登録日:2018/06/10 Sun 18:10:51
更新日:2024/02/26 Mon 13:43:24NEW!
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決闘 法律 デュエル 決闘者 デュエリスト 西部劇 時代劇 果たし状 拳 剣 拳銃 手袋 決闘罪 果し合い 決闘罪ニ関スル件 血斗
決闘とは、二人の人間が互いに譲れないものを賭けて戦うこと。
血斗と当て字されることもある。
概要
司法制度が未発達な時代では、揉め事の解決に政治家を頼ることが難しいことがしばしばあった。
そのため、「勝った方が正しい」というごくシンプルな裁定方法がヴァイキングのホルムガンガなど世界各地で自然発生した。
互いに示し合わせてルールを決めた上で決闘を行い、勝った方の主張が認められる、という形式である。
発生当初は「神は正しい物に味方する」という神託裁判の形式も含んでいたが、時代が下るにつれ単に決闘者の勇気を示す儀式へと転じていった。
「フェーデ」として制度化されていた時代は、''人質を取って金品目当てに決闘を申し込む''、盗賊騎士と呼ばれる輩が跋扈し、
その後司法制度が整っていくに従い、決闘自体も不要で野蛮なものであるとみなされるようになり、現代では日本をはじめとするほぼ全ての国で決闘は犯罪となっている。
世界各地の色々な決闘
ヨーロッパ
一番有名で伝統的な決闘。フィクションでも一番よく見られるタイプではないだろうか。
特に「相手に手袋を投げつけ、それを相手が拾うと決闘の受諾となる」という形式は良く見られる。
要するにこういうことだ。
特に侮辱を受けたと感じた側が、名誉の回復を求めて決闘を申し込むことが多かったようだ。
基本的には対等な立場同士で行われるものであり、また農奴や自由民は決闘を申し込めなかった。
決闘は当事者2名とそれぞれの介添え人と審判の合計5名で行われるが、大抵はそれに加えて多くのギャラリーが詰めかけていた。
挑戦者が成人男性なら、その当人が戦うのが望ましいが、女性や子供、老人なら代闘士を雇うことが認められていた。
後に代闘士を雇うのは全ての階級で認められるようになった。
決闘の方式は時代によって異なるが、中世ならば剣、近世以降なら拳銃を用いることが多かった。
大抵は全く同じ武器を二つ用意し、公平になるように配慮がされている。
初期はどちらかが死ぬまで行われる血なまぐさいものが中心だったが、
やがて「どちらかが傷を負ったら負け」「武器を落とされたら負け」のようにレクリエーションに近い形式のものも増えて行った。
アメリカ
西部劇で有名なガンマン同士の決闘で知られる。
決闘する者同士が互いに背を向けて三歩離れて拳銃を抜き合い、撃たれた方が負け、というシンプルなもの。
ちなみにこの決闘にはちゃんと法的根拠があり、
まともな法整備がされていない未開拓時代においては「いかなる理由があろうと先に銃を抜いた方が悪い」と決まっていたのである。
そのため、「互いに銃を収めた状態で向き合い、相手に先に銃を抜かせた上で撃ち殺す」ならば「無罪」とされていたのだ。
なお、他の国と違い今でも一部の州では決闘のルールに関する法律が残っている。
もっとも、法律上有効であるとされるかどうかは裁判所の判断次第であるが。
日本
「果し合い」という決闘方式が長年に渡って受け継がれている。
拳銃がほとんど普及しなかったので、近世に至るまで果し合いの主流は日本刀であった。
基本的には相手に果たし状を送りつけてそれを相手が受諾すれば決闘となるが、
町中などでも自身の名誉が傷つけられたと感じたならば刀を抜いて決闘を申し込むこともあったようだ。
江戸時代以降は表向きは非合法になったが、巌流島の決闘のようにどこの領地でもないような場所で行われることはあったようだ。
忠臣蔵の前日譚の一つでもある「高田馬場の決闘」も果し合いだが、決闘の当事者が双方共に斃れ助太刀一人だけ生き延びるという珍しい話であった。
その後明治時代になると、「決闘罪ニ関スル件」という法律が施行され、一気に決闘の風習は廃れることになる。
なお、この法律施行から120年が経過しているにも関わらず一度も改正されていない稀有な法律である。
そのため、現在でも決闘を目論んだ場合、当事者だけでなく審判や観客、場所や武器を提供した者など、関係者は軒並みこの法律を根拠に逮捕されることになる。
まぁ当事者はこの法律以前に暴行罪や傷害罪や殺人未遂が付く可能性が高いが。
一般人には縁のない古びた法律……かと思いきや、現代でも多少ながら適用例がある。
「暴走族の抗争」(暴力団と違って当事者以外のメンバーを組織ごとしょっぴくのが難しい)に際して決闘罪を適用することで、
ギャラリーごと芋づる式に引っ張ることが可能なのである。
「格闘技の試合は決闘にならないのか」という疑問を持たれることもあるが、アレはあくまで「格闘家としての正当な業務」なので、無論セーフ。
ただし、地下で巨大格闘技大会を目論んだ人たちや、経済的紛争を代理闘士の試合で解決しようとしている人たちは、正当な業務とみなされず決闘罪になる可能性が高い。まあどっちも法律の外でやってるような連中だが
カードゲーム世界
なぜか「デュエル!」と叫んでカードゲームをプレイすることで揉め事は大抵解決するようになっている。
これに関して決闘罪が適用されることは基本的にないようだ(死傷者も出ているため普通の決闘並に危険なのだが……)。
むしろ法より優先される例すらあり、結果を覆そうとするものは大体ひどい目にあう。
ちなみに「デュエル(Duel)」はそのまま英語で「決闘」の意味で、「決闘」とルビが振られる事も。
「デュエル」は元々はマジック:ザ・ギャザリングにおける用語だったが、
使われなくなった後、2004年にKONAMIによって商標登録された。
カードゲームに限らず、あらゆるホビーアニメ・麻雀漫画では、
ご近所付き合いから惑星間戦争まであらゆるトラブルは玩具か麻雀で解決できる事になっている。
なお、初期の遊戯王はゲームで直接解決するのではなく、ゲームで勝ったという結果を出した後に罰ゲームに持ち込むことで解決していた。
著名な決闘
- 巌流島の戦い
1612年頃に行われた、当時剣豪として名を馳せていた宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘。
決闘の経過や背景に関しては定説がなくはっきりしておらず、
実はサシの勝負ではなく各々弟子を呼び込んでの乱闘だった、武蔵が小次郎をおびきだし手下と集団で叩きのめしたといった説まであったり。
- OK牧場の決闘
1881年10月26日、アリゾナ州トゥームストーンのO.K.コラル近くの路上で起こった決闘(実際には乱闘騒ぎに近いが)。
クラントン兄弟をはじめとするカウボーイズたちが当時対立していたワイアット・アープら保安官達を襲撃。激しい銃撃戦となった。
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▷ コメント欄
- 1get -- YF (2018-06-10 18:23:43)
- 「デュエルで奴らを裁くのだ!」「奴をデュエルで拘束せよ!!」 -- 名無しさん (2018-06-10 18:32:43)
- 近接武器を構えます(屈伸等で合図を送っても可)→相手の機体をタッチして「かかってこい」を送信します→いざ尋常に勝負! -- 名無しさん (2018-06-10 19:04:15)
- デュエルで揉め事解決とは言うが実際はデュエル⇒悪あがきでリアルファイト⇒返り討ちってパターンも割と多い。そこでデュエル要らなくねと思うかどうかが一般人とデュエル脳の境界線だ。 -- 名無しさん (2018-06-10 21:12:43)
- ↑大抵のデュエリストがデュエルマッスル鍛えてるから、リアルファイトでも負けないからね。デュエルに勝てばよかったのだよ、となるわけで -- 名無しさん (2018-06-10 21:21:03)
- この項目名を「デュエル」と読んだ貴方は立派な -- 名無しさん (2018-06-10 23:13:26)
- ↑続き デュエリストです -- 名無しさん (2018-06-10 23:14:24)
- 殺し合いはいかんけど殴り合いなら合意の上でなら決闘もアリではとも思う。まあ実際に認めたらやばいことになるんだけど -- (2018-06-11 00:49:08)
- 世界の果てを見せてあげよう、君にも -- 名無しさん (2018-06-11 01:20:46)
- ↑2無理矢理脅して決闘に合意させた上でぶん殴るっていう無法がまかり通ってしまう -- 名無しさん (2018-06-11 01:36:10)
- スポーツも一種の決闘みたいな印象があったので、決闘罪はてっきり冗談みたいなもんだと思ってた。そうか、喧嘩とかも、良くも悪くも決闘と言えるのか -- 名無しさん (2018-06-11 01:46:41)
- ↑7リアルファイトでやり過ごそうと思ったがそれを防がれたのでデュエルで決着をというパターンも結構あるしな -- 名無しさん (2018-06-11 02:10:44)
- デュエルのダメージがリアルに受ける場合もあるから、 -- 名無しさん (2018-06-11 06:44:47)
- デュエルのダメージがリアルに受ける場合もあるから、戦闘するより決着がつきやすいって場合もあるしね -- 名無しさん (2018-06-11 06:45:40)
- 一時期決闘を申し込む!のAAが流行ってたけどあれ4chanのミルキィホームズスレが元だったみたい -- 名無しさん (2018-06-11 09:23:10)
- 決闘罪(デュエルざい) -- 名無しさん (2018-06-11 10:19:04)
- だが それが逆に妹の夫の逆鱗に触れた! -- 名無しさん (2018-06-11 21:07:54)
- でもなんだったか普通の麻雀から銃撃戦、戦車戦に発展してくのもあった気がする -- 名無しさん (2018-06-11 21:18:33)
- ↑2 当然!「鉄球」だッ! -- 名無しさん (2018-06-12 02:17:47)
- 数学者のガロアは決闘で亡くなった -- 名無しさん (2018-06-13 23:58:46)
- トムとジェリーの決闘の話はとても面白かったw -- 名無しさん (2018-06-14 09:20:50)
- これなんでコナミが某社になってんの? -- 名無しさん (2018-06-15 20:14:55)
- ↑この手のは某社の方がネタ感あるかなぁ、と思って -- 名無しさん (2018-06-15 20:32:30)
- フランシス・デ・ゴヤの「棍棒の決闘」という絵が印象深い。足首を地面に埋められて固定の上で、打ち合っているというエグい絵面。 -- 名無しさん (2018-10-12 13:24:32)
- ロシアンルーレットやチキンレースも広義的には決闘だな。記事にある戦闘方式よりはゲームとしての趣が強いが -- 名無しさん (2019-07-10 22:06:11)
- この言葉を聞くと真っ先に思い浮かぶのが少女革命ウテナ -- 名無しさん (2021-08-18 18:30:39)
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