ドームと外界

ページ名:ドームと外界

”ドーム”

 魔法文明時代の物と推測される都市型遺跡。地表部分は材質不明の超高度の半円形の天蓋によって覆われているが、街に八本存在する”水晶の塔”と呼ばれる建造物から漏れ出る光によって明るさが保たれている。”水晶の塔”の生み出す明るさは常時ではなく、時間とともにその強弱が変動するが、これは時間と連動していると推測されている。塔は天蓋を貫いて外に伸びており、ドーム外の空を覆う”霧の渦”を貫いてはるか上空まで伸びているため、何らかの機構によって太陽の光を取り込み、それを”ドーム”の内部に伝えているのではないかと推測されている。この”水晶の塔”の破壊については何度か試みられてきたが、現時点で最も破壊力のある物を用いても傷一つつかないことが確認されている。

 ドームの表層部分はかつて、魔法文明時代後期の意匠の美しい街並みがあったと伝えられているが、長い戦乱の果てに”水晶の塔”及び”封魔の尖塔”を除いてすべて破壊され、現在ある街並みは、”講和の儀”以後に建築されたものである。

 ドームは地下に広大な空間を持つ多層型遺跡と考えられている。現在では魔剣の迷宮と化しており、地下5層まで探索が完了している。これまでのところ、下層へと続く広間には魔剣が存在し、それは深くなるにつれて強力になっているため、最下層には祭器相当のものがあるのではと考えられている。

 ドームの広さは70ヘクタール程で、現在の人口は人族と蛮族を合わせて3万人程とされている。人口比率では蛮族の方が7:3で多く、これはオーガやゴブリン、コボルド等が多産傾向にあり、また、出産環境が多少悪くても、問題とならないからである。ただし、産業については、生活を維持するための生産活動に従事しているのは8割が人族であり、蛮族のほとんどは都市遺跡の探査や、ドーム外の探査に参加している。

 

”ドームの外”

 凶暴な魔獣(変異した動物、植物、幻獣の総称)と過酷な自然に囲まれている。特異体と呼称される特に強力な魔獣は、かつて蛮族の軍隊を率いていた将すら食い殺し、蛮族軍の統制を乱したとの記録が残っている。

 現在は、定期的に開拓団が出され、あまたの犠牲を出しながらも、都市の住居を拡張するために必要な資材を収集している。一部の開拓団はその多くが罪人から構成されている。その成功は罪の特赦と、その他の恩賞を保証されているため、参加資格に罪の軽重を問わないことから、志願する者も少なくない。

 ドームの外の空は常に、”霧の渦”と呼ばれる雲海によって覆われており、薄暗い。”霧の渦”についてはその詳細は不明で、少なくとも、この”霧の渦”へ突入したものは誰一人として帰ってきていない。そう、死体すらも……


 

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