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更新日:2024/01/12 Fri 10:30:36NEW!
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tcg アドバンテージ アド 戦略 tcg用語 デュエル・マスターズ 遊戯王ocg バトルスピリッツ mtg カードファイト!!ヴァンガード z/x 所要時間30分以上の項目 コメント欄ログ化項目
アドバンテージとはTCGにおける用語の1つ。
本来は「有利な点」「優位性」などを示す単語だが、
ここでは特にTCGで基本となる概念について解説を行う。
▷ 目次
概要
TCGにおけるアドバンテージは、カードの損得やプレイヤー間の相性の有利不利などを示す。
「相手よりも手札が多い=取れる行動が多い」「相手よりも早く動けた=より勝利に近い」など、
基本的に、何らかの情報を見て判断することが多い。
このアドバンテージは、単に多くあればいいわけではない。
例えば、手札がたくさんあっても「行動に必要なエネルギーが足りず動けない」といった場合もある。
例えば、遊戯王OCGで言うなら「手札が特殊召喚ができない上級モンスターばかり」という状態。
この場合、その手札はすべて腐っている(=役に立たない)ということになる。
Magic the Gatheringならば、手札が何枚もあっても土地カードがないとマナコストが払えないため、それらは意味を成さない。
このように「そのアドバンテージが有効に働くか」までを基準とする必要がある。
もっとも、手札がたくさんある状況ならば、相手は「もしかしたら《冥府の使者ゴーズ》を手札に持っているかもしれない」
「なんか呪文撃っても《Force of Will》が飛んでくるかもしれない」と考えることもある。
つまり、非公開情報である場合相手にいろいろ考えさせて躊躇させる、これもまた見えないアドバンテージと言えなくもない。
やや難しいが、基本的にTCGというのは「相手よりもアドバンテージを稼いでいるか」を競うゲームであり、
強いカードとは「少ないコストでより多くのアドバンテージを稼げる」という事となる。
またアドバンテージを稼いでいない場合でもハッタリをかますことで、
相手に情報アドバンテージを与えないなどプレイングに工夫が求められることになる。
もちろん最終的には相手のライフを0にするなりライブラリーを削り切るなりしなければならない。大量のアドバンテージを得てニコニコしていて負けてしまっては意味がないが、基本的にアドバンテージを得ている状況ならば目標に到達しやすくなるのだ。
またゲームデザインの観点では、各勢力ごとに「この勢力は何らかのアドバンテージを得やすいが、別のアドバンテージは得にくい」などとデザインされる。そうすることによって1勢力が優位になりすぎることを防いでいる。
関連用語集
アド
アドバンテージを略したもの。またアドバンテージを稼いだ時に「アドォ!」と感動詞としても使われる。
ただ親しい相手同士の時以外で使うと割と頭悪く見られる。
類義語に「チカラ」とか「アバレ」とか。あんまり叫びすぎると頭のおかしい人に見られるので注意。
ディスアドバンテージ
アドバンテージの対義語で、「自分の方が損している状況」。
手札がない、戦えるクリーチャーがいない、自分の手札を公開させられている、など。
また、対戦中に何らかの損失が発生した場合、「ディスアドバンテージを負う」などと表現される。
リソース
ゲーム中に何か行動を起こすための対価として利用できるもののこと。直訳で「資源」。
具体的には手札、マナ、ストック、墓地のカードなど。状況によってはライフポイントやデッキのカードも含まれる。
例えば、手札からモンスターやクリーチャーを出したとすれば、「ハンド・アドバンテージというリソース」を使って「ボード・アドバンテージを得た」と表現できる。
リソースは「カードを使う=アドバンテージを得る」ための手段であるが、当然ながら使える量はお互いに限られている。
また「墓地肥やし」をして「墓地アドバンテージ」を得るなど、何らかのカードを使って増やすことも可能。
大抵の場合は「ハンド・アドバンテージ」を使って何らかのアドバンテージを得ていく事が多い。よって「手札=リソース」と考える人が多いだろう。
消費するリソースの量と手に入れられるアドバンテージのバランスを考えながらゲームを進めていくことが大切である。
事故
何らかの理由でデッキが回らなくなった状況。
主に引いたカードの種類が偏っていたり、キーカードが揃わないために起こる「手札事故」のことを指す。
例えば、遊戯王OCGなら上級モンスターばかりの手札、MtGなら土地が引けないor土地しか引かないなど。
デッキ構築の際は事故の発生を防ぐためにドローソースやサーチカードを採用することが多い。
タイトルによっては「マリガン」(対戦開始時の引き直し)をルールで定めている場合がある。
また、手札を捨てさせるなどして相手のキーカードを奪い、デッキの動きを阻害することを「事故らせる」と呼ぶ。
自分の事故が起きないようなデッキ構築はもちろんのことだが、対戦中は相手を事故らせるようなプレイを行うのも重要である。
X:Y交換
(自分の損失):(対戦相手の損失or自分の利得)を基準とした考え方。
1枚の手札消費で相手のアドバンテージを2つ失わせれる、もしくは自分が2つのアドバンテージを得れば「1:2交換」となる。
「1:1交換」だと見かけ上の互いの損失は同等だが、もし相手が多くのコストを支払って出したカードを捨て札にできた場合、間接的に自分の方が得をしたと言える。
アドバンテージとして考えられるもの
ハンド・アドバンテージ
- 多くのTCG
基本的に多くのTCGで重視されるもの。
相手と自分の手札枚数差によるアドバンテージ。
TCGは基本的に手札から行動を起こすものであり、「手札がたくさんある=取れる行動が多い」ことから
もっとも基本的なアドバンテージといえる。
詳細は以下
基本的にTCGでは手札が多い方が有利であり、強力なカードを使用するには多くのカードを消費する必要がある場合が多い。中には手札アドバンテージ自体をリソースとして見て「手札そのものを要求する」強力な効果というのもよく見られる。
また、手札が多いとプレイングの選択肢も広がるため、相手の出方に合わせた対応もしやすくなる。
除去カードやカウンターを温存しておければ心強いだろう。
このハンド・アドバンテージを増やしてくれるのがドローソースである。
ただ、ドローソースとはカードを引くことで「手札の総枚数を増やせるもの」のみを指す場合もあり、
使用後に手札の枚数が変わらないものは「手札交換」として区別されることもある。
「手札交換」には「手札を増やす」性質はないものの、手札の質を向上させたり、山札の枚数を減らす「デッキ圧縮」を行うことができる。
また、デックトップ操作と組み合わせて疑似的なサーチとしたり、不要なカードをコストにしてデッキを回転させるなどの目的にも使用できる。
当然ながら、多くの手札があっても、それを使用するためのコストが払えないのでは意味がない。
またカードの種類が偏っていると、取れる行動が限られたりコンボが決められずに手札を腐らせる状況になってしまうため、
「カードを引く」のではなく「デッキから直接手札に加える」サーチカードが使われることも多い。
コンボに必要なカードがはじめから決まっているならば、サーチで確実に引き抜いて使用するなど、使い分けが大切である。
逆に、ハンド・アドバンテージを奪うのが手札破壊。
相手が使おうとしていたカードを墓地などに落としてしまうことで、使わせないようすることができる。
特にデッキの回転の核になるようなカードを捨てさせられると、その効果は大きい。
大抵の手札破壊は1:1交換なので手札の質的な有利を得ることを目的としたものが多い。
当然1:2交換以上を得られるものは基本的に強力。
遊戯王OCGの「いたずら好きな双子悪魔」、DMの《スケルトン・バイス》はともに禁止カードとなっている。
DMでは相手の手札を見て1枚捨てさせるクリーチャー、《解体人形ジェニー》が有名である。
また、その名の通りハンドアドバンテージを奪うための呪文《ソウル・アドバンテージ》というカードも存在した。
「した」というのは、コストに対して得られるアドが余りにも多過ぎたためプレミアム殿堂入りしたためである。
カードは当然支払える対価がなければ使えないため、その対価自体を封じることも手札事故を引き起こし、
間接的なディスアドバンテージを与える手段になり得る。
以下の4つに大別され、下の方に行くほど威力が大きくなる。
1、相手に捨てさせるセルフハンデス
2、無作為に捨てさせるランダムハンデス
3、選んだカードを捨てさせるピーピングハンデス
4、まとめてすべて捨てさせるオールハンデス
1のセルフハンデスは、ハンデスを行えることには変わらないものの、不要なカードや墓地に送られることが効力を発揮するカードを捨てられてしまうことが多々ある。
2のランダムハンデスは、捨てるカードを選べないものの、1よりはマシといったところ。
3のピーピングハンデスは、相手がもっともいやがるカードを自分で選べる上、他の手札も見られるので、使用者を大きく有利にすることができる。
ちなみに、多くのタイトルでは黎明期においてハンド・アドバンテージが軽視されがちな傾向がある。
初期の弾では、後の時代ではありえない性能のドローソースが見られることもしばしばある。
「Ancestral Recall」とか《強欲な壺》とか《アクアン》とか。
特にMagic the Gatheringとデュエマは顕著であり、
パワー9の9枚中2枚が青のドローソースだったり、初の殿堂入りカード5枚中4枚が手札補充だったりした。
例外となるのはバトルスピリッツ。
コストが完全にカードと切り離されているため、手札がたくさんあってもプレイしきれないという状況が多発する。
そして生物系カードの基本にあたるスピリットには場に維持するためにもコアが必要で、コアがなければ場に並べることができない。
そのためドロー効果のコストが他TCGよりも軽く、色によってはかなりのペースでドローができる。
マナ・アドバンテージ
- MTG、DM、Z/Xなど
マナを供出できるパーマネントの多さによるアドバンテージ。「マナ」の部分には各TCGでカードの発動に必要なコストの名前が入る。
カードをプレイする際にマナコストを支払う必要があるこれらのゲームでは、マナの出せるカードをいくつコントロールしているかは鍵となる。
無論、マナを出せるカードが少なくても「G・ゼロでクロスファイア踏み倒します」とか
「アーティファクト並べたのでマナ要りません」ってデッキにはあんま関係ない概念である。
このアドバンテージを増やしてくれるのがマナブーストであり、減らすのがランデス(Land Destruction)である。
デュエマなら《超竜バジュラ》に泣かされたのは古参なら通る道。
革命ファイナル期には《メガ・マナロック・ドラゴン》が活躍した。
MtGではこれに特化して早いターンからデカブツを連打するデッキはランプデッキと呼ばれる。
ミラ傷+イニスト期のケッシグ・ランプとかゲートウォッチ参戦後モダンのエルドラージ・ランプなんかが有名。
また少ない土地から大量のマナを出す「トロン」や「Post」なども使用可能なフォーマットでは一定の成績を残している。
また「水蓮の花びら」や「金属モックス」などのカード・アドバンテージを失いながら軽いマナ加速を行うデッキも存在する。大抵の場合「即死コンボ」や「決まればほぼ抜け出せないロック」などを目的としている。
デュエマだとマナブーストから大型を繰り出すデッキは【ターボ】【ビッグマナ】などと呼ばれている。
Z/Xは開発で参考にしたのかデュエマと近い部分が多く、好きなカードをリソースに置いて使うことが出来るがリソースを増やす効果は基本的にスリープ状態で置くため使えるのは次のターンを待つことになる。
そのため、相手と自分のリソースを同時に増やすようなカードはよっぽどの場合を除き相手ターンに撃つ方がメリットが大きい*1。
リソースを増やす手段と同じくらいにリソースを起こす手段が起用されることも多く、コスト3で6枚起こす「リトルガーディアン」はその手軽さもあってリトガのためにタッチ緑というレベルで採用された時期もある。
そのためエラッタによりリトガを筆頭に「真実を求めて」などお手軽なリブートカードは使用後そのターン中はリソースがリブートしなくなる条件付きになった。
なお24弾から実装されたイグニッション・オーバーブーストは非常に強力な反面、プレイするのに相手のリソースが6枚以上必要*2なため、『リソースが多いせいで相手にIGOBされる』という本来は有利であるはずのリソース枚数が多いという状況が逆に悪手となる場合がある。
逆に言えばIGOBに頼っている戦術・戦略に対して敢えてリソースを増やさない、5枚で止めることで相手の戦術を崩すという選択肢が増えたことで、リソース関連のアドバンテージは少々複雑になっている。
ここでもコストに当たるコアをカードから完全に分離しているバトルスピリッツはやや特殊。
「カードの枚数≠コアの増加」でありコアだけを増やす効果に特化した色が緑である。
爆発的なコアを得られるカードとしては《蜂王フォン・ニード》なんかが有名。
フィールド・アドバンテージ
- 多くのTCG
ボード・アドバンテージとも。
場に出ているクリーチャー(モンスター、スピリット、ユニットなど)を基準にしたアドバンテージ。
判断基準は割と多くあり、
「単純に自軍の数が多い」=「攻め手や守り手、リソースに困らない」
「ファッティを出している」=「パワーで競り負けない」
「除去耐性持ちや妨害効果持ちを出している」=「相手の対処が困難である」
と言ったところ。
ライフポイントを削るにしても、それ以外の攻撃対象を狙うにしても、場にカードを出していくことが必要なので、
ゲーム中に利用できる様々なリソースを駆使して盤面を整えていくことになる。
フィールド・アドバンテージを握り、そのまま有利な状況を維持し続けられれば勝利は近い。
このフィールド・アドバンテージを削る行為が「除去」である。
いくら強いカードでも、大抵はフィールドに存在しなければただのカードの1枚に過ぎない。
除去カードなりバトルなりでフィールド以外の場所に移動させてしまえば、巻き返しを図ることができる。
そのため「神の怒り」や《ブラック・ホール》《偽りの名 イーサン》《アポカリプス・デイ》といった優秀な全体除去が搭載されることもある。
また、何らかの効果で攻撃や効果・能力の使用を封じられてしまうと、そのカードは「場に存在しないも同然」となってしまう。
これが、いわゆる「ロック」と呼ばれる戦術の強みである。
全体除去カードを使うことを俗に「リセット」という。
タイム・アドバンテージ
- 多くのTCG
「あと何発攻撃すれば相手を倒せるか」といった、残りターン数に着目したアドバンテージ。
現在のMtGでは「クロック」と言ったほうが通りが良いかも知れない。
例えば自分の場に3点を与えるクリーチャーがおり、相手のライフが残り6点なら2回殴れば勝ちとなる。
ワンショットやコンボを除いた多くのデッキで重要となる考え方で、
相手のライフを見て「後2ターンで殺せるな」とか、自分のライフを見て「あと1ターンしか猶予はないな」などと考える。
DMの速攻などは相手の準備が整う前に削りきることで相手に時間的猶予を与えない戦法という意味もある。
Z/Xはデッキ切れがない代わりにトラッシュをシャッフルしてデッキを作り直し、ライフを1枚減らすというルールになっている。
そのため2枚ドローというルールもあり残ライフと残デッキ枚数次第では『このターンで決めきれるか、やり過ごせるか』の見極めと思い切りが大切になってくる。
「相手の残りライフは7点、自軍の総攻撃力は3点。全体除去を警戒して3ターンかけるか、逆転のカードを引かれないように2ターンで決めるために戦力を追加するか。」などといった思考に関係する。
余談だが大会など時間制限のある勝負で時間を使いきり判定などに持ち込む戦術のあるTCGもある。
これも一種のタイム・アドバンテージなのだろうか。あまりに広まると「大会運営に支障あり」として規制されてしまうことが多いが。
テンポ・アドバンテージ
- 多くのTCG
時間・速さのアドバンテージ。
何らかの行動にかかる時間・ターン数を短くできた場合「テンポ・アドバンテージを稼いだ」などと表現される。
相手よりも先に勝利条件を満たすことが肝要なTCGでは、往々にして素早く行動することが求められる。
逆に、相手の動きを鈍らせることもTCGでは重要であり、主に遅いデッキが時間を稼げているかを指したアドバンテージともいえる。
普段は意識されないが、ゲームを何戦も行っていると「あと1ターン早く引いていれば勝てた」「1ターン遅れたから負けた」
といった状況がしばしば発生するため、そうした瞬間にテンポ・アドバンテージの重要性を実感できるだろう。
またMtGにおいては「マナコストの大きい行動を、マナコストの小さい行動で対処する」ことをテンポ・アドバンテージと称することが多い。いわゆる手得・手損である。
例えばお互いに5マナ出せる時に相手の5マナの呪文を唱えて自分が2マナの呪文で対処した場合、自分は3マナのテンポ・アドバンテージを得たことになる。その3マナをドローや除去などの他のカードに使うことで他のアドバンテージに繋げることが出来る。
詳細は以下
テンポ・アドバンテージを得られるカードの例としては、遊戯王OCGでは《二重召喚》が存在する。
これは1ターンに1回の通常召喚を発動ターン中のみ2回行えるようにする効果を持つ魔法カード。
ハンド・アドバンテージを1枚失ってしまうものの、モンスターを2体分展開できるようになるのでテンポを稼ぐことができる。遊戯王OCGには召喚時に効果を発動できるモンスターも多いので、単に2体モンスターを出せること以上の恩恵を得られる。
これがどういう風に役立つかというと「相手に行動させる隙を与えない」ということである。
もし、自分のモンスターの展開に時間を要すると相手に好き勝手に行動する機会を与え、自分をどんどん不利にしてしまうことだろう。
同じようにデュエマにおける《フェアリー・ギフト》もテンポ・アドバンテージを得られるカードである。
これは1マナ払うことでターン中次に召喚するクリーチャーのマナコストを最大で3下げることができる呪文。手札は1枚失ってしまうものの、召喚までにかかるターンを2ターン分短縮しているのでかなりのテンポを稼ぐことができる、
このテンポ・アドバンテージを稼げるカードは強力なものが多く、上記の《フェアリー・ギフト》は、殿堂入りに指定されている。
遊戯王OCGには召喚権を増やせる《トロイメア・ゴブリン》というリンクモンスターが存在するが、先攻制圧に貢献したことで強力な除去効果を持つ他の「トロイメア」を押しのけて禁止カードに指定されている。
これらの他には「バウンス」(相手の場のカードを手札に戻すこと)もテンポ・アドバンテージを得る行動に当てはまる。
バウンスは相手に再び使用機会を与えるが、それを出すためのコストを再度支払う必要があるため、そのターンに他にできることが少なくなる。
このため、テンポ・アドバンテージを開くという意味においては有効となる。
キャントリップ(1ドロー)がついていると互いにカードアドバンテージは損していないがコストを無駄につかわせ、展開を遅らせたと言える。
ちなみに、デュエマにおける「マナブースト」は「マナ・アドバンテージ」を得る(1ターンに行える手数を増やす)行動に見られやすいが、
実際には「テンポ・アドバンテージ」を得るための行為である。
デュエマでは、カードの使用にマナコストが発生するが、言い換えればコストが大きくなればその分カードの性能も引き上がるということ。
そのため、相手よりも早く強力なカードを使用するためにマナブーストが行われるのである。
通常、4マナの《解体人形ジェニー》では3マナの《エナジー・ライト》を唱えるタイミングに間に合わないが、
もし、《ジェニー》を持っているプレイヤーが先攻で、2ターン目に《フェアリー・ライフ》で1マナ増やしていた場合、
後攻のプレイヤーが《エナジー・ライト》を唱える前にハンデスすることが可能になる。
確実な全ハンデスの《ロスト・ソウル》が未だに無制限なのに、
それより1マナ軽いが不確定全ハンデスで表面上は相互互換のはずの《ソウル・アドバンテージ》が登場から1年足らずで殿堂入りし、その後プレミアム殿堂となったのには、
まさにこの「1ターン早く撃てる」という点が関係している。このように「1ターン早く撃てる」違いだけで評価が逆転することはカードゲームでは珍しくない見た目以上に重要な要素。
基本的にTCGは弾が進むごとにインフレが進み、カードパワーがどんどん上昇していく。すると、いかに相手よりも先に強力なカードを使えるかが重視され、テンポ・アドバンテージの重みが増していく傾向にある。
遊戯王OCGにおける罠カードが採用率を落としていったのは、まさにこの点が関係している。
「相手に行動させない」という意味では「速攻」(ウィニー、アグロとも)や「先攻ワンターンキル」はテンポアドバンテージで勝利するデッキとも言えるだろう。
デッキタイプによっては「ハンド・アドバンテージ」を犠牲にしても制圧までのスピードを優先したりするが、
仮に何らかの方法で切り返されてしまうと一気に不利になるため、どの程度重視するかはよく考えよう。
さて、これがテンポ・アドバンテージの大まかな概要であるが、これを(というかほぼ全てのアドを)得られる最大の行為が、
「相手のターンをスキップし、続けて自分のターンを行う」俗に言う「エクストラ(追加)ターン」である。
これを得られるカードとして有名なのが《無双竜機ボルバルザーク》《勝利宣言 鬼丸「覇」》《熱血星龍 ガイギンガ》だろう。
…全部DMじゃないか(呆れ)
ただし《ガイギンガ》のみ「相手のカードの効果で選ばれた」時に誘発するので、除去を牽制するための能力という意味合いが強い。
先手と後手を取り合うのもこの概念が関係しているといえる。どっちを取った方が良いかは自分のデッキと相手のデッキ次第。
基本的に先手が有利だが、コントロール対決のような遅いデッキ同士では1ドローできるルールが多い後手を選ぶこともある。
ライフ・アドバンテージ
- 多くのTCG
「これを削りきれば勝利する」ということの為に用意された数値の奪い合いで、どれだけ優位に立っているか、という概念。
「ライフコストのあるカードは弱い」「ライフ回復のカードは強い」と思うのは誰しも通る道であるが……詳細は項目を参照のこと。
墓地アドバンテージ
なんで何も生み出せない死者の集まりである筈の墓地がリソース扱いになるんですかね…もう「控え室」でいいだろこれ。
読んで字のごとく、「墓地にあるカードによるアドバンテージ」または「墓地にあるカードをリソースに変換するアドバンテージ」。
本来墓地とは使えなくなったカードの置き場であるはずなのだが、なぜか一部のカードは墓地にあるときにこそ効果を発動するとか、
あるいは墓地にあるからこそ展開しやすいとか、墓地に落ちてくれたほうがむしろありがたいとか、
取り合えずなんでもいいから墓地に逝っててほしいとか、
用語的に考えれば、なんかおかしいことを言い始めるのである。
まあ実際リアニメイトしたほうが通常の手段よりコストが安いなら墓地にあったほうがいいし、
デッキに眠ってるのと墓地に眠ってるのでは引っ張り出さないと使えないという点ではあんま大差ないのだが、
「アドバンテージ」というからには当然、有効に活用する手段が存在している必要がある。
墓地からカードを引っ張れないデッキでは墓地に行ったカードは再利用できないためアドバンテージとならない。
デュエル・マスターズでは【墓地ソース】相手では殴り返しすらアドを稼ぐため相手からは厄介とされる。
墓地を空っぽにするカードなどを対策に積みたい。
MTGでは墓地にたくさんの種類のカードが落ちていればタルモゴイフがでっかくなるよ!やったね!
相手よりカードバンバン使えば探査でカードたくさん引けるよ!やったね!てかアンリコだこれ。
あとメインデッキ最強と言われているドレッジ、酷いと数ターンでライブラリーを引き切るというレベル。
サイド後は墓地対策をいかにくぐり抜けるかという別ゲーと化す為に愛用者がやたら多かったりもするが。
単純に墓地から大型クリーチャーを釣り上げるリアニメイトなども自分で墓地を肥やしていく。
で、墓地アドバンテージという概念をもっとも使うのが遊戯王OCG。
墓地にあるカードを引っ張り上げる、もしくは利用するというのは大抵のデッキがさも当然のように有しており、
これ故に遊戯王では中途半端なデッキ破壊は相手にアドを与える行為でしかなく忌避されがち。
デッキ破壊効果を持ってるカードがデメリット扱いされてしまう極端な例も。
「残り三枚でどうするつもりだぁ~!?」の人が墓地に落としまくったせいで酷い目にあってただろう?
こんな状態ゆえに逆に墓地が使えなくなると途端に完全機能停止するデッキも珍しくない。もはやどっちが生者なのやら
因みにデュエル・マスターズでは出た時に自分の山札の3枚を好きな順で並べてそれ以外をすべて墓地に置く狂気のクリーチャーが存在する。
デュエマでも適切な場面で使えるなら有用なカードだが、こと遊戯王プレイヤーからしてみれば喉から手が出るほど欲しい能力であろう。なんなら手札・場・デッキ、エクストラデッキをも全て墓地に送るでも構わない。
(まぁ来たが最後、間違いなく先攻1キルを大量生産し、間違いなく環境が壊れ、間違いなく一発で禁止指定されるのでいらない、というか絶対来てほしくない人が大半だろうけど。)
他にもカオスとかダムドとかダーク・ネクロフィアとか、とりあえず墓地からマナ産んでるようなデッキも多数。
インフェルニティや征竜に至ってはもう手札よりも墓地が手札。アンデットよりもアンデッドしすぎな奴多過ぎだこのTCG。
最近じゃ「墓地からモンスターを自力で特殊召喚!?」はおろか、「墓地からモンスター効果を発動!?」はもちろん「墓地からトラップ!?」や「墓地から魔法!?」もかなり一般的。
しまいにゃディスアドありのデッキからの墓地送り効果だけでも場合によっては直接的なアド増加同然のため規制・禁止化されてしまう状態なのでもう墓地っていうより第二の手札。
Z/Xでも黒にとってトラッシュは第二の手札。コスト条件が付いていることが多いものの、リアニメイトする手段は非常に多い。
中でも精神の魔人アニムスは極め付けだが条件が厳しく、普通は「煉獄竜ファーガトライ」などコスト3~5程度の蘇生を連鎖させるなどの使い方をする。
最近だと「墓城」関係のカードは最もトラッシュを利用するのに長けたデザインになっており、条件さえ整えばトラッシュから怒涛の展開を見せる。
また、厳密には墓地アドバンテージとは異なるがエヴォルシードという、デッキからトラッシュに移動した際に誘発する能力がある。
そのためデッキを削り墓地を肥やしながらエヴォルシードで二重にアドを稼ぐというコンセプトのデッキもあり、「イレギュラーX エクスクルーシ」の登場で若干ネタ寄りながらも一線級の実力を持つに至った。
除外(追放)アドバンテージ
だからなんでレッドカードの試合退場に指定されるも同然の除外(追放)がアドバンテージなんだよ!
流石にゲーム外に追いやられたカード(つまり、本来そのゲーム中に使えないはずのカード)を基準にアドバンテージって…と言いたくなるだろう。
実際のところ、この除外アドバンテージを有効利用している当の遊戯王OCGでも除外されたカードを活用する手段は少なく、除外カードの枚数差が勝敗に直接かかわる状況は多くはない。
だが《次元融合》や《女神の聖剣―エアトス》など、利用するカードは利用するので工夫次第でアドバンテージになる。
除外されたカードの枚数を参照する《紅蓮魔獣ダ・イーザ》や《ディノインフィニティ》などでは重要になってくる。
簡単にアドを稼げてしまうのを抑制するためのデメリットとして付与している場合も多いため、
それを逆手に取り除外された「馬頭鬼」や《ゾンビキャリア》等をゲームに戻すことでアドを稼ぐ《異次元からの埋葬》や《PSY・フレームロードΩ》などのカードもある。
これら除外ゾーンのカードを元のゲームに戻すことを異次元カードに準えて俗に「帰還」とも呼ぶ一般に浸透した立派な概念である。*3
5D'sのワンポイントレッスンではキングによって「第二の墓地」と例えられてしまい、公式もある意味で認めた模様。*4
最近は本来の除外の概念に近い「裏側除外」の効果が増えている。これはカードの種類が表面化しない裏側表示故に特定カードを指定する帰還カードの対象にできないというルールを生かしたものになっている。が、「ダ・イーザ」を筆頭に裏側除外でもアドに変換できるカードも結構ある。というかいつか裏側除外も墓地・除外に続いてアドの概念を作りそうな勢いすらある
Z/Xではある時期から赤がリムーブゾーン=除外を利用する色という特色を与えられ、結果としてこちらでも除外は赤にとっての第二の手札化している。
特に「神滅騎王アーサー」は登場にコスト5以上を2枚除外する必要があるがリムーブゾーンからコスト5以下のゼクスを呼んでくるため、赤の入るデッキなら大抵入ってるほど*5。
ただし、ルール上デッキが無くなった際にトラッシュをシャッフルして新しいデッキにする都合上、あまり除外を肥やし過ぎると長期戦にもつれ込んだ時にリロードするデッキが少なくなるというデメリットもある。
さらにデッキとトラッシュが両方ともゼロになった場合は強制的に敗北し、そうでなくてもリロードのたびにライフが減るので特にデッキの強制除外は自爆しかねない諸刃の剣となる時もある。
ちなみに追放概念の原点であるMTGではゲームから取り除くことを「追放」と呼ぶが、追放アドバンテージという言葉はほとんど使われない。
いや原義からすればそっちのが正しいんだけど。
つうか追放領域から帰ってこれるカードが数枚しか無い、相手の能力で追放から墓地に戻る事はあるけど。
うん、それが正しいよね。
中型エルドラージ登場後は「相手のカードを追放している」ことが重要なクリーチャーが少し出てきたので、そこが追放アド…かもしれない。
エクストラアドバンテージ
なお、名称はまだまだ新参なので人によって呼び方に差異があるが墓地アドバンテージに合わせて一応これで。サプリメントではない。
これは主に遊戯王OCGの概念。
登場したのは初期のカードである《グール・ドグラ》。
最初期はカードプールの少なさ故エクストラモンスターが墓地にいっても...という感じだったが、
シンクロ登場の境にとにかく墓地が肥えることに意義を見出すカードが急増。
特に特定のエクストラモンスターが墓地に行くことに意味があるカードが一気に増えたため今じゃ知る人ぞ知る有用カードの一角に。
ただこの時点ではエクストラカードを直接アドに還元するカードがこれしかなく、どちらかというと墓地肥やしに近いアドバンテージなのでこの概念に名称を付けるほどでは「なかった」のだが...
第9期にて新たに登場したペンデュラムモンスター。
これらはフィールド上から墓地に送られる場合、墓地にはいかずエクストラデッキに送られる。
そしてペンデュラム召喚ではこのエクストラデッキに貯まったペンデュラムモンスターも場に出せる。
本来手札から出す場合だとペンデュラムゾーンにセッティングする分も含めて手札消費が非常に激しいので、
このように序盤はペンデュラムモンスターをエクストラデッキに送ることが重要なのだ。
またエクストラデッキにあるペンデュラムモンスターを参照・対象にするカード効果も多いので
除外アドバンテージ同様、ペンデュラムを使用するデッキではかなり重要なアドバンテージである。
基本的に何枚あっても問題ないが、ペンデュラム召喚できる最大数である5枚以上はほしいところ。
エクシーズ素材にしたり、除外されるとエクストラアドもなくなるので、序盤は何とかして大量に溜め込もう。
シンクロ召喚によって絶望の彼方に追いやられた《記憶破壊者》で大ダメージ受けるのは知らん。
…だが第10期からの新マスタールールによりペンデュラム召喚が大幅に弱体化し溜め込んでも大量展開が難しくなった。
現在のところはリンクモンスターを使ってもエクストラからの大量展開は難しいため、このアドバンテージもかなり価値を下げることになった。
なお、ペンデュラム未使用のデッキでもこの概念自体は存在する。
というのもエクストラからモンスターを呼び出す場合にエクストラの数と種類が多ければ状況に応じて多様な選択肢から使い分けることができる。
強力なモンスターは複数積んで置くことで複数回使う事ができる。
つまり「汎用性のために広く薄く採用するか、強力なモンスターを多く採用するか」という判断も必要なのだ。
融合主体のデッキや特定のエクストラのパワーカードやキーカードに頼るデッキではそれらを出す回数が重要なので、
そのカードが後何回使えるかという要素は重要になってくる。
汎用性をとるのであればメインデッキの中にエクストラデッキへ戻すカードを採用する必要も出てくる場合がある。
また第9期~10期ごろからこのエクストラを直接アドバンテージに変換するカードも本格的に登場。
エクストラの選択肢をランダムに減らす代償にカードをドローする「強欲で金満な壺」から着実に増え続けている。
コナミもこのアドバンテージを重要視しているのか最近は相手のエクストラを破壊にしに行くカードが増えている。
MtGだと多分サイドボードのカードにアクセス出来る「願い」シリーズの使い勝手の良いデッキってことになると思う。
ただウィッシュボードと呼ばれる願い特化型サイドボードは、苦手なデッキに当たった時の対処法が少なくなるので結構難しかったりする。
デッキ・アドバンテージ
- 多くのTCG
デッキに存在するカードに関するアドバンテージ。
デッキに眠るカードは直接的にアドバンテージには繋がらないが、
サーチカードやリクルートする効果を持ったカードなどのデッキを使うカードを使う時に影響する。
例えば遊戯王OCGなら《増援》でサーチできるレベル4以下の戦士族がデッキに多く入っていれば、状況によって様々なカードを使い分けられる。
【ガジェット】ならデッキにガジェットモンスターが多く入っていれば長くサーチ効果を使い続けられる。
特に遊戯王OCGではサーチとリクルートを多用し、デッキによってはデッキは手札の如く使ってくるデッキもあるので無視できないアドバンテージになっている。
デッキの枚数が増え過ぎると必要なカードを引ける確率が下がるというのはTCGプレイヤーの常識だが、デッキの枚数に幅を持たせられるタイトルでは、このデッキ・アドバンテージを得るためにあえてデッキの枚数を増やすという戦略もある。
逆に、デッキの枚数が著しく減ってしまうとこれらの優位性を失うことになる。
一例を挙げるとすれば《強欲で貪欲な壺》が分かりやすい。
このカードは一見するとライフ、フィールド、手札を一切失わず、
特殊召喚ができなくなるなどの発動前後のデメリットもなく、2枚ドローできるという《強欲な壺》同然の効果を持つ魔法カード。
一方、発動コストとしてデッキトップを裏側で10枚除外するデメリットがある。引きたかったカードがデッキから失われてしまうリスクがあり、それ以外のカードもごっそり除外されてしまう。
遊戯王OCGは裏側で除外されたカードに関しては殆ど干渉できないため除外アドバンテージも殆ど稼げていない。
ヴァンガードにおいてはデッキ内に眠るトリガーの数によってドライブチェックでのトリガー獲得率に影響が出る。
これを削り落とすのに特化したのがデッキ破壊系のデッキ。
相手の対抗手段をドンドンデッキから消し飛ばしてしまえば徐々に対抗手段を失っていきデッキを破壊されきって敗北していく。
ただし墓地アドバンテージなどに変えてしまい相手の手助けをしてボコボコにされる可能性も低くはないのでデッキを破壊するなら中途半端にやらずに、
速攻で削り落としたり、墓地利用を防ぐなど特化しなければならない。
バトスピの場合はデッキ破壊効果が2ケタのものが珍しくなく、残りデッキ枚数そのものがアドバンテージとなることも。
このデッキ破壊効果への対抗手段として、同名カードを枚数制限を無視して何枚でも入れられる効果を持つ《ミニーズ特攻隊》で構築された「200枚以上のデッキ」で全国大会に挑んだ者もいる。
またMOMa全盛期に「平地1000枚」入れたデッキが存在したとかなんとか。まあMOMa側はそういうデッキへの対策で《火の玉》を入れてるんですけどね。
遊戯王OCGでもごく稀に残りのデッキの中身ではなく、枚数そのものがアドバンテージになる事もある。
隣の芝刈りを発動した場合は、相手の残りデッキ枚数との差分がそのまま墓地アドバンテージに変換されるため、デッキ枚数が多ければ多いほど恩恵が大きい。
ライトロードや【ダ・イーザ】では自分でデッキを削り、それを各種アドバンテージに変換していく。
デッキの削り方がかなり派手なため、無計画にデッキを消費し続けて長期戦に縺れ込んでしまうと、最悪の場合デッキ切れでの負けを引き起こしてしまう可能性がある。
そのため、デッキの残り枚数の管理がかなりシビアになることもある。
情報アドバンテージ
- 多くのTCG
公開情報、非公開情報に関するアドバンテージ。
直接的な損得に関わるわけではないが、時としてプレイングに大きな影響を及ぼすので無視することはできない。
詳細は以下
例えばデュエマなら、「《終末の時計 ザ・クロック》が相手の墓地に2体、マナゾーンに2体いる」状況では、
シールドをブレイクしてもめくれることはないと言える。
遊戯王OCGだと制限カードである《ハーピィの羽根帚》が墓地に落ちていた場合、
一気に伏せを除去される可能性は減るため安心して魔法罠をセットできる。
「ライブラリーを最後まで使い切らないデッキならば、どの道使わずに終わってしまう無駄なライブラリーが発生するので、
いくらかライブラリーが削れたって全く問題は無い」という考え方、通称「デモコン理論」が存在する。
デッキ枚数的にはその通りでも相手に情報アドを与えてしまうという点においてはアド損と言えるのである。
ライトロード全盛期には「制限カードのミラフォが墓地に落ちると相手は気兼ねなく総攻撃をしてくる。まだミラフォが残っているかのように見せかけるためにあえてデッキに入れない。」という、この情報アドバンテージを逆手に取った戦略も存在した。
相手に手札を公開させるカードはこのアドバンテージを得るためにある。
相手が構えているのか、それともブラフなのか。特に手札をたくさん抱えている場合は非常に重要になる。
《ギタクシア派の調査》が禁止・制限にされたのはこれが大きな要因。マナ不要で相手の手札を見れてしかもドローとかいうカードはいくらなんでも壊れすぎだよなぁ…。
他にも、特にインスタントを握っていないのに《島》2枚立ててターンを回すとか、
最初のドローで引いてしまった《RUM-七皇の剣》を開いているゾーンにセットするとか、
相手にしてみればなんだかわからないので攻撃を躊躇したりするかもしれない。
だからってどっかの王様みたいに挑発とかして騙すなよ! それはマナー違反だ。
ブラフで相手を惑わせるなら、あくまでも他でやろう。
例えば、魔法・罠を何枚も伏せれば、相手は「メタモルポット」や「アーティファクト」の存在を警戒してくれるかもしれない。
デュエマでは、公開情報である超次元ゾーンを利用し
「使わないけど敢えてカードを置いておくことで、自分のデッキタイプを読ませない」というブラフが可能。
速攻デッキに《ヴォルグ・サンダー》4枚をとりあえず入れておくのは有名であった。
もちろん、無理して揃えるほどの効果はないので、持っている範囲で問題はない。
遊戯王OCGでは非公開情報のエクストラデッキで似たような事ができる。
【バーン】や【エクゾディア】等の使わないデッキでも適当な15枚を積むことで、普通のビートダウンデッキに見せかけることも可能。
とはいえ、遊戯王OCGの場合普通は15枚フルに使うデッキが多いのでデュエマ程の効果はない。
Z/Xでは一発逆転の要素として『ライフリカバリー』『ヴォイドブリンガー』という能力があり、ライフからこれらを持つカードが登場すると壁になるだけでなくライフの回復やゼクスの除去などをされてしまう。
ただしこれらは各4枚しか積めないという制約があるため、公開領域の見えているカードを数えることでライフから飛び出す可能性をある程度図ることが出来る。
そうでなくともイグニッションアイコンを持つカードがライフから出てきて壁になり決めきれず返しで逆転負けということもありうるので、公開領域のアイコン枚数の確認は詰めにおいてこそ重要になってくる。
ヴァンガードでは手札の量・質が防御力に直結することから特に手札情報の把握が重要視されている。
毎ターン1~3枚のカードが公開情報として手札に加わるというシステム(ドライブチェック)があり、これで何が加えられたかを覚えておくことで「相手があと何回ぐらい攻撃を防げるか」を推測することが出来る。
特に攻撃を一回無効化する完全ガードと呼ばれるカード群があり、相手がこれを握っているかどうかの把握は攻防における最重要ポイントの一つ。
「完ガ使うべきカードに使ってこなかったから相手は完ガを持っていないだろう、だからここは攻め時だ」なんてのはよくあることである。
各ターンに出したカードやガード時に出したカードと合わせることでより正確に推測できるため、「存在を知られているカードは優先的に使う」「同名4枚ではなく別名同能力カードを2枚ずつ採用して枚数を割られにくくする」といった情報アドを重視したプレイング、デッキ構築がよく行われる。
また、ルールやカード能力の最新版裁定や処理解決の手順等を常に把握しておくことも情報アドの一種と言える。
特にルールが複雑になりがちな遊戯王では、何気に重要な要素である。
MTGのように投了、つまり降参が認められていて2本先取といったマッチ戦が採用されている場合、
情報アドのために投了したり投了しなかったりといった事も。
前者はハンデスに対応して投了することで情報アドを渡さずに次戦に進むテクニックが有名。
投了しないパターンは、例えばコントロールデッキにコントロールされた場合のフィニッシャー確認や、
盛大に初手で事故を起こした場合に何もせずにターンを返し続けることで自分のデッキを隠したまま相手のデッキを確認してサイドボード戦に進む、
…などの情報アドを得る為に行われることが多い。
とはいえ1本目を落としていることには違いないのでこれらで得た情報アドを生かして確実に2本目は取りたいところ。
性質上、初心者には全くわけのわからんものな上、プレイヤーであってもどう動くか全くわからないデッキもあったりする。
これを利用したブラフやハッタリを戦術に組み込めるようになれば、立派な上級者と言えるだろう。
イラストアドバンテージ、見た目アドバンテージ
- 全てのTCG
イラストがかわいいとかかっこいいとかの話。ゆえにイラストアドや見た目アドとも。
対戦相手とのものではではなく、カード同士での内容である。
カードとしては平凡でも、イラストが華やかな場合は強さは別の価値を見い出されるのもTCGではよくある話。
MtGでの《セラの天使》、遊戯王では《ブラック・マジシャン・ガール》、DMでは《信心深きコットン》等がこのアドバンテージの獲得に優れたカードである。
アイドルカードなども参照。可愛いだけがアイドルじゃない!
また、シークレット版フォイルがあるカードや、大会入賞者のみに送られるアルトアート版カードも見た目アドに分類される。
同じ青眼の白龍でも、最初期イラスト版、再販版、プロモ版では需要や流通量が全然違うため、モノによっては知らない人が腰を抜かすほど値段が違ったりする。
MTGでも近年、特殊なイラスト違いのカードに力を入れており、天野喜孝が手掛けた《戦慄衆の将軍、リリアナ》や、アンコモンながらエターナル環境でも通用するパワーカードだったうえにイラストが美少女だった《覆いを割く者、ナーセット》は特に高額で取引されている。
Z/Xはこのあたりが非常に顕著で、同じ程度の強さのカードでもイラストによって値段に大幅な差が付くことが多々ある。
特に人気イラストレーターや声優のサイン入りカード、布モノや掛軸に付属したPRカードやシークレットライブで配布された限定カードは高騰しがち。
また、コレクション要素として加工を変えたシークレット版を封入することが多いため、フルレ勢*6は日々財布と相談しながらデッキの資産価値を高めている。
なお同じレア度でも基本的には
リゲル>>>その他女子>>>越えられない壁>>>男性陣
という圧倒的格差が存在する。勿論性能や供給数などにもよるが。
さらにバトスピには「詩姫」という見た目アドに全振りした、ある意味潔いカテゴリが存在している。
基本的にゲームには直接関係が無く、シングル価格や人気の面で影響が強い要素である。
とはいえ、一部のTCGにはイラストレーター名やレアリティを参照するカードがあるため、ゲームと無関係の概念とも言い切れない。
複数のイラストやレアリティがある場合は、その辺を意識して組んでみても良いだろう。
他にも様々なアドバンテージがある。
追記はアド1、修正はアド2。
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*2 厳密に言うとIGOBするために必要なイベントカードが相手のリソースが6枚以上なければプレイできない
*3 そもそも遊戯王世界における背景設定的に、除外は第二の墓地ではなく生者が普通に存在する平行世界の異次元世界にあたる様子。墓地から死者が直接除外されまくるのはどうなんだって?...そんなことは知らん、俺の管轄外だ。
*4 遊戯王において「墓地は第二の手札」と自然と言われてることから遠回しに「第三の手札」と言っているも同然
*5 最近では種族違い同型再販の「ゆらゆらブランコ くるみ」が使われることも多い。こっちのが可愛いし
*6 フルレート勢。同じ名称・能力のカードでもより価値の高いものでデッキを組む人々
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