王たる光・ベイリオン(shadowverse)

ページ名:王たる光_ベイリオン_shadowverse_

登録日:2020/04/12 Sun 23:38:35
更新日:2024/05/17 Fri 11:19:00NEW!
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「導き照らす、光となろう」


本項目ではスマートフォン/PC向けTCG「Shadowverse」に登場するベイリオンについて説明する。


概要

大自然の世界『ナテラ』の王。誇り高く、清廉潔白な人物でまさに王と呼ぶにふさわしい心意気の持ち主。
穏健派<<スコル>>の頭首でもあり、母なる君の暴走に対する考えの違いが理由で過激派<<マーナガルム>>と対立している。
ビジュアルはライオンの見た目をした威厳のある獣人。イズニアに彼の色違いがいた気がするが特に関係はない。


腹違いの弟にヴァイディがいるが、彼は過激派<<マーナガルム>>の頭首となり、ベイリオンと対立する立場になっている。
それでもベイリオンはヴァイディを想っているが、ヴァイディはベイリオンを受け入れる様子を見せず、それどころか彼が兄であることすら否定している。
またベイリオンの娘にミストリナがいるが、親子の仲はさほど良くない様子である。



CV.置鮎龍太郎



メインストーリーの「自然鎮魂編」に登場しているが、まずは彼のカードの性能の解説に入ろう。



カードとしてのベイリオン

  • 王たる光・ベイリオン

登場カードパック 森羅咆哮
4コスト フォロワー ロイヤル レジェンド 自然
4/4
守護
ファンファーレ このバトル中、自分のリーダーは「自分のターンごとに1回、自分のPPがカードの能力で回復したとき、王の一閃1枚を手札に加える」を持つ。リーダーはこの能力を重複して持たない。
(進化後)
6/6
守護
進化時 自分のPPを1回復。



カードパック第14弾『森羅咆哮』のレジェンドレア、看板カードとして実装。
「自然ロイヤル」の主軸となるカード。
4コスト4/4と、4コスト帯のデメリットなしフォロワーの中で最大級のスタッツに守護を持つ。
それに加え以後「1ターンに1回、PP回復すると スペル:王の一閃 を手札に加える」という能力を自分のリーダーに付与する。



  • 王の一閃

1コスト スペル ロイヤル レジェンド 自然
自分のフォロワー1体を+1/+0する。
自分の場にナテラの大樹があるなら、+1/+0するのではなく、+2/+1する。



  • ナテラの大樹

1コスト アミュレット ニュートラル ブロンズ 自然
ファンファーレ 自分の場に他のナテラの大樹があるなら、ランダムに1つを破壊する。
ラストワード カードを1枚引く。



この王の一閃によるバフを活かして戦うことが求められる。
疾走能力持ちのフォロワーにこのスペルを付与して、相手のリーダーへのダメージを増やしたり、
潜伏能力持ちのフォロワーに付与して、次のターンに確実に相手を追い詰めることのできる状況を作ったりと様々。
ナテラの大樹は他のカードにより生み出すことになるので、マリガンで大樹を生成できるカードと、ベイリオン(もしくはベイリオンをサーチできるカード)を引いておきたい。
ちなみにヴァイディが相手の場にいるときには


「ヴァイディ……私はお前を」


という専用ボイスが聞ける。



  • 相性のいいカード

ざっくり説明すると
① 王の一閃の効果を生かすための、ナテラの大樹を生成できるカード
② PP回復効果によって王の一閃を生成できるカード
③ 疾走や潜伏により、王の一閃と合わせて相手を追い詰められるカード
と相性がいい。以下一例を挙げる。



  • 森の姫・ミストリナ

6コスト フォロワー ロイヤル ゴールド 自然
アクセラレート 1;輝ける剣撃1枚を手札に加える。


4/6
守護
ファンファーレ 輝ける剣撃1枚を手札に加える。「相手の場のフォロワーの数」が自分より多いなら、自分のPPを2回復。


  • 輝ける剣撃

2コスト スペル ロイヤル ゴールド 自然
攻撃力最大の相手のフォロワー1体に3ダメージ。自分の場にナテラの大樹があるなら、3ダメージではなく5ダメージ。(攻撃力最大のフォロワーが複数いるなら、その中からランダムに1体)
ランダムな自分の森の姫・ミストリナ1体は疾走 を持つ。



娘。細かいことはこちらの項目で説明したいが、要するに上述の②③の条件を満たす。6コストで攻撃4の疾走フォロワーは大型かつ、守護も持つため中盤の攻防に長ける。



  • 躍動する獣戦士

5コスト フォロワー ロイヤル シルバー 自然
4/4
突進
ファンファーレ 自分の場にナテラの大樹があるなら、自分のPPを3回復。
エンハンス 8; 疾走 を持つ。


上述の②③の条件を満たすフォロワーだが、ナテラの大樹が場にあれば実質2/4/4のフォロワーとして使用できるために非常にコスパが良い。



上述の③を満たす、潜伏能力を持つフォロワー。
彼については個別項目が存在するので具体的なカードの効果についてはそちらを参考にして欲しいが、要するにトークンカードにより再潜伏ができるフォロワー。
元々の体力が高めのスタッツをさらに王の一閃で強化することになるので、相手にとっては除去しなければいけないのに、非常に除去し辛いという厄介なフォロワーとなる。自然ロイヤルというより潜伏ロイヤルじゃないか



  • 白刃の剣舞

2コスト スペル ロイヤル シルバー
ランダムな相手フォロワー1体に1ダメージ。これを「自分のフォロワーの最大攻撃力の値」と同じだけ行う。上限は10回。
エンハンス 5 ; ダメージを与える前に、自分のフォロワー1体を+2/+2する。


上述のリオードだけでなく、ベイリオンとも相性がいい。
5ターン目にベイリオンを召喚してEP(進化権)を使えば、PP回復効果により残りPPが2になる。そこでこのスペルを使えば、相手の盤面に6ダメージをばら撒くことが可能。
加えてベイリオンも攻撃ができるため、相手の盤面全体に最大で12ものダメージを与えることができる。5ターン目でこれほどのダメージを与えられれば、大抵の盤面は処理できるだろう。



  • 白翼の戦神・アイテール

3コスト フォロワー ロイヤル レジェンド
2/3
ファンファーレ 「自分のPP最大値に+1した値」以下でコスト最大のロイヤル・フォロワーをランダムに1枚、自分のデッキから手札に加える。


(進化後)
進化時 自分の他のフォロワーすべてを+0/+1する。


自然ロイヤルはベイリオンを出せないとデッキを回すことができないが、4コストフォロワーをベイリオンに絞ってこのフォロワーを3ターン目に出せば、ベイリオンをサーチできる。



  • ライノスナイト・パトリック

7コスト フォロワー ロイヤル レジェンド 自然/兵士
結晶 1;カウントダウン 1
ファンファーレ ナテラの大樹1枚を手札に加える。
ラストワード このターンが自分のターンなら、コストX以下でコスト最大の自然・カードをランダムに1枚、自分のデッキから手札に加える。Xは「自分の残りPPの値」である。


6/8
守護
ファンファーレ 自分の場に他のフォロワーがいないなら、自分のPPを6回復。


3ターン目に結晶でプレイすれば、4ターン目にベイリオンをサーチできる。自然フォロワーのみとはいえ、上述のアイテールのスタン落ちに伴い実装されたとも取れる。
フォロワーとしても強力。条件を満たせば1/6/8という驚異のコスパを発揮するが自然ロイヤルは戦型的にこの条件を満たしやすい。



VEC環境では自然ロイヤルの主軸フォロワーとして環境に台頭し、活躍した。デッキから出せるパワーも高くユーザーからもかなり評価されていた。
しかし主なアタッカーとなるミストリナの効果が、相手の展開したフォロワー数に依存してしまうのが難点。そのため比較的対策されやすかった。
加えて攻撃的なデッキとはいえ、スペルを生成する→それを使う というワンテンポ挟むデッキでもあるため、瞬発的に相手を責められる自然ビショップなどに頂点を譲る形となった。



UCL環境では、環境に出回るカードの体力のインフレに伴い、白刃の剣舞でも返せない盤面を築かれたり、簡単に相手リーダーを攻撃しに行きづらくなってしまったりと逆風が強い。



WUP環境ではあまり出回ってはいないとはいえど強力なパーツが追加された。
しかし自然ロイヤルどころかロイヤル自体が他クラスに比べて環境的には下火であり、再興することはできなかった。



メインストーリーでのベイリオン

アリサたち一行は、本来はテトラに導かれて鋼鉄の世界アイアロンに行くはずだったものの、
管理者ネルヴァの干渉を受けて、アリサ、エリカ、ローウェン、イリスの4人は大自然の世界「ナテラ」に飛ばされてしまう。
「自然鎮魂編」ではその4人と、ナテラに住む登場人物が中心で話が進んでいく。


ナテラは「母なる君」により創造され、彼女により多くの命が生み出された。加えて彼女は森のエネルギー「マナ」を生み出しており、ナテラの民は彼女によって生かされているのだ。
しかし母なる君は何かしらをきっかけに暴走してしまう。その結果、マナは枯渇し、森は穢れて荒れ果てようとしているのだ。



ベイリオンはそのナテラの王。先代の王が病んでしまったことにより王位を継承することとなった。
高潔で心優しい人物ではあるのだが、緊急時への対処が苦手なところがあり、一部の民からは「腰抜け」と呼ばれ馬鹿にされてしまっている。
ベイリオンは穏健派<<スコル>>の頭首として、「たとえ今は穢れていたとしても、我らの母とも言える母なる君を打倒するなどできない」と言う考えのもとに、
母なる君と対話することで世界の滅びを止めようと考えている。


しかしそうは問屋が卸さない。ネックになってくるのは彼の異母弟、ヴァイディの存在である。ヴァイディは過激派<<マーナガルム>>の頭首となり、
母なる君を討ち滅ぼすことで世界の滅びを止めると言う考えの元で行動し、スコルと対立しているのだ。
上述のベイリオンを腰抜けと評する民は、ヴァイディの元に付いており度々スコルとマーナガルムによる対立が森のあちらこちらで発生している。
ベイリオンとヴァイディとの仲は険悪で、そもそも両者の見た目は全然似ていない。それでもベイリオンはヴァイディのことを想っている。



ロイヤルフォロワーだが、アリサたち一行で一番彼と関わるのはアリサ。ロイヤルのエリカは娘のミストリナと関わる場面が多い。
アリサがナテラに着いて早速、穢れた精霊と交戦していたところをラティカに助けられる。そのままアリサはラティカに連れられベイリオンに追会いに行くことになる。
ベイリオンは見覚えのない格好のアリサに、どこから来たのかを聞く。アリサはベイリオンに自分が別世界から来たことを伝えるが、彼は


「ラティカが連れてきたということは悪人ではない。」


とアリサを信じた。そして、自分がアイアロンじゃない世界に飛ばされたことに当然気がついてないアリサは、彼にテトラの居場所を聞くが……


「……私はこの森の王、ベイリオン。この森に棲むあらゆる者の上に立ち、導く存在だ。その私の記憶からすると……テトラという人物は、この世界には存在していない。」


「えっ!?そ、そんなっ……!」


本来たどり着くべきはずの世界とは異なる世界に飛ばされてしまったのではないか とベイリオンは伝えようとするが、このタイミングでマーナガルムの一般兵が現れる。
アリサとベイリオンは手を組んでこの場を切り抜けようとするが、マーナガルムの一般兵は腕の立つアリサを、マーナガルムの拠点へ連れさらってしまうのだった。
突然の出来事に動揺し、不意を突かれたベイリオンはラティカにアリサの捜索を頼み、自身は仲間を連れて別の拠点に移ることにした。ベイリオンマジダメじゃね。草。



そしてアリサと入れ違いで、イリスがスコルの拠点に立ち入る。イリスもマーナガルムの一般兵に絡まれるが、そこにベイリオンが駆けつける。イリスとベイリオンはマーナガルムを追い払おうと交戦する。
マーナガルムの一般兵を追い詰めたところに、マーナガルムの兵長ジーナが姿を現す。


「今日のところは退いてやるよ。だけどね……アタシたちは何度だってアンタを狙う。穏健派<<スコル>>の長たるアンタの首を奪うまで!」


ジーナはそう言うと一般兵を連れてその場を去っていった。
ベイリオンはイリスに、アリサが連れさらわれたことを謝り、そしてスコルの考えを話した上で、
「母なる君による滅びは、周期的に訪れるものだとも考えられており、もしそうならば抗うことすらできない」「もともとは同じナテラの民が、争うことに意味はない」と伝える。
そしてベイリオンはイリスに、この世界にテトラがいないこと、アリサやイリスは本来たどり着くべき世界とは異なるナテラに来てしまったことを話すのだった。
イリスはその話に動揺するが、テトラの特徴がベイリオンやラティカと大きく異なっていることを理由にその話を受け入れ、


「私の目的は変わりません。滅びゆく世界を救うこと……それが私の目的なのですから。」


とイズニア国で出会ったマーロンの言葉を胸に、ナテラの滅びを阻止するために協力することを決意するのだった。
その言葉を聞いたベイリオンは、イリスに「ナテラの歴史を解き明かせば、母なる君による滅びを止める術が見つかるかもしれない」と遺跡の調査を依頼する。
イリスはベイリオンの元を立ち去り、遺跡の調査に必要な物を手に入れるべく、マーナガルムの参謀、ムニャールの元へ向かうのだった。


一方のアリサは、人質として連れさらわれたものの、マーナガルムの参謀のムニャールを愛玩動物として可愛がろうとしたり、ヴァイディが人質作戦を好まなかったり、ラティカが助けに入ったりといった理由で解放され、ベイリオンの元に戻ることができた。
ベイリオンはアリサに今度こそ、本来たどり着くべき世界じゃない世界にたどり着いてしまったことを話す。アリサはその話を受け入れ、「どのみち、困ってる人は見過ごせない」と返す。
そしてイリスにもした、両勢力の対立についての話に加え、その時に「母なる君が四度咆哮したときにナテラは滅ぶ」という言い伝えの話をする。またマーナガルムの一般兵に襲撃されるが、ベイリオンは


「血を流し、涙を流す以外の方法がないかと……いや、必ずあると。私はそう信じている。」


と反撃した彼らにトドメを刺さず、見逃すのだった。そこにラティカがエリカを連れて現れる。ラティカはミストリナの無事をベイリオンに伝えて去っていった。
エリカと再開したアリサは、ヴァイディと話し合いをするために、マーナガルムの拠点へ向かうことにするのだった。


アリサはエリカの協力もあり、ヴァイディと再開するが、彼の触れてはいけない事情に触れてしまい、彼を怒らせてしまう。そこをミストリナに助けてもらったアリサは、肩を落としてベイリオンの元へ帰ってきた。
ベイリオンはアリサを危険な目に合わせたことを謝り、ヴァイディと自分の関係を打ち明ける。
しかしその話の後に母なる君が咆哮をあげる。もう時間は残されていない……そう知ったベイリオンはスコルの一般兵をかき集めるのだった――



  • ベイリオンの対人関係

ミストリナはベイリオンの娘だが、ラティカにミストリナの様子や安否を聞くことはあっても、自分から会いに行こうとはしていない。あまり親子仲はいいとは言えないようだ。


ラティカのことを信頼しており、ラティカにスコルの兵長を任せている。ラティカは「あーし、兵長に向いている性格でもないし、つらみ感じんだよねー」と言ってはいるが、ベイリオンのために積極的に行動している。



ヴァイディとの過去は回想で語られている。「異母弟であるヴァイディは自分の父の不貞の証」であるとベイリオンは彼を忌避していた。またヴァイディもベイリオンのことを嫌っていた。
しかしある日、ベイリオンは森の猛獣に襲われているヴァイディを目にする。「来るな、ベイリオン!」とヴァイディはベイリオンに叫ぶが、対してベイリオンは無意識のうちに彼を助けようと飛び出したのだった。
結果、ベイリオンはボロボロになりながらもヴァイディを助け出すことに成功。この時初めて、全く似ていない兄弟は心を通わせ、仲の良い兄弟となった。
ベイリオンはヴァイディのことを次第に知っていく。ヴァイディには、自分にはない賢さや余裕があり、ベイリオンはいつしか「自分よりもヴァイディの方が森の王に向いている」と本気で思うようにもなっていった。
しかし、ヴァイディはある日、「(ヴァイディ)母の用意した秘薬により生命力を奪う力を手に入れた」「さらばだ、我が兄。……森の王よ。我はこれより森の影となる……。」と言い放ち、ベイリオンの元を立ち去った。
ヴァイディが去ってから、そのことを苦に思った当時の王と王妃は体を壊してしまい、ベイリオンが王位を継承することになった。
ベイリオンは仲が良かったはずの自分たちの間に生じた亀裂を悔やみながら、ヴァイディと対立するのだった。




最終章、ベイリオンはついに行動を開始する。ヴァイディの待ち構える滝の元へ行き、ついに彼と決着をつけると決めたのだった。
アリサはエリカの協力もあり、そんなベイリオンの前に現れる。スコルとマーナガルムの戦いを止めたいアリサはベイリオンを説得しようと試みる。
そんなアリサにベイリオンは「スコルとマーナガルム、どちらに着くか」と聞く。アリサはどちらにも着かないと返すが……


「君は優しいな」


ベイリオンはアリサに攻撃を開始、アリサはその一撃をかわすが……


「……嫌です。どうして戦わないといけないんですか……。」


「戦場において優しさは毒だ。心を惑わせる。……私は強くなる。そのために、君をここで拒まなくてはいけないんだ」


戦いを止めたいアリサと、どうしてもヴァイディの元に行きたいベイリオンの戦いが始まるのだった。


相手となるベイリオンは専用のアミュレットを使用する。



「始めよう」



  • 森の王の号令

コスト3 ロイヤル アミュレット レジェンド 自然
カウントダウン 2
このカードは破壊されず、消滅せず、相手の能力で選択できない。(カウントダウンによっては破壊される)
自分の場にフォロワーが出るたび、それは+1/+0されて、突進を持つ。
ラストワード 自分のフォロワーすべてを+2/+2する。森の王の号令1枚を手札に加える。


このアミュレットにより、彼のフォロワーは全て突進効果を持つ。そのため盤面で戦うのが難しくなる。また相手の場にフォロワーを残してしまうとアミュレットによるバフが入ってしまうため、処理も怠らないようにしなければならない。


しかし相手はこのアミュレットが手札にある時、優先してこれをプレイするために「最大PPの数値-3」分のPPしか実質使うことができないターンが多かったり、これ以外に高レアリティのカードが全然入っていなかったりと甘さも目立つ。
ベイリオンにアリサを殺す理由はないため、手加減しているのだろう。


この戦いのあとベイリオンにアリサは押し切られてしまうが、アリサは諦めずベイリオンの後を追った。



その後、母なる君が2度目の咆哮をあげた時、ベイリオンはいよいよヴァイディが待つ場所に到着しようとしていた。そんなベイリオンの前に現れたのは娘のミストリナだった。


「わざわざ護衛と離れてまでお一人になるなんて。お父様は、穏健派<<スコル>>のために戦うのか、ナテラのために戦うのか――それとも、自分のために戦うのか。なんだか、分かりませんわ。」


ミストリナはお父様の目的が何であれ止める気はないと言うが、娘の成長を見たベイリオンはミストリナにこう言う。


「済まなかった。」


「へ?」


「私はもっと……お前と話すべきだったんだろう。信じていたものに裏切られることを……恐れたりせずに……。」


あまり良くない親子仲は、ベイリオンが信じていた弟ヴァイディからの裏切りに遭ってから自信を失っていたためであったのだ。しかしミストリナは彼を責めることはなく、


「家族ですもの。なんであれ、繋がってますわ。」


と返した。この言葉には「お父様と叔父様も分かり合える」という意味もあったのだろうか。ベイリオンは覚悟を決め、ヴァイディと初めて心を通わせた滝の見える場所へ行くのだった――。



ついにベイリオンとヴァイディが再会する。


「なぜ、あの時、この滝で……憎んでいただろう私を助けたんだね。」


「……分からない。ただ、気づいたら地面を蹴っていた。」


話の後、ベイリオンは森の王としてこの森を刃で照らすという使命、ヴァイディは森の影として使命を侵すものとして戦いが始まるのだった。


「そうだ。では……始めようか。」


「……この戦いに。」


「……この因縁に。」





今!決着を!




+ 以下、ネタバレ注意-

ベイリオンとヴァイディの戦いが始まる。初めは両者の力は互角であり激しい攻防が続いたが、形勢はベイリオンに傾く。彼は一気にヴァイディを追い詰めるのだが、ここで戦況に変化が起こる。


「……なぜ止めた。なぜ止まった。」


「……お前こそ、どうして刃を受け入れた。」


ベイリオンはヴァイディにとどめを刺すことができず、一方でヴァイディは余力があるにも関わらずベイリオンへの抵抗をやめたのだった。
互いに互いを謎に思う中、自身の呪いの力が増したヴァイディはベイリオンに叫ぶ。


「私とお前は、血の一滴たりとも繋がってはいない!お前は――何も知らないんだよ、ベイリオンッッッ!!」


激昂したヴァイディはベイリオンを斬るが、ベイリオンは体勢を立て直し反撃する。その上でヴァイディに真相を聞くのだった――。


「……答えろ、ヴァイディ。私とお前に繋がりがないとは……どう言う意味だ。」


そしてヴァイディの口から、ヴァイディの生い立ちの真実が語られる。




「私は生まれるべきじゃあなかった!この森に!この世界に!生まれてはいけなかったんだよ!!」



ヴァイディはベイリオンの異母弟ではなく、邪竜により孕まされたヴァイディの母の間に生まれた忌み子であった。
そのことを不憫に思った先王とその妃は、ヴァイディの母とヴァイディを引き取り、表向きは近親の者として受け入れたのだった。
ヴァイディ当人は自身の生まれの真実は知らなかったものの、自分が王の不貞の証として生まれたことに失望していたが、
それでも、あることをきっかけに「自分が生きる唯一の希望」を見出すことができた。
が、ある時ヴァイディは運悪く自分の生まれの真実を知ってしまい、悪意からのものではないとはいえ自身が周囲から欺かれて育てられたことと、
この真実によって「自分が生きる唯一の希望」を完全に失ってしまったことで、彼のアイデンティティは崩壊し、人格も変わってしまった。
彼の力も秘薬によるものではなく、彼が生まれつき持っていた力であり、この時発現してしまった邪竜由来のものである。


だが、ヴァイディはそれでも「兄弟」であるベイリオンのことは憎まず、依然として彼と彼の持つ力を尊敬していた。
「高潔で器の大きいベイリオンと兄弟である」ことは、かつてのヴァイディの「自分が生きる唯一の希望」であり、
自身の生まれの真実を知ったことで、その希望自体は失われてしまったが、ベイリオンへの尊敬は変わらず、彼こそが森の王に相応しいと考えていた。
しかし、穏健派のベイリオンを腰抜けと評する民たちも少なからずおり、そこでヴァイディは、「倒すべき敵」として、ベイリオンの前に立ちはだかることを決意する。
最早「自分が生きる唯一の希望」を失ったヴァイディは、長く生きるつもりなど毛頭なく、
その命の使い道として、ベイリオンに自身を討たせ、森を守る王として、森を照らす光として民から認めさせるべく、彼の「宿敵」となったのだ。



ヴァイディは事実を打ち明けた上でベイリオンに詰め寄る。



「私は呪われて生まれた、忌まわしき子供!
私は自らの母を裂いた、親殺しの狂人!
私はお前の両親を病ませた、討つべき仇!」


「私は影!森の影!光に焼かれ、消え去ることこそ影の本懐!」


「だから斬れよ、ベイリオン!それがお前の、森の王の責務だァッ!」



――ヴァイディに対するベイリオンの答えは……



「お前の理屈など知ったことか!」


「お前が忌まわしき子供であろうと知ったことではない。
お前が親殺しの狂人であろうと関係ない。
お前が討つべき仇であろうと、それがなんだ!」


それでも、お前は私の弟だッッッ!
私が照らすべき、森の民だッッッ!
理屈ではなく本能で、私はそう決めた!!!


迷い、悩み、真っ直ぐに進めず、間違いだって多くても……弱い自分だとしても、それでも森の王として、ヴァイディの兄として生きる そうベイリオンは返すのだった。
そのベイリオンの姿勢に逆上したヴァイディだったが、そこにムニャールが駆けつける。ムニャールの言葉にヴァイディは冷静さを取り戻し、ベイリオンとの戦いの手を止めて降参したのだったーー。



しかし全てが片付いたわけではない。母なる君は3度目の咆哮をあげた。もう時間がない――とここでベイリオンの元にアリサ、ローウェン、エリカ、イリスの四人が合流する。
イリスの口からナテラの滅びの真実が語られ、それが母なる君によるものではなく、母なる君によってマナが枯渇したことにより生じた民たちの戦争によるものであったことが明らかになる。
あとは母なる君の暴走を止めることができればいいのだが、そこにたどり着くまでにたくさんの穢れた精霊が立ちはだかる。
ベイリオンはその場を引き受け、別世界の勇者と信じた4人を先に進ませるのだった。



ベイリオンは一人で無数の精霊と対峙していたが、体力的な限界も迫ってきていた。ベイリオンは精霊に不覚をとられるが……


「なぜだと問うてくれるなよ――今の私に理屈はない。」


ベイリオンを助けに入ったのはヴァイディだった。兄弟でまた再び手を取り合って戦う時が来たのだ。
二人は協力して膨大な数の相手に立ち向かっていく。


それからアリサとエリカとミストリナの力により、母なる君は理性を取り戻し、再度眠りについた。
母なる君を説得するには力を示した上で対話する必要があったため、スコルもマーナガルムもどちらも間違ってなかったと言えるか。
ベイリオンは穢れた森が蘇っていくことにヴァイディと共に喜びを分かち合った。この場面で初めてベイリオンは笑顔を見せている。



――それからアリサたち4人は、ユアンたちとの合流のためにナテラを離れる。


「ありがとう。別世界の勇者たちよ。君たちの旅の無事を祈っている。」


ベイリオンは4人にそう告げて見送るのだったが……。



「あーあーあー。聞こえてるか?オイ、聞こえてんのかわかんねーなぁ。まぁいいや、ありがたく聞け。
ここに巣食う命共、地べたを這いずる虫ちゃんたち。跪け。降伏しろ。いやしなくたっていいけどね、どうせ同じことになる、スクラップだ!
刻め、我が名はベルフォメット・アーデライト。このナテラ――私がもらってやるよ。」



――ナテラでまた新たなる戦いが始まろうとしていた。



+ 天地侵略編-

突然のベルフォメットの声にアリサたち4人は転移をやめてナテラに残り、ベルフォメットと戦うことを決める。
ベイリオンは森の王らしく、今までマーナガルムにいた一般人も含めて、戦える民たちに号令を出すのだった。


その後は母なる君から力を得たアリサとエリカの活躍もあり、ベルフォメットに対して優勢にも見えたが、
一方でベルフォメットもアイアロンとナテラの繋がりを知り、それを交えた上での作戦を決行する。
ベイリオンの前に現れたのは、超大型機械歩兵<<エリネイス>>のティシポネーだった。ティシポネーの殺戮剣<<ネーラオン>>による連続斬撃に対し、彼は信念を込めた剣技で真正面から太刀打ちするのだった。
作中でもかなりの実力者であるユアンでさえ障壁叩き破られてぶっ倒れた技に太刀打ちできるあたり、ベイリオンの実力は凄まじいものであると分かる。




「森の王、か。なるほど、悪くない眼だ。」


そこにアイアロンからユリアスモノが助太刀に入る。
ベルフォメットを倒すという目的の合致を確認したベイリオンは、ユリアスとモノとともにティシポネーと戦うのだった。
この戦いはイリスが『鍵の杖』を起動させたことにより機械たちが停止して終了したが、母なる君の力を取り込んだベルフォメットはナテラを完全に掌握しようとしていた。
ユリアスは決戦のために彼のもとへ急行。
ベイリオンとモノはテトラエンネア、ヴァイディと合流し、
自分たちが勇者8を先に進ませた。


そしてアリサたちは激戦の末、ベルフォメットを撃破する。ナテラの崩壊は免れたのだった。
とはいえどナテラの森は過酷な戦いで荒れ果ててしまった。ベイリオンはユアンに今後のナテラについて話す。


「……母なる君の力は戻った。だが、眠りについたまま、我らの声には応えない。いつかまた目覚めてくれるのか……。」


その上で「危機は去っていない」というベイリオンだが、


「だが……貴方の目を見て、少しだけ安心したよ。」


「その目は希望を見据えている。……ならばきっと、問題はない。」


かつて一国の王であり、その時に道を大きく踏み間違えてしまった過去を持つユアンは、ベイリオンの様子を見てナテラの今後に大きな心配はないと判断する。


「私たちは生きる。この、新たなる世界で。新たなる民と共に、生きていく。……私はその民の命を守り抜く。それが森の王の使命だからだ……。」


ベイリオンは自分の王としての覚悟をユアンに伝えた上で、2度もナテラを救い、次の世界に旅立つ勇者たちに礼を言った。


「……さらばだ。君たちが再びこの世界を訪れてくれた時には、私も、民も、大いに歓迎しよう。」


これで機械反乱編、自然鎮魂編、天地侵略編に続いたこの物語も終わりである。


期間限定ストーリー「自然再生編」でも森の王して、機械三姉妹やマンマルを受け入れた上で責務を全うしている。


  • その他関連カード

WUPでは、メインストーリーのキャラが描かれたスペルが全クラスに実装されている。
ロイヤルクラスには、エリカとミストリナとベイリオンが描かれているスペル「信念の剣閃」が存在する。


詳しいことはミストリナの項目で説明するが、選択できるベイリオンのスペルはこのような効果。


  • ベイリオンの号令

0コスト スペル ロイヤル ゴールド
自分のフォロワーすべてを+1/+1する。


0コストとあるが、「信念の剣閃」が3コストのため、実質3コスト。自然軸を除き横展開が得意なロイヤルにおいて相性の良いスペルと言える。過去に同じ内容で4コストのスペルが存在したのは内緒だ。
ちなみに、エリカとミストリナの仲の良さに加えて、他のクラスのスペルが軒並み同クラスの二人組であるため、このカードの発表までベイリオンはハブられるのではないかとユーザーから心配されていた。



また第21弾「リナセント・クロニクル」で娘とセットでリメイクされた。


「ここはわたくしに!」


「下がれミストリナ!」


  • 光耀の標・ミストリナ&ベイリオン

登場カードパック リナセント・クロニクル
6コスト フォロワー ロイヤル レジェンド 自然
4/6
疾走
守護
ファンファーレ ランダムな相手のフォロワー1体に5ダメージ。
手札にアミュレットがあるなら1枚捨て、+2/+1する。ナテラの大樹を捨てたなら、自分のPPを3回復。


父と娘の両方のリメイク前の性能を取り込んだ、攻守ともに長ける極めてカードパワーの高い一枚。
早期の横展開によって相手を詰めながら、このカードでさらに圧をかけるのが主な使い方。環境では不遇なシーズンの続いたクラス:ロイヤルを一気に一線級に押し上げている。
またスペル「劇的な撤退」と、その効果で0コストになったこのカードを引き込む手段があれば1ターンで相手の体力を20から一気に0まで削り切ることも可能であり
それをプランの一つに据えた「撤退ロイヤル」と呼ばれるデッキタイプは『リナセント・クロニクル』環境のトップメタに君臨している。



続く『災禍を超えし者』(DoC)環境でも、新カードがあまりパッとしなかったロイヤルデッキのエースカードとして重宝されていたが、
2021年10月28日のカード調整により、コストが6から7へと上げられるナーフ(下方修正)を受け、連携ロイヤルを始めとするローテのロイヤルデッキが軒並み弱体化した。


なおこの時、《ユニオン・マジック》と《アルティメット・マジック》、《夜天の吸血鬼》に《インモラル・ディザイア》といった、当時のトップデッキの切り札も同時にナーフされたのだが、
このカード同様にデッキの切り札である《ユニオン・マジック》《アルティメット・マジック》をナーフされて一気に弱体化した「スペルウィッチ」はともかくとして、
それ以外の二枚については、《夜天の吸血鬼》を採用している「狂乱ヴァンパイア」は他のカードの強さもあってナーフ後も普通に採用し、さほどランクも落とさず、
一方で《インモラル・ディザイア》のナーフで「ラストワードネクロマンサー」は一時期大きく弱体化したものの、アディショナルの追加である程度復権。
ウィッチも「スペルウィッチ」は確かに弱体化したものの、代わりに「進化機械ウィッチ」が環境に台頭し、環境からウィッチ自体が消えることはなかったのだが、
アディショナルでもそこまで強力なカードが追加されなかったロイヤルは、以前の環境とは打って変わってランクマッチでも使用率が激減し、
結果として、一番今回のナーフでダメージを受けることとなった。なんで最近の運営はロイヤル使いをいじめるん?





「私は戦うのだ。無知で、愚かで……真実を知らぬ王だった。だが、それでも私はこの森の王――この森を照らす者。もはや迷い無し。いざ追記・修正せん!」


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  • 信念の剣閃のせいで、更にどうしようもないカードと化してしまったグローリー・コアさんに黙祷。 -- 名無しさん (2020-04-14 02:54:23)

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