SCP-3022

ページ名:SCP-3022

登録日: 2017/05/19 Fri 12:58:17
更新日:2024/02/06 Tue 11:13:22NEW!
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SCP-3022とは、シェアード・ワールド「SCP Foundation」において登録されたオブジェクトの一つである。
項目名は「Hooked on a Feeling(気持ち的に引っ掛かる)」


概要


SCP-3022は、フックとスプリングを組み合わせたような変な形をした物体である。鋼鉄製。
長さ13cm、重さは316g。なので片手に持てるサイズだ。


これが特異性を発揮する状況はごく限られたもので、以下の条件を同時に満たす必要がある。

  • 人間が一人だけで公衆トイレの個室に入っている
  • その個室にコートなどを引っかけるのに適したフックが取り付けられていない
  • この状態で入っている人がSCP-3022を手に持つ

これらの条件が満たされると、SCP-3022は自分を持った人間に対して、コートを掛けるのに適したフックを提供してくれるのである。
…のだが、その提供手段が問題。



こいつ、手に持った人間を並行世界に転送するのである。
そしてその並行世界にはフックのついたトイレの空き個室がある。
人間はその中に転送され、晴れてフックを使うことができる、という寸法である。
……たかがフックのためだけにパラレルワールドに行くってどういうことやねん。


なお用が済んでも元の世界には帰れません。



一応移転先のパラレルワールドはある程度規則性を持って選択されている。
具体的には、元の世界となるべく差が少ない世界を選んで転送される。
使いたかったトイレにフックがないこととあることを除く、他の差異ができる限り出ないように配慮しているのだ。
これは、「両者の世界が分岐した瞬間」が問題のトイレの建設より後になるためらしい。
確かにこれなら違いが作られる期間は数年〜数十年くらいで、さほど多くの変異は生まれないだろう。



SCP-3022自体の起源は不明なのだが、財団はすでに多数のSCP-3022を収容することに成功している。
なぜかと言うと、並行世界でフックのないトイレに入った人が、基底世界のフックがあるトイレに転送される事案が多発しているため。
財団は飛ばされてきた人からこのオブジェクトを回収しているのだ。


SCP-3022が最初に発見されたのは、SCP-984「公衆トイレ」の中に民間人が突然出現したのがきっかけ。
このSCiPは「一人だけで利用すると狂犬病を発症した猛獣が出てきて襲われる」というもので、残念ながらこの民間人も襲われてしまった。
この民間人が死ぬまでに行われたインタビューにより、「自分が元いた世界ではSCP-984は特に異常はなかった」「SCP-3022は友人から貰った」ことまでは判明した。
死んだ民間人は並行世界の住人だったので、基底世界でも捜索したところ同じ民間人が見つかった。
ただし、特にSCP-3022のことは知らないようだった。まああくまで別人だし。



以上がSCP-3022に関する性質の全てである。
最近になって発見されたオブジェクトとしてはシンプルで、短い説明になった。
特別収容プロトコル内でも、「余分なSCP-3022は保管ロッカーに入れる。飛んできた所持者は拘留した上で、可能なら所持者がいた並行世界の財団に連絡する」と、Safeオブジェクトレベルの対応がなされている。
…並行世界の財団に連絡しなきゃならないのにSafeと言っていいのか微妙だが。














O5評議会「閃いた」











想定外の活用法


さて、確かにSCP-3022の性質は上記で全てである。
しかしながら、上記では意図的に一つ情報を抜いていた。


SCP-3022のオブジェクトクラスは、なんと「Thaumiel」。



Thaumiel。SCP財団の最高機密、最終兵器に相当するオブジェクト群。
滅びた文明と人間を再構築するもの数多くの未来を予測して最善の世界を決定するもの記憶処理薬の作成に欠かすことのできないもの
いずれも極めて大規模、かつ危険性の高いオブジェクトで、それに触れることの可能な人物は非常に限られたものである。


そんな空前絶後の化け物たちと、このよくわからん小さなフックが同格扱いなのである。
一体全体なんでそんなことになったのか?



それは、O5評議会がSCP-3022を活用するために出した指令、「モノミス・プロトコル」の存在が関係している。


サイト-19の全ての洗面所には、電磁石で個室内部に取り付けられたフックが備えられています。サイト-19でのタイプ5+収容違反、またはあらゆる種類のK-クラスシナリオが発生した場合、これらの電磁石は自動的に無効化され、VIP-576はできる限り早くSCP-3022を活性化するように指示されます。基底宇宙の財団と接触を持っている並行宇宙の全ての財団は、VIP-576のコピーがそちらに存在するか否かに関わらず、このプロトコルに従わなければいけません。



基底世界の財団は、他のパラレルワールドに存在する財団に向けてこのような指令を出したのだ。


サイト-19のトイレには電磁石で取り付けられたフックがあり、有事の際はこのフックが取り外される。
このトイレの中でSCP-3022を起動するとどうなるか?
転送前後の世界の差異をなるべく小さくする性質のために、使用者はパラレルワールドの、「有事が発生しておらずフックがついたままのサイト-19のトイレ」に転送されることが可能なのである。


つまり、使用者はSCP-3022によって崩壊する基底世界を脱出し、崩壊していないパラレルワールドに確実に移動できるという計算になるのだ。
これこそが、この変なフックがThaumielに認定された理由なのである。



現在SCP-3022を所持することが認められているのは、財団トップクラスの要人であるVIP-576、ただ一人だけ。
彼はあるK-クラスシナリオに関して予後影響を受け続けると予測されているらしく、それゆえにいつでも世界を脱出できる状態になければならないとされている。
いったい誰なんだろうか?



余談


このオブジェクトの報告書、全てのThaumiel記事の中でもトップクラスに短い。
どれくらい短いかというと、500英単語以内で記事を完成させる「ショートコンテスト」出身のSCP-2140「過去改変画像」よりさらに短い。
そりゃ、あくまで手乗りサイズのフックもどきで性質も単純だから、まあ多くのことは書けないわな…。


ついでに言うと、このオブジェクトの写真は、元々はギターの弦を押さえて出る音を高くする「カポタスト」という楽器用品のものである。
トイレとは全く関係ない。



追記・修正はトイレの個室に入ってお願いします。



SCP-3022 - Hooked on a Feeling
by Communism will win
http://www.scp-wiki.net/scp-3022
http://ja.scp-wiki.net/scp-3022(翻訳)
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