ボラー連邦

ページ名:ボラー連邦

登録日:2014/10/28 (火) 00:04:01
更新日:2023/12/21 Thu 13:36:10NEW!
所要時間:約 2 分で読めます



タグ一覧
宇宙戦艦ヤマト 架空の国家 星間国家 ロシア 国家 ボラー連邦 宇宙戦艦ヤマトⅲ ソビエト連邦




ボラー連邦とは『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』の登場する星間国家。


【概要】

宇宙戦艦ヤマトTVシリーズ3作目「宇宙戦艦ヤマトⅢ」に登場する銀河系をガルマン・ガミラス帝国と二分する巨大星間連邦国家。
銀河系北部領域にある大半の恒星系を支配している。


ボラー連邦の本星は極寒の惑星で、連邦の支配階層は白灰色の肌を有する人種である。
連邦と名乗ってはいるが、実質的には独裁国家であり、厳しい統制と異民族に対する支配は過酷を極め、各地に植民地や流刑惑星を有する。
作中で登場する指導者はベムラーゼ首相であるが、首相は行政を担当する官僚の長で元首の肩書とは違うことを明記する。


とはいえ、ベムラーゼは実質的な連邦の独裁者であり、本人の気分しだいで支配下の流刑惑星をミサイルで破壊するなど、ヤマトの敵支配者の中では残忍かつ冷酷非道な最低の人物として描かれ、
古代進も「あなた方のような残酷な民族は見たことがない」と糾弾していた。



23世紀初頭、銀河系中心部でデスラー総統がガルマン・ガミラス帝国を建国、銀河を二分する両国は銀河系全体を巻き込む星間戦争を始めるも、
ガルマン・ガミラスの勢いに押され、支配領域を失いつつあった。


西暦2202年、太陽系においてベムラーゼ首相は、ヤマトを餌にデスラー総統に決戦を仕掛けるが、地球人、揚羽武の特攻によりブラックホール砲の砲口を破壊され、
ハイパーデスラー砲により機動要塞ゼスバーゼもろともその命運は尽きることになる。


その後も戦争は継続していたようで、西暦2203年にはガルマン・ガミラスの大攻勢で劣勢に立たされるがその時に起きた異次元からの銀河交差により、両国は壊滅的な被害を受け休戦した。


この銀河交差の影響がかなり大きかったのか、復活篇の時代にも帝国自体は存続しているもののすっかり往時の影響力を失い没落している模様。
休戦以降は地球との国交は開かれてるらしくガミラスと共に高官が式典に参列している。



【戦略】

基本的な戦略は「質より量」の物量作戦を基本とし、艦艇の数と恒星間弾道ミサイルで押し切る戦法であるが
ガルマン・ガミラスやヤマトの前ではその戦法もあまり通用しなかった模様。


特にスカラゲック海峡星団戦ではヤマト一隻に数百隻の艦艇を有する主力艦隊が壊滅する失態を演じてしまう。
しかし、相手がヤマトでなければ話は別であり、地球各国の探査船団がボラーの襲撃を受けて消息不明に追い込まれている。
今作では銀河系で星間戦争が起きていることは地球も承知の上で探査船団を出しており、
それぞれの船団にはかなり強力な護衛艦隊がついていたにも関わらず、ヨーロッパやアフリカの船団、さらには北アメリカの船団も壊滅させられ、ヤマトによって戦艦アリゾナの無残な残骸が発見されている。
ボラーの戦力が銀河系全体で相当なものであることがわかる事実である。


他の科学技術も意外にも高く、恒星間をワープする弾道ミサイルや、デスラー砲の一斉射撃による直撃にも耐える堅固な装甲を有する「機動要塞ゼスバーゼ」
また同要塞に配備されたマイクロブラックホールを生み出す「ブラックホール砲」は連射が可能であり、デスラー砲艦隊を壊滅させるなど一定の戦果を見せた。



【主要兵器】


  • 機動要塞ゼスパーゼ

通称ブドウ要塞と呼ばれるほど、球体を寄せ集めて構築された、それっぽい姿をした宇宙要塞。
デスラー砲をはじくほどの装甲と、ヤマトでさえ身動きがとれなくなってしまうブラックホール砲でデスラー艦隊を壊滅に追いやった。


  • 戦艦

AタイプとBタイプが存在する。どちらもずんぐりむっくりで紫単色で見分けにくいが、艦首が尖っているか平坦かで見分けられる。
共通して武装は全て格納式であり、左右への旋回機能を持たない。
Bタイプには舷側にも格納式砲があるがAタイプは主砲が前方にしか射界がない代わりに対空砲を備え、艦首にはボラー砲という大型砲を持つ。
その武装故に艦隊を組んで火力を集中する戦法を得意とする。というか、それしかできない。
Bタイプには惑星破壊ミサイルを搭載したものもあり、バース星を吹き飛ばしてしまった。


  • 大型空母

艦首にスリット型の艦載機発進口を備え、格納式ビーム砲を備えた実質の戦闘空母。
というか戦艦Aよりも火力が高く、砲撃戦のシーンしかない。
暗黒星団のプレアデス級に似るが、性能は大幅に劣る。


  • 戦闘空母

こちらも戦闘空母。
名前の割りに大型空母よりも武装が少ないが、こっちは艦載機を運用するシーンが描かれた。
艦底部には上陸艇の収容部があり、大型空母に比べて揚陸艦としての側面を持つ。


  • デストロイヤー艦

いわゆるミサイル艦。スペース・ロックという誘導ミサイルを搭載しており弾幕を張って攻撃する。
駆逐艦であるが防御力は意外に固く、ヤマトの攻撃にもある程度は耐え、コスモタイガーの攻撃くらいではびくともしない。


  • ラジェンドラ号

バース星艦隊旗艦で、ラム艦長の乗艦。
なぜかほかのボラー艦より格段にタフ。


  • ハーキンス艦

第8親衛打撃艦隊司令ハーキンス中将の座乗艦。
潜水艦のような艦体の下部に円盤状の構造部を持つ。
ボラー砲2門に格納式砲塔6基、ミサイル発射管30門というかなりの重武装を持つ。


  • バルコム艦

ボラー連邦の第1主力艦隊司令官バルコム提督の座乗艦。
分類は戦艦だが武装は控えめな代わりに艦載機運用能力を持ち、実質的な空母である。
旗艦型艦艇の中では唯一量産されている。


  • ゴルサコフ艦

参謀総長ゴルサコフの座乗艦。
こちらも戦艦と空母の両方の特性を持つが、バルコム艦よりも強力な武装を持つ。
しかし、劇中ではその戦力を全く発揮することなく艦隊諸共ハイパーデスラー砲で消し飛ばされた。


  • ベムラーゼ艦

ベムラーゼ首相の座乗艦。
アニメ版での出番は短く、戦闘に参加しなかったので性能などは不明だったが、漫画版ではガイデル提督の機動要塞(アニメ版でヤマトを捕らえたアレ)を撃破する強力な戦闘能力を見せた。


  • ワープミサイル

ボラー連邦内からワープを使って一気にガルマン本星を攻撃できるボラーの新兵器。
通常弾頭の多弾頭型と惑星破壊ミサイル型があり、多弾頭型で防空力を弱めた後に惑星破壊型を送り込む戦法をとる。
地味にヤマトシリーズどころか大半のSF作品を成り立たなくさせるチート兵器である。




【主要人物】


  • ベムラーゼ cv.滝口順平 《連邦首相》

ボラー連邦を実質的に支配下に置く独裁者。
小太りでガマガエル顔と典型的な悪党面で、シリーズ中トップクラスの恐怖政治を敷き、恐れられている。
しかしガルマン・ガミラスの登場までは銀河系のほとんどを支配下に置く勢力を持っており、有事の際にはためらわず本国艦隊を出動させるなど無能ではない。


最後は自ら軌道要塞ゼスパーゼを用いてデスラーに勝負を挑むが、
「君のお葬式は何宗で出せばよいのかね?」
と、問われ激昂。ブラックホール砲でデスラー艦隊をほぼ壊滅させるおしおきだべー
だが、揚羽がブラックホール砲に特攻したことで要塞の防御が破れ、そこにハイパーデスラー砲を受けて爆死した。


ゴルザコフ  参謀総長
バルコム   本国第一主力艦隊司令官
ハーキンス  第8親衛打撃艦隊司令官
ボローズ   バース星総督
レバルス   バース星警備隊長
ラム     ラジェンドラ号艦長



【補足】

主要人物の名前やスラブ音楽からもわかるようにモチーフはソビエト連邦。
ガルマン・ガミラスとの星間戦争は、放送当時の冷戦構造を反映したものとなっている。
準備項時はベムラーゼの名前はベムーリンとなっていたことからも意識のほうがわかる。
さらにヤマト3が放送短縮にならなかった場合はアメリカがモチーフのゼニー合衆国という星間国家が登場していたそうであり、作風がかなり露骨になったことは間違いないだろう。





リメイクアニメ版

リメイクアニメシリーズでは『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』から登場。
詳しい国家の概要は不明だが、少なくとも服装などはよりロシア……というかソ連みが強いものになっている。


リメイク前と同じくガルマン星を支配してガルマン人を奴隷化していたが、今回はリモコン一つで猛毒を流せる首輪*1を付けさせて服従させる、協会の女神像の目を破壊する等、かなり悪辣な国家として描かれている。


ガミラス人の移住先を探していたデスラーとの交渉が決裂した瞬間に奇襲を受けて駐留艦隊は壊滅、ガルマン星から追い出されてしまった。


今回はあくまで顔見せ程度の登場なので、詳細な設定などは明かされておらず、デスラーのかませ犬以上の存在ではなかった。
ただし超大国には変わりないため、ガミラスとの防衛協定による星間戦争を避けたい地球側にとってはかなり厄介な存在として扱われている。



また、『宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』で描かれた地球の前史において、第一次内惑星戦争時に火星側が投入した宇宙艦隊が「大昔に火星に漂着していた異星文明の宇宙戦艦を解析して建造された」と噂で語られていたことが語られたが、その宇宙戦艦の正体こそボラー連邦の船*2であり、火星、ひいては地球の宇宙船関連技術のルーツであることが示唆されている。



【主要人物】


  • ヴィルキ・ボローズ cv.滝知史

「ボラー連邦永久管理機構」なる組織から派遣されたガルマン星総督。
ガルマン星の譲渡と友好を「申し出た」デスラーに奴隷としての服従を「命令」した結果、駐留艦隊を全滅させられた挙げ句ガルマン星を追い出された。
ついでに部下を射殺されて肩も撃たれた駐留艦隊をことごとく殲滅させられたよりかはマシだが


  • チェフ・レバルス cv.丸山壮史

ボローズの秘書官。
上司の威を借る典型的な小物。



【主要兵器】

2205の時点ではガミラスに一方的に撃破されるだけのチョイ役で、設定も名称も明かされていない。
全体的に重武装化したものの相変わらず兵装は格納式だが、ボラー砲が標準装備となり、砲の旋回は可能となった。(当たるとは言っていない)
これに関しては「星間物質が濃密な空間を移動することが多いため」と推察されている。


  • ボラー戦艦A型

旧シリーズにおける戦艦Aタイプ。
デザインは大きく変更され、どちらかといえば旧戦艦Bタイプに近い。
内惑星戦争以前に火星で発見されたという異星文明の宇宙船の残骸はこれに近い姿をしていたので、恐らく同じ系統の艦だったと思われる。


  • ボラー戦艦B型

旧シリーズにおける戦艦Bタイプ。
こちらもデザインが大きく変更され、どことなくゴルサコフ艦っぽい。


  • ボラー航宙母艦

旧シリーズでいう大型空母。
スマートな形状になったがデザイン自体はあまり変化がない。
ガルマン星駐留艦隊の旗艦だったのか、デスラーとボローズの会見が行われた大聖堂の上空に待機していたが、デスラー艦隊の奇襲によって駐留艦隊は壊滅。
航宙空母は破壊されずに残され、ボラー人を乗せてガルマン星から追い出された。







追記・修正をお願いします。


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,5)

[#include(name=テンプレ3)]


  • 何とか立てる事ができました。ご迷惑おかけしてすいません -- 名無しさん (2014-11-12 01:04:46)
  • 惑星破壊型ワープミサイルって宇宙戦争の概念そのものをぶち壊しそうな気がする -- 名無しさん (2014-11-25 20:31:08)
  • 揚羽武の特攻→加藤の「揚羽・・・揚羽ぁぁぁぁ」の絶叫は今でも覚えている。BGMも相まって -- 名無しさん (2015-06-08 22:26:56)
  • ↑2おおむねのSF作品が成り立たなくなるな。ヤン・ウェンリーも「ボタン戦争の再来だね」と自嘲して辞表を出すだろう -- 名無しさん (2016-12-22 19:58:16)
  • 北アメリカやヨーロッパの探査船団はボラーに全滅させられたそうだけど、ボラーの正面攻撃戦法は波動砲のいい的だろうに逆によく負けられたなと思うよ -- 名無しさん (2017-07-04 07:33:23)
  • ベムラーゼ「おしおきだべー」 -- 名無しさん (2017-10-09 21:55:29)
  • もし、3も2199シリーズでリメイクされたら、ボラーがどう改変されるか気になる。今のロシア(旧ソ連)の大統領は、あの強者のプーチン氏だし。 -- 名無しさん (2017-10-10 07:36:52)
  • ↑3 波動砲はチャージに時間かかるだろうし、チャージしている間に、一斉砲火くらって殲滅されたんじゃなかろうか。 -- 名無しさん (2018-02-20 09:18:23)
  • 最終回だが、ベムラーゼはどうやってヤマトが太陽系に戻ったことを知ったんだろうか?前話でボラー艦隊は壊滅してるからハイドロコスモジェン砲をもらったことを知らないはずだし次元トンネルを通っているヤマトを補足できるとは思えないが -- 名無しさん (2018-04-28 00:03:29)
  • ↑ヤマトが地球の危機に際し、第二の地球探しに出てることはわかってるから、『連中が第二の地球を見つけたにしろダメだったにしろ、報告のために地球に戻るはず』と見越して、戻ってきたかどうかを探る網を張っていたんじゃない? -- 名無しさん (2018-08-12 18:31:27)
  • 「ヤマトの敵支配者の中では残忍かつ冷酷非道な最低の人物」とあるが、ラジェンドラ号の件で感謝の意を示したり、ドンパチ無しで「お前ら、俺の臣下な(意訳)」と言ってきたり、実はガミラス・ガトランティス・デザリアムといった問答無用で地球に侵略しようとした元首の皆さまとは一線を画すお人 -- 名無しさん (2019-03-11 23:23:27)
  • リメイクされたら美人な女性兵士も出てきそう。んでリメイク版ベムラーゼはその美人なボラー人を秘書にして侍らせてるとか… -- 名無しさん (2021-01-10 19:30:28)
  • 2205で暗黒星団共々出るっぽいけどまさかボラーVS暗黒星団の夢の対決になったり? -- 名無しさん (2021-08-09 15:09:49)
  • 砲塔が回るようになったよ!やったねボラーちゃん! -- 名無しさん (2021-10-01 19:13:26)
  • ベムラーゼ/ベムーリンはともかく「ゼニー合衆国」はマズいだろう……銭的な意味で。 -- 名無しさん (2021-10-01 21:53:38)
  • ベムラーゼ首相は30分前にはタイムパトロール隊の長官を演じてた。 -- 名無しさん (2021-10-03 21:32:50)
  • ↑4 その美人秘書:CV上坂すみれ -- 名無しさん (2021-11-06 01:47:29)
  • 怪獣ベムラーが名前の元ネタ?そう言えば中の人は「ザ・ウルトラマン」でピグモン型ロボットを演じてたな。 -- 名無しさん (2021-12-04 04:08:18)
  • リメイク世界でも2205でついに直接登場したし地球艦艇の技術の元ネタの元ネタという話が膨らみそうな後付け設定も貰えたけど、次回が3199って事はⅢ相当は作られずこれ以上の登場は無いんだろうか… -- 名無しさん (2022-02-06 21:38:09)
  • ワープミサイル、ガンダムの「宇宙に地球と一定の相対位置を保ったまま定住できる宇宙都市を何十機も建造し移住できる未来なら核ミサイルで決着着くんじゃね?」というミノフスキー粒子誕生の逆を見事に行っちゃったわけか……w一番怖いのはむしろ「敵の母星そのものを滅ぼせるほど強大無比の一撃を発射阻止すら以前に発射計画の察知すら不可能な安全な遠方から、いきなり任意の目標に迎撃すら困難なほど間近に唐突に出現させられる」のに「なんとか母星壊滅モノの脅威の襲来を迅速に察知し迎撃を開始できても数を水増しし撹乱してくる囮まで連れてくる」ところにあると思う -- 名無しさん (2022-02-06 22:20:30)
  • ↑書いてみて思ったけど宇宙世紀世界でワープミサイルに近いことが本当にギリギリで成立しかけた「神の雷計画」って本当に規格外のヤベエ計画だったんだな…… -- 名無しさん (2022-02-06 22:26:29)
  • ↑確かにそうかも。ただ、シンヴァツは狙える時が限られているみたい(木星と地球の間に他の惑星が割り込んでいたら使えないだろうし)だから、そこはいつでも撃つことのできるワープミサイルのほうが上かな……。あ、とはいえ、ワープミサイルは実体弾だから撃ち落とされる可能性もあるんだよなぁ。実際3では撃ち落とされてたし。 -- 名無しさん (2022-02-07 10:34:37)
  • プーチンよりは有能なベムラーゼ同志 -- 名無しさん (2022-03-03 12:30:52)
  • 毎回合議制なのアピールしては本音駄々洩れになる一発芸人の鏡 -- 名無しさん (2022-03-05 00:05:43)

#comment

*1 作中では配給の列から脱走した民間人を一名殺害させるだけで終わったが、無論過去には相当数殺害されており、装着を断ったデスラーに対する反応から装着を断った者も殺害されている可能性が高い
*2 劇中では証拠が消されたという体で出所は明かされなかったが、パンフレットの記述で確定した。

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧