登録日:2016/03/07 (曜日) 1:01:15
更新日:2024/01/22 Mon 10:48:26NEW!
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概要
南太平洋に浮かぶニューギニア島、その東側・東南アジアとオセアニアの中間地帯に位置するパプアニューギニアで、
太古に絶滅したはずの翼竜としか思えない姿をした謎の未確認生物。
それがローペンである。
主にニューブリテン島西部の小島、ウンボイ島で目撃が多発しており、棲息地もここと見られている。
「ローペン」という名は、現地の言葉で「空飛ぶ悪魔」を意味する。フライングデビルではない
形態
オオコウモリの皮膜に似た翼を持ち、その中央には3本の指が生えている。
体色は赤褐色、灰色、黒など個体によって様々。肌の質感はなめし革に似ていて、羽毛や体毛と思しきものは確認されていない。
口先は鳥のように鋭く細く、顎にはワニのような鋭い歯が生えている。
先端がひし形をした尻尾は、自身の体長に匹敵するほど長い。
腹部、もしくは全身に発光器官を持ち、夜間に飛行する姿は光の玉が浮かんでいるかのようだという。
食性は肉食性で主に魚や昆虫を食べるが、性格は至って狂暴で人間や動物にも積極的に襲い掛かる。
中には海辺で漁師が網を引き揚げていた時に突如として現れ、魚を奪い攫っていったという話もある。
伝承によればローペンの好物は腐肉で、時折墓地に飛来しては墓を荒らし、新鮮な遺体を喰い漁るという恐ろしい言い伝えが残されている。
小型飛行機よりも巨大な翼竜がブタを襲った
ウンボイ島における最初のローペン目撃事件は第二次世界大戦さ中の1944年まで遡る。
目撃者はアメリカ兵のドウェイン・ホジキソン。
彼は当時、陸軍装甲部隊の一員として、
ウンボイ島南部のジャングル地帯近くに布陣中の、オーストラリアの部隊に配属されていたのである。
8月のある日の午後、ホジキソンはオーストラリア人の兵士と共に、森の中の開墾地を歩いていた。
そして開墾地を抜けた先の小道を歩いていた時、野生のブタが2人の横を怯えるように走り去っていった。
次の瞬間、2人の目の前で信じがたい光景が展開した。
地面から巨大な鳥に似た怪物が飛び立ち、大きく旋回しながらブタを追っていったのだ。
怪物の翼開長は目測でも6m以上あり、皮膚の色は暗い灰色。
コウモリのようななめし革のような翼をはばたかせ、飛び去って行ったのである。
2014年に亡くなるまでアメリカのモンタナ州で静かに余生を送っていたホジキソンは、当時を回想してこう語る。
あの時目にした光景はいまだに忘れない。
翼を広げた時の長さは小型飛行機ほどもあったし、地面から飛び立った時はそいつの真横からの姿がよく見えた。
長いくちばしと鉤爪のような手足、長い尻尾があった。
その姿はまさしく太古の翼竜だった。
私は翼長7.8mのパイパーペイサーと言う小型飛行機を所有しているが、
その飛行機と改めて比較して考えてみると怪物の翼開長は9m近くあったかもしれない。尻尾の長さも5mはあったと思う。
研究家達の調査
アメリカ人兵士、ドウェイン・ホジキソンの報告は非常に精緻で驚くべきものであったが、
原住民たちの間では、ホジキソンが目撃した1944年以前から怪物の存在はよく知られていたようだ。
1972年、研究家のジェームズ・スゥーニーは自著「海の怪物の歴史」の中で興味深い資料を紹介している。
それは1595年の日付がある海の航行図に、2匹の「海の怪物」に関する警告が記されているというものだった。
パプアニューギニアの海上に飛来する怪物は、
長いクチバシと、頭部後方にトサカを持ち、コウモリのような翼がある。
この怪物はたびたび人を襲うので用心するように。
2004年、アメリカのジャーナリストのジョナサン・ウィットコムがウンボイ島でローペンに関する調査を行った。
ジョナサンは、ローペンを見たという島民17人にインタビューを伺ったが、
その証言内容はホジキソンのそれと殆ど変わらなかった。
取材を行った島民のひとり、ギデオン・コロは子供時代から幾度となくローペンを目撃したと語り、
「ローペンの尾は7mにも達し、その先はダイヤモンドのような形をしていた。」
と地面にスケッチを描いたという。
そのスケッチは太古の翼竜そのものといってもおかしくなかったのである。
なお、オオコウモリの誤認ではないかと聞いたところ目撃者たちは一様に否定し、
翼竜のイラストを提示すると「これだ、ローペンだ!」と異口同音に指摘したという。
目撃の歴史
- 1989年
ウンボイ島から北に300キロほど離れた所にあるランバットヨ島東部の海で、
仲間と夜釣りに訪れていた男性がローペンに襲撃されるという事件が発生。
身の危険を感じた男性が水中に飛び込むとローペンは船を執拗に攻撃しはじめ、周囲に水飛沫が飛び散った。
- 1995年
ウンボイ島のグマロング村で、ベル山の方角から海へ飛び立つローペンが目撃される。
- 1998年
パプアニューギニア本土に訪れた宣教師が、湖の方角へ飛び去る謎の怪鳥を目撃。
- 2001年4月
グマロング村で、真新しい墓をクチバシで掘り起こし、遺体を貪るローペンの姿が目撃される。
- 2005年9月
ウンボイ島のマルラモ村に住む男性が屋外で用を足していた時、ジャングルの方から飛来してきたローペンと遭遇。
最初は明滅を繰り返す発光体という正体不明の見た目をしていたが、
木の梢に止まってから程なくして男性の方へと接近し、その時月明かりに照らされた姿は翼竜そのものだったという。
翼開長は少なく見積もっても3m以上、鋭く尖ったクチバシ、ひし形の先端を持つ細長い尻尾を持っていた。
正体の考察について
ウンボイ島の住民達が示した通り、ローペンの姿は太古の地球に生きていた翼竜そのものである。
この手の翼竜系UMAの正体となると毎回のように候補に挙げられるのがオオコウモリの誤認説だが、
ウンボイ島に棲息しているオオコウモリの翼開長は最大でも2m弱。
長い尾を持った鳥のような怪物とは見た目も大きさもまるで違っているためまずありえない。
よってローペンの正体はやはり翼竜の生き残り説である可能性が高い。
だがここで問題になるのはローペンの形態と大きさ。
翼開長9mにも達し、更に5mにも及ぶ長い尻尾を持つという冒頭のホジキソンの目撃報告だが、
現在化石で発見されている翼竜の中で、そのような姿に合致する種はいないのである。
翼竜の中でも長い尻尾を持つ種類はランフォリンクスに代表される嘴口竜亜目に分類されるのだが、
ここに属している翼竜はいずれも翼開長が小さく、最大でも2mあったかどうかとされている。
一方で白亜紀に姿を現したお馴染みのプテラノドンに代表される翼指竜亜目は、
翼開長こそ7mクラスがザラ、最大のケツァルコアトルスに至っては12mと、ローペンの巨大さを十分裏付けるサイズである。
しかし、ここに分類される翼竜は尻尾が著しく退化しており、わずかに残っているだけor殆ど無くなりかけている。
従ってローペンは何らかの要因で白亜紀末の大絶滅を乗り越えた翼竜が独自の進化を遂げ、
それが今なおパプアニューギニアで生態を築いているものだと考えられる。
ローペンの分類が「巨大化したランフォリンクス」なのか、「尻尾が長くなったプテラノドン」なのかは定かではない。
今後、その正体判明に貢献するようなハッキリした物的証拠が見つかることを祈るばかりである。
追記・修正はローペンに魚釣りを邪魔されてからお願いします。
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▷ コメント欄
- どれだけ調べても情報の殆どが1944年のホジキソン氏の目撃談と2004年のジョナサン氏のインタビューしかなく、目撃の歴史は泣く泣く省きました。当初はローペンやコンガマトーをはじめとした翼竜系UMAを一つのページに纏めるつもりでしたが、下調べの内にローペンは知名度・情報量共に充実していると思い込んでしまい、独立させました。実際詳しく閲覧してみると2004年の内容ばかりでしたが…。他に比べて内容が薄くなってしまったことをここにお詫びします。 -- 名無しさん (2016-03-07 01:24:58)
- いるわけねーよと断言したくなるほどの情報不足にこそロマンが溢れるな。いる可能性が高すぎるツチノコみたいなのも好きだが。しかし、集団幻覚とか記憶のズレじゃないとするなら正体はなんなのやら -- 名無しさん (2016-03-07 01:58:49)
- まさか・・・奴はギャオス!? -- 名無しさん (2016-03-07 13:39:16)
- こんなのが稀にしか見つからず種を維持出来る物なんだろうか -- 名無しさん (2016-03-07 13:42:48)
- ↑深海だったらよくある事。発見例が少な過ぎて生態不明のまま放置されてる怪物型生物とか巨大生物わらわらいる。ジャングル固有種も、発見例はあれど予算や環境保護など様々な要因で研究進まない事が多々ある。人が住む区域にジャッカル喰い殺すゴマバラワシは現れないだろ?サバンナ探しても中々見つからん -- 名無しさん (2016-03-07 14:55:00)
- モケーレ・ムゲムベが現地でのサイの呼び名だったように、これもサイチョウかなんかの現地での呼称である可能性もありそう。 -- 名無しさん (2016-03-07 15:31:53)
- ↑言われてみればジャングルはジャングルで深海とは別の調査し辛い面があるな。まさか森を焼き払って探す訳にもいかんし -- 名無しさん (2016-03-07 15:35:35)
- 深海はともかく、 -- 名無しさん (2016-03-07 16:08:18)
- ⬆ミス、深海はともかく空飛ぶ生物なら活動範囲広いから見つかりそうだけどねぇ -- 名無しさん (2016-03-07 16:10:37)
- 最近未確認生物の記事がどんどん建って嬉しいぞ。でもホジキソンと遭遇した個体はどうしてホジキソンを襲わなかったんだろ -- 名無しさん (2016-03-07 20:56:52)
- ↑美味そうに見えなかった、とか? 人間って肉食動物からすると餌としての価値があるんだろうか -- 名無しさん (2016-03-07 21:02:39)
- プテラノドンの尻尾が長いのはあり得ないらしいが、尻尾が骨が通ってない腱のような感じで生えてたとかだったらありえるかもね -- 名無しさん (2016-03-08 16:51:10)
- ↑×2 基本人間は体積に比較して骨の割合が多いからエサには適さないらしい。海で鮫に襲われたケースも多くは噛みつかれたあと吐き出されていし本当に食べられる事例は稀。 -- 名無しさん (2016-03-08 21:58:23)
- まぁサメにしても「あ、これ食べられるかな?」と思って噛み付いてくるだけだからね。基本それが一撃必殺の威力だから恐れられているのだけど -- (2016-03-08 22:01:04)
- ↑1、2 やっぱり小さいのに骨がましい感じなのな。それを思うと積極的に襲って来ないのは救いと言えるのか…… -- 名無しさん (2016-03-09 01:50:02)
- 翼竜は白亜紀後期の時点で鳥類に押され気味でかなり衰退してたから現代まで生き延びられるもんかねぇ… -- 名無しさん (2016-03-09 02:37:11)
- 恐竜、怪鳥の伝説のランフォリンクス並のサイズだな。 -- 名無しさん (2016-03-18 20:36:14)
- ↑2 白亜紀後期に小型翼竜の可能性のある化石が発見されたから、鳥類に押されて衰退していたという説が確定したわけじゃない。今後の研究しだいではあるが。 -- 名無しさん (2016-11-07 08:53:01)
- ローペンの正体は翼竜の生き残り説を否定する根拠として現在知られているどの翼竜とも特徴が合致しないということが良くあげられるが、化石に残るのなんて極一部でしかないんだから知られていないのがいて当然。ましてや6500万年も経てば姿も変わるだろう -- 名無しさん (2017-05-30 13:20:18)
- ジョナサン・ウィットコムのインタビュー、本人がYouTubeに挙げているんだけど典型的な誘導尋問だった。イエスかノーかでの発言しか許さず、「翼はあったか?」「尻尾はあったか?」「尻尾の形は菱形だったか?」みたいな感じで。こんなんなんの証拠にもならんわ。おまけになぜかキリスト教原理主義者に「恐竜と人間が共生していた証拠」として持ち上げられている始末。 -- 名無しさん (2018-05-16 18:21:00)
- モケーレ・ムベンベの時もやらかしてるんだけど、「恐竜図鑑見せて一番似ているのを選ばせる」をやると、現地の人の認識に恐竜図鑑のバイアスがかかって本来の姿からかけ離れるんだよ。 -- 名無しさん (2020-06-30 22:41:14)
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