファインダー・チームは主力部隊であるハンター・ケードリよりも先行して前方のへと移動し、テトラを用いて有利な陣地を確保した後、パスファインダー・チームは視界から隠れているテトラに戻って、収集した情報を友軍のもとへと持ち帰っていた。
【装備】
テトラの機体は他のタウが使用するビークルと同様の反重力装置を搭載しており、惑星の表面を高速で滑走することが可能だ。防御用装置として「ディスラプションポッド」が装備されており、視覚と磁気のスペクトルを利用して車両のイメージを歪め、監視、妨害、待ち伏せの任務で多大なる効果を発揮することができる。
また、シーカーミサイルを誘導するためのマーカーライト・システムなどの高度な通信・監視機器によるサポートも備わっている。さらに機体のアップグレード機器としてブラックサンフィルターやデコイランチャー、「センサースパイン」、「ターゲットロックシステム」で機体の性能向上も行えるようになっている。



画像出典:ForgeWorld公式通販サイト「Pathfinder Tetras」 商品画像より(2021/08/13閲覧)


  • 「タイドウォール・ランパート」


【概要】
「タイドウォール・ランパート」は、タウが使用するプレハブの要塞の一種である。様々なモジュールから構成されるタイドウォールは惑星へモジュールごとに運搬され、戦場で構築が行われる。
タイドウォールは戦場でもすぐに構築できる簡易移動要塞であり、敵の戦車隊を全滅させるほどの火力を誇る。まさにタイドウォールはタウ・エンパイアの高度な技術と先進性を示す素晴らしきデモンストレーション他ならない。
タイドウォールは主に「タイドウォール・ガンリグ」、「ドローンポート」、「タイドウォール・シールドライン」から構成されており、これらを組み合わせて接続する事で攻撃から身を守るための要塞を構築することが可能なのだ。


画像出典:キャンペーンブック「War Zone Damocles: Kauyon」 イラストより

【タイドウォール・ガンリグ】


タイドウォール・ランパートの中心となるモジュールで、弾力性のあるタイドウォール「防御プラットフォーム」と「ツインリンク・レールガン」を搭載する。常に敵のスキャンを行いながら、発見した標的へと驚くべき速度でレールガンから実体弾が発射され、動く標的全てを射殺する。
防御プラットフォームは防壁内のファイアウォリアーを保護し、ツインリンク・レールガンのタレットは360度回転が可能。装甲車両や歩兵部隊との戦闘で優位性を得られる。
レールガンは防壁内のコントロール・ポイントを通じてストライク・チームやブリーチャー・チームの「シャス=ウィ」(古参兵)によって操作される。


画像出典:ゲームズワークショップ公式通販サイト「Tidewall Gunrig」 商品画像より(2021/08/13閲覧)

【ドローンポート】


ドローンポートは、タウ軍の進軍をカバーするために所定の位置にまでホバリングし、火のカーストの戦士たちのための掩蔽壕(バンカー)として機能する。ガンリグの殺傷能力を最適化するためのデータを収集・照合する機能を持ち、ネットワーク化されたAIはシールドラインの生み出す「エネルギー・バリア」を積極的に高め、敵の攻撃を反射する。
しかし、ドローンポートの最大の特徴は搭載されたドローンであり、分離して援護射撃を行ったり、ドローンに内蔵されたシールドジェネレーターを展開することによる兵士たちの防御や、各種兵器での攻撃要請を行うためのターゲットマークを行うことが可能だ。


画像出典:ゲームズワークショップ公式通販サイト「Tidewall Droneport」 商品画像より(2021/08/13閲覧)

【タイドウォール・シールドライン】


光り輝くエネルギーの障壁を展開するタイドウォール・シールドラインは、リパルサージェットで防壁そのものを前進させ、タウ軍の戦線を前進させる。またシールドラインは、タウネットワークの要塞化のための防波堤でもあり、コントロール・プラットフォームとエネルギー・フィールドに守られた城壁でもある。
そしてシールドラインは敵からの攻撃を跳ね返すことも可能であり、タウ軍の守備力をより一層高める要因にもなっている。


画像出典:ゲームズワークショップ公式通販サイト「Tidewall Shieldline」 商品画像より(2021/08/13閲覧)


【航空兵器】


  • 「AX39 サンシャーク・ボマー」


【概要】
その特異な用兵思想と、また機動性を重視する気質ゆえに、ハンター・ケードリには他種族のほぼあらゆる軍隊で使用される「大砲」にあたる兵器の使用が見られなかった。その代わり、風のカーストと連携を取り、彼らは強力な爆撃機(ボマー)をであるサンシャークを開発したのだ。
サンシャーク・ボマーは滑らかなシルエットを持った大気圏用の航空兵器であり、上空から急降下した後、痛烈な爆撃によって地上の攻撃目標を粉々に吹き飛ばす。
【熾烈なる爆雷】
サンシャーク・ボマーに搭載された「パルスボム・ジェネレーター」は、極めて殺傷力の高いプラズマの球体、すなわちパルスボムをサンシャークの機体下部に発生させるための装置だ。パイロットが投下命令を下すと、パルス誘導フィールドがこの輝く高エネルギーの球体を眼下の戦場めがけて解き放ち、大気を灼き焦がす恐るべき音と共に目もくらむような爆発が地上の標的を呑み込み、広範囲に渡って破壊の衝撃波が放たれるのだ。
密集編隊を組んだサンシャーク・ボマーは、どれほど殺気立って猛進するオルクの〈いくさだァァァア!〉(グァァァグ!)であっても、たった一度の爆撃飛行で一掃することが可能である。パルスボム・ジェネレーターは驚くほど高性能な装置であり、ひとたびパルスボムが投下されるやいなや、直ちに新たなエネルギー球を生成し始める。
だがしばしば、試験段階から現在に至るまで改善されていない障害が発生し、致命的なパワー不足に陥ることもあるのだ。その場合、技術者がこのジェネレーターに修理を施すまでの間、サンシャークは新たな爆撃が不可能となってしまう。
このような事態に備え、サンシャーク・ボマーは2発の「シーカーミサイル」をはじめ、ほかにもいくつかの武器が搭載されている。絶望的な状況に置かれたパスファインダーやファイアウォリアーを援護する場合、シーカーミサイルなどの地対空兵器が最適であり、彼がサンシャークに援護を求める際は、マーカーライトの照射を行った上で支援を打診してくる。
敵の戦闘車両や重装歩兵に対抗できる航空戦力をすぐ傍らについていれば、パスファインダーやファイアウォリアーの生存率は飛躍的に高まるのだ。また機体後部に備わるミサイルポッドは、ツインリンク型に換装する事も可能であり、機首部分に搭載されたネットワーク・マーカーライトは、爆撃移動時に高い効果を発揮する。
【ドローンによる迎撃】
爆撃移動の開始前に撃墜されてしまうことを防ぐため、サンシャークには2機のインターセプター・ドローンが搭載されている。各々は強力な「ツインリンク・イオンライフル」を装備しており、サンシャークの主翼に搭載された追加火器として機能する他、機体から切り離され爆撃機本体のエスコート役として行動することも可能となっている。
サンシャーク・ボマーの機体から切り離されたインターセプター・ドローンは、後方から接近してくる敵戦闘機とサンシャークの間へと移動する。ドローンはジェットブースターを使用することで、極めて高速で飛行することが可能だ。
加えて、高速飛行中も空中の標的を精確に捕捉し、遠距離から標的を撃墜するのである。イオンライフルは、ほぼあらゆる標的を蒸発させてのけるため、射撃を受けて無事で済む敵フライヤーほぼ皆無といってもよい。
一部のインターセプター・ドローンは、これまでに少なからぬ撃墜数を記録しているが、AIは自分の手柄をことさら誇示する機能を持たないため、この撃墜数を誇るのはもっぱらそのサンシャーク・ボマーを操縦する風のカーストのタウたちである。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア6版」(codex:Tau Empire)P48 イラストより


  • 「AX3 レイザーシャーク・ストライクファイター」


【概要】
最前線で戦列を形成するファイアウォリアーたちにとって、雲海から急降下し敵の軍勢に向かって猛然と飛行するレイザーシャーク・ストライクファイターの姿ほど、喜びを掻き立てられる光景は無いだろう。この打撃戦闘機は、サンシャーク・ボマーの機体をベースに若干の改造が施されており、インターセプター・ドローン搭載部が追加の推進装置によって置き換えられ、パルスボム・ジェネレーターは軽装甲の敵戦闘車両を無惨な残骸へと変える強力な「クァッド・イオンタレット」に変更されている。
若干不安定な部分がある事は否めないものの、クァッド・イオンタレットがオーバーチャージ・モードで放つ猛烈な射撃は、たった一機で敵部隊を丸ごと一つ消し飛ばすだけの威力を持つ。
【主な運用方法】
打撃戦闘機であるレイザーシャークは、敵航空機と交戦する事も可能だが、本来は地対空攻撃によって自軍の地上戦力を支援する目的で開発されている。そして、その目的を果たすべき戦場は日に日に増えているのだ。
ファイアウォリアーたちの頭上を飛び交うこのフライヤーの機影はすっかりおなじみの物になっていったが、これは技術開発が功を奏していることの何よりの証明と言えよう。主武装に加え、どのレイザーシャークも機首部分にバーストキャノンを装備し、さらなる支援火器として2基のシーカーミサイルも搭載されている。
レイザーシャークを操縦する風のカーストのパイロットの手でオートメーション射撃を行うことも可能だが、シーカーミサイルは最も高い効果を発揮できるのは、地上の戦士たちがマーカーライトを照射して誘導した時である。
【天空から舞い降りし勇姿】
家門惑星「ケルシアン」が異種族「ティラニッド」の侵攻を受けた時のこと。かの貪欲なる異種族はすぐさまタウの繰り出す空からの地上攻撃を警戒しなければならなくなった。
大気圏の高高度から、超大型航空戦力である駆逐艦「マンタ」がティラニッドの飛行個体を一掃し、また地表部でもサンシャーク・ボマーがパルスボムの猛爆撃をもたらし、無数のホーマゴーント個体群を吹き飛ばしていったからである。タウのあらゆる航空戦力は各々の役割を完全に果たしていたが、中でもレイザーシャーク編隊が狩り取った獲物は、最も高い価値を有していた。
戦闘の最前線を幾度となく行き来しては、レイザーシャーク編隊は容赦なくティラニッド・ウォリアーを撃破していった。ティラニッドの分厚いキチン質の甲殻も、クァッド・イオンタレットから放たれるビームを受ければ、あっさりと貫かれたのだ。
たった1機のレイザーシャークが対地機銃掃射を行いながら上空を通過しただけでも、ティラニッドの精鋭個体群が半ば溶け崩れた屍骸となって折り重なり、シュウシュウと音を立てて蒸気を上げていたという。高速飛行能力を持つレイザーシャークは、敵勢力の頭脳に当たる個体を探し、発見し次第撃滅する作戦を遂行することが出来た。
前線から遠く離れた領域に潜んでいようと、小型個体群の中に身を隠していようと、レイザーシャークはそれを見つけ出して仕留めるだけの火力を持っていたのだ。また「リクター」や「レイヴェナー」のごとき浸透戦術の使い手がファイアウォリアーを脅かした際は、レイザーシャーク編隊は直ちに前線を取って返し、これらの怪物に照準を合わせると、自軍に及ぶ損害と消耗を最低限に抑え続けてきた。



画像出典:コデックス「タウ・エンパイア6版」(codex:Tau Empire)P49 イラストより


  • 「バラクーダ」


【概要】
バラクーダはタウが誇る一般的な大気圏用の制空戦闘機だ。「帝国宇宙軍」(インペリアルネイビー)の誇る爆撃機である「マローダー」よりも高い機動性を持つが、「サンダーボルト」重戦闘機や「ライトニング」戦闘機の最高速度には及ばない。しかし、バラクーダに搭載されている洗練された電子機器とパイロットが持つ天性の才能でその欠点を補っている。
ドックファイト性能ではサンダーボルトとバラクーダは同程度であり、速度や機動性ではサンダーボルトが、操縦性ではバラクーダが勝っている。どちらもほとんど同性能にもかかわらず、〈帝国〉のパイロットもしばしば、風のカーストのパイロットに対抗するのが難しいと感じるほど、厳しい状況に立たされた経験を持っている。
【装備】
バラクーダの主武装は、パイロットが照準を合わせられる機体前方に搭載された「イオンキャノン」である。これはドッグファイトで使用される際の主な武装であり、両翼の端に搭載された二基のドローン制御によるバーストキャノンによって火力支援が行われる。
対地攻撃には、両翼に搭載された「ミサイルポッド」を用いて地上の敵に猛烈な爆撃を行う。バラクーダが地上攻撃機としての役割を果たす際は、最大4発の「シーカーミサイル」を追加で搭載することが可能だ。
これらの操作は機体を操縦しているパイロットではなく、地上部隊のマーカーライトオペレーターが行う。更に全てのバラクーダには脱出ポッドが備わっており、機体が深刻なダメージを受けた際に、パイロットは脱出することができる。
一部のバラクーダの亜種は、さらなる保護のために「サンフィルター」や「ディスラプションポッド」、「デコイランチャー」を搭載している事例もある。
【タロス征戦での戦歴】
かのタロス征戦では、タウ軍からは大規模な風のカースト部隊が配備されており、戦略における重要な部分を占めていた。バラクーダと〈帝国〉のサンダーボルトは、惑星「タロス」の制空権をめぐって壮絶な空中戦を繰り広げていた。
バラクーダは砂漠地帯にある秘密基地から発進しており、バラクーダは〈帝国〉軍の補給部隊にも対地攻撃を仕掛け、パスファインダー・チームと一体となって重要な施設の破壊を行った。この戦役にてバラクーダはタウ軍の戦略において重要な役割を果たし、最終的には〈帝国〉軍を撤退させることができたのだ。
【AX-5-2 バラクーダ】
この新型機は、版図拡大を続けるタウ・エンパイアが直面する多様な敵に対抗するため、「ヴァシュイア家門」の地のカーストによって開発された万能機だ。従来型の比類なき俊敏性と機動性を維持しつつ、「パワーグリッド」や「コンバット・アビオニクス・システム」が強化され、任務の間における迅速な換装を実現する可変武器が搭載されているなどの改良が施されている。



画像出典:サプリメント「Imperial Armour Volume Three」P194 イラストより


  • 「マンタ」


【概要】
マンタミサイル駆逐艦、通称マンタはタウ・エンパイアがハンター・ケードリ全員を輸送するのに用いられる大型の宇宙艇である。操縦を担当するのは風のカーストの「コー=ウィ」階級のパイロットである。
攻撃艇と宇宙船の役割を果たすこの宇宙艇は、様々な役割を持つ。宇宙空間では敵の艦艇に攻撃を加えるのに用いられ、〈帝国〉の宇宙戦闘機の部隊に匹敵する性能を有しているが、惑星侵攻の際には降下艇として機能し、タウの地上部隊のサポートを行う。
マンタはバリスティックスーツと並んでタウ軍にとっての大型兵器として機能し、〈帝国〉軍の「巨人機」(タイタン)やオルクの「ガルガント」に最も近い役割を持っている。
【戦歴】
マンタミサイル駆逐艦は、〈人類の帝国〉によるタウ・エンパイアに対する本格的な軍事侵攻である「ダモクレス征戦」において重要な役割を果たした。「ハイダス」星系の支配権をめぐる最初の宇宙空間での戦闘では、タウの主力艦を脅かす「帝国宇宙軍」の爆撃機部隊に対抗するために初めてマンタが投入される。
一方、惑星「ダルイス」での防衛戦で「アデプトゥス・タイタニカス」(帝国巨兵団)は、「レギオ・タナタリス」の巨人機を中心とした三方面からの攻撃で、「ゲルブリン」の都市へと侵攻した。〈帝国〉軍の圧倒的な進撃を食い止めたのは、マンタで構成された反撃部隊であり、マンタから放たれる攻撃によって地上の戦況は膠着状態へと移行していった。
最終的には、ダルイス家門に侵攻してきた〈帝国〉軍を退けることに成功し、マンタの有用性が証明されたのだ。その後のタロス征戦では、マンタはハンター・ケードリの再配置に多用され、圧倒的な戦力の前での反撃や迅速な退却を可能にした。
これにより、タウ軍は優れた戦略的機動力を手にし、数の上で劣勢に立たされた部隊が局地戦でも〈帝国〉軍と対等に渡り合えるようになったのである。
【武装】
マンタの主武装は、両翼に配備された2基の「ヘヴィレールガン」で、機体を保護する防護装置を有しない「ウォーハウンド・スカウトタイタン」を一撃で破壊できる威力を誇る。標準的な弾頭のほかに、レールガンはドローン制御による特殊な副弾頭を発射することもでき、砲弾を目標に追尾させることが可能となっている。
これらの副弾頭は地上支援も有用だが、主に宇宙空間での戦闘に使用され、貫通力の不足を敵宇宙艦の脆弱な装甲を狙うことで補っている。通常の弾頭と副弾頭の両方には大気圏での安定性を上がるためのフィンスタビライザーが付いており、通常よりも射程距離が長くなっている。
近距離での戦闘においてマンタは、各翼に3基ずつのバッテリーにグループ化された6門の長い砲身を持つ「イオンキャノン」装備しており、戦闘が激化した際の飽和射撃を可能にしている。16門の長い砲身を持つ「バーストキャノン」はドローン制御が行われており、機体着陸時の接近防御と飛行中の対空射撃が行えるようになっている。
バーストキャノンはマンタの船体を覆うようにして設置されており、全ての射撃範囲を複数のバーストキャノンでカバーすることが可能だ。そのほか、船首の発射口から射出される10発の「シーカーミサイル」は、搭乗員による「ネットワーク・マーカーライト」または地上部隊が使用する「マーカーライト・オペレーター」の操作によって「ツインリンク・ミサイルポッド」から発射することができる。
これらの巨大な武装の制御は、優れた制度を誇る「ターゲティング・アレイ」と、暗視機能を提供する「ブラックサン・フィルター」によって補助される。
【機体の制御】
他のタウ軍の航空機や宇宙艦艇と同様に、マンタミサイル駆逐艦には風のカーストのパイロットが乗船しており、彼らは船の前方にあるコックピットから船を操縦している。更に前方のコックピットの後ろには洗練された「コマンド・ブリッジ」があり、通信ハブ、火器統制、指令室として機能する「アクセスラダー」で接続されている。
タウのコマンダーやエセリアルが戦闘活動を安全に行えるのは、このコマンド・ブリッジによるものである。
【防御装備】
マンタは強化された装甲に加えて、タウの主力艦で搭載されている「ディフレクター・シールド」に似た「エネルギー・シールド」で保護されている。脆弱なエンジンスラスター・アレイの近くには「デコイランチャー」が備え付けられており、さらなる防護効果が向上している。
【エンジン】
マンタ内部には「エーテルドライブ」が搭載されており、恒星間移動が可能となっている。タウ軍の恒星間移動ができる宇宙艦艇の中では最小の機種であるマンタだが、恒星間移動の性能は非常に限られおり、長距離の星間移動を行うことができない。
そのためワープ空間の端に沿った最短ホップを除き、マンタはより大きな空母で輸送しなければ遠くの星系へ移動することは不可能となっている。マンタは軍を展開するためのホバーモードも備わっているが、惑星の地表近くでの実行はかなりのエネルギーを消費してしまうため、地上戦での高機動力は失わている。
【輸送能力】
重巡洋艦としての役割も果たせるマンタは、1、2隻で一つのハンター・ケードリ全軍を戦場へと運ぶことができる。この目的のため、船内には上下二つの輸送デッキが設けられている。
上甲板はコマンド・ブリッジとはしごでつながっており、最大48名のファイアウォリアーが収容できるようになっている他、コマンダー専用の「コマンド・チェア」や6機のドローンを収納できる「センター・ラック」が設置されている。
またこのスペースには、クルートやガンドローンなどの同等サイズの兵士やビークルを配置したり、最大12機の「ヘヴィガンドローン」や最大24匹の「クルートハウンド」を収容できるように改造を施すことも可能だ。マンタが着艦した際には、拡張可能なタラップで上部の船倉へと行き来することができるが、空から部隊を降下させる場合には部隊にジェットパックが与えられるか、反重力のビークルで輸送される。
下部の輸送デッキは、最大140人のファイアウォリアーまたは同等のサイズの兵員と機器を収容できる。より一般的に輸送デッキには「デビルフィッシュ」、「ハンマーヘッド・ガンシップ」、「スカイレイ」、「ピラニア」いずれかのビークル4台と、最大10機の「クライシス・バトルスーツ」または5機の「ブロードサイド・バトルスーツ」を収容可能する中央保持ラックとして使用される。
また、50機のクライシス・バトルスーツ、25機のブロードサイド、36機のヘヴィガンドローン、12機の「ドローン・セントリータレット」、12機の「テトラ」を収容することも可能である。重巡洋艦としての役割を持っているにもかかわらず、マンタが敵の宇宙船に部隊を投入されることはほとんどなく、宇宙空間での戦闘の最中に搭乗を行うという概念は、タウの戦闘教条では異質とされている。



画像出典:ForgeWorld公式通販サイト「Manta」 商品画像より(2021/08/13閲覧)


  • 「オルカ」


【概要】
オルカ降下艇は、タウ・エンパイアにおける惑星降下輸送用の降下艇である。軌道上に停泊している宇宙艦艇から惑星の表面に物資や人員を輸送するために使用されるが、戦闘用の宇宙船ではないために武装は最低限自衛のためのものしか装備していない。
オルカは戦場での特別な任務を遂行するために使用されることもあり、作戦の進捗状況を監視するための高度な機器が搭載されている。オルカの胴体の左右には強力な「クアッドラムジェット」と機体下部に取り付けた「グラヴプレート」の組み合わせにより、巨大なサイズにもかかわらず並外れた速度と機動性を有している。
機体は時速2000km(マッハ1.63)を超える速度で飛行することが可能で、空中でのホバリングも難なくこなせる。
【戦史】
惑星「タロス」での戦闘では200隻以上のオルカが戦闘地域への物資や部隊の輸送に使用されたといわれている。また、多くの改良型がパスファインダー・チームやステルススーツ・チームを敵陣の奥深くに浸透させるために使用され、その中には帝国宇宙軍の航空基地に深刻な被害をもたらしたかの「シャス=エル・ク=イリ」とその襲撃部隊も含まれていた。
タウ軍が惑星「パヴォニス」に侵攻する前、オルカ降下艇はダルイス家門の特使「アゥン=ライ」を「エル=エサヴェン」の指揮下にあるハンター・ケードリと共に護送し、〈帝国〉側の司令官「クーデルカー・ショナイ」と「ミコラ・ショナイ」、そして「アデプトゥス・アドミニストラトゥム」(帝国行政局)の「ロートン・ペルジェド」との会談に臨んだ。しかし、スペースマリーンの「ウルトラマリーン」戦団所属の「ユリエル・ヴェントリス」隊長の到着により会談は中断され、〈帝国〉のボディーガードを務めていた「スキタリ」が投げた手榴弾がオルカの人員収容スペースで爆発し、機体は破壊された。
【装備】
オルカに装備されている武装はドッグファイトを行うには不十分であり、主に敵陣地への着陸時に敵を掃討するために使用される。船底に設置された格納式のタレットには「ツインリンク・ロングバレルバーストキャノン」と7発の「ミサイルポッド」が搭載されている。
これらはターゲット・アレイやブラックサン・フィルターを含む火器統制システムを介してパイロットによって操作される。また、マーカーライトを装備した地上部隊を支援するために、最大4発のシーカーミサイルを機体に搭載することも可能だ。
この他にも複数のミサイルラックや追加の弾倉を装備したオルカの派生機種も存在するという。オルカは敵の攻撃に対する装甲が施されているが、元々は戦闘用に設計された機体ではなく、戦場で使用せざるを得ない状況になった場合は通常バラクーダ戦闘機が護衛を行う。
また、オルカには万が一に備えて「ディスラプション・ポッド」や「デコイ・ランチャー」を装備することも珍しくない。
【機体の操縦】
オルカを操縦する風のカーストのパイロットは、機体前方の装甲に包まれたノーズコーン部分で操縦を行い、機体には「アビオニクス・プロセッサー」、「ナビゲーション」、「エンジン」、「燃料制御システム」を搭載している。コクピット部分は脱出ポッドとしての機能を備えており、機体に大きな損傷があった場合にはジェットで切り離して脱出することでき、自動位置確認用のビーコンも搭載されている。
またパイロットに表示される情報は、オルカの上部にある四角いドーム状の「センサーベイ」と、機体後部にある2基の「通信アレイ」を通じて、コクピットのフライトコントロールパネルに映される。これらの情報は外部の「エアデータ・センサー」と攻撃警告システムの情報も含まれて表示されている。
機体前方のノーズコーンの後方には、2名の火のカーストのオペレーターがコントロールする「タクティカル・コマンドセンター」があり、コマンダーやエセリアルが輸送機の中からファイアウォリアーたちへ指令を行うのだ。コマンドセンターは機体の輸送ベイから行き来ができるようになっている。
【輸送能力】
オルカの輸送区画は機体の大半を占めており、後方の降下用傾斜板から乗降りすることが可能だ。輸送区画には24名のファイアウォリアーまたはクルートなどの同サイズの部隊を収容することができ、さらに8機のドローンが収納できる「コマンドチェアー」と輸送ラックが設けられている。
さらに24名のファイアウォリアーまたはガンドローン、6機のクライシス・バトルスーツ、3機のブロードサイドを自動輸送用レールに固定して搬送するオプションも備わっている。
【主な運用方法】
オルカが危険な場所へと飛行する際にはバラクーダによって護衛される。バラクーダの役目はオルカとその運搬対象を脅かす敵機を撃墜したり、地上の表手に攻撃を加えるなどである。
機体の船底に装備された格納式のタレットに搭載された武器は、着陸時の安全を確保するための迎撃射撃を行うのには適しているが、ドックファイトといった対航空機との戦闘には適していない。



画像出典:ForgeWorld公式通販サイト「TAU ORCA DROPSHIP」 商品画像より(2021/08/13 インターネットアーカイブにて閲覧)


  • 「タイガーシャーク」


【概要】
タイガーシャークは、タウ・エンパイアにおける戦闘機であり、搭載されたドローンで高高度からの攻撃を仕掛ける。タイガーシャークは通常、大規模な戦役においてハンター・ケードリを支援するための役割を持っており、帝国宇宙軍の類似している機種である「マローダー爆撃機」よりも高速で操縦性に優れているが、弾頭の積載量は少ない。
タイガーシャークはバラクーダに比べて配備されている数は少ないが、多くの機能やシステムが共通している。全てのパイロットは風のカースト出身の者であり、人類のパイロットよりも優れた空間認知能力と高い重力加速度に対する耐性を持つ。
バラクーダと同様に、風のカーストの出身家門によって若干異なる調整や改良が加えられている機種が運用されていることも少なくない。他にも複数のバーストキャノンやシーカーミサイルを搭載して火力を向上させたバリアントも確認されている。
【装備】
機体には内部のラックから14機のガンドローンを高高度で展開することができる。その他にも、2門のイオンキャノン、2基のミサイルポッド、2基の「ドローン・コントロール・タレット」が搭載されている。
【主な運用方法】
タイガーシャークの主な役割は、機体に搭載されたドローンを展開してでの戦闘である。機体に搭載されたイオンキャノンやミサイルポッドでの射撃のみならず、複数のドローンを戦場のあらゆる場所へと展開する事も可能だ。
フライト時には通常、戦闘能力をカバーするためにバラクーダを同行させるが、機体に地上攻撃用にイオンキャノンとミサイルポッド、敵戦闘機に対する防御用にドローン制御のバーストキャノンが搭載されることもある。タイガーシャークはパイロットとナビゲーターまたは火器管制オペレーターの2名によって操縦される。
彼らのコックピットは脱出ポッドも兼ねており、機体の胴体から切り離しができる。脱出ポッドは乗員を安全に地上へと避難させるために重力による移動に制限がかかっている。
【タロス征戦】
タロス征戦においてタイガーシャークは迅速に対応できる部隊として軍の作戦を支援してきた。彼らはアストラ・ミリタルムの進軍に対しいち早く反応し、侵攻ルートにいち早くドローン中隊を素早く展開し、その間にタウの地上部隊を所定の場所へと移動させるようにした。



画像出典:ForgeWorld公式通販サイト「Tigershark」 商品画像より(2021/08/13閲覧)


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バトルスーツ

タウ・エンパイアには高火力、高機動力を誇るロボット兵器「バトルスーツ」が数多く配備されている。このバトルスーツは数多くの機種が存在し、タウ・エンパイアが得意とする一撃離脱戦法などを支える主力兵器としてその名を轟かせている。
タウ・エンパイアを象徴する兵器バトルスーツについてはこちらを参照されたし。


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追記・修正は火のカーストの戦士になってからお願いします。


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  • 誉れは浜で死にました -- 名無しさん (2021-08-14 02:09:36)
  • ケイオスカルトに酷い目に遭わされたので「予防措置」としてゲヴェサが粛清されたことがある -- 名無しさん (2021-08-14 22:06:20)
  • ほかの勢力と比べるとメカは人類より人類らしいというか、凄いマトモだな -- 名無しさん (2022-09-18 02:40:43)
  • 「色々な種族の連合軍だが、根本的にはタウこそが最上という差別意識の塊」ってかなり捻ってる感ある -- 名無しさん (2022-11-09 23:21:21)
  • ↑「食べた生き物に応じた特性を獲得する特性を持ちそれを適応力として利用してきた種族に『同胞喰らいを野蛮と見なし(タウからすれば「同族の勇士を埋葬するどころか同胞の食肉にされる」なんて耐えられないのも無理ないし他の同盟組んでる種族からも同様の苦情が来てるのかもしれないけど)強く禁じ、いずれは“野蛮な食人の習性から解放してやる”』つもりで接する他者への無理解や互いの長所を組み合わせ合うことを目指しながらも自分達の価値観だけから外れ過ぎる行いを認めず特性を活かす場を与えきってない」なんて歪みもあったよね…… -- 名無しさん (2022-11-10 00:21:59)
  • レールガン技術はヴォタンから買ったこと判明。いいのかヴォタン、利敵行為じみた商売しちゃって -- 名無しさん (2023-04-12 08:30:54)
  • ヴォタンの技術の方が遥かに上回るから問題なし -- 名無しさん (2024-01-03 19:05:37)

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